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GNU_tar: update the tar manpage to 1.32.
[linuxjm/jm.git] / manual / GNU_tar / release / man1 / tar.1
1 .\" This file is part of GNU tar. -*- nroff -*-
2 .\" Copyright 2013-2019 Free Software Foundation, Inc.
3 .\"
4 .\" GNU tar is free software; you can redistribute it and/or modify
5 .\" it under the terms of the GNU General Public License as published by
6 .\" the Free Software Foundation; either version 3 of the License, or
7 .\" (at your option) any later version.
8 .\"
9 .\" GNU tar is distributed in the hope that it will be useful,
10 .\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of
11 .\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.  See the
12 .\" GNU General Public License for more details.
13 .\"
14 .\" You should have received a copy of the GNU General Public License
15 .\" along with this program.  If not, see <http://www.gnu.org/licenses/>.
16 .\"*******************************************************************
17 .\"
18 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
19 .\"
20 .\"*******************************************************************
21 .\"
22 .\" Japanese Version Copyright (c) 1997 Atsushi Yamagata,
23 .\"   and 2020 Yuichi Sato and Yoichi Chonan,
24 .\"         all rights reserved.
25 .\" 1997/09/17 Atsushi Yamagata <yamagata@jwu.ac.jp>
26 .\" Updated and modified (tar-1.32) Wed Feb 26 18:15:15 JST 2020
27 .\"         by Yuichi SATO <ysato444@ybb.ne.jp>
28 .\"         and Yoichi Chonan <cyoichi@maple.ocn.ne.jp>
29 .\"
30 .TH TAR 1 "February 4, 2019" TAR "GNU TAR Manual"
31 .SH 名前
32 tar \- アーカイブユーティリティ
33 .SH 書式
34 .SS 伝統的な使用法
35 \fBtar\fP {\fBA\fP|\fBc\fP|\fBd\fP|\fBr\fP|\fBt\fP|\fBu\fP|\fBx\fP}[\fBGnSkUWOmpsMBiajJzZhPlRvwo\fP]
36 [\fIARG\fP...]
37 .SS "UNIX スタイルの使用法"
38 .sp
39 \fBtar\fP \fB\-A\fP [\fIOPTIONS\fP] \fIARCHIVE\fP \fIARCHIVE\fP
40 .sp
41 \fBtar\fP \fB\-c\fP [\fB\-f\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fIFILE\fP...]
42 .sp
43 \fBtar\fP \fB\-d\fP [\fB\-f\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fIFILE\fP...]
44 .sp
45 \fBtar\fP \fB\-t\fP [\fB\-f\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fIMEMBER\fP...]
46 .sp
47 \fBtar\fP \fB\-r\fP [\fB\-f\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fIFILE\fP...]
48 .sp
49 \fBtar\fP \fB\-u\fP [\fB\-f\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fIFILE\fP...]
50 .sp
51 \fBtar\fP \fB\-x\fP [\fB\-f\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fIMEMBER\fP...]
52 .SS "GNU スタイルの使用法"
53 .sp
54 \fBtar\fP {\fB\-\-catenate\fP|\fB\-\-concatenate\fP} [\fIOPTIONS\fP] \fIARCHIVE\fP \fIARCHIVE\fP
55 .sp
56 \fBtar\fP \fB\-\-create\fP [\fB\-\-file\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fIFILE\fP...]
57 .sp
58 \fBtar\fP {\fB\-\-diff\fP|\fB\-\-compare\fP} [\fB\-\-file\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP]
59 [\fIFILE\fP...]
60 .sp
61 \fBtar\fP \fB\-\-delete\fP [\fB\-\-file\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fIMEMBER\fP...]
62 .sp
63 \fBtar\fP \fB\-\-append\fP [\fB\-f\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fIFILE\fP...]
64 .sp
65 \fBtar\fP \fB\-\-list\fP [\fB\-f\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fIMEMBER\fP...]
66 .sp
67 \fBtar\fP \fB\-\-test\-label\fP [\fB\-\-file\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fILABEL\fP...]
68 .sp
69 \fBtar\fP \fB\-\-update\fP [\fB\-\-file\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fIFILE\fP...]
70 .sp
71 \fBtar\fP \fB\-\-update\fP [\fB\-f\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP] [\fIFILE\fP...]
72 .sp
73 \fBtar\fP {\fB\-\-extract\fP|\fB\-\-get\fP} [\fB\-f\fP \fIARCHIVE\fP] [\fIOPTIONS\fP]
74 [\fIMEMBER\fP...]
75 .SH 注記
76 この man ページは GNU \fBtar\fP の簡単な説明である。 使用例や推奨される使い方を含む詳しい議論については、texinfo 形式の
77 \fBGNU Tar Manual\fP をご覧になっていただきたい。\fBinfo\fP リーダーと tar
78 関連文書が御使用のシステムに正しくインストールされているなら、コマンド
79 .PP
80 .RS +4
81 \fBinfo tar\fP
82 .RE
83 .PP
84 で詳細なマニュアルが読めるはずである。
85 .PP
86 詳細なマニュアルは、 \fBemacs\fP(1)  の info モードでも閲覧することができる。
87 また、下記のサイトに行けば、様々な形式にした詳細マニュアルのオンライン版を見つけることができる。
88 .PP
89 .RS +4
90 \fBhttp://www.gnu.org/software/tar/manual\fP
91 .RE
92 .PP
93 この man ページと \fBGNU Tar Manual\fP の内容に食い違いがある場合は、後者の方が信頼できる情報源である。
94 .SH 説明
95 GNU \fBtar\fP は、アーカイブプログラムである。アーカイブプログラムとは、複数のファイルを 1 個のファイル (\fBアーカイブ\fP) に格納したり、
96 そうしたアーカイブを操作したりするためのプログラムだ。 アーカイブは、通常ファイルであってもよく、デバイスであってもよい
97 (後者の一例がテープドライブであり、このプログラムの名前は、そこから来ている。 すなわち、\fBt\fPape \fBar\fPchiver ということだ)。
98 そうしたファイルやデバイスは、ローカルマシンにあってもよく、 リモートマシンにあってもよい。
99 .PP
100
101 .SS オプション形式
102 GNU \fBtar\fP のオプションは、3 つの異なる形式で指定できる。\fB伝統的なスタイル\fP
103 では、最初の引き数は、オプション文字の集まりであり、それに続くすべての引き数は、
104 そうしたオプションが引き数を要求する場合に、その引き数になる。
105 なお、そうした引き数は、オプション文字と同じ順番で読み込まれる。
106 すべてのオプションの処理が終わった後で、コマンドラインに残っている単語があれば、
107 それは、オプションの引き数ではない引き数として扱われる。
108 すなわち、ファイルやアーカイブメンバーの名前である。
109 .PP
110 たとえば、\fBc\fP オプションは、アーカイブの作成を指示し、\fBv\fP オプションは、
111 やっていることを表示するように要求し、\fBf\fP オプションは、
112 操作対象のアーカイブ名を引き数に取る。
113 伝統的なスタイルで書かれた次のコマンドは、ディレクトリ \fB/etc\fP
114 のすべてのファイルをアーカイブファイル \fBetc.tar\fP
115 に格納し、どんなファイルをアーカイブに入れたか、詳しいリストを表示せよと
116 tar に命じている。
117 .PP
118 .EX
119 \fBtar cfv etc.tar /etc\fP
120 .EE
121 .PP
122 \fBUNIX スタイル\fP、すなわち\fB短いオプション形式\fPでは、
123 他のコマンドラインユーティリティと同様に、各オプション文字には、
