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[linuxjm/jm.git] / manual / ucd-snmp / release / man5 / snmpd.conf.5
1 .\"
2 .\" Japanese Version Copyright (c) 2002 Yuichi SATO
3 .\"         all rights reserved.
4 .\" Translated Mon May  6 20:59:37 JST 2002
5 .\"         by Yuichi SATO <ysato@h4.dion.ne.jp>
6 .\"
7 .TH SNMPD.CONF 5 "28 Aug 2001"
8 .ds )H U.C. Davis, ECE Dept.
9 .ds ]W V4.2.4
10 .UC 4
11 .SH 名前
12 /usr/share/snmp/snmpd.conf - ucd-snmp SNMP エージェントの設定ファイル
13 .SH 説明
14 .B snmpd.conf
15 は ucd-smnp SNMP エージェントの操作法を定義する設定ファイルである。
16 このファイルは下記の「ディレクティブ」セクションにある
17 任意のディレクティブを含むことができる。
18 エージェントが mib エントリを操作したり表示したりするためには、
19 このファイルは必要ない。
20 .SH 最初にお読みください
21 最初に man ページ snmp_config(5) を読んでおくこと。
22 ここには ucd-snmp ファイルの操作法・場所・
23 互いにどのように動作するかが書かれている。
24 .PP
25 さらに、
26 .I snmpconf
27 アプリケーション (perl スクリプト) にざっと目を通すのもよいかもしれない。
28 このアプリケーションはユーザーに情報を提示して
29 snmpd.conf ファイルの作成を助けてくれる。
30 試してみなさい。本当に。さあ、今すぐに。
31 .RS
32 .IP "snmpconf -g basic_setup"
33 .RE
34 .PP
35 で始められます。
36 .SH 拡張可能 MIB
37 .PP
38 ucd-snmp SNMP エージェントは、
39 mib ツリーの 1.3.6.1.4.1.2021 セクションに対してクェリーを行い、
40 多くの情報を表示する。
41 このセクションの各 mib には以下のテーブルエントリがある。
42 .IP ".1 -- index"
43 以下にリストされた「ディレクティブ」に対するテーブルのインデックス番号。
44 .IP ".2 -- name"
45 指定されたテーブルエントリの名前。
46 これは他と重ならない方が良いが、重なっても構わない。
47 .IP ".100 -- errorFlag"
48 このテーブルエントリにエラーが見つかった場合に、
49 整数 1 または 0 を返すフラグ。
50 .IP ".101 -- errorMsg"
51 上記の errorFlag を引き起こすエラーを説明する「表示文字列」。
52 .\"sato: DISPLAY-STRING に対応する訳語はあるのかな?
53 .IP ".102 -- errorFix"
54 このエントリが SNMPset から整数 1 で、
55 かつ上で定義されている errorFlag が 1 の場合、
56 上記のテーブルエントリ名を引き数として
57 プログラムやスクリプトが実行される。
58 .\"sato: 1 行目の SNMPset to the integer value of 1 がよくわからない。
59 実行されるプログラムはコンパイル時に config.h ファイルで設定される。
60 .SS ディレクティブ
61 .IP "proc NAME"
62 .IP "proc NAME MAX"
63 .IP "proc NAME MAX MIN"
64 .IP
65 NAME という名前のプロセスが
66 エージェントのマシンで稼働しているかをチェックする。
67 NAME という名前のプログラムが
68 "/bin/ps -e" で表示されるプロセステーブルにない場合、
69 エラーフラグ (1) と説明のメッセージが
70 mib コラムの 1.3.6.1.4.1.2021.2.1.100 と
71 1.3.6.1.4.1.2021.2.1.101 に (それぞれ) 渡される。
72 .IP
73 MAX と MIN が指定されない場合、MAX は
74 .B infinity
75 (無限大) で MIN は 1 であると仮定される。
76 .IP
77 MAX は指定されているが、MIN は指定されていない場合、
78 MIN は 0 であると仮定される。
79 .IP "procfix NAME PROG ARGS"
80 このディレクティブは、NAME で指定されたプロセスで発生したエラーを
81 修正するためのコマンドを登録する。
82 NAME で指定されたプログラムに対して 1.3.6.1.4.1.2021.2.1.102 が
83 整数値 1 に設定された場合、このコマンドが呼び出される。
