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33 .\" Updated 2005-11-04, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>
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35 .\" Updated 2008-11-10, Akihiro MOTOKI, LDP v3.13
40 .TH MLOCK 2 2008-09-25 "Linux" "Linux Programmer's Manual"
42 mlock \- メモリのロックとロック解除を行う
45 .B #include <sys/mman.h>
47 .BI "int mlock(const void *" addr ", size_t " len );
48 .BI "int munlock(const void *" addr ", size_t " len );
50 .BI "int mlockall(int " flags );
51 .B int munlockall(void);
57 はそれぞれ、呼び出し元プロセスの仮想アドレス空間の一部または全部を
58 RAM 上にロックし、メモリがスワップエリアにページングされるのを防ぐ。
62 は逆の操作で、それぞれ呼び出し元プロセスの仮想アドレス空間の一部または全部を
63 ロック解除する。つまり、指定された仮想アドレス範囲のページは
64 カーネルメモリマネージャーから要求されればスワップアウトするようになる。
65 メモリのロックとロック解除はページ単位で行われる。
66 .SS "mlock() と munlock()"
76 これらのページは後でロック解除されるまで RAM に残り続けることが保証される。
83 バイトのアドレス範囲のページのロックを解除する。
84 この呼び出しを行った後は、カーネルが、指定されたメモリ範囲を含む
85 全てのページを外部のスワップ空間に移動できるようになる。
86 .SS "mlockall() と munlockall()"
88 は呼び出し元プロセスのアドレス空間にマップされている全てのページを
89 ロックする。これにはコード、データ、スタックの
90 各セグメント、共有ライブラリ、カーネルのユーザー空間データ、
91 共有メモリ、メモリ・マップされたファイルが含まれる。
92 システム・コールが成功した場合には全てのマップされたページは RAM に
94 これらのページは後でロック解除されるまで RAM に残り続けることが保証される。
97 引数は以下の内容の一つまたは複数のビット OR から構成される:
100 現在、プロセスのアドレス空間にマップされている全てのページをロックする。
103 将来、プロセスのアドレス空間にマップされる全てのページをロックする。
104 例えば、ヒープ (heap) やスタックの成長により新しく必要になったページだけで
105 なく、新しくメモリマップされたファイルや共有メモリ領域もロックされる。
108 が指定されていると、以後のシステムコール (例えば、
112 は、ロックするバイト数が許可された最大値 (下記参照) を超えた場合に
114 同様に、スタックの成長も失敗する可能性がある。
115 その場合、カーネルはスタックの拡張を拒否し、
120 は、呼び出し元プロセスのアドレス空間にマッピングされている
123 成功した場合は、これらのシステムコールはゼロを返す。
126 が適切に設定され、プロセスのアドレス空間におけるロックは変更されない。
130 (Linux 2.6.9 以降) 呼び出し元は非ゼロの
133 を持つが、制限が許可している以上のメモリをロックしようとした。
139 (Linux 2.4 以前) 呼び出し元プロセスが RAM の半分以上をロックしようとした。
142 (Linux 2.6.9 以降) 呼び出し元は特権
152 を呼び出すのに必要な特権を所有していなかった。
156 .\"SVr4 のドキュメントには、これ以外にエラーコード EAGAIN の記載がある。
164 指定されたアドレス範囲の一部または全てをロックすることができなかった。
176 指定されたアドレス範囲がプロセスのアドレス空間にマップされたページと
183 未知の \fIflags\fP が指定された。
189 (Linux 2.6.8 以前) 呼び出し元が権限
199 .B _POSIX_MEMLOCK_RANGE
200 が \fI<unistd.h>\fP で定義されている。
202 \fI<limits.h>\fP で定義される定数
205 .I sysconf(_SC_PAGESIZE)
213 は \fI<unistd.h>\fP で 0 より大きい値に定義されている
216 .\" POSIX.1-2001: この変数は -1 か 0 か 200112l のいずれかに
218 .\" -1: 利用できない、0: sysconf() に問い合わせる
219 .\" glibc では 1 に定義している。
221 メモリのロックの用途としては主に二つある: リアルタイム
222 アルゴリズムと高いセキュリティの必要なデータ処理である。リアルタイムの
223 アプリケーションは決定的なタイミングやスケジューリングを必要とするが、
224 ページングは予期しないプログラムの実行遅延をもたらす主要な要因となる。
225 リアルタイムのアプリケーションはたいていは
226 .BR sched_setscheduler (2)
228 暗号やセキュリティのソフトウェアはしばしばパスワードや秘密鍵のデータの
229 ような重要なバイト列を扱う。ページングの結果、これらの秘密が
230 スワップ用の固定媒体に転送されるかもしれない。そして、セキュリティ・
231 ソフトウェアが RAM 上の秘密を削除して終了したずっと後になっても、
232 このスワップされたデータには敵がアクセスできる可能性がある
233 (しかし、ラップトップといくつかのデスクトップコンピュータの
234 サスペンドモードはシステムの RAM の内容をメモリのロックに関わらず
239 を使ってページフォールトによる遅延を防ごうとする場合、
240 関数呼び出しによってページフォールトが発生しないように、
241 時間制限の厳しい部分 (time-critical section) に入る前に
242 十分な量のロックされたスタックを確保しておく必要がある。
243 これを実現するには、十分な大きさの自動変数 (の配列) を確保し、
244 これらのスタック用のページがメモリ上に確保されるようにこの配列に
245 書き込みを行う関数を用意し、これを呼び出せばよい。こうすることで、
246 十分な量のページがスタックにマッピングされ、RAM にロックされる。
248 時間制限の厳しい部分 (critical section) 内では書き込み時コピーによる
249 ページフォールトさえも発生しないことが保証される。
256 自動的に削除される (ロック解除される)。
258 あるアドレス範囲に対するメモリロックは、そのアドレス範囲が
260 によってアンマップされた場合は削除される。
272 を呼び出したりするだけでロック解除される。
273 複数の場所や複数のプロセスにマップされているページは、少なくとも一つの場所、
274 一つのプロセスでロックされている限りは RAM に残り続ける。
282 を端数切り捨てにより一番近いページ境界へと丸める。
285 がページ境界に合っていることを要求する実装も許している。
286 そのため移植性を意図したアプリケーションではきちんと境界に合わせた方が良い。
288 Linux 2.6.8 以前では、メモリをロックするためには特権
293 はプロセスがどれだけのメモリをロックできるかの制限を定義する。
295 Linux 2.6.9 以降では、特権を持つプロセスがロックできるメモリ量は無制限となり、
298 は特権を持たないプロセスがロックできるメモリ量の制限を定義する。
300 2.4.17 までの 2.4 シリーズの Linux カーネルには、
306 これはカーネル 2.4.18 で修正された。
308 カーネル 2.6.9 以降では、特権を持ったプロセスが
309 .I mlockall(MCL_FUTURE)
310 を呼び出した後で、特権をなくした場合 (例えば、
311 実効 UID を 0 以外の値に変更するなどにより、
313 ケーパビリティを失った場合)、リソース上限
315 に達すると、それ以降のメモリ割り当て (例えば
319 .\" LKML の以下のスレッドを参照:
320 .\" http://marc.theaimsgroup.com/?l=linux-kernel&m=113801392825023&w=2
321 .\" "Rationale for RLIMIT_MEMLOCK"