124 1 個のダッシュがその前に付く。オプションが引き数を取る場合は、引き数はその後に続く。
125 引き数は、コマンドライン上の独立した単語としてオプションとの間にスペースを置いて指定してもよく、
126 スペースを挟まずオプションに直接続けてもよい。ただし、オプションの引き数が\fB任意である\fP
127 (訳注: あることも、ないこともある) 場合は、その引き数は \fB\-g/tmp/snar.db\fP
128 のように、オプション文字の後にスペースなしで続けなければならない。
129 .PP
130 引き数をとらないオプションは、1 個のダッシュの後に何個でもまとめて指定できる。 たとえば、\fB\-vkp\fP のようにだ。引き数を
131 (必須であれ任意であれ)  取るオプションがあったら、ひとつにまとめたオプションの最後に置けばよい。 \fB\-vkpf a.tar\fP がその一例である。
132 .PP
133 上で例示したコマンドは、 \fB短いオプション形式\fPで書けば、以下のようになるだろう。
134 .PP
135 .EX
136 \fBtar \-cvf etc.tar /etc\fP
137 または、
138 \fBtar \-c \-v \-f etc.tar /etc\fP
139 .EE
140 .PP
141 \fBGNU スタイル\fP、すなわち\fB長いオプション形式\fPでは、 各オプションは、2 個のダッシュに続く意味を持った名前であり、
142 小文字とダッシュから構成されている。使用に当たって、長いオプションは、
143 曖昧さを生じないかぎり、最初の数文字に短縮できる。長いオプションに対する引き数は、 そのオプションの直後にコマンドライン上の独立した単語として (訳注:
144 すなわち、間にスペースを置いて) 指定するか、あるいは、オプションとの間を等号 (=) で区切り、等号の前後にはスペースを入れずに指定する。
145 指定するかしないかが任意の引き数では、必ず後者の書式を使わなければならない。
146 .PP
147 上記のコマンド例をこの形式で書くには、次のようないくつかの方法がある。
148 .PP
149 .EX
150 \fBtar \-\-create \-\-file etc.tar \-\-verbose /etc\fP
151 .EE
152 または (オプションをいくつか短縮して)、
153 .EX
154 \fBtar \-\-cre \-\-file=etc.tar \-\-verb /etc\fP
155 .EE
156 .IP "[\fB訳注\fP]:" 8
157 二番目の用例は、失敗すると思う。現在では、\fB\-\-verbose\fP のほかに 
158 \fB\-\-verbatim\-files\-from\fP というオプションもあるので、
159 \fB\-\-verb\fP では曖昧になってしまうのだ。
160 .PP
161 オプションは、3 種の形式すべてを混ぜて使うことができるが、 伝統的なオプションを混ぜて使うのはお勧めできない。
162 .SS 操作モード
163 以下に列挙したオプションは、GNU \fBtar\fP にかくかくしかじかの操作をせよと命ずるものだ。
164 指定するのは、この内のただ 1 つでなければならない。
165 オプションの引き数ではない引き数がどんな意味になるかは、要求した操作モード次第である。
166 .IP "[\fB訳注\fP]" 8
167 以下、この「\fB操作モード\fP」セクションの中で、単に「引き数」とだけ言ったときは、
168 オプションの引き数ではない引き数のことである。
169 .TP 
170 \fB\-A\fP, \fB\-\-catenate\fP, \fB\-\-concatenate\fP
171 アーカイブを別のアーカイブの末尾に追加する。
172 引き数は追加するアーカイブの名前と見なされる。すべての追加するアーカイブは、
173 追加される側のアーカイブ (訳注: これは \fB\-f\fP オプションの引き数で指定する)
174 と同じ形式でなければならない。そうでないと、作成されたアーカイブが、GNU 以外の
175 \fBtar\fP の実装で使えなくなる可能性がある。
176 なお、注意してほしいが、2 個以上のアーカイブを引き数として指定した場合に、1
177 番目のアーカイブ以外のアーカイブのメンバーが、作成されたアーカイブでアクセスできるのは、
178 \fB\-i\fP (\fB\-\-ignore\-zeros\fP) オプションを使用した場合だけである。
179
180 圧縮したアーカイブの結合はできない。
181 .TP 
182 \fB\-c\fP, \fB\-\-create\fP
183 新しいアーカイブを作成する。
184 引き数はアーカイブに入れるファイルの名前である
185 (訳注: 作成するアーカイブファイルの名前は、\fB\-f\fP オプションの引き数で指定する)。
186 \fB\-\-no\-recursion\fP オプションが指定されないかぎり、ディレクトリは再帰的にアーカイブされる。
187 .TP 
188 \fB\-d\fP, \fB\-\-diff\fP, \fB\-\-compare\fP
189 アーカイブとファイルシステムの間に相違があるかどうかを調べる。
190 引き数は任意だが、指定するなら、比較したいアーカイブのメンバーである。
191 指定しない場合は、カレントワーキングディレクトリを指定したものと見なされる。
192 (訳注: info マニュアルの説明は少し違い、「メンバーを 1 つも指定しない場合、
193 \fBtar\fP はアーカイブ全体を比較する」となっている。)
194 .TP 
195 \fB\-\-delete\fP
196 アーカイブから削除する。引き数はアーカイブから削除するメンバーの名前である。少なくとも
197 1 つは引き数を指定しなければならない。
198
199 このオプションは圧縮したアーカイブには使えない。 これと等価な短いオプションはない。
200 .TP 
201 \fB\-r\fP, \fB\-\-append\fP
202 アーカイブの最後にファイルを追加する。引き数の意味は、\fB\-c\fP (\fB\-\-create\fP)
203 と同じである。
204 .TP 
205 \fB\-t\fP, \fB\-\-list\fP
206 アーカイブの内容一覧を表示する。引き数は任意である。 引き数が指定された場合は、表示すべきメンバーの名前となる。
207 .TP 
208 \fB\-\-test\-label\fP
209 アーカイブのボリュームラベルをテストして終了する。
210 引き数を指定せずに使用すると、ボリュームラベルを (もしあれば)
211 表示し、ステータス \fB0\fP で終了する。1 つ以上のコマンドライン引き数を指定すると、\fBtar\fP
212 はボリュームラベルを各引き数と比較する。引き数にマッチするラベルがあった場合は、コード
213 \fB0\fP で終了し、なかった場合は、
214 コード \fB1\fP で終了する。その際、\fB\-v\fP (\fB\-\-verbose\fP)
215 オプションが一緒に指定されないかぎり、出力に何も表示されない。
216
217 これと等価な短いオプションはない。
218 .TP 
219 \fB\-u\fP, \fB\-\-update\fP
220 アーカイブ内の同名のコピーより新しいファイルだけを追加する。 引き数の意味は、\fB\-c\fP や \fB\-r\fP オプションと同じである。
221 気を付けてほしいが、新しいファイルが、古いアーカイブコピーに置き換わるわけではない。 そうではなくて、アーカイブの末尾に追加されるのである。
222 従って、作成されたアーカイブには、同じファイルの様々なバージョンに当たる、 同じ名前の複数のメンバーが含まれるかもしれない。
223 .TP 
224 \fB\-x\fP, \fB\-\-extract\fP, \fB\-\-get\fP
225 アーカイブからファイルを抽出する。引き数は任意である。 引き数が指定された場合、抽出するアーカイブメンバーの名前となる。
226 .TP 
227 .TP 
228 \fB\-\-show\-defaults\fP
229 \fBtar\fP のいくつかのオプションについて組み込みのデフォルトを表示して、終了する。 引き数は指定できない。
230 .TP 
231 \fB\-?\fP, \fB\-\-help\fP
232 簡単なオプションのサマリーを表示して、終了する。 引き数は指定できない。
233 .TP 
234 \fB\-\-usage\fP
235 指定可能なオプションのリストを表示して、終了する。 引き数は指定できない。
236 .TP 
237 \fB\-\-version\fP
238 プログラムのバージョンと著作権情報を表示して、終了する。
239 .SH オプション
240 .SS 操作の調節
241 .TP 
242 \fB\-\-check\-device\fP
243 インクリメンタルアーカイブを作成する際に、デバイス番号をチェックする (デフォルト)。
244 .TP 
245 \fB\-g\fP, \fB\-\-listed\-incremental\fP=\fIFILE\fP
246 新 GNU 形式のインクリメンタルバックアップを取り扱う。
247 \fIFILE\fP は\fBスナップショットファイル\fPの名前である
248 (訳注: このオプションの引き数 \fIFILE\fP の指定は必須である)。tar
249 はそこに補助情報を記録しておき、その情報を使って、前回のインクリメンタルダンプの後で、
250 どのファイルが変更され、従って、再度ダンプしなければならないかを判断する。
251 アーカイブの作成時に \fIFILE\fP が存在しない場合は、\fIFILE\fP
252 が作られ、すべてのファイルが作成されるアーカイブに格納されることになる
253 (これが \fBlevel 0\fP のダンプである)。\fBN\fP が 0 ではない level \fBN\fP
254 のインクリメンタルアーカイブを作成するには、level \fBN\-1\fP
255 のアーカイブを作成したときに出来たスナップショットファイルのコピーを作って、それを
256 \fIFILE\fP として使用すればよい。
257
258 アーカイブの内容表示やメンバーの抽出の際には、\fIFILE\fP
259 の中身が実際に調べられるわけではない。tar の文法上
260 \fB\-\-listed\-incremental\fP は引き数を取ることになっているので、\fIFILE\fP
261 の指定が必要なだけなのだ。それ故、\fIFILE\fP として \fB/dev/null\fP
262 を使うのは、常套手段である。
263 .RS
264 .IP "[\fB訳注\fP]" 8
265 \fBlevel\fP の利用法については、すこし説明が足りないと思う。
266 たとえば、最初にインクリメンタルアーカイブを作成したときに
267 (すなわち level 0 のダンプをしたときに)
268 作ったスナップショットファイルが ./snap だったとしよう。これを snap0
269 としてバックアップしておく。そして、インクリメンタルバックアップを行うたびに、この
270 snap0 をコピーしてスナップショットファイルとして使用する。そうすると、常に
271 level 1 のインクリメンタルアーカイブが出来るわけだ。
272 こうしておけば、最初のアーカイブと最後のアーカイブを抽出
273 (この場合、「展開」の方がピッタリした表現だが)
274 するだけで、最後のインクリメンタルアーカイブを作成したときの状態が復元できることになる。
275 もし復元したいのが、最後の 1 つ前の状態なら、最初と最後の
276 1 つ前のアーカイブを使用すればよい。
