2 .\" Copyright (c) 1996 Andries Brouwer <aeb@cwi.nl>, Mon Oct 31 22:13:04 1996
4 .\" This is free documentation; you can redistribute it and/or
5 .\" modify it under the terms of the GNU General Public License as
6 .\" published by the Free Software Foundation; either version 2 of
7 .\" the License, or (at your option) any later version.
9 .\" This is combined from many sources.
10 .\" For Linux, the definitive source is of course console.c.
11 .\" About vt100-like escape sequences in general there are
12 .\" the ISO 6429 and ISO 2022 norms, the descriptions of
13 .\" an actual vt100, and the xterm docs (ctlseqs.ms).
14 .\" Substantial portions of this text are derived from a write-up
15 .\" by Eric S. Raymond <esr@thyrsus.com>.
17 .\" Tiny correction, aeb, 961107.
19 .\" 2006-05-27, Several corrections - Thomas E. Dickey
21 .\" Japanese Version Copyright (c) 1996,1997,1998
22 .\" ISHIKAWA Mutsumi, TAKAHASHI Mutsuji
23 .\" all rights reserved.
24 .\" Translated Mon Jul 21 03:12:45 JST 1997
25 .\" by ISHIKAWA Mutsumi <ishikawa@linux.or.jp>
26 .\" and TAKAHASHI Mutsuji <muz@ilp.iijnet.or.jp>
28 .\" Japanese Version Modified Mon Jan 12 03:29:14 JST 1998
29 .\" by ISHIKAWA Mutsumi <ishikawa@linux.or.jp>
30 .\" Updated Wed Jan 9 JST 2001 by Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
31 .\" Updated Sun Jul 23 JST 2006 by Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
32 .\" Updated Tue Jul 22 JST 2008 by Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
34 .\" WORD: private mode プライベートモード
36 .TH CONSOLE_CODES 4 2011-09-15 "Linux" "Linux Programmer's Manual"
38 console_codes \- Linux コンソールのエスケープシーケンスとコントロール
41 Linux コンソールは VT102 と ECMA-48/ISO6429/ANSI X3.64 端末コンソールの
42 サブセットに、カラーパレットや文字集合のマッピングなどを変更する
43 プライベートモードシーケンスを加えて実装されている。
44 以下の表では、機能の ECMA-48 または DEC のニーモニクス(DECで始まれば後者)を
46 ニーモニクスのないものは ECMA-48 でも VT102 でもないものである。
48 すべての出力作業が終って、実際に印字するために文字のストリームが
49 コンソールドライバーに届いた時、最初に行なわれるのが、処理用コードから
52 もし、コンソールが UTF-8 モードなら、入って来たバイト(byte)は
53 16 ビットの Unicode に組み立てられる。そうでなければ、それぞれの
54 バイトは現在の(各バイトを Unicode の値に変換する)マッピングテーブルに
55 従って変換される。これに関しては下のキャラクターセット(Charcter Sets)
