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[linuxjm/LDP_man-pages.git] / draft / man5 / nsswitch.conf.5
1 .\" Copyright (c) 1998, 1999 Thorsten Kukuk (kukuk@vt.uni-paderborn.de)
2 .\" Copyright (c) 2011, Mark R. Bannister <cambridge@users.sourceforge.net>
3 .\"
4 .\" This is free documentation; you can redistribute it and/or
5 .\" modify it under the terms of the GNU General Public License as
6 .\" published by the Free Software Foundation; either version 2 of
7 .\" the License, or (at your option) any later version.
8 .\"
9 .\" The GNU General Public License's references to "object code"
10 .\" and "executables" are to be interpreted as the output of any
11 .\" document formatting or typesetting system, including
12 .\" intermediate and printed output.
13 .\"
14 .\" This manual is distributed in the hope that it will be useful,
15 .\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of
16 .\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.  See the
17 .\" GNU General Public License for more details.
18 .\"
19 .\" You should have received a copy of the GNU General Public
20 .\" License along with this manual; if not, write to the Free
21 .\" Software Foundation, Inc., 59 Temple Place, Suite 330, Boston,
22 .\" MA 02111, USA.
23 .\"
24 .\"*******************************************************************
25 .\"
26 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
27 .\"
28 .\"*******************************************************************
29 .TH NSSWITCH.CONF 5 2012\-04\-14 Linux "Linux Programmer's Manual"
30 .SH 名前
31 nsswitch.conf \- ネームサービススイッチの設定ファイル
32 .SH 説明
33 ネームサービススイッチ (Name Service Switch; NSS) の設定ファイル
34 \fI/etc/nsswitch.conf\fP は、 GNU C ライブラリが
35 いろいろなカテゴリの名前サービス情報を、どの情報源から
36 どの順序で取得するかを判断するのに使用される
37 (情報の各カテゴリはデータベース名で識別される)。
38 .LP
39 設定ファイルは通常の ASCII テキストで、列はスペースかタブ文字で
40 区切られる。最初の列はデータベース名を示す。
41 残りの列は、情報を問い合わせる情報源の順序と、
42 検索結果に対して実行するアクションを規定する。
43 .LP
44 GNU C ライブラリでは以下のデータベースを扱うことができる。
45 .TP  12
46 \fBaliases\fP
47 メールのエイリアス。 \fBgetaliasent\fP(3) や関連する関数が使用する。
48 .TP 
49 \fBethers\fP
50 イーサーネット番号。
51 .TP 
52 \fBgroup\fP
53 ユーザーのグループ。 \fBgetgrent\fP(3) や関連する関数が使用する。
54 .TP 
55 \fBhosts\fP
56 ホスト名とホスト番号。 \fBgethostbyname\fP(3) や関連する関数が使用する。
57 .TP 
58 \fBnetgroup\fP
59 ネットワークワイドに用いられるホストやユーザーのリスト。アクセス制限に利用
60 される。 glibc 2.1 より前の C ライブラリは、 NIS による netgroup のみを
61 サポートしていた。
62 .TP 
63 \fBnetworks\fP
64 ネットワーク名と番号。 \fBgetnetent\fP(3) と関連する関数が使用する。
65 .TP 
66 \fBpasswd\fP
67 ユーザーパスワード。 \fBgetpwent\fP(3) や関連する関数が使用する。
68 .TP 
69 \fBprotocols\fP
70 ネットワークプロトコル。 \fBgetprotoent\fP(3) や関連する関数が使用する。