84 呼び出されるプログラムのデフォルトは、コンパイル時の値であり、
85 config.h ファイルの PROCFIXCMD で定義される。
86 .IP "exec NAME PROG ARGS"
87 .IP "exec MIBNUM NAME PROG ARGS"
88 .IP
89 MIBNUM が指定されない場合、
90 エージェントは PROG という名前のプログラムを引き数 ARGS を付けて実行し、
91 プログラム PROG の終了ステータスと標準出力の 1 行目を返す。
92 これらはそれぞれ mib コラムの 1.3.6.1.4.1.2021.8.1.100 と
93 1.3.6.1.4.1.2021.8.1.101 の値をクェリーしたものである。
94 標準出力の 1 行目以降は暗黙の内に省略される。
95 .IP
96 MIBNUM が指定された場合も、上と同じように動作するが、
97 終了ステータスを MIBNUM.100.0 に返し、
98 標準出力全体を mib テーブル内のテーブル MIBNUM.101 に返す。
99 このとき MIBNUM.101 mib には標準出力への出力全体が入り、
100 1 つの mib テーブルエントリには出力の 1 行分が入る
101 (つまり、出力の第 1 行は MIBNUM.101.1、
102 第 2 行は MIBNUM.101.2、... となる)。
103 .RS
104 .IP 注意:
105 MIBNUM はドット区切りの整数値表記でなければならない。
106 (.1.3.6.1... の代わりに) ".iso.org.dod.internet..." のように
107 指定することはできない。
108 .IP 注意:
109 エージェントは最初のクェリーを行った後、
110 実行したプログラムの終了ステータスと標準出力を 30 秒間キャッシュする。
111 これによりその後のテーブルのクェリーのスピードが上がり、
112 情報の一貫性が管理できる。
113 このキャッシュは 1.3.6.1.4.1.2021.100.VERCLEARCACHE を
114 整数 (1) に設定する snmp-set 要求により消去される。
115 .RE
116 .IP "execfix NAME PROG ARGS"
117 このディレクティブは NAME で指定された
118 実行プログラムまたはシェルスクリプトで発生した
119 エラーを修正するためのコマンドを登録する。
120 NAME で指定したエントリに対して
121 1.3.6.1.4.1.2021.8.1.102 が整数値 1 に設定されると、
122 このコマンドが呼び出される。
123 呼び出されるプログラムのデフォルトは、コンパイル時の値であり、
124 config.h ファイルの EXECFIXCMD で定義される。
125 .IP "disk PATH"
126 .IP "disk PATH [ MINSPACE | MINPERCENT% ]"
127 .IP
128 PATH にマウントされたディスクの使用可能なディスク容量をチェックする。
129 ディスク容量が MINSPACE (kB) より少ない場合、
130 または % 記号を指定して MINPERCENT (%) より少ない場合、
131 または DEFDISKMINIMUMSPACE (kB) が指定されていない場合、
132 1.3.6.1.4.1.2021.9.1.100 mib テーブルの関連するエントリが (1) に設定され、
133 エラーを説明するメッセージが
134 1.3.6.1.4.1.2021.9.1.101 のクェリーによって返される。
135 .IP "load MAX1"
136 .IP "load MAX1 MAX5"
137 .IP "load MAX1 MAX5 MAX15"
138 .IP
139 マシンの平均負荷をチェックし、
140 1 分間・5 分間・15 分間の平均がそれぞれの最大値を超えている場合は、
141 1.3.6.1.4.1.2021.10.1.100 と 1.3.6.1.4.1.2021.10.1.101 をクェリーして、
142 エラーフラグ (1) とテキスト文字列のエラーメッセージを返す。
143 MAX1, MAX5, MAX15 の値のうち指定されていないものは、
144 デフォルトの DEFMAXLOADAVE になる。
145 .IP "file FILE [MAXSIZE]"
146 ファイルサイズを監視し、(キロバイトで) 指定されたサイズを
147 超えてないかをチェックする。
148 MAXSIZE が指定されていない場合のデフォルトは無限大になり、
149 エラーを報告せずにサイズのみを監視する。
150 .SS エラー
151 .PP
152 上記の情報を取得するためのエラーは、
153 1.3.6.1.4.1.2021.101.1.100 フラグと
154 1.3.6.1.4.1.2021.101.1.101 テキスト文字列をクェリーして表示される。
155 .SH AGENTX サブエージェント
156 snmp マスターエージェントで AgentX サポートを有効にするためには、
157 snmpd.conf ファイルに以下のような行を書き込めばよい:
158 .IP "master agentx"
159 このサポートはまだ実験的なもので、製品版のシステムでは使用すべきではない。
160 詳細は README.agentx を参照すること。
161 .SH SMUX サブエージェント
162 .I gated
163 のような SMUX ベースのサブエージェントを有効にするためには、
164 以下のように
165 .I smuxpeer
166 設定エントリを使えばよい:
167 .IP "smuxpeer OID PASS"
168 .I gated
169 についての実際のエントリは
170 .I smuxpeer .1.3.6.1.4.1.4.1.3 secret
171 のようになる。
172 .SH 動的読み込み可能モジュール
173 エージェントが UCD-DLMOD-MIB のサポートを組み込んでいる場合、
174 エージェント MIB モジュールを
175 起動時に \fIdlmod\fR ディレクティブを使って動的にロードしたり、
176 実行中に UCD-DLMOD-MIB を使って動的にロードすることができる。
177 以下のディレクティブは、モジュール名プレフィックスが NAME である
178 共有オブジェクトモジュールファイル PATH をロードする。
179 .IP "dlmod NAME PATH"
180 .IP
181 .SH アクセス制御
182 snmpd は RFC 2275 で規定されている
183 View-Based Access Control Model (vacm) をサポートしている。
184 このため、snmpd は設定ファイルにある
185 \fIcom2sec\fR, \fIgroup\fR, \fIaccess\fR, \fIview\fR 
186 というキーワードを認識する。
187 また簡単に使用するためのラッパーディレクティブ
188 \fIrocommunity\fR, \fIrwcommunity\fR, 
189 \fIrouser\fR, \fIrwuser\fR も認識する。
190 .IP "rocommunity COMMUNITY [SOURCE] [OID]"
191 .IP "rwcommunity COMMUNITY [SOURCE] [OID]"
192 これらディレクティブは読み込みしかできないコミュニティと
193 読み書きできるコミュニティを作成し、
194 エージェントにアクセスするために使用する。
195 これらは以下の \fIcom2sec\fR, \fIgroup\fR, 
196 \fIaccess\fR, \fIview\fR ディレクティブ行を簡単に使うための方法である。
197 これらは効率的ではなく、グループが作成されないために
198 テーブルが幾分大きくなる。
199 言い換えれば、複雑な状態を設定する場合には使用してはならない、
200 ということである。
201 .IP
202 SOURCE のフォーマットは、以下の \fIcom2sec\fR ディレクティブセクションで
203 説明されているトークンと同じである。
204 OID トークンは、コミュニティのアクセスを、
205 指定された OID 以下のものだけに制限する。
206 .IP "rouser USER [noauth|auth|priv] [OID]"
207 .IP "rwuser USER [noauth|auth|priv] [OID]"
208 SNMPv3 USM ユーザーを VACM アクセス設定テーブルに作成する。
209 これもまた、\fIcom2sec\fR, \fIgroup\fR, \fIaccess\fR, \fIview\fR 
210 ディレクティブを組み合わせて使用した方が効率的 (かつ強力) である。
211 .IP
212 ユーザーが使用しなければならない認証とプライバシーの最低レベルを
213 最初のトークンで指定する (デフォルトは "auth" である)。
214 OID パラメータは、そのユーザーのアクセスを、
215 指定された OID 以下のものだけに制限する。
216 .IP "com2sec NAME SOURCE COMMUNITY"
217 このディレクティブはソース (SOURCE) とコミュニティ (COMMUNITY) のペアから
218 セキュリティ名 (NAME) へのマッピングを指定する。
219 SOURCE はホスト名・サブネット・\fI"default"\fR である。
220 サブネットは IP/MASK または IP/BITS で指定できる。
221 入ってくるパケットにマッチするソースとコミュニティの組み合わせが選択される。
222 .IP "group NAME MODEL SECURITY"
223 このディレクティブはセキュリティモデル (MODEL) と
224 セキュリティ名 (SECURITY) のペアから
225 グループ名 (NAME) へのマッピングを定義する。
226 MODEL は \fIv1\fR, \fIv2c\fR, \fIusm\fR のいずれか 1 つである。
227 .IP "access NAME CONTEXT MODEL LEVEL PREFX READ WRITE NOTIFY"