58 通常、Unicode の値はフォントインデックス(font index) に変換され、
59 ビデオメモリに蓄えられる。そして(ビデオ ROM 中に見付けられる)
60 対応するグリフ(glyph)が画面に現れる。
61 Unicode を用いると、(PC 互換機の設計では) 512 の異なった
64 現在の Unicode の値がコントロール文字であるかエスケープシーケンスを
65 処理している時には、その値は特別に扱われる。
66 フォントのインデックスに変換されてグリフとして表示される代わりに、カーソルの
67 移動やその他のコントロール機能を実行させる。
68 詳しいことは、後述の「LINUX コンソールコントロール」のセクションを参照のこと。
70 一般に端末コントロールコードをプログラム中に直接記述するのは
72 Linuxでは、端末において実現可能な操作のデータベースである
75 コンソールエスケープシーケンスをわざわざ入力するよりも、ほとんどの場合
81 などのスクリーンライブラリやユーティリティーを使いたいと思うであろう。
82 .SS "Linux コンソールコントロール"
83 この章では Linux コンソールにおいて特殊な機能(つまり、現在のカーソル位置に
84 文字のイメージを印字する以外のこと)を起こさせる全てのコントロール文字と
89 コントロール文字とは、(マッピングテーブルによる変換前のコードが)
90 00 (NUL), 07 (BEL), 08 (BS), 09 (HT), 0a (LF), 0b (VT),
91 0c (FF), 0d (CR), 0e (SO), 0f (SI), 18 (CAN), 1a (SUB),
92 1b (ESC), 7f (DEL) の 14 のコードのうちのどれかである文字である。
93 "コントロール文字表示(display control characters)"モード(後述)を
94 設定すると、07, 09, 0b, 18, 1a, 7f をグリフとして表示することができる。
95 一方、 UTF-8 モードでは、00-1f の全てのコードは、コントロール文字表示
96 モードが指定された場合でもコントロール文字として扱われる。
98 コントロール文字がある時には、それはすぐに(たとえエスケープシーケンスの
99 途中でも)実行され、破棄される。エスケープシーケンスは次の文字から続けられる
100 (しかし、ESC は新しいエスケープシーケンスを始めるので、
101 前の終了していないエスケープシーケンスが中止される可能性がある。
102 さらに、CAN と SUB はどんなエスケープシーケンスも中止する)。
103 認められているコントロール文字は、BEL, BS, HT, LF, VT, FF, CR, SO, SI,
104 CAN, SUB, ESC, DEL, CSI である。これらは期待どおりの動作をする:
106 BEL (0x07, \fB^G\fP) はビープ音を鳴らす;
108 BS (0x08, \fB^H\fP) はバックスペース
111 HT (0x09, \fB^I\fP) は次のタブストップ(tab stop)へ移動する、そこから行末までに
112 タブストップが無い場合は行の終りに移動する;
114 LF (0x0A, \fB^J\fP), VT (0x0B, \fB^K\fP), FF (0x0C, \fB^L\fP) これらは全て
115 ラインフィード(linefeed)を与える;
116 LF/NL (ニューラインモード(new line mode))がセットされていれば
119 CR (0x0D, \fB^M\fP) はキャリッジリターンを与える;
121 SO (0x0E, \fB^N\fP) は G1 文字集合をアクティブにする。
123 SI (0x0F, \fB^O\fP) は G0 文字集合をアクティブにする;
125 CAN (0x18, \fB^X\fP) と SUB (0x1A, \fB^Z\fP) はエスケープシーケンスを中断する;
127 ESC (0x1B, \fB^[\fP) はエスケープシーケンスを始める。
131 CSI (0x9B) は ESC [ と等価。
133 .B "エスケープシーケンスであるが CSI シーケンスでないもの"
140 ESC H HTS 現在の桁の位置にタブストップを設定する。
143 DEC固有の識別用。カーネルは文字列 ESC [ ? 6 c を返す。
144 これは端末がVT102であることを意味する。
147 現在の状態(カーソルの座標、属性、G0, G1 で示している
150 ESC 8 DECRC 最後に ESC 7 でセーブした状態を復帰させる。
151 ESC [ CSI コントロールシーケンスを導入する。
152 ESC % キャラクターセットを選択するシーケンスを開始する。