277 \fBinfo tar\fP の "Incremental Dumps" と "Backup Levels"
278 を参照していただきたい。
279 .RE
280 .TP 
281 \fB\-\-hole\-detection\fP=\fIMETHOD\fP
282 スパースファイル (sparse file) の穴 (hole) の検出に
283 \fIMETHOD\fP を使う。このオプションは、\fB\-\-sparse\fP
284 を暗黙裡に設定する。\fIMETHOD\fP に指定できる値は、\fBseek\fP と \fBraw\fP
285 である。デフォルトは \fBseek\fP であり、使用できない場合は \fBraw\fP を使う。
286 .TP 
287 \fB\-G\fP, \fB\-\-incremental\fP
288 旧 GNU 形式のインクリメンタルバックアップを取り扱う。
289 .TP 
290 \fB\-\-ignore\-failed\-read\fP
291 読み込み不能なファイルがあっても、ゼロ以外の返り値で終了しない。
292 .TP 
293 \fB\-\-level\fP=\fINUMBER\fP
294 作成するリスト化インクリメンタルアーカイブ
295 (訳注: すなわち、新 GNU 形式のインクリメンタルアーカイブ)
296 のダンプレベルを設定する。 現在のところ、\fB\-\-level=0\fP
297 のみが意味を持つ。 これを指定すると、\fBtar\fP
298 はダンプする前にスナップショットファイルをサイズ 0
299 に短縮し、 強制的にレベル 0 のダンプにする。
300 .TP 
301 \fB\-n\fP, \fB\-\-seek\fP
302 アーカイブがシーク (seek) 可能であると見なす。通常、\fBtar\fP は、
303 アーカイブがシーク可能であるか否かを自動的に判断する。
304 このオプションは、そうした判断がうまく行かない場合に使うためのものである。
305 このオプションは、アーカイブを読み込むためにオープンしている場合にのみ効果がある
306 (たとえば、 \fB\-\-list\fP または \fB\-\-extract\fP オプションが指定されている場合)。
307 .TP 
308 \fB\-\-no\-check\-device\fP
309 インクリメンタルアーカイブを作成する際に、デバイス番号をチェックしない。
310 .TP 
311 \fB\-\-no\-seek\fP
312 アーカイブがシーク可能でないと見なす。
313 .TP 
314 \fB\-\-occurrence\fP[=\fIN\fP]
315 アーカイブ中の各ファイルについて、\fIN\fP 番目に現れるものだけを処理の対象にする。 このオプションは、サブコマンド \fB\-\-delete\fP,
316 \fB\-\-diff\fP, \fB\-\-extract\fP, \fB\-\-list\fP の 1 つとともに使用し、 しかも、ファイルのリストを、コマンドライン上、または
317 \fB\-T\fP オプションで指定している場合にのみ、有効である。オプション引き数 \fIN\fP の指定は任意だが、デフォルトでは \fB1\fP
318 になっている。(訳注: \-r や \-u オプションを使った場合、アーカイブ中に同名のメンバーが複数存在することがある。
319 そうした場合に、何番目のメンバーを抽出などの対象にするかを指名するのである。)
320 .TP 
321 \fB\-\-restrict\fP
322 有害かもしれないいくつかのオプションを無効化する。
323 .TP 
324 \fB\-\-sparse\-version\fP=\fIMAJOR\fP[.\fIMINOR\fP]
325 スパースファイルで使用するスパースフォーマットのバージョンを指定する。 このオプションは \fB\-\-sparse\fP を暗黙裡に設定する。
326 引き数に指定できる値は、 \fB0.0\fP, \fB0.1\fP, \fB1.0\fP のいずれかである。 スパースフォーマットについての詳しい議論については、
327 \fBGNU Tar Manual\fP, appendix \fBD\fP, "\fBSparse Formats\fP" をご覧いただきたい。\fBinfo\fP
328 リーダーを使用する場合は、コマンド \fBinfo tar 'Sparse Formats'\fP で読むことができる。
329 .TP 
330 \fB\-S\fP, \fB\-\-sparse\fP
331 スパースファイルを効率的に取り扱う。ファイルシステム上のファイルの中には、
332 実際の書き込みが一度も行われたことのないセグメントを含むものがある
333 (そうしたものが \fBDBM\fP
334 のようなシステムで作られたデータベースファイルだったりするのは、よくあることだ)。
335 このオプションを指定すると、\fBtar\fP は、ファイルをアーカイブに入れる前に、
336 それがスパースファイルかどうかを判断しようとする。
337 そして、もしそうなら、ファイル中の空っぽの部分をダンプしないことによって、
338 生成するアーカイブのサイズを小さくする。
339 .SS 上書きの制御
340 以下のオプションは、アーカイブからファイルを抽出することで、
341 ディスク上にある同名ファイルの上書きが生じる場合の tar の挙動を制御する。
342 .TP 
343 \fB\-k\fP, \fB\-\-keep\-old\-files\fP
344 抽出時に、既存のファイルを置き換えない。
345 .TP 
346 \fB\-\-keep\-newer\-files\fP
347 既存のファイルがアーカイブコピーより新しい場合、それを置き換えない。
348 .TP 
349 \fB\-\-keep\-directory\-symlink\fP
350 抽出する際に、ディレクトリを指す同名のシンボリックリンクがすでに存在している場合は、
351 それをアーカイブ中の実ディレクトリで置き換えない。(訳注:
352 その場合は、そのシンボリックの参照先にアーカイブ中のディレクトリの中身を展開する。
353 このオプションを指定しないデフォルトでは、まずシンボリックリンクを消去し、
354 それからディレクトリの抽出を行うことになる。)
355 .TP 
356 \fB\-\-no\-overwrite\-dir\fP
357 既存のディレクトリのメタデータを変更しない。
358 .TP 
359 \fB\-\-one\-top\-level\fP[\fB=\fP\fIDIR\fP]
360 すべてのファイルを \fIDIR\fP に抽出する。引き数なしで使用すると、
361 アーカイブのベースネームにちなんだ名前のサブディレクトリに抽出することになる
362 (詳しく言うと、アーカイブのベースネームから \fB\-\-auto\-compress\fP
363 で認識される標準的な圧縮ファイルの拡張子を取り去ったもの)。
364 .TP 
365 \fB\-\-overwrite\fP
366 抽出時に、既存ファイルを上書きする。
367 .TP 
368 \fB\-\-overwrite\-dir\fP
369 抽出時に、既存ディレクトリのメタデータを上書きする (デフォルト)。
370 .TP 
371 \fB\-\-recursive\-unlink\fP
372 ディレクトリを抽出する前に、同名のディレクトリにあるすべてのファイルを再帰的に削除する。
373 .TP 
374 \fB\-\-remove\-files\fP
375 ファイルをアーカイブに追加した後で、ディスクからファイルを削除する。
376 .TP 
377 \fB\-\-skip\-old\-files\fP
378 抽出時に、既存のファイルを上書きせず、何のメッセージも出さずにスキップする
379 (訳注: なお、\fB\-\-keep\-old\-files\fP と違い、こちらは返り値がエラーにならない)。
380 .TP 
381 \fB\-U\fP, \fB\-\-unlink\-first\fP
382 抽出する際に、上書きするファイルをまず削除する。
383 .TP 
384 \fB\-W\fP, \fB\-\-verify\fP
385 アーカイブを書き込んだ後で照合する。
386 .SS 出力ストリームに関する選択
387 .TP 
388 \fB\-\-ignore\-command\-error\fP
389 サブプロセスの終了コードを無視する。
390 .TP 
391 \fB\-\-no\-ignore\-command\-error\fP
392 子プロセスの 0 以外の終了コードをエラーとして扱う (デフォルト)。
393 .TP 
394 \fB\-O\fP, \fB\-\-to\-stdout\fP
395 ファイルを標準出力に抽出する。
396 .TP 
397 \fB\-\-to\-command\fP=\fICOMMAND\fP
398 抽出したファイルをパイプで \fICOMMAND\fP に渡す。
399 このオプションの引き数は、外部プログラムのパス名であり、
400 コマンドライン引き数を付けて指定することもできる。外部プログラムが起動されると、
401 抽出されたファイルの内容が、そのプログラムの標準入力に渡される。また、
402 追加的なデータが、以下の環境変数を通して外部プログラムに渡されることになる。
403 .RS
404 .TP 
405 \fBTAR_FILETYPE\fP
406 ファイルのタイプ。1 文字からなり、以下の意味がある。
407 .sp
408 .nf
409 .ta 8n 20n
410         f       通常ファイル
411         d       ディレクトリ
412         l       シンボリックリンク
413         h       ハードリンク
414         b       ブロックデバイス
415         c       キャラクタデバイス
416 .fi
417
418 現在のところサポートされているのは、通常ファイルだけである。
419 .TP 
420 \fBTAR_MODE\fP
421 ファイルの許可属性。8 進数。
422 .TP 
423 \fBTAR_FILENAME\fP
424 ファイル名。
425 .TP 
426 \fBTAR_REALNAME\fP
427 アーカイブに格納されているファイル名。
428 .TP 
429 \fBTAR_UNAME\fP
430 ファイルの所有者名。
431 .TP 
432 \fBTAR_GNAME\fP
433 ファイルの所有グループ名。
434 .TP 
435 \fBTAR_ATIME\fP
436 最終アクセス日時。これは、the Epoch からの秒数を表す 10 進数である。
437 アーカイブの日時がナノ秒の精度の場合、タイムスタンプの小数点の後ろにナノ秒の部分が付く。
438 .TP 
439 \fBTAR_MTIME\fP
440 最終更新日時。
441 .TP 
442 \fBTAR_CTIME\fP
443 最終ステータス変更日時。
444 .TP 
445 \fBTAR_SIZE\fP
446 ファイルのサイズ。
447 .TP 
448 \fBTAR_UID\fP
449 ファイルの所有者の UID。
450 .TP 
451 \fBTAR_GID\fP
452 ファイルの所有グループの GID。
453 .RE
454 .RS
455
456 さらに、以下の環境変数に \fBtar\fP の操作モードや処理対象のアーカイブについての情報が含まれている。
457 .TP 
458 \fBTAR_VERSION\fP
459 GNU \fBtar\fP のバージョン番号。
460 .TP 