71 .TP 
72 \fBpublickey\fP
73 NIS+ と NFS によって用いられる secure_rpc の公開鍵と秘密鍵。
74 .TP 
75 \fBrpc\fP
76 リモート手続き呼び出し (remote procedure call) の名前と番号。
77 \fBgetrpcbyname\fP(3) と関連する関数が使用する。
78 .TP 
79 \fBservices\fP
80 ネットワークサービス。 \fBgetservent\fP(3) や関連する関数が使用する。
81 .TP 
82 \fBshadow\fP
83 シャドウユーザーパスワード。 \fBgetspnam\fP(3) や関連する関数が使用する。
84 .LP
85 以下は \fI/etc/nsswitch.conf\fP ファイルの例である。
86 .LP
87 .RS 4
88 .PD 0
89 .TP  16
90 passwd:
91 compat
92 .TP 
93 group:
94 compat
95 .TP 
96 shadow:
97 compat
98 .sp 1n
99 .TP 
100 hosts:
101 dns [!UNAVAIL=return] files
102 .TP 
103 networks:
104 nis [NOTFOUND=return] files
105 .TP 
106 ethers:
107 nis [NOTFOUND=return] files
108 .TP 
109 protocols:
110 nis [NOTFOUND=return] files
111 .TP 
112 rpc:
113 nis [NOTFOUND=return] files
114 .TP 
115 services:
116 nis [NOTFOUND=return] files
117 .PD
118 .RE
119 .LP
120 最初の列はデータベース名である。
121 残りの列で以下を指定する。
122 .IP * 3
123 1 個以上のサービス指定 (例: "files", "db", "nis")。この行に記載された
124 サービスの順序で、結果が得られるまで、指定されたサービスに対する
125 問い合わせが順番に行われる。
126 .IP *
127 特定の結果が直前のサービスで得られた場合に実行されるアクション
128 (例: "[NOTFOUND=return]")。アクションは省略可能である。
129 .RE
130 .LP
131 利用しているシステムでどのサービス指定が利用できるかは、共有ライブラリ
132 があるかどうかに依存しており、そのためサービス指定は拡張できるように
133 なっている。\fI/lib/libnss_SERVICE.so.\fP\fBX\fP という名前のライブラリが
134 \fISERVICE\fP という名前のサービスを提供する。標準のインストールを行った
135 場合、"files", "db", "nis", "nisplus" が利用できる。
136 データベース \fBhosts\fP の場合には、追加で "dns" も指定できる。
137 データベース \fBpasswd\fP, \fBgroup\fP, \fBshadow\fP の場合には、追加で
138 "compat" (下記の \fB互換モード\fP を参照)。バージョン番号 \fBX\fP は、
139 glibc 2.0 の場合は 1、glibc 2.1 の場合は 2 で、それ以降も同様である。
140 追加のライブラリがインストールされているシステムでは、"hesiod",
141 "ldap", "winbind", "wins" などの追加のサービスが利用できる。
142 .LP
143 サービス指定の次にアクションを指定することもできる。アクションを
144 使うと、直前のデータ源から結果が得られた後の動作を変更できる。
145 アクション指定は、一般的には以下の形式となる。
146 .LP
147 .RS 4
148 [\fISTATUS\fP=\fIACTION\fP]
149 .br
150 [!\fISTATUS\fP=\fIACTION\fP]
151 .RE
152 .LP
153 STATUS と ACTION はそれぞれ以下の値を取る。
154 .LP
155 .RS 4
156 \fISTATUS\fP => \fBsuccess\fP | \fBnotfound\fP | \fBunavail\fP | \fBtryagain\fP
157 .br
158 \fIACTION\fP => \fBreturn\fP | \fBcontinue\fP
159 .RE
160 .LP
161 ! はテスト結果を反転させる。
162 つまり、指定された以外の全ての結果にマッチする。
163 キーワードの大文字、小文字は無視される。
164 .LP
165 \fISTATUS\fP は、直前のサービス指定で呼び出しされた検索処理の結果に
166 対して照合が行われる。 \fISTATUS\fP には以下のいずれかを指定できる。
167 .RS 4
168 .TP  12
169 \fBsuccess\fP
170 エラーは発生せず、要求されたエントリが返された。
171 この場合のデフォルトのアクションは "return" である。
172 .TP 
173 \fBnotfound\fP
174 検索は成功したが、要求されたエントリが見つからなかった。
175 この場合のデフォルトのアクションは "continue" である。
176 .TP 
177 \fBunavail\fP
178 サービスが永続的に利用できない。
179 必要なファイルを読み込むことができない、
180 ネットワークサービスの場合には、サーバが利用できないとか、