153 ESC % @ \0\0\0 デフォルト(ISO 646 / ISO 8859-1)を選択する。
154 ESC % G \0\0\0 UTF-8 を選択する。
155 ESC % 8 \0\0\0 UTF-8 を選択する(旧式)。
156 ESC # 8 DECALN DEC のスクリーン調整テスト \- スクリーンを E で
158 ESC ( G0 文字集合を定義するシーケンスを開始する。
159 ESC ( B \0\0\0 デフォルト(ISO 8859-1 マッピング)を選択する。
160 ESC ( 0 \0\0\0 VT100 グラフィクスマッピングを選択する。
161 ESC ( U \0\0\0 ヌルマッピングを選択する \- キャラクタ ROM から
163 ESC ( K \0\0\0 ユーザー定義のマッピングを選択する \- そのマップ
164 \0\0\0 は \fBmapscrn\fP(8) ユーティリティーによってロー
166 ESC ) G1 を定義するシーケンスを開始する。
167 (すでに述べたように B, 0, U, K のどれかが次に続く)
168 ESC > DECPNM 数値キーパッドモード(numeric keypad mode)を
170 ESC = DECPAM アプリケーションキーパッドモード(application keypad
173 ("Operating system command"のことだろう)
174 ESC ] P \fInrrggbb\fP: 最後の P のあとの 7 つの 16 進数を
175 パラメータとして :-( パレットをセットする。
176 ここで、\fIn\fPは色 (0-15)、\fIrrggbb\fPは赤/緑/青の値
178 ESC ] R: パレットをリセットする。
182 .B "ECMA-48 CSI シーケンス"
184 CSI (または ESC [ ) のあとに、最大で NPAR (16) 個のセミコロンで区切られた
186 空であるかそこにないパラメータは 0 とされる。
187 パラメータシーケンスの前にはひとつのクエスチョンマークがつくことがある。
189 しかし、CSI [ (または ESC [ [ ) の後では、一文字が読まれ、このすべての
190 パラメータシーケンスが無視される(要するにファンクションキーのエコーは
193 CSI シーケンスの動作は、その最後の文字によって決まる。
196 @ ICH 指示された数の空白文字を挿入する。
197 A CUU 指示された数だけカーソルを上方向に移動する。
198 B CUD カーソルを指示された数の行だけ下方向に移動する。
199 C CUF カーソルを指示された数の桁だけ右に移動する。
200 D CUB カーソルを指示された数の桁だけ左に移動する。
201 E CNL カーソルを指示された数の行だけ下の第 1 桁に移動する。
202 F CPL カーソルを指示された数の行だけ上の第 1 桁に移動する。
203 G CHA カーソルを現在の行の指示された桁に移動する。
204 H CUP カーソルを指示された行、桁(1,1を原点とする)に
206 J ED ディスプレイの消去(デフォルト: カーソルからディスプレイの
208 ESC [ 1 J: 最初からカーソルまでの消去。
209 ESC [ 2 J: ディスプレイ全体の消去。
210 ESC [ 3 J: スクロールバッファも含めたディスプレイ全体の
212 .\" ESC [ 3 J: commit f8df13e0a901fe55631fed66562369b4dba40f8b
213 K EL 行の消去(デフォルト: カーソルから行末まで)。
214 ESC [ 1 K: 行頭からカーソルまでの消去。
218 P DCH 現在の行から指示された数の文字を削除する。
219 X ECH 現在の行から指示された数の文字を消去する。
220 a HPR カーソルを指示された数の桁だけ右に移動する。
221 c DA ESC [ ? 6 c を返す: "私はVT102です"(ということ)。
222 d VPA カーソルを指示された行の現在の桁に移動する。
223 e VPR カーソルを指示された行数だけ下に移動する。
224 f HVP カーソルを指示された行、桁に移動する。
225 g TBC パラメータなしの時: 現在位置のタブストップを削除する。
226 ESC [ 3 g: すべてのタブストップを削除する。
231 q DECLL キーボードの LED をセットする。
232 ESC [ 0 q: すべての LED を消す。
233 ESC [ 1 q: スクロールロック LED を点灯。
234 ESC [ 2 q: ナンバーロック LED を点灯。
235 ESC [ 3 q: キャピタルロック LED を点灯。
236 r DECSTBM スクロールの範囲のセット; パラメータは一番上の行と