461 \fBTAR_ARCHIVE\fP
462 \fBtar\fP が処理中のアーカイブの名前。
463 .TP 
464 \fBTAR_BLOCKING_FACTOR\fP
465 現在のブロッキング係数。すなわち、1 レコードを構成する 512 バイトのブロック数。
466 .TP 
467 \fBTAR_VOLUME\fP
468 \fBtar\fP が処理中のボリューム番号
469 (複数ボリュームのアーカイブを読み込んでいる場合に設定される)。
470 .TP 
471 \fBTAR_FORMAT\fP
472 処理しているアーカイブのフォーマット。\fBgnu\fP, \fBoldgnu\fP, \fBposix\fP,
473 \fBustar\fP, \fBv7\fP の内の 1 つ。
474 .TP
475 \fBTAR_SUBCOMMAND\fP
476 \fBtar\fP が実行中の操作を表す短いオプション (前に 1 個のダッシュが付いたもの)。
477 .RE
478 .SS ファイル属性の操作
479 .TP 
480 \fB\-\-atime\-preserve\fP[=\fIMETHOD\fP]
481 ダンプの対象にした元ファイルのアクセス日時を変更しない。 その方法には、ファイルを読み込んだ後でアクセス日時を元に戻すやり方
482 (\fIMETHOD\fP=\fBreplace\fP、デフォルト) と、最初からアクセス日時を変更しないやり方 (\fIMETHOD\fP=\fBsystem\fP)
483 の二つがある。
484 .TP 
485 \fB\-\-delay\-directory\-restore\fP
486 抽出したディレクトリの更新日時や許可属性の決定を、抽出の最後まで遅らせる。
487 メンバーの順番が通常とは違っているアーカイブから抽出する際には、このオプションを使用するとよい。
488 (訳注: info tar の "Directory Modification Times and Permissions" を参照。)
489 .TP 
490 \fB\-\-group\fP=\fINAME\fP[:\fIGID\fP]
491 アーカイブに入れるファイルの所有グループを \fINAME\fP にする。 \fIGID\fP まで指定しない場合、\fINAME\fP はグループ名でも、GID
492 番号でもよい。 その場合、指定しない方 (GID、またはグループ名)  は、使用中のホストのグループデータベースから推測されることになる。
493
494 \fB\-\-group\-map\fP=\fIFILE\fP と一緒に使われたときは、 所有グループが \fIFILE\fP
495 のリストに載っていないファイルに対してのみ効果がある。
496 .TP 
497 \fB\-\-group\-map\fP=\fIFILE\fP
498 グループ変換マップを \fIFILE\fP から読み込む。空行は無視する。 コメントは \fB#\fP で始まり、行末まで続く。\fIFILE\fP
499 の空行以外の各行では、1 つのグループ変換を定義する。各行は、任意の数のホワイトスペース (訳注: 空白やタブ) で区切られた 2
500 つのフィールドから構成されていなければならない。 すなわち、次のような形である。
501
502 .EX
503 \fIOLDGRP\fP \fINEWGRP\fP[\fB:\fP\fINEWGID\fP]
504 .EE
505
506 \fIOLDGRP\fP は有効なグループ名か、\fB+\fP を前に付けた GID である。 \fINEWGID\fP を指定しない場合は、\fINEWGRP\fP
507 の方も、やはり有効なグループ名か、 \fB+\fP\fIGID\fP でなければならない。\fINEWGID\fP まで指定した場合は、\fINEWGRP\fP と
508 \fINEWGID\fP のどちらも、システムのグループデータベースに載っている必要はない。
509
510 つまるところ、所有グループ \fIOLDGRP\fP の各入力ファイルが、所有グループを
511 \fINEWGRP\fP、GID を \fINEWGID\fP としてアーカイブに格納されることになる。
512 .TP 
513 \fB\-\-mode\fP=\fICHANGES\fP
514 アーカイブに入れるファイルの許可属性を、シンボルによる指定で \fICHANGES\fP にする (訳注: 実際には 8 進数による指定も可能)。
515 .TP 
516 \fB\-\-mtime\fP=\fIDATE\-OR\-FILE\fP
517 アーカイブに入れるファイルの mtime を設定する。\fIDATE\-OR\-FILE\fP は、
518 ほぼ任意のフォーマットの日付/時刻、または既存ファイルの名前である。 後者の場合、そのファイルの mtime が使われる。
519 .TP 
520 \fB\-m\fP, \fB\-\-touch\fP
521 ファイルの更新日時 (mtime) を抽出しない。
522 .TP 
523 \fB\-\-no\-delay\-directory\-restore\fP
524 前に指定した \fB\-\-delay\-directory\-restore\fP オプションの効果を取り消す。
525 .TP 
526 \fB\-\-no\-same\-owner\fP
527 実行ユーザ自身の資格でファイルを抽出する (一般ユーザのデフォルト)。
528 .RS
529 .IP "[\fB訳注\fP]:" 8
530 抽出したファイルは、自分の資格でディスクに書き込むわけだから、
531 一般ユーザのデフォルトでは、その所有者属性は当然自分のものになる。
532 .RE
533 .TP 
534 \fB\-\-no\-same\-permissions\fP
535 アーカイブから許可属性を抽出する際、実行ユーザの umask を適用する (一般ユーザのデフォルト)。
536 .TP 
537 \fB\-\-numeric\-owner\fP
538 ユーザ/グループ名に常に番号を使う。
539 .TP 
540 \fB\-\-owner\fP=\fINAME\fP[:\fIUID\fP]
541 アーカイブに入れるファイルの所有者を \fINAME\fP にする。 \fIUID\fP まで指定しない場合、\fINAME\fP はユーザ名でも、UID 番号でもよい。
542 その場合、指定しない方 (UID、またはユーザ名)  は、使用中のホストのユーザデータベースから推測されることになる。
543
544 \fB\-\-owner\-map\fP=\fIFILE\fP と一緒に使われたときは、 所有者が \fIFILE\fP のリストに載っていないファイルに対してのみ効果がある。
545 .TP 
546 \fB\-\-owner\-map\fP=\fIFILE\fP
547 所有者変換マップを \fIFILE\fP から読み込む。空行は無視する。 コメントは \fB#\fP で始まり、行末まで続く。\fIFILE\fP
548 の空行以外の各行では、1 つの UID 変換を定義する。各行は、任意の数のホワイトスペース (訳注: 空白やタブ) で区切られた 2
549 つのフィールドから構成されていなければならない。 すなわち、次のような形である。
550
551 .EX
552 \fIOLDUSR\fP \fINEWUSR\fP[\fB:\fP\fINEWUID\fP]
553 .EE
554
555 \fIOLDUSR\fP は有効なユーザ名か、\fB+\fP を前に付けた UID である。 \fINEWUID\fP を指定しない場合は、\fINEWUSR\fP
556 の方も、やはり有効なユーザ名か、 \fB+\fP\fIUID\fP でなければならない。\fINEWUID\fP まで指定した場合は、\fINEWUSR\fP と
557 \fINEWUID\fP のどちらも、システムのユーザデータベースに載っている必要はない。
558
559 つまるところ、所有者 \fIOLDUSR\fP の各入力ファイルが、所有者名を
560 \fINEWUSR\fP、UID を \fINEWUID\fP としてアーカイブに格納されることになる。
561 .TP 
562 \fB\-p\fP, \fB\-\-preserve\-permissions\fP, \fB\-\-same\-permissions\fP
563 ファイルの許可属性に関する情報を抽出する (スーパーユーザのデフォルト)。
564 .TP 
565 \fB\-\-same\-owner\fP
566 アーカイブ中のものと同じ所有者属性を付けて、ファイルを抽出しようと試みる
567 (スーパーユーザのデフォルト)。
568 .TP 
569 \fB\-s\fP, \fB\-\-preserve\-order\fP, \fB\-\-same\-order\fP
570 引き数である抽出すべきファイルの名前が、アーカイブ中と同じ順番でソートされていると tar に知らせる。(訳注: info tar の "Same
571 Order" と "Option Summary" に詳しい説明がある。それがわかりやすい。)
572 .TP 
573 \fB\-\-sort=\fP\fIORDER\fP
574 アーカイブを作成する際に、ディレクトリエントリを \fIORDER\fP に基づいてソートする。 \fIORDER\fP は \fBnone\fP, \fBname\fP,
575 \fBinode\fP のいずれかである。
576
577 デフォルトは \fB\-\-sort=none\fP であり、 オペレーティングシステムが返すのと同じ順番でメンバーをアーカイブする。
578
579 \fB\-\-sort=name\fP は、作成されるアーカイブのメンバーの並び順を一定で、再現可能なものにする。
580
581 \fB\-\-sort=inode\fP を使うと、アーカイブを作成する際のディスクシークの回数を減らし、
582 そうすることで、実行時間をかなりスピードアップすることができる。 このソート順は、下層で動いているシステムが必要な情報を提供する場合にのみ使用できる。
583 .SS 拡張ファイル属性
584 .TP 
585 \fB\-\-acls\fP
586 POSIX ACL のサポートを有効にする。
587 .TP 
588 \fB\-\-no\-acls\fP
589 POSIX ACL のサポートを無効にする。
590 .TP 
591 \fB\-\-selinux\fP
592 SELinux コンテキストのサポートを有効にする。
593 .TP 
594 \fB\-\-no\-selinux\fP
595 SELinux コンテキストのサポートを無効にする。
596 .TP 
597 \fB\-\-xattrs\fP
598 拡張属性のサポートを有効にする。
599 .TP 
600 \fB\-\-no\-xattrs\fP
601 拡張属性のサポートを無効にする。
602 .TP 
603 \fB\-\-xattrs\-exclude=\fP\fIPATTERN\fP
604 xattr のキー (訳注: 拡張属性の名前)
605 について、格納や抽出から除外するパターンを指定する。\fIPATTERN\fP は POSIX
606 の正規表現である。たとえば、\fB\-\-xattrs\-exclude='^user.'\fP
607 と指定すれば、名前空間 user の属性を除外することになる。
608 .RS
609 .IP "[\fB訳注\fP]"
610 次の項目についても言えることだが、訳者の手元の tar-1.32 では
611 \fB\-\-xattrs\-exclude\fP と \fB\-\-xattrs\-include\fP
612 の働きが、説明とは逆になっているようだ。
