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[linuxjm/jm.git] / manual / ld.so / release / man8 / ldconfig.8
1 .\"
2 .\" This is a ja translation of man page in ld.so-1.9.9 archive
3 .\"
4 .\" Japanese Version Copyright (c) 1998 NAKANO Takeo all rights reserved.
5 .\" Translated Sat May 23 1998 by NAKANO Takeo <nakano@apm.seikei.ac.jp>
6 .\" Updated & Modified Tue Sep 14 1999 by NAKANO Takeo 
7 .\"
8 .\"WORD:        verbose mode    饒舌モード
9 .\"WORD:        quiet mode      メッセージ抑制モード
10 .\"
11 .TH ldconfig 8 "14 March 1998"
12 .SH 名前
13 ldconfig \- 実行時リンクの結合関係を決定する
14 .SH 書式
15 ldconfig
16 .RB [ \-DvqnNX ]
17 .RB [ \-f\ conf ]
18 .RB [ \-C\ cache ]
19 .RB [ \-r\ root ]
20 .IR directory \ ...
21 .PD 0
22 .PP
23 .PD
24 ldconfig
25 .B \-l
26 .RB [ \-Dvq ]
27 .IR library \ ...
28 .PD 0
29 .PP
30 .PD
31 ldconfig
32 .B \-p
33 .SH 説明
34 .B ldcofig
35 は最新の共有ライブラリに対して必要なリンクを作成したり、
36 ライブラリをキャッシュしたりする
37 (キャッシュは実行時リンカ
38 .I ld.so
39 が用いる)。
40 ライブラリは、コマンドラインや
41 .I /etc/ld.so.conf
42 ファイルで指定されたディレクトリや、共有ライブラリが
43 通常置かれるディレクトリ
44 .RI ( /usr/lib " と " /lib )
45 から検索される。
46 .B ldconfig
47 は処理するライブラリのヘッダ部分とファイル名をチェックし、
48 どのバージョンに対してリンクを更新すべきかを判断する。
49 .B ldconfig
50 はライブラリを検索するときシンボリックリンクを無視する。
51 .PP
52 .B ldconfig
53 は ELF ライブラリの種類 (libc5 か libc6/glibc か) を判断するとき、
54 そのライブラリがリンクしている C ライブラリを参考にする。
55 したがってダイナミックライブラリを作成するときには、
56 libc に対するリンクを (\-lc をつかって) 明示しておくと良い。
57 .PP
58 すでに存在しているライブラリの中には、種類を区別するために充分な
59 情報が含まれていないものもある。このため
60 .I /etc/ld.so.conf
61 ファイルでライブラリの形式を指定することができるようになっている。
62 これは区別不能な ELF ライブラリ\fBだけ\fPに用いるものである。
63 フォーマットは "dirname=TYPE" のようにする。ここで TYPE は
64 libc4, libc5, libc6 のいずれかである
65 (この書式はコマンドラインでも使える)。\fBスペースを入れてはならない\fP。
66 .B \-p
67 オプションも見ておくこと。
68 .PP 
69 名前に
70 .B  =
71 が含まれているディレクトリは、形式指定をしない限り
72 用いることができなくなった。
73 .PP
74 .B ldconfig
75 は通常スーパーユーザー権限で実行しなければならない。
76 root が所有しているディレクトリやファイルへの書き込み権限が
77 必要になるからである。
78 .B ldconfig
79 は通常、起動時に /etc/rc スクリプトから自動的に実行される。ただし新し
80 い DLL をインストールしたときには必ず手動で実行しなければならない。
81 .SH オプション
82 .TP
83 .B \-D
84 デバッグモード。
85 .B \-N
86
87 .B \-X
88 が暗黙のうちに指定される。
89 .TP
90 .B \-v
91 饒舌モード。現在のバージョン番号を表示する。またそれぞれのディレクト
92 リをスキャンし、新しいリンクを生成するたびに、その内容を表示する。
93 メッセージ抑制モードを上書きする。
94 .TP
95 .B \-q
96 メッセージ抑制モード。
97 警告を表示しない。
98 .TP
99 .B \-n
100 コマンドラインで指定されたディレクトリのみを処理する。通常共有ライブラリが
101 置かれるディレクトリ
102 .RI ( /usr/lib " と " /lib )
103
104 .I /etc/ld.so.conf
105 で指定されたディレクトリは処理しない。暗黙のうちに
106 .B \-N
107 が指定される。
108 .TP
109 .B \-N
110 キャッシュを再構成しない。同時に
111 .B \-X
112 が同時に指定されなければ、リンクのほうは更新される。
113 .TP
114 .B \-X
115 リンクを更新しない。
116 .B \-N
117 が同時に指定されなければ、キャッシュのほうは再構成される。
118 .TP
119 .B \-f conf
120 .B conf
121
122 .I /etc/ld.so.conf
123 の代わりに用いる。
124 .TP
125 .B \-C cache
126 .B cache
127
128 .I /etc/ld.so.cache
129 の代わりに用いる。
130 .TP
131 .B \-r root
132 .B root
133 にカレントディレクトリを変更し、ここをルートディレクトリとして用いる。
134 .TP
135 .B \-l
136 ライブラリモード。それぞれのライブラリを手動でリンクする。
137 熟練者のみが用いるべきである。
138 .TP
139 .B \-p
140 現在のキャッシュに保存されているディレクトリのリストと、
141 ライブラリの候補を表示する。
142 .SH 例
143 起動ファイル
144 .I /etc/rc
145 に以下のような行
146 .RS
147
148 /sbin/ldconfig -v
149
150 .RE
151 があると、共有バイナリへの正しいリンクが生成され、キャッシュが再構成さ
152 れる。
153 .TP
154 コマンドラインから
155 .RS
156
157 # /sbin/ldconfig -n /lib
158
159 .RE
160 を root 権限で実行すると、 /lib に新しくインストールされた DLL に対し
161 て、正しいシンボリックリンクを生成する。
162
163 .SH ファイル
164 .PD 0
165 .TP 20
166 .B /lib/ld.so
167 実行時リンカ/ローダー。
168 .TP 20
169 .B /etc/ld.so.conf
170 コロン・スペース・タブ・改行・コンマで区切られたディレクトリのリスト。
171 それぞれのディレクトリでライブラリが検索される。
172 .TP 20
173 .B /etc/ld.so.cache
174 .B /etc/ld.so.conf
175 で指定されたディレクトリで見つかったライブラリの順序付きリスト。
176 .TP
177 .B lib*.so.version
178 共有ライブラリ。
179 .PD
180 .SH 関連項目
181 .BR ldd (1),
182 .BR ld.so (8)
183 .SH バグ
184 .LP
185 .B ldconfig
186
187 .B ld.so
188 に関連した機能は、 libc バージョン 4.4.3 以上でコンパイルされた実行ファ
189 イルでしか利用できない。
190 .PP
191 .B ldconfig
192 はユーザープロセスなので、手動で実行しなければならない。また新たな DLL 
193 がインストールされたときには、そのライブラリを
194 .B ld.so
195 が利用できるように共有ライブラリの再調整やリンクの
196 張りかえをしなければならないが、これを動的に行う手段は存在しない。
197 .SH 著者
198 David Engel と Mitch D'Souza。