240 \` HPA カーソルを現在の行の指示された桁に移動する。
243 .B "ECMA-48 グラフィクスレンディション(Graphics Rendition)の設定"
245 ECMA-48 SGR シーケンス ESC [ <パラメータ> m は表示属性を設定する。
246 セミコロンで区切ることで、同じシーケンスでいくつかの属性を設定できる。
247 空パラメータ(セミコロンか文字列開始文字か文字列終端文字の間)はゼロと解釈される。
251 0 すべての属性をデフォルトにリセットする。
253 2 ハーフブライト(half-bright)(カラーディスプレイでは色で代用)を
256 下線(underscore)をセット(カラーディスプレイでは色で代用)。
257 (ディムや下線を代用するのに使われる色は ESC ] ... によりセット)
260 7 反転表示(reverce video)をセット。
262 選択したマッピング、ディスプレイコントロールフラグ(display
263 control flag)、トグルメタフラグ(toggle meta flag)をリセットする
264 (ECMA-48では"primary font"と呼んでいる)。
267 ヌルマッピングを選択、ディスプレイコントロールフラグをセット、
269 (ECMA-48 では"first alternate font"と呼んでいる)。
272 ヌルマッピングを選択、ディスプレイコントロールフラグ、
274 (ECMA-48 では "second alternate font" と呼んでいる)。
276 マッピングテーブルによる変換をする前に、バイトの上位の1ビットが
279 21 通常の輝度にセット(ECMA-48 では "doubly underlined" と呼んでいる)。
284 30 フォアグラウンド(foreground)を黒にセット。
289 35 フォアグラウンドをマゼンダにセット。
292 38 下線表示に設定し、フォアグラウンドをデフォルトにセット。
293 39 下線表示を解除し、フォアグラウンドをデフォルトにセット。
294 40 バックグラウンド(background)を黒にセット。
299 45 バックグラウンドをマゼンダにセット。
302 49 バックグラウンドをデフォルトにセット。
305 .B "ECMA-48 モードスイッチ(Mode Switches)"
308 DECCRM (デフォルトではオフ): コントロール文字を表示する。
311 DECIM (デフォルトではオフ): 挿入モードにする。
314 LF/NL (デフォルトではオフ): LF, VT, FFをエコーしたあと自動的 CR をつける。
317 .B "ECMA-48 状態リポートコマンド(Status Report Commands)"
321 デバイス状態のリポート(DSR): 返事は ESC [ 0 n (端末 OK).
324 カーソル位置のリポート(CPR): 返事は ESC [ \fIy\fP ; \fIx\fP R、
325 \fIx,y\fP はカーソルの位置をあらわす。
328 .B "DEC プライベートモード (DECSET/DECRST) シーケンス"
331 これらは ECMA-48 では記述されていない。ここでは、セットモード
332 シーケンス (Set Mode sequences)を記載する; 最後の \(aqh\(aq を \(aql\(aq に
333 置き換えるとリセットモードシーケンス(Reset Mode sequences)になる。
336 DECCKM (デフォルトはオフ): セットされた時にはカーソルキーは ESC [ ではなく
340 DECCOLM (デフォルトはオフ = 80 桁): 80/132 の桁モード切替え。
341 ドライバーのソースの注釈には、これだけでは十分でなく
343 のようなユーザーモードのユーティリティーで、コンソールビデオカードの
344 ハードウェアレジスタを変える必要があると書かれている。
347 DECSCNM (デフォルトはオフ): 反転表示モードのセット。
350 DECOM(デフォルトはオフ): セットされた時には、カーソルのアドレッシングが、
351 スクロール範囲の左上隅からの相対位置になる。
354 DECAWM(デフォルトはオン): オートラップを設定。このモードの時は、80 桁
355 (DECCOLM がオンのときは 132 桁)を超えたグラフィックキャラクタは、
356 強制的に次の行の先頭に折り返されて表示される。
359 DECARM(デフォルトはオン): キーボードのオートリピートをオンにセット。
362 X10 マウスリポート(デフォルトはオフ): リポートモードを 1 にセット(または、
366 DECTECM (デフォルトはオン): カーソルを可視(visible)にする。