228 access ディレクティブはグループセキュリティと
229 モデルセキュリティのレベルを、あるビュー (view) にマップする。
230 MODEL は \fIany\fR, \fIv1\fR, \fIv2c\fR, \fIusm\fR のいずれか 1 つである。
231 LEVEL は \fInoauth\fR, \fIauth\fR, \fIpriv\fR のいずれか 1 つである。
232 PREFX は入ってくる pdu の内容に対する
233 CONTEXT のマッチの方法を指定するもので、
234 \fIexact\fR または \fIprefix\fR である。
235 READ, WRITE, NOTIFY はビューに対応するアクセス方法を指定するのに使われる。
236 v1 または v2c のアクセスでは、LEVEL は noauth、
237 CONTEXT は空文字列である。
238 .IP "view NAME TYPE SUBTREE [MASK]"
239 このディレクティブは指定した名前のビュー (view) を定義する。
240 TYPE は \fIincluded\fR または \fIexcluded\fR である。
241 MASK は 16 進数で表した 8 ビットを
242 \&'.' または ':' で区切ってリストにしたものである。
243 MASK が指定されていない場合のデフォルトは "ff" である。
244 .IP
245 マスクを使用する理由は、比較的簡単に
246 テーブルの 1 つの行 (row) へのアクセスを制御することにある。
247 例えば、ISP ではそれぞれの顧客に対して
248 顧客ごとのインタフェースにアクセスさせたいと考えるかもしれない:
249 .IP
250 .nf
251 view cust1 included interfaces.ifTable.ifEntry.ifIndex.1 ff.a0
252 view cust2 included interfaces.ifTable.ifEntry.ifIndex.2 ff.a0
253 .IP
254 (interfaces.ifTable.ifEntry.ifIndex.1 == .1.3.6.1.2.1.2.2.1.1.1 で
255 ff.a0 == 11111111.10100000 である。
256 これは行インデックスをうまい具合いにカバーして含んでいるが、
257 行フィールドの変更をユーザーに許可している。)
258 .IP "VACM の例:"
259 .nf
260 #       sec.name  source          community
261 com2sec local     localhost       private
262 com2sec mynet     10.10.10.0/24   public
263 com2sec public    default         public
264
265 #             sec.model  sec.name
266 group mygroup v1         mynet
267 group mygroup v2c        mynet
268 group mygroup usm        mynet
269 group local   v1         local
270 group local   v2c        local
271 group local   usm        local
272 group public  v1         public
273 group public  v2c        public
274 group public  usm        public
275
276 #           incl/excl subtree                          mask
277 view all    included  .1                               80
278 view system included  system                           fe
279 view mib2   included  .iso.org.dod.internet.mgmt.mib-2 fc
280
281 #              context sec.model sec.level prefix read   write notify
282 access mygroup ""      any       noauth    exact  mib2   none  none
283 access public  ""      any       noauth    exact  system none  none
284 access local   ""      any       noauth    exact  all    all   all
285 .IP "デフォルトの VACM モデル"
286 最初の状態でのエージェントのデフォルトの設定は、
287 機能的には以下のエントリと等