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40 .\" by NOKUBI Takatsugu <knok@daionet.gr.jp>
41 .\" Proofed & Modified Thu 12 Oct 2000
42 .\" by NAKANO Takeo <nakano@apm.seikei.ac.jp>
44 .TH TERMCAP 5 2020\-08\-13 Linux "Linux Programmer's Manual"
46 termcap \- 端末機能のデータベース
48 termcap データベースは、 文字単位で動作する端末やプリンタの機能を記述するための旧式の機構である。
49 この機構は古いプログラムでの互換性のためだけに保持されているので、 新しいプログラムは \fBterminfo\fP(5)
50 データベースとそれに関連したライブラリを用いるべきである。
52 \fI/etc/termcap\fP は、多くの異なる種類の端末に関する機能を列記したアスキーファイル (データベースマスター) である。 プログラムは
53 termcap を読み込んで、 実際に使用している端末に個別のエスケープコード群を取得する。
54 これを用いると、その端末の視覚的な性質を制御することができる (端末の他の性質は \fBstty\fP(1) で制御する)。 termcap
55 データベースは、環境変数 \fBTERM\fP の値で引かれる。
57 termcap のエントリーは、単一の論理行でなければならない。 ただし、行末に \(aq\e\(aq を用いればそこでの改行を抑制することができる。
58 フィールドは \(aq:\(aq で分割される。 各エントリーの最初のフィールドは左側先頭から始まり、
59 内容はその端末の名前のリストである。名前の区切りには \(aq|\(aq が用いられる。
61 最初のサブフィールドは (4.3 以前のバージョンのBSD termcap エントリーでは) 2 文字からなる短い名前となっている。この短い名前は
62 大文字もしくは小文字で構成される。4.4BSD の termcap エントリーでは、 このフィールドは省略される。
64 2 番目 (最新の 4.4BSD フォーマットでは 1 番目) のサブフィールドには、 環境変数 \fBTERM\fP で用いられる名称が入る。
65 このフィールドには小文字しか使えない。 選択可能なハードウェア機能は、ハイフンと接尾語 (suffix)
66 を名称の後に追加することによって示す必要がある。以下の例を見よ。 慣習的な接尾語には、w (80 文字以上の幅がある)、 am (automatic
67 margins: 自動的な行の折り返し)、 nam (non automatic margins: 自動的でない行の折り返し)、 rv (reverse
68 video display: 反転ビデオ表示) などがある。 3番目のサブフィールドには、
69 このtermcapエントリーに対する長い説明的な名称が入る。
71 この後に続くフィールドには、端末の機能を記述する。 機能を記述する行が継続する場合は、 左端から1つのタブをおいてインデントしなければならない。
73 順序については定義されていないが、 大文字小文字は区別せずにアルファベット順にならべ、
74 始めはブール値の、次は数値の、最後は文字列の機能を書くことが推奨されている。 同じような働きをする機能は 1 行にまとめて書くと良い。
79 Head line: vt|vt101|DEC VT 101 terminal in 80 character mode:\e
80 Head line: Vt|vt101\-w|DEC VT 101 terminal in (wide) 132 character mode:\e
89 bs コントロール H (キーコード 8) をバックスペースとして扱う
90 bw 左端でのバックスペースを、上の行の右端に折り返す
91 da 画面の上端から外れていた行を表示する (通常はマルチページ端末で)
92 db 画面の下端から外れていた行を表示する (通常はマルチページ端末で)
93 eo 空白文字はカーソル位置の全ての文字を消す
94 es ステータス行上のエスケープシーケンスや特殊文字は有効に働く
99 hz チルダ文字が表示できない端末である (Hazeltine 端末のバグ)
100 in ホワイトスペースを埋めるのに、スペースではなくヌルバイトを挿入する端末である
103 ms 強調/下線モードでもカーソル移動ができる
106 nx パディングではなく、XON/XOFF を使わなければならない
108 ul 重ね打ちはできないが、下線表示のできる端末である
109 xb f1 はエスケープを送信し、f2 は \fB\(haC\fP を送信する (Beehive 端末の不具合)
111 xo 端末は xon/xoff プロトコルを用いる
112 xs 強調文字の上に出力された文字は強調文字として表示される
113 xt 破壊的なタブと中途半端な強調モード (Teleray 端末の不具合)
118 dB ハードコピー端末において、バックスペースに必要な遅延時間 (ミリ秒単位)
119 dC ハードコピー端末において、復帰に必要な遅延時間 (ミリ秒単位)
120 dF ハードコピー端末において、頁送りに必要な遅延時間 (ミリ秒単位)
121 dN ハードコピー端末において、改行に必要な遅延時間 (ミリ秒単位)
122 dT ハードコピー端末において、タブストップに必要な遅延時間 (ミリ秒単位)
123 dV ハードコピー端末において、垂直タブに必要な遅延時間 (ミリ秒単位)
130 pb パディングが必要となる最低のボーレート
131 sg 強調表示の不具合 (強調表示に切替えたときに表示されるスペースの数)
132 ug 下線表示の不具合 (強調表示に切替えたときに表示されるスペースの数)
134 ws ステータス行の幅 (画面幅と異なる場合)
153 %8 previous\-object キー
159 %e シフト状態の previous キー
180 *5 シフト状態の delete line キー