369 X11 マウスリポート(デフォルトはオフ): リポートモードを 2 にセット(または、
373 .B "Linux コンソールプライベート CSI シーケンス"
376 以下のシーケンスは ECMA-48 のものでも本来の VT102 のものでもでもなく、
377 Linuxコンソールドライバーに固有なシーケンスである。色は SGR パラメータで
378 表現される: 0 = 黒, 1= 赤, 2 = 緑, 3 = 茶, 4 = 青, 5 = マゼンタ,
382 ESC [ 1 ; \fIn\fP ] 下線の色を\fIn\fP にセットする。
383 ESC [ 2 ; \fIn\fP ] ディムの色を\fIn\fP にセットする。
384 ESC [ 8 ] 現在の色のペアをデフォルト属性にする。
385 ESC [ 9 ; \fIn\fP ] スクリーンブランク(screen blank)のタイムアウト
387 ESC [ 10 ; \fIn\fP ] ベルの周波数(Hz)をセットする。
388 ESC [ 11 ; \fIn\fP ] ベルの鳴っている時間(msec)をセットする。
389 ESC [ 12 ; \fIn\fP ] 指定のコンソールを前面に持ってくる。
390 ESC [ 13 ] スクリーンをアンブランク(Unblank)する。
391 ESC [ 14 ] VESA電源停止インターバル(VESA powerdown
395 カーネルは、バイト列からコンソールスクリーン符号の変換を 4 つ
397 4 つの変換テーブルとは、a) Latin1 \-> PC, b) VT100 graphics \-> PC,
398 c) PC \-> PC, d) ユーザー定義, である。
400 G0 と G1 と呼ばれる二つの文字集合があり、そのうち一つが現在の
402 \fB^N\fP をタイプすると G1 が \fB^O\fP を入力すると G0 が現在の文字集合になる。
404 変数 G0 と G1 は変換テーブルを指しており、ユーザーにより変更できる。
405 最初はそれぞれテーブル a) と テーブル b) を指している。
406 ESC ( B 、 ESC ( 0 、 ESC ( U 、 ESC ( K のそれぞれのシーケンスにより、
407 G0 が変換テーブル a)、 b)、 c)、 d) を指すようになる。
408 また、ESC ) B 、 ESC ) 0 、 ESC ) U 、 ESC ) K のそれぞれのシーケンス
409 により、G1 が変換テーブル a)、 b)、 c)、 d) を指すようになる。
411 ESC c のシーケンスは端末をリセットする。スクリーンがめちゃくちゃになった
412 時にそうすることが必要である。よくアドバイスされる "echo ^V^O" は G0
413 を現在の文字集合にするだけであり、G0 がテーブル a) を指しているという
417 というプログラムが含まれるが、これはただ "echo ^[c" を実行するものである。
418 もし、コンソールの terminfo エントリーが正しい(かつ rs1=\\Ec のエントリーが
419 ある)ならば、"tput reset"でも同じ効果がある。
424 マッピングの結果、シンボル c が印字されるとシンボル s = map[c] が
425 ビデオメモリに送られる。s に対応するビットマップはキャラクター ROM にあり、
432 status reports)を返させるためのものである。
433 コンソールドライバーはマウスのデバイスや種類について知る方法が
434 ないので、仮想ターミナルドライバーがマウス更新の ioctl を受け取った時だけ、
435 マウスステータスリポートがコンソールの入力ストリームに送られる。
438 デーモンのようなマウス対応のユーザーモード
439 アプリケーションが発生しなければならない。
441 \fBxterm\fP(1) によって生成される全てのマウス追跡エスケープシーケンスのための
442 パラメータは、数値を \fIvalue\fP+040 のように符号化し、一つの文字として
444 例えば、\(aq!\(aq は 1 になる。スクリーン座標は 1 をベースにする。
446 X10 互換モードでは、ボタンが押された時にマウスの位置と押されたマウスの
447 ボタンとをエンコードしたエスケープシーケンスを送る。
448 この機能は ESC [ ? 9 h を送ると有効になり ESC [ ? 9 l により無効になる。
449 ボタンが押されると \fBxterm\fP(1) は ESC [ M \fIbxy\fP (の 6 文字)を送る。
450 ここで \fIb\fP は button\-1, \fIx\fP と \fIy\fP は マウスがボタンが押された
452 このコードはカーネルが発生するのと同じコードである。