181 サーバが問い合わせを許可していない、などが考えられる。
182 この場合のデフォルトのアクションは "continue" である。
183 .TP 
184 \fBtryagain\fP
185 サービスが一時的に利用できない。
186 ファイルがロックされている、サーバがこれ以上接続を受け付けることができない、
187 などが考えられる。デフォル トのアクションは "continue" である。
188 .RE
189 .LP
190 \fIACTION\fP には以下のいずれかを指定できる。
191 .RS 4
192 .TP  12
193 \fBreturn\fP
194 この時点で結果を返す。これ以上の検索処理は行われない。
195 .TP 
196 \fBcontinue\fP
197 次の検索処理を呼び出す。
198 .RE
199 .SS "互換モード (compat)"
200 NSS "compat" サービスは "files" と似ているが、システムにアクセスできる
201 ユーザやネットグループ (netgroup) のメンバの指定に \fI/etc/passwd\fP で
202 特別なエントリを追加で使うことができる点が異なる。
203 このモードでは、以下のエントリを使うことができる。
204 .RS 4
205 .TP  12
206 \fB+\fP\fIuser\fP
207 NIS パスワードマップの指定された \fIuser\fP を含める。
208 .TP 
209 \fB+@\fP\fInetgroup\fP
210 指定された \fInetgroup\fP の全ユーザを含める。
211 .TP 
212 \fB\-\fP\fIuser\fP
213 NIS パスワードマップの指定された \fIuser\fP を除外する。
214 .TP 
215 \fB\-@\fP\fInetgroup\fP
216 指定された \fInetgroup\fP の全ユーザを除外する。
217 .TP 
218 \fB+\fP
219 NIS パスワードマップのユーザのうち、
220 それまでに除外されていない全てのユーザを含める。
221 .RE
222 .LP
223 デフォルトでは、データ源は "nis" だが、
224 擬似データベース \fBpasswd_compat\fP, \fBgroup_compat\fP, \fBshadow_compat\fP
225 ではデータ源として "nisplus" を指定することもできる。
226 .SH ファイル
227 \fISERVICE\fP という名前のサービスは \fIlibnss_SERVICE.so.\fP\fBX\fP という
228 名前の共有オブジェクトライブラリで実装されている。
229 これは \fI/lib\fP に置かれる。
230 .RS 4
231 .TP  25
232 .PD 0
233 \fI/etc/nsswitch.conf\fP
234 NSS の設定ファイル。
235 .TP 
236 \fI/lib/libnss_compat.so.\fP\fBX\fP
237 "compat" ソースを実装したもの。
238 .TP 
239 \fI/lib/libnss_db.so.\fP\fBX\fP
240 "db" ソースを実装したもの。
241 .TP 
242 \fI/lib/libnss_dns.so.\fP\fBX\fP
243 "dns" ソースを実装したもの。
244 .TP 
245 \fI/lib/libnss_files.so.\fP\fBX\fP
246 "files" ソースを実装したもの。
247 .TP 
248 \fI/lib/libnss_hesiod.so.\fP\fBX\fP
249 "hesoid" ソースを実装したもの。
250 .TP 
251 \fI/lib/libnss_nis.so.\fP\fBX\fP
252 "nis" ソースを実装したもの。
253 .TP 
254 \fI/lib/libnss_nisplus.so.\fP\fBX\fP
255 "nisplus" ソースを実装したもの。
256 .PD
257 .RE
258 .SH 注意
259 \fInsswitch.conf\fP を利用するプロセスは、ファイルは一度しか読み込まない。
260 その後で nsswitch.conf が書き換えられても、そのプロセスは古い設定のままで
261 動作を継続する。
262 .LP
263 伝統的には、サービス情報の情報源は一つだけであり、
264 その設定ファイルの形式も一つであった (例えば \fI/etc/passwd\fP)。
265 一方で、 Network Information Service (NIS) や Domain Name Service
266 (DNS) などの他の名前サービスが一般的になるに連れて、C ライブラリに埋め
267 込まれた固定順序ではなく、検索順序を柔軟に指定する方法が必要になった。
268 ネームサービススイッチ機構は、この問題に対するよりきれいな解決方法と
269 なっている。ネームサービススイッチ機構は、 Sun Microsystems が
270 Solaris 2 の C ライブラリで使った機構が基になっている。
271 .SH 関連項目
272 \fBgetent\fP(1), \fBnss\fP(5)
273 .SH この文書について
274 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.41 の一部
275 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
276 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。