613 つまり、exclude で採用するパターンを指定し、include
614 で除外するパターンを指定するようになっている。
615 ご自分のところではどうなるか、確かめていただきたい。
616 .RE
617 .TP 
618 \fB\-\-xattrs\-include=\fP\fIPATTERN\fP
619 xattr のキーについて、格納や抽出時にインクルードするパターンを指定する。
620 \fIPATTERN\fP は POSIX の正規表現である。
621 .SS デバイスの選択と交換
622 .TP 
623 \fB\-f\fP, \fB\-\-file\fP=\fIARCHIVE\fP
624 アーカイブファイルまたはアーカイブデバイスとして \fIARCHIVE\fP を使用する。 このオプションを指定しない場合、\fBtar\fP は、まず環境変数
625 `TAPE' を調べ、 設定されていれば、その値をアーカイブ名として使用する。 設定されていない場合は、コンパイル時に埋め込まれたデフォルトを使う。
626 デフォルトの値は \fB\-\-show\-defaults\fP オプションを使って調べることができる。また、\fBtar \-\-help\fP
627 の出力の末尾を見てもわかる。
628
629 アーカイブ名にコロンが含まれている場合、それは、リモートマシンのファイルかデバイスである。 コロンの前の部分はマシン名または IP アドレスと見なされ、
630 コロンの後の部分はファイルまたはデバイスのパス名と見なされる。 例:
631
632 .EX
633 \-\-file=remotehost:/dev/sr0
634 .EE
635
636 そうしたければ、ホスト名の前にユーザ名を付けることもできる。その場合は、両者の間に \fB@\fP 記号を置く。
637
638 デフォルトでは、リモートホストは \fBrsh\fP(1)  コマンドを使ってアクセスされる。 最近では、代わりに \fBssh\fP(1)
639 を使うのが一般的である。 そうしたい場合は、以下のコマンドラインオプションを指定すればよい。
640
641 .EX
642 \-\-rsh\-command=/usr/bin/ssh
643 .EE
644
645 リモートマシンには \fBrmt\fP(8)  コマンドがインストールされていなければならない。 そのパス名が \fBtar\fP のデフォルトと一致しない場合は、
646 \fB\-\-rmt\-command\fP オプションを使って正しいパス名を \fBtar\fP に知らせることができる。
647 .TP 
648 \fB\-\-force\-local\fP
649 アーカイブファイル名にコロンが含まれていてもローカルファイルとして扱う。
650 .TP 
651 \fB\-F\fP, \fB\-\-info\-script\fP=\fICOMMAND\fP, \fB\-\-new\-volume\-script\fP=\fICOMMAND\fP
652 各テープの終わりに \fICOMMAND\fP を実行する (\fB\-M\fP が暗黙裡に設定される)。
653 コマンドには引き数を含めることができる。コマンドは起動されるとき、\fBtar\fP
654 の環境変数に加えて、以下の環境変数を継承する。
655 .RS
656 .TP 
657 \fBTAR_VERSION\fP
658 GNU \fBtar\fP のバージョン番号。
659 .TP 
660 \fBTAR_ARCHIVE\fP
661 \fBtar\fP が処理中のアーカイブの名前。
662 .TP 
663 \fBTAR_BLOCKING_FACTOR\fP
664 現在のブロッキング係数。すなわち、1 レコードを構成する 512 バイトのブロック数。
665 .TP 
666 \fBTAR_VOLUME\fP
667 \fBtar\fP が処理中のボリューム番号
668 (複数ボリュームのアーカイブを読み込んでいる場合に設定される)。
669 .TP 
670 \fBTAR_FORMAT\fP
671 処理しているアーカイブのフォーマット。\fBgnu\fP, \fBoldgnu\fP, \fBposix\fP,
672 \fBustar\fP, \fBv7\fP の内の 1 つ。
673 .TP 
674 \fBTAR_SUBCOMMAND\fP
675 \fBtar\fP が実行中の操作を表す短いオプション
676 (前に 1 個のダッシュが付いたもの)。
677 .TP 
678 \fBTAR_FD\fP
679 新しいボリューム名を \fBtar\fP
680 に伝えるために使うことができるファイルディスクリプタ。
681 .RE
682 .PP
683 .RS
684
685 指定された info script が失敗した場合、\fBtar\fP
686 は終了する。成功した場合は、次のボリュームの書き込みを始める。
687 .RE
688 .TP 
689 \fB\-L\fP, \fB\-\-tape\-length\fP=\fIN\fP
690 \fIN\fPx1024 バイトを書き込んだ後、テープを入れ替える。
691 \fIN\fP にはサイズを表す接尾辞 (下記の「\fBサイズ接尾辞\fP」を参照)
692 を付けることができる。そうした接尾辞は 1024 の代わりに使う乗数を指定している。
693
694 このオプションは \fB\-M\fP を暗黙裡に設定する。
695 .TP 
696 \fB\-M\fP, \fB\-\-multi\-volume\fP
697 マルチボリュームアーカイブの作成/内容表示/抽出を行う。
698 .TP 
699 \fB\-\-rmt\-command\fP=\fICOMMAND\fP
700 リモートアーカイブにアクセスする際に、\fBrmt\fP の代わりに \fICOMMAND\fP を使う。 上記の \fB\-f\fP オプションの説明を参照すること。
701 .TP 
702 \fB\-\-rsh\-command\fP=\fICOMMAND\fP
703 リモートアーカイブにアクセスする際に、\fBrsh\fP の代わりに \fICOMMAND\fP を使う。 上記の \fB\-f\fP オプションの説明を参照すること。
704 .TP 
705 \fB\-\-volno\-file\fP=\fIFILE\fP
706 このオプションを \fB\-\-multi\-volume\fP とともに使うと、 \fBtar\fP は、
707 今マルチボリュームアーカイブのどのボリュームを処理しているかを、\fIFILE\fP に記録することになる。
708 .SS "レコードとブロック (Device blocking)"
709 .TP 
710 \fB\-b\fP, \fB\-\-blocking\-factor\fP=\fIBLOCKS\fP
711 レコードサイズを \fIBLOCKS\fPx\fB512\fP バイトにする。
712 .TP 
713 \fB\-B\fP, \fB\-\-read\-full\-records\fP
714 内容表示や抽出をする際、ファイルの末尾を示すマーカーを含むレコードが、1
715 レコードに満たない不完全な入力レコードでも許容する。
716 (訳注: \fBtar\fP はアーカイブの読み書きをレコード単位で行う。このオプションは、1
717 レコードの大きさに達しない入力に対する処理を指定している。\fBinfo tar Reading\fP
718 を参照していただきたい)。
719 .TP 
720 \fB\-i\fP, \fB\-\-ignore\-zeros\fP
721 アーカイブ中の 0 ばかりからなるブロックを無視する。通常、0 で埋められた
722 512 バイトブロックが 2 個連続すると、それはファイルの末尾 (EOF)
723 を意味し、これに出会うと tar は読み込みを止める。
724 このオプションを指定すると、0 のブロックに出会っても読み込みを続けるので、
725 \fB\-A\fP オプションを付けて作成されたアーカイブを読み込むとき役に立つ。
726 .TP 
727 \fB\-\-record\-size\fP=\fINUMBER\fP
728 レコードサイズを設定する。\fINUMBER\fP は 1
729 レコードあたりのバイト数であり、\fB512\fP の倍数でなければならない。
730 \fBサイズ接尾辞\fPを付けることもでき、たとえば、\fB\-\-record\-size=10K\fP
731 は 10 キロバイトである。有効な接尾辞のリストについては、
732 サブセクション「\fBサイズ接尾辞\fP」をご覧いただきたい。
733 .SS アーカイブ形式の選択
734 .TP 
735 \fB\-H\fP, \fB\-\-format\fP=\fIFORMAT\fP
736 指定した形式のアーカイブを作成する。 有効なフォーマットは以下のとおりである。
737 .RS
738 .TP 
739 \fBgnu\fP
740 GNU tar 1.13.x 形式
741 .TP 
742 \fBoldgnu\fP
743 GNU tar 1.12 以前の GNU 形式
744 .TP 
745 \fBpax\fP, \fBposix\fP
746 POSIX 1003.1\-2001 (pax) 形式
747 .TP 
748 \fBustar\fP
749 POSIX 1003.1\-1988 (ustar) 形式
750 .TP 
751 \fBv7\fP
752 古い V7 tar 形式
753 .RE
754 .TP 
755 \fB\-\-old\-archive\fP, \fB\-\-portability\fP
756 \fB\-\-format=v7\fP と同じ。
757 .TP 
758 \fB\-\-pax\-option\fP=\fIkeyword\fP[[:]=\fIvalue\fP][,\fIkeyword\fP[[:]=\fIvalue\fP]]...
759 (\fB\-H pax\fP で) \fBPAX\fP アーカイブを作成する際に
760 pax のキーワードを調節する。このオプションは \fBpax\fP(1)
761 ユーティリティの \fB\-o\fP オプションと等価である。
762 .TP 
763 \fB\-\-posix\fP
764 \fB\-\-format=posix\fP と同じ。
765 .TP 
766 \fB\-V\fP, \fB\-\-label\fP=\fITEXT\fP
767 \fITEXT\fP というボリューム名 (訳注: ボリュームラベルとも言う)
768 を付けて、アーカイブを作成する。
769 内容表示や抽出をする際にこのオプションを指定した場合は、\fITEXT\fP
770 をボリューム名の glob パターンとして使用する。
771 .RS
772 .IP "[\fB訳注\fP]" 8
773 内容表示や抽出をする際に \fB\-f\fP オプションの代わりに使えるわけではない。
774 そういうボリューム名を持つアーカイブに対してのみ、内容表示や抽出を行うということであって、
775 \fB\-f\fP \fIARCHIVE\fP はやはり必要である。
776 .RE
777 .SS 圧縮オプション
778 .TP 
779 \fB\-a\fP, \fB\-\-auto\-compress\fP
780 圧縮プログラムを決定するためにアーカイブ拡張子を使用する。
781 .TP 
782 \fB\-I\fP, \fB\-\-use\-compress\-program\fP\fI=COMMAND\fP
783 データを \fICOMMAND\fP でフィルタする。コマンドは、伸長するための
784 \fB\-d\fP オプションを解するものでなければならない。
785 引き数にはコマンドラインオプションも含めることができる。
786 .TP 