454 ノーマルトラッキングモード(Normal tracking mode)(Linux 2.0.24 では
455 実装されていない)では、両方のボタンが押されたか離された時に
458 この機能は、ESC [ ? 1000 h を送ると有効になり ESC [ ? 1000 l で無効になる。
459 ボタンが押されるか離されるかした時には、\fBxterm\fP(1) は ESC [ M
461 \fIb\fP の低位の2ビットにはボタン情報がエンコードされる:
462 0=MB1 が押された, 1=MB2 が押された, 2=MB3 が押された, 3=離された。
463 高位のビットには、ボタンが押された時にどのモディファイアがダウンしていたかが
464 エンコードされる: 4=Shift, 8=Meta, 16=Control。
466 ここでも \fIx\fP と \fIy\fP は、マウスイベントが起こった時の
467 x と y 座標であり、左上の隅が(1,1)である。
469 多くの異なるターミナルタイプが、Linux コンソールのように、"VT100互換"を
471 ここでは、Linux コンソールと 2 つの最も重要なターミナルである
479 VT102 は以下のコントロール文字も認識する:
483 ENQ (0x05) はアンサーバックメッセージ(answerback message)を発生する;
485 DC1 (0x11, \fB^Q\fP, XON) は送信を再開する;
487 DC3 (0x13, \fB^S\fP, XOFF) は VT100 に XOFF と XON 以外のコードを無視(そして
490 tty ドライバーにより VT100 に似た DC1/DC3 処理をできる。
493 (VT100 モード)は BEL, BS, HT, LF, VT, FF, CR, SO, SI, ESC の
499 Linux コンソールで実装されていない VT100 コンソールシーケンスは以下の通り:
503 (次の文字だけ G2 文字集合を選択する)。
505 (次の文字だけ G3 文字集合を選択する)。
506 ESC P DCS デバイス制御文字列 (ESC \\ で終わる)
508 ESC ^ PM プライバシーメッセージ(ESC \\ で終わる)。
510 ESC * ... G2 文字集合を指定する。
511 ESC + ... G3 文字集合を指定する。
515 (VT100 モード)は ESC c, ESC # 8, ESC >, ESC =,
516 ESC D, ESC E, ESC H, ESC M, ESC N, ESC O, ESC P ... ESC \\,
517 ESC Z を認識する("わたしは高等ビデオオプション付きの VT100 です"という
518 意味で ESC [ ? 1 ; 2 c と返答する)、ESC ^ ... ESC \\ は上述と同じ意味を
519 あらわす。ESC (, ESC ), ESC *, ESC + に続く 0, A, B を DEC 特殊文字と
520 して受け、それぞれラインドローイング(line drawing) のセット、UK、
523 ユーザーは \fBxterm\fP(1) が VT220 特有のコントロールシーケンスに
524 反応するように設定でき、また設定と初期化のされかたによって
525 自分自身を VT52, VT100 などと認識する。
527 xterm は、特定のリソースの設定のために ESC ] (OSC) を受け付ける。
528 ECMA-48 の文字列終端文字 (ST) に加えて、
529 \fBxterm\fP(1) は BEL を OSC 文字列を終端するものとして受け付ける。
530 以下は \fBxterm\fP(1) が認識する OSC コントロールシーケンスの一部である。
533 ESC ] 0 ; \fItxt\fP ST アイコン名とウインドウタイトルを \fItxt\fP に
535 ESC ] 1 ; \fItxt\fP ST アイコン名を \fItxt\fP にセットする。
536 ESC ] 2 ; \fItxt\fP ST ウインドウタイトルを \fItxt\fP にセットする。
537 ESC ] 4 ; \fInum\fP; \fItxt\fP ST ANSI 色 \fInum\fP を \fItxt\fP にセットする。
538 ESC ] 10 ; \fI\fItxt\fP\fP ST 動的テキスト色を \fItxt\fP にセットする。
539 ESC ] 4 6 ; \fIname\fP ST チェンジログファイルを \fIname\fP に変更する(通常は
540 コンパイル時オプションにより無効になっている)。
541 ESC ] 5 0 ; \fIfn\fP ST フォントを \fIfn\fP にセットする。