183 *8 シフト状態の clear line キー
197 ac 図形文字のペアの集合。代替文字セットにマップするためのもの
199 as 図形文字集合に対する、代替文字セットの開始
200 bc \fB\(haH\fP がバックスペースでない場合のバックスペース
207 ch カーソルを水平方向にだけ移動し、 %1 桁の位置にする
208 cl 画面を消去し、カーソルをホームポジションへ
209 cm 画面上の %1 行、 %2 桁へカーソルを移動
210 CM メモリー上の %1 行、 %2 桁へカーソルを移動
212 cs %1 行目から %2 行目までの範囲をスクロールする
214 cv カーソルを垂直方向にだけ移動し、 %1 行の位置にする
224 ec カーソル位置から %1 文字消去する
228 fs ステータス行に移動する前の位置へ復帰する文字
229 F1 ファンクションキー f11 が送出する文字列
230 F2 ファンクションキー f12 が送出する文字列
231 F3 ファンクションキー f13 が送出する文字列
233 F9 ファンクションキー f19 が送出する文字列
234 FA ファンクションキー f20 が送出する文字列
235 FB ファンクションキー f21 が送出する文字列
237 FZ ファンクションキー f45 が送出する文字列
238 Fa ファンクションキー f46 が送出する文字列
239 Fb ファンクションキー f47 が送出する文字列
241 Fr ファンクションキー f63 が送出する文字列
252 ip 挿入後のパディングに必要な時間と特殊文字
281 kH cursor hown down キー
282 kI 文字挿入キー/insert モードキー
289 kR 後ろ方向/上方向にスクロールするキー
295 l0 0 番目のファンクションキーのラベル (f0 でない場合)
296 l1 1 番目のファンクションキーのラベル (f1 でない場合)
297 l2 2 番目のファンクションキーのラベル (f2 でない場合)
299 la 10 番目のファンクションキーのラベル (f10 でない場合)
308 me so, us, mb, md, mr などのモード全てを終了する
310 mk ダークモード (文字は見えなくなる)
321 pk ユーザーが入力したときに文字列 %2 を送出するプログラムキー %1
322 pl ローカルモードで文字列 %2 を実行するプログラムキー %1
323 pn 文字列 %2 を表示するためのプログラムソフトラベル %1
325 pO %1 (<256) バイトの間プリンタをオンにする
327 px 文字列 %2 をコンピュータに送出するプログラムキー %1
328 r1 端末を正常なモードに設定するリセット文字列 1
329 r2 端末を正常なモードに設定するリセット文字列 2
330 r3 端末を正常なモードに設定するリセット文字列 3
332 rc 保存しておいたカーソル位置に復帰する
335 RI カーソルを右へ %1 文字分移動する
337 rP 置換モードにおいて、文字を送出した後に行うパディング
339 RX XON/XOFF フロー制御をオフにする
340 sa 属性 %1 %2 %3 %4 %5 %6 %7 %8 %9 を設定
349 st 全ての行において、現在の桁位置をタブストップに設定する
350 SX XON/XOFF フロー制御をオンにする
352 tc 他のエントリーから端末の説明を読む込む
353 te カーソル移動を用いるプログラムの終了
354 ti カーソル移動を用いるプログラムの開始
355 ts ステータス行のカーソルを %1 桁へ移動
356 uc カーソル位置の文字に下線をつけ、右にカーソルを移動
365 wi ウィンドウ領域を %1〜%2 行、%3〜%4 桁に設定
366 XF XOFF 制御文字 (\fB\(haS\fP でない場合)
369 文字列機能の制御コードを定義するには、いくつかの方法がある。
371 \&\(aq\(ha\(aq, \(aq\e\(aq, \(aq%\(aq を除く全ての通常の文字は、それ自身を表す。
373 \fB\(hax\fP は Control\-x を意味する。 Control\-A は 10 進数の 1 に等しい。
375 \&\ex は特殊コードとして扱われる。x には以下の文字のどれかが入る。
389 0 ヌルキャラクター。'\exxx' は 8 進数 xxx の文字を表す。
396 次の文字の値をパラメーターに追加し、バイナリで出力する
398 パラメーターを 2 桁の数字として ASCII 出力する (printf の %2d と同じ意味)
400 パラメーターを数字として ASCII 出力する (printf の %d と同じ意味)
404 バイナリ出力を行う場合、 文字列が終端されないようにヌル文字 (\(aq\e0\(aq) を避けねばならない。
405 タブ文字をパラメーターのバイナリ出力とする場合は、 タブ文字の展開をリセットしなければならない。
407 上記のような、パラメーターとしてのメタ文字は正しくないかもしれない。これらは Minix の termcap について説明しており、 Minix の
408 termcap は Linux の termap と互換性がないかもしれないからである。
410 図形文字は 3 つの文字列機能で指定できる。
416 文字列のペアの集合を指定する。 最初の文字は図形文字の名称で、 2 番目の文字はその定義である。
426 (訳注 原文は latern だったが、これは lantern の typo と思われる)
449 括弧内の値は、指定した機能が存在しない場合に、 \fIcurses\fP ライブラリが使用する推奨デフォルト値である。
451 \fBncurses\fP(3), \fBtermcap\fP(3), \fBterminfo\fP(5)
453 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
454 \%https://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。