787 \fB\-j\fP, \fB\-\-bzip2\fP
788 アーカイブを \fBbzip2\fP(1)  でフィルタする。
789 .TP 
790 \fB\-J\fP, \fB\-\-xz\fP
791 アーカイブを \fBxz\fP(1)  でフィルタする。
792 .TP 
793 \fB\-\-lzip\fP
794 アーカイブを \fBlzip\fP(1)  でフィルタする。
795 .TP 
796 \fB\-\-lzma\fP
797 アーカイブを \fBlzma\fP(1)  でフィルタする。
798 .TP 
799 \fB\-\-lzop\fP
800 アーカイブを \fBlzop\fP(1)  でフィルタする。
801 .TP 
802 \fB\-\-no\-auto\-compress\fP
803 圧縮プログラムを決定するためにアーカイブ拡張子を使用しない。
804 .TP 
805 \fB\-z\fP, \fB\-\-gzip\fP, \fB\-\-gunzip\fP, \fB\-\-ungzip\fP
806 アーカイブを \fBgzip\fP(1)  でフィルタする。
807 .TP 
808 \fB\-Z\fP, \fB\-\-compress\fP, \fB\-\-uncompress\fP
809 アーカイブを \fBcompress\fP(1)  でフィルタする。
810 .TP 
811 \fB\-\-zstd\fP
812 アーカイブを \fBzstd\fP(1)  でフィルタする。
813 .SS ローカルファイルの選択
814 .TP 
815 \fB\-\-add\-file\fP=\fIFILE\fP
816 \fIFILE\fP をアーカイブに追加する (ファイル名がダッシュで始まる場合に便利である)。
817 .TP 
818 \fB\-\-backup\fP[=\fICONTROL\fP]
819 上書きや削除をする前にバックアップを行う。引き数 \fICONTROL\fP
820 を指定すれば、それがバックアップのやり方を決める。有効な値は以下のとおりである。
821 (訳注: このオプションは、アーカイブの作成 (\fB\-c\fP)、抽出
822 (\fB\-x\fP)、どちらでも使えるが、\fB\-A\fP, \fB\-r\fP, \fB\-u\fP,
823 \fB\-\-delete\fP では無効のようだ。)
824 .RS
825 .TP 
826 \fBnone\fP, \fBoff\fP
827 バックアップを全く作成しない。
828 .TP 
829 \fBt\fP, \fBnumbered\fP
830 番号付きのバックアップを作成する。
831 .TP 
832 \fBnil\fP, \fBexisting\fP
833 番号付きのバックアップが存在すれば、番号付きのバックアップを、
834 存在しなければ、単純形式のバックアップを作成する。
835 .TP 
836 \fBnever\fP, \fBsimple\fP
837 常に単純形式のバックアップを行う。
838 .RE
839 .PP
840 .RS
841 \fICONTROL\fP が指定されない場合、環境変数 \fBVERSION_CONTROL\fP
842 から値を取得する。それも指定されていない場合は、\fBexisting\fP
843 が指定されているものと見なされる。
844 .RE
845 .TP 
846 \fB\-C\fP, \fB\-\-directory\fP=\fIDIR\fP
847 何らかの操作を行う前に、ディレクトリ \fIDIR\fP に移動する。
848 このオプションは順番を意識する。すなわち、その後に続くすべてのオプションに影響を及ぼす。
849 .TP 
850 \fB\-\-exclude\fP=\fIPATTERN\fP
851 \fBglob\fP(3)  スタイルのワイルドカードパターン \fIPATTERN\fP にマッチするファイルを除外する (訳注: つまり、\fIPATTERN\fP
852 の指定にシェル式のワイルドーカードが使えるということ)。
853 .TP 
854 \fB\-\-exclude\-backups\fP
855 バックアップファイルとロックファイルを除外する。
856 .TP 
857 \fB\-\-exclude\-caches\fP
858 \fBCACHEDIR.TAG\fP という名前のファイルを含むディレクトリの中身を除外する。 ただし、タグファイル自体は除外しない。(訳注:
859 \fBCACHEDIR.TAG\fP とそれが含むべき内容については、
860 <http://www.brynosaurus.com/cachedir/spec.html>、または
861 <http://bford.info/cachedir/spec.html> をご覧いただきたい。)
862 .TP 
863 \fB\-\-exclude\-caches\-all\fP
864 \fBCACHEDIR.TAG\fP という名前のファイルを含むディレクトリとタグファイル自体を除外する。
865 .TP 
866 \fB\-\-exclude\-caches\-under\fP
867 \fBCACHEDIR.TAG\fP という名前のファイルを含むディレクトリ以下のすべてを除外する (訳注: ただし、そのディレクトリ自体は除外しない)。
868 .TP 
869 \fB\-\-exclude\-ignore=\fP\fIFILE\fP
870 ディレクトリをダンプする前に、\fIFILE\fP というファイルがそこに含まれているかを調べる。
871 含まれている場合は、そのファイルから除外パターンを読み込む。
872 このパターンは、そのディレクトリにのみ影響する。
873 .RS
874 .IP "[\fB訳注\fP]" 8
875 訳者の手元の tar-1.32 では、このオプションの動作は、次の項目の
876 \fB\-\-exclude\-ignore\-recursive\fP と同じであるようだ。
877 すなわち、そのディレクトリ以下のサブディレクトリにも影響する。
878 ご自分のところではどうなるか、確かめていただきたい。
879 .RE
880 .TP 
881 \fB\-\-exclude\-ignore\-recursive=\fP\fIFILE\fP
882 \fB\-\-exclude\-ignore\fP と同様であるが、\fIFILE\fP
883 から読み込んだパターンは、そのディレクトリとすべてのサブディレクトリに影響を及ぼす。
884 .TP 
885 \fB\-\-exclude\-tag\fP=\fIFILE\fP
886 \fIFILE\fP というファイルを含むディレクトリの中身を除外する。ただし、 \fIFILE\fP 自体は除外しない。
887 .TP 
888 \fB\-\-exclude\-tag\-all\fP=\fIFILE\fP
889 \fIFILE\fP というファイルを含むディレクトリを除外する。
890 .TP 
891 \fB\-\-exclude\-tag\-under\fP=\fIFILE\fP
892 \fIFILE\fP というファイルを含むディレクトリ以下のすべてを除外する (訳注: ただし、そのディレクトリ自体は除外しない)。
893 .TP 
894 \fB\-\-exclude\-vcs\fP
895 バージョン管理システムのディレクトリを除外する。
896 .TP 
897 \fB\-\-exclude\-vcs\-ignores\fP
898 VCS 独自の除外ファイルからパターンを読み込み、それにマッチするファイルを除外する。 サポートされているファイルは、 \fB.cvsignore\fP,
899 \&\fB.gitignore\fP, \fB.bzrignore\fP, \fB.hgignore\fP である。
900 .TP 
901 \fB\-h\fP, \fB\-\-dereference\fP
902 シンボリックリンクを辿り、それが指しているファイルをアーカイブに入れる
903 (訳注: シンボリックリンクが指している実ファイルが、
904 同一アーカイブに収録されるときは、そのハードリンクを、収録されないときは実ファイルを、
905 シンボリックリンクのファイル名でアーカイブに入れるようだ)。
906 .TP 
907 \fB\-\-hard\-dereference\fP
908 ハードリンクを辿り、それが指しているファイルをアーカイブに入れる
909 (訳注: ハードリンクとしてではなく、独立したファイルとしてアーカイブに入れる)。
910 .TP 
911 \fB\-K\fP, \fB\-\-starting\-file\fP=\fIMEMBER\fP
912 アーカイブ内の指定されたメンバーから (抽出や内容表示を) 開始する。
913 .TP 
914 \fB\-\-newer\-mtime\fP=\fIDATE\fP
915 \fIDATE\fP 以降にデータが変更されたファイルを処理の対象にする。 \fIDATE\fP が \fB/\fP または \fB.\fP で始まる場合は、
916 ファイル名と見なされ、そのファイルの mtime が日付として使われる。
917 .TP 
918 \fB\-\-no\-null\fP
919 これより前に指定された \fB\-\-null\fP オプションの効果を無効にする。
920 .TP 
921 \fB\-\-no\-recursion\fP
922 ディレクトリにおいて自動的な下降をしないようにする。
923 .RS
924 .IP "[\fB訳注\fP]:" 8
925 わかりにくいと思うので、もう少し説明する。\fB\-\-create\fP 
926 でこのオプションを使用すると、アーカイブする対象としてディレクトリを指定した場合、
927 そのディレクトリ自体はアーカイブに入れられるが、
928 そのディレクトリにあるファイルやサブディレクトリは、自動的にはアーカイブに格納されなくなる。
929 ファイルも一緒に格納したいのなら、それもアーカイブする対象として指定しなければならないのだ。
930 従って、このオプションは、たとえば find コマンドと \fB\-\-files\-from='\-\'\fP 
931 オプションを使って、アーカイブする対象のリストを厳密に指定するときなどに、役に立つ。
932 \fB\-\-extract\fP と組み合わせ、抽出対象にディレクトリを指定した場合は、
933 そのディレクトリだけが抽出され、ディレクトリの中身は抽出されない。
934 なお、このオプションはコマンドラインにおける順番を意識する。
935 詳しいことは \fBinfo tar recurse\fP を参照していただきたい。
936 .RE
937 .TP 
938 \fB\-\-no\-unquote\fP
939 指定された入力ファイル名やメンバー名中の、バックスラッシュでクォートされたシーケンスを解釈・変換しない
940 (訳注: すなわち、\et, \en, \eb などをタブ、改行などとしてではなく、文字通り
941 \et, \en, \eb として扱う。なお、このオプションはコマンドライン上の位置が意味を持つ)。
942 .TP 
943 \fB\-\-no\-verbatim\-files\-from\fP
944 ファイルリストから読み込んだ各行を、あたかもコマンドラインから打ち込まれたかのように処理する。
945 すなわち、前後の空白を除去した後の文字列がダッシュで始まる場合は、\fBtar\fP
946 のコマンドラインオプションと見なす。
947
948 これはデフォルトの動作である。この \fB\-\-no\-verbatim\-files\-from\fP
949 オプションがあるのは、\fB\-\-verbatim\-files\-from\fP オプションを指定した後で動作を元に戻すためである。