545 (より多くの状態を保存し、より VT100/VT220 に近いふるまいをする):
556 ESC F カーソルをスクリーンの左下に移動する。
557 (\fBxterm\fP(1) の \fBhpLowerleftBugCompat\fPリソースにより有効な時)
558 ESC l (HP ターミナル毎に)メモリロック。
560 ESC m (HP ターミナル毎に)メモリロックを解除する。
561 ESC n LS2 G2 文字集合の呼び出し。
562 ESC o LS3 G3 文字集合の呼び出し。
563 ESC | LS3R G3 文字集合を GR として呼び出す。
564 ESC } LS2R G2 文字集合を GR として呼び出す。
565 ESC ~ LS1R G1 文字集合を GR として呼び出す。
568 また ESC % を認識し、Linux コンソールより更に完全な UTF-8 実装を提供する。
573 X11R5 由来のような、古いバージョンの \fBxterm\fP(1) はブリンク SGR を
575 1995 年の XFree86 3.1.2A のような、ANSI カラーが実装された、より新しい
576 バージョンでは、ブリンク属性を色として表示することによってこれを
578 最近のバージョンの xterm はブリンク SGR をテキストをブリンクさせることで
579 実装し、さらにまた、SGR 表示の代替案として色付きのテキストも利用できる。
580 Stock X11R6 版では、XFree86 xterm が組み入れられた X11R6.8 リリースまで
582 Linux が認識する他のすべての ECMA-48 CSI シーケンスは
584 でも認識されるが、\fBxterm\fP(1) は Linux が認識しない
585 いくつかの ECMA-48 と DEC のコントロールシーケンスも実装している。
587 \fBxterm\fP(1) は上述のすべての DEC プライベートモードのシーケンスを認識するが、
588 Linux プライベートモードのシーケンスはどれも認識しない。
589 \fBxterm\fP(1) 自身のプライベートモードシーケンスに関しての議論は、
590 X 配布とともに入手可能な Edward Moy, Stephen Gildea,Thomas E. Dickey による
591 \fIXterm Control Sequences\fP
593 このドキュメントは、簡潔なものであるが、このマニュアルページより
598 http://invisible-island.net/xterm/xterm.log.html
606 http://invisible-island.net/vttest/
609 で入手でき、これらのコントロールシーケンスの多くに関するデモを行う。
610 \fBxterm\fP(1) ソース配布パッケージには
611 その他の機能を学ぶことが出来るサンプルスクリプトが入っている。
613 ESC 8 (DECRC) は ESC % で変更された文字集合を復元することはできない。
615 2.0.23 では CSI が壊れていて、エスケープシーケンス中の NUL が
618 古いバージョン(2.0 以降)のカーネルには、8 ビット制御シーケンスを解釈する。
619 これらの "C1 コントロール" は ESC [, ESC ] および同様な制御シーケンス
620 起動子を置き換えるために 128 から 159 のコードを使う。
621 新しいカーネルでは (UTF-8 対応の変更時に見落とされたか壊れたために)
622 寸断しているが、実装は不完全で信頼できないものと評価されている。
624 Linux "プライベートモード" シーケンスは ECMA-48 のプライベートモード
625 コントロールシーケンスのルールに従っていない。
626 特に、 ] で終わるものは標準終端文字を使えない。
627 OSC(パレット設定)シーケンスは大きな問題がある。
628 \fBxterm\fP(1) はこれを文字列終端文字 (ST) が必要なコントロールシーケンスと
630 (不正なコントロールシーケンスなので)無視される \fBsetterm\fP(1) シーケンスと
631 違い、パレットシーケンスは \fBxterm\fP(1) をハングさせるかもしれない
632 (しかしリターンキーを押すことで回復できる)。
633 Linux コントロールシーケンスをハードコードしているアプリケーションに
634 適応させるには、\fBxterm\fP(1) リソースの \fBbrokenLinuxOSC\fP を
637 このドキュメントの古いバージョンでは、Linux が ECMA-48 の不可視テキストの
638 コントロールシーケンスを認識するかのように書かれていた。
642 .BR console_ioctl (4),