950
951 このオプションは指定する位置が意味を持つ。 すなわち、コマンドラインでこのオプションより後に指定されるすべての \fB\-\-files\-from\fP
952 オプションに影響し、\fB\-\-verbatim\-files\-from\fP オプションが現れるか、コマンドラインの末尾に達するまで効果が続く。
953
954 \fB\-\-no\-null\fP オプションを指定すると、このオプションが暗黙裡に設定される。
955 .TP 
956 \fB\-\-null\fP
957 後に続く \fB\-T\fP オプションに対して、null で終端された名前を文字通りに読み込むように指示する
958 (つまり、\fB\-T\fP オプションでダッシュで始まる名前の特別扱いをしなくなる)。
959
960 \fB\-\-verbatim\-files\-from\fP も参照すること。
961 .RS
962 .IP "[\fB訳注\fP]"
963 \fB\-\-null\fP オプションの第一の働きは、それ以後に現れる \fB\-T\fP
964 オプションに対して、ファイルリストの各項目が、改行ではなく、
965 ASCII NUL で区切られていると知らせることである。
966 上の説明で述べているようなことは、二次的な働きというか、むしろ、
967 このオプションによって自動的に設定される
968 \fB\-\-verbatim\-files\-from\fP の働きだと言える。
969 .RE
970 .TP 
971 \fB\-N\fP, \fB\-\-newer\fP=\fIDATE\fP, \fB\-\-after\-date\fP=\fIDATE\fP
972 DATE より新しいファイルのみを格納する。 \fIDATE\fP が \fB/\fP または \fB.\fP で始まっている場合は、
973 ファイル名と見なされ、そのファイルの ctime が日付として使われる。
974 .TP 
975 \fB\-\-one\-file\-system\fP
976 アーカイブを作成する際に、ローカルファイルシステムに限定する。
977 .TP 
978 \fB\-P\fP, \fB\-\-absolute\-names\fP
979 アーカイブを作成する際に、ファイル名の先頭のスラッシュを除去しない。
980 .TP 
981 \fB\-\-recursion\fP
982 ディレクトリを再帰的に辿る (デフォルト)。
983 .TP 
984 \fB\-\-suffix\fP=\fISTRING\fP
985 削除する前にバックアップを作り、拡張子を通常のものから変更する。 環境変数 \fBSIMPLE_BACKUP_SUFFIX\fP
986 によって変更されていないかぎり、 デフォルトの拡張子は \fB~\fP である。
987 .TP 
988 \fB\-T\fP, \fB\-\-files\-from\fP=\fIFILE\fP
989 アーカイブから抽出する名前やアーカイブに格納する名前を
990 \fIFILE\fP から読み込む。
991
992 別の指定がないかぎり、\fIFILE\fP の内容は、ASCII \fBLF\fP で区切られた名前のリストでなければならない (つまり、1 行に 1
993 個の名前だ)。 読み込まれた名前は、コマンドラインの引き数と同じやり方で処理される。 すなわち、引用符が除去され、単語に分割され、そして、ダッシュ
994 (\fB\-\fP)  で始まる文字列があれば、\fBtar\fP のコマンドラインオプションとして処理される。
995 .RS
996 .IP "[\fB訳注\fP]:" 8
997 上のパラグラフの後半で説明しているのは、オプションを指定した行が \fIFILE\fP
998 中にあるかどうかを知るために \fBtar\fP
999 が取る手続きであって、ファイル名を指定した行の扱いには関係がないようだ。
1000 そうした行は、あるがままに、すなわち、引用符に囲まれていれば、
1001 引用符が付いたものとして、先頭に空白があれば、空白に始まるファイル名として、扱われる。また、手元の
1002 \fBtar\fP 1.32 では、オプションの行でも、引用符の除去はやっていないようである。
1003 .RE
1004
1005 .PP
1006 .RS
1007 この動作が望ましくない場合は、 \fB\-\-verbatim\-files\-from\fP オプションでやめさせることができる。
1008
1009 \fB\-\-null\fP オプションを指定すると、\fBtar\fP は \fIFILE\fP 中の名前の区切りを \fBLF\fP ではなく、ASCII \fBNUL\fP
1010 文字にする。 これはリストが \fBfind\fP(1)  の \fB\-print0\fP アクションで生成されている場合に役に立つ。
1011 .RE
1012 .TP 
1013 \fB\-\-unquote\fP
1014 指定された入力ファイル名やメンバー名中の、バックスラッシュでクォートされたシーケンスを解釈・変換する
1015 (デフォルト)。(訳注: すなわち、\et, \en, \eb
1016 などをタブ、改行などとして扱うということ。
1017 なお、このオプションはコマンドライン上の位置が意味を持つ。)
1018 .TP 
1019 \fB\-\-verbatim\-files\-from\fP
1020 ファイルリストから読み込んだ各行がダッシュで始まっていても、フィル名として扱う。
1021 ファイルリストの取得には、\fB\-\-files\-from\fP (\fB\-T\fP) オプションを使用する。\fBtar\fP
1022 のデフォルトの動作は、ファイルリストから読み込んだ名前を、
1023 あたかもコマンドラインから打ち込まれたかのように処理することである。
1024 すなわち、ダッシュで始まっている名前があれば、
1025 \fBtar\fP のオプションと見なす。この \fB\-\-verbatim\-files\-from\fP
1026 オプションは、そうした動作をしないようにするのである。
1027
1028 このオプションは、コマンドラインでこれより後に指定されるすべての \fB\-\-files\-from\fP オプションに影響を与える。 このオプションの効果は、
1029 \fB\-\-no\-verbatim\-files\-from\fP  オプションによって元に戻すことができる。
1030
1031 \fB\-\-null\fP オプションを指定すると、このオプションが暗黙裡に設定される。
1032
1033 \fB\-\-add\-file\fP も参照すること。
1034 .TP 
1035 \fB\-X\fP, \fB\-\-exclude\-from\fP=\fIFILE\fP
1036 FILE にリストされたパターンにマッチするファイルを除外する。
1037 .SS ファイル名の変更
1038 .TP 
1039 \fB\-\-strip\-components\fP=\fINUMBER\fP
1040 抽出時にファイル名の先頭から \fINUMBER\fP 個の構成要素 (訳注: 要するに、\fINUMBER\fP 個のディレクトリ部分) を取り去る。
1041 .TP 
1042 \fB\-\-transform\fP=\fIEXPRESSION\fP, \fB\-\-xform\fP=\fIEXPRESSION\fP
1043 sed の置換表現 \fIEXPRESSION\fP をファイル名の変更に使う。
1044 .SS ファイル名のマッチングに関するオプション
1045 これらのオプションは除外 (exclude) パターンと包摂 (include) パターンの両方に影響する。
1046 .TP 
1047 \fB\-\-anchored\fP
1048 パターンはファイル名の先頭にマッチする。
1049 .TP 
1050 \fB\-\-ignore\-case\fP
1051 大文字小文字を区別しない。
1052 .TP 
1053 \fB\-\-no\-anchored\fP
1054 パターンはどの \fB/\fP の後にでもマッチする (除外時のデフォルト)。
1055 .TP 
1056 \fB\-\-no\-ignore\-case\fP
1057 大文字小文字を区別してマッチングを行う (デフォルト)。
1058 .TP 
1059 \fB\-\-no\-wildcards\fP
1060 パターンの文字列を文字通りに解してマッチングを行う (訳注: これはワイルドカード文字をただの文字として扱うということ。\et, \en
1061 などを文字通りに読む方は、\fB\-\-no\-unquote\fP を使う)。
1062 .TP 
1063 \fB\-\-no\-wildcards\-match\-slash\fP
1064 ワイルドカードは \fB/\fP にマッチしない。
1065 .TP 
1066 \fB\-\-wildcards\fP
1067 ワイルドカードを使う (除外時のデフォルト)。
1068 .TP 
1069 \fB\-\-wildcards\-match\-slash\fP
1070 ワイルドカードは \fB/\fP にマッチする (除外時のデフォルト)。
1071 .SS 情報出力
1072 .TP 
1073 \fB\-\-checkpoint\fP[=\fIN\fP]
1074 \fIN\fP レコード (デフォルトは 10) ごとに進捗メッセージを表示する。
1075 .TP 
1076 \fB\-\-checkpoint\-action\fP=\fIACTION\fP
1077 チェックポイントごとに \fIACTION\fP を実行する。
1078 .TP 
1079 \fB\-\-clamp\-mtime\fP
1080 \-\-mtime で指定された日時より新しいファイルに対してのみ、日時を設定する。
1081 .TP 
1082 \fB\-\-full\-time\fP
1083 高精度でファイルの日時を表示する (訳注: tar 1.32 では秒まで。\fB\-v\fP オプションが必要)。
1084 .TP 
1085 \fB\-\-index\-file\fP=\fIFILE\fP
1086 詳細出力を \fIFILE\fP に書き出す。
1087 .TP 
1088 \fB\-l\fP, \fB\-\-check\-links\fP
1089 ハードリンクのすべてをダンプしていない場合に、その旨メッセージを出す。
1090 .TP 
1091 \fB\-\-no\-quote\-chars\fP=\fISTRING\fP
1092 \fISTRING\fP に列挙された文字を、表示するときにクォートする文字のリストから外す (訳注: リストから外せるのは、\fB\-\-quote\-chars\fP
1093 によって追加された文字だけであり、 デフォルトでクォートすることになっている文字を外せるわけではない。次の項目ともども info tar を参照)。
1094 .TP 
1095 \fB\-\-quote\-chars\fP=\fISTRING\fP
1096 \fISTRING\fP に列挙された文字を、表示するときにクォートする文字のリストに追加する。
1097 .TP 
1098 \fB\-\-quoting\-style\fP=\fISTYLE\fP
1099 ファイル名やメンバー名を表示するときのクォート形式を設定する。 \fISTYLE\fP に指定できる値は以下のとおりである。 \fBliteral\fP,
1100 \fBshell\fP, \fBshell\-always\fP, \fBc\fP, \fBc\-maybe\fP, \fBescape\fP, \fBlocale\fP,
1101 \fBclocale\fP.
1102 .TP 
1103 \fB\-R\fP, \fB\-\-block\-number\fP
1104 各メッセージにアーカイブ中のブロック番号を付ける。
1105 .TP 
1106 \fB\-\-show\-omitted\-dirs\fP
1107 内容表示や抽出をする際、検索の基準にマッチしないディレクトリに出会うごとに、その旨表示する
1108 (訳注: 要するに、何らかの理由で、内容表示や抽出をスキップするディレクトリがあれば、
1109 それを知らせるということ。\fBinfo tar verbose\fP
1110 を実行すると、そのセクション中にこのオプションのかなり詳しい説明がある)。
1111 .TP 
1112 \fB\-\-show\-transformed\-names\fP, \fB\-\-show\-stored\-names\fP
1113 ファイル名やアーカイブ名を表示する際、\fB\-\-strip\fP や \fB\-\-transform\fP オプションで変更した後の名前を使う (訳注:
1114 デフォルトでは変更前の名前が使われる)。
1115 .TP 
1116 \fB\-\-totals\fP[=\fISIGNAL\fP]
1117 アーカイブを処理した後で総バイト数を表示する。
1118 \fISIGNAL\fP を指定すると、そのシグナルが送られたときの総バイト数を表示する。
1119 指定できるシグナルは、 \fBSIGHUP\fP, \fBSIGQUIT\fP, \fBSIGINT\fP, \fBSIGUSR1\fP,
1120 \fBSIGUSR2\fP である。接頭辞の \fBSIG\fP は省略できる。
1121 .TP 
1122 \fB\-\-utc\fP
1123 ファイル更新日時を UTC で表示する。
1124 .TP 
1125 \fB\-v\fP, \fB\-\-verbose\fP
1126 処理したファイルの詳しいリストを出力する。
1127 このオプションをコマンドラインで指定した数だけ、詳細レベルが
1128 1 つずつ上がる。最大の詳細レベルは 3 である。それぞれの詳細レベルで
1129 tar の出力がどのようになるかについては、\fBGNU Tar Manual\fP
1130 のサブセクション 2.5.2 "\fBThe '\-\-verbose' Option\fP"
1131 に詳しい説明があるので、参照していただきたい
1132 (訳注: \fBinfo tar 'verbose tutorial'\fP で見ることができる)。
1133 .TP 
1134 \fB\-\-warning\fP=\fIKEYWORD\fP
1135 \fIKEYWORD\fP で特定される警告メッセージを有効、または無効にする。
1136 \fIKEYWORD\fP の前に \fBno\-\fP を付ければ、そのメッセージは抑制され、
1137 付けなければ、有効になる。
1138
1139 \fB\-\-warning\fP のメッセージを複数指定すると、前のものに後のものが積み重なって行く。
1140
1141 以下のキーワードは \fBtar\fP の操作全般を制御するものである:
1142 .RS
1143 .TP 
1144 \fBall\fP
1145 すべての警告メッセージを有効する。これがデフォルト。
1146 .TP 
1147 \fBnone\fP
1148 すべての警告メッセージを無効にする。
1149 .TP 
1150 \fBfilename\-with\-nuls\fP
1151 "%s: 読み込んだファイル名にヌル文字が含まれています"
1152 .TP 
1153 \fBalone\-zero\-block\fP
1154 "%s に孤立したゼロブロックがあります"
1155 .HP
1156 以下のキーワードは \fBtar \-\-create\fP に対して適用される:
1157 .TP 
1158 \fBcachedir\fP
1159 "%s: キャッシュディレクトリの目印 %s があります; %s"
1160 .TP 
1161 \fBfile\-shrank\fP
1162 "%s: ファイルが %s バイト小さくなったので、ゼロで埋めます"
1163 .TP 
1164 \fBxdev\fP
1165 "%s: ファイルが異なるファイルシステム上にあるので、ダンプしません"
1166 .TP 
1167 \fBfile\-ignored\fP
1168 "%s: 未知のファイルタイプ。このファイルは無視します"
1169 .br
1170 "%s: ソケットは無視します"
1171 .br
1172 "%s: door は無視します"
1173 .TP 
1174 \fBfile\-unchanged\fP
1175 "%s: ファイルが変更されていないので、ダンプしません"
1176 .TP 
1177 \fBignore\-archive\fP
1178 "%s: ファイルがこのアーカイブなので、ダンプしません"
1179 .TP 
1180 \fBfile\-removed\fP
1181 "%s: ファイルが読み込む前に削除されました"
1182 .TP 
1183 \fBfile\-changed\fP
1184 "%s: 読み込んだファイルが変更されています"
1185 .TP 
1186 \fBfailed\-read\fP
1187 読み込み不能なファイルやディレクトリについての警告メッセージを抑止する。
1188 このキーワードは \fB\-\-ignore\-failed\-read\fP
1189 オプションと一緒に使用した場合にのみ適用される。
1190 .HP
1191 以下のキーワードは \fBtar \-\-extract\fP に対して適用される:
1192 .TP 
1193 \fBexisting\-file\fP
1194 "%s: 既存ファイルをスキップします"
1195 .TP 
1196 \fBtimestamp\fP
1197 "%s: あまりにも古いタイムスタンプ %s"
1198 .br
1199 "%s: タイムスタンプ %s は %s 秒後の日時を示しています"
1200 .TP 
1201 \fBcontiguous\-cast\fP
1202 "連続したファイル (configuous files) を普通のファイルとして取り出します"
1203 .TP 
1204 \fBsymlink\-cast\fP
1205 "シンボリックリンクをハードリンクとして取り出してみます"
1206 .TP 
1207 \fBunknown\-cast\fP
1208 "%s: 未知のファイルタイプ '%c'、通常のファイルとして抽出します"
1209 .TP 
1210 \fBignore\-newer\fP
1211 "現在の %s の方が新しいか同じです"
1212 .TP 
1213 \fBunknown\-keyword\fP
1214 "未知の拡張ヘッダキーワード '%s' を無視します"
1215 .TP 
1216 \fBdecompress\-program\fP
1217 ある伸長プログラムの実行に失敗して、
1218 別のプログラムで代用しようとしたときに出る詳しい説明をコントロールする。
1219 この警告は、デフォルトでは無効になっている (\fB\-\-verbose\fP 使用時を除く)。
1220 この警告を有効にしたときに表示されるよくある例は、次のようなものである。
1221
1222 .EX
1223 $ tar \-\-warning=decompress\-program \-x \-f archive.Z
1224 tar (child): cannot run compress: No such file or directory
1225 tar (child): trying gzip
1226 .EE
1227
1228 このメッセージは、\fBtar\fP が最初に \fBcompress\fP を使って \fBarchive.Z\fP を伸長しようとして、それに失敗し、\fBgzip\fP
1229 に切り替えたことを示している。
1230 .TP 
1231 \fBrecord\-size\fP
1232 "レコードサイズ = %lu ブロック"
1233 .HP
1234 インクリメンタルな抽出を制御するキーワード:
1235 .TP 
1236 \fBrename\-directory\fP
1237 "%s: ディレクトリ名が %s から変更されました"
1238 .br
1239 "%s: ディレクトリ名が変更されました"
1240 .TP 
1241 \fBnew\-directory\fP
1242 "%s: ディレクトリは新しく作られました"
1243 .TP 
1244 \fBxdev\fP
1245 "%s: ディレクトリは異なるデバイス上にあるので消去しません"
1246 .TP 
1247 \fBbad\-dumpdir\fP
1248 "不正形式の dumpdir: 'X' が未使用"
1249 .RE
1250 .TP 
1251 \fB\-w\fP, \fB\-\-interactive\fP, \fB\-\-confirmation\fP
1252 すべての動作に対して確認を求める。
1253 .SS 互換オプション
1254 .TP 
1255 \fB\-o\fP
1256 作成時は \fB\-\-old\-archive\fP と同じであり、抽出時は \fB\-\-no\-same\-owner\fP
1257 と同じである。
1258 .SS サイズ接尾辞
1259 .sp
1260 .nf
1261 .ta 8n 18n 42n
1262 .ul
1263         接尾辞       単位  バイトサイズ
1264         b       ブロック    \fISIZE\fP x 512
1265         B       キロバイト \fISIZE\fP x 1024
1266         c       バイト       \fISIZE\fP
1267         G       ギガバイト \fISIZE\fP x 1024^3
1268         K       キロバイト \fISIZE\fP x 1024
1269         k       キロバイト \fISIZE\fP x 1024
1270         M       メガバイト \fISIZE\fP x 1024^2
1271         P       ペタバイト \fISIZE\fP x 1024^5
1272         T       テラバイト \fISIZE\fP x 1024^4
1273         w       ワード       \fISIZE\fP x 2
1274 .fi
1275 .PP
1276 .SH 返り値
1277 tar の終了コードは、要求された操作の遂行に成功したかどうか、 成功しなかった場合は、どのようなエラーが起きたかを示している。
1278 .TP 
1279 \fB0\fP
1280 成功して終了した。
1281 .TP 
1282 \fB1\fP
1283 \fIいくつかのファイルに相違がある。\fP tar が \fB\-\-compare\fP (\fB\-\-diff\fP, \fB\-d\fP)
1284 コマンドラインオプションとともに起動された場合は、
1285 アーカイブ内のファイルにディスク上の同名ファイルと異なっているものがあるということである。
1286 \fB\-\-create\fP, \fB\-\-append\fP, \fB\-\-update\fP
1287 オプションのいずれかが指定された場合は、アーカイブ処理の最中に変更されたファイルがあり、
1288 従って、生成されたアーカイブはファイルセットの正確なコピーを保持していないことを示している。
1289 .TP 
1290 \fB2\fP
1291 \fI致命的なエラー。\fP これは、何らかの致命的で回復不能なエラーが起きたことを表している。
1292 .PP
1293 \fBtar\fP によって起動されたサブプロセスが、0 以外の終了コードで終了した場合は、\fBtar\fP
1294 自身もその終了コードで終了する。たとえば、圧縮オプション (\fB\-z\fP など)
1295 を使用したとき、外部の圧縮プログラムが実行に失敗すると、そうしたことが起こり得る。
1296 他の例としては、\fBrmt\fP がリモートデバイスへのバックアップ中に失敗した場合などがある。
1297 .SH 関連項目
1298 \fBbzip2\fP(1), \fBcompress\fP(1), \fBgzip\fP(1), \fBlzma\fP(1), \fBlzop\fP(1), \fBrmt\fP(8),
1299 \fBsymlink\fP(7), \fBxz\fP(1), \fBzstd\fP(1).
1300 .PP
1301 詳細な \fBtar\fP マニュアルは、 \fBinfo tar\fP を実行するか、 \fBemacs\fP(1)  の info
1302 モードを使用すれば、読むことができる。
1303 .PP
1304 また、以下のサイトに行けば、様々な形式にした \fBGNU tar\fP マニュアルのオンライン版を見つけることができる。
1305 .PP
1306 .in +4
1307 \fBhttp://www.gnu.org/software/tar/manual\fP
1308 .SH バグ報告
1309 バグは <bug\-tar@gnu.org> に報告していただきたい。
1310 .SH 著作権
1311 Copyright \(co 2013 Free Software Foundation, Inc.
1312 .br
1313 .na
1314 License GPLv3+: GNU GPL version 3 or later
1315 <http://gnu.org/licenses/gpl.html>
1316 .br
1317 .ad
1318 This is free software: you are free to change and redistribute it.  There is
1319 NO WARRANTY, to the extent permitted by law.
1320 .SH 訳者謝辞
1321 \fBtar\fP の出す警告文は、Masahito Yamaga さんによる tar-1.32 
1322 のメッセージカタログの翻訳を利用させていただきました。お礼を申し上げます。
1323 ただし、このマニュアル内で読みやすいように、すこし手を加えたところもあります。
1324 ご了承ください。
1325 .PP
1326 なお、翻訳に当たっては、できるだけ実際に動かして確認していますが、
1327 テープドライブは使ったことがありません。そのため、そのへんの翻訳については、
1328 間違いがあるかもしれません。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたく思います。
1329 .\" Local variables:
1330 .\" eval: (add-hook 'write-file-hooks 'time-stamp)
1331 .\" time-stamp-start: ".TH [A-Z_][A-Z0-9_.\\-]* [0-9] \""
1332 .\" time-stamp-format: "%:B %:d, %:y"
1333 .\" time-stamp-end: "\""
1334 .\" time-stamp-line-limit: 20
1335 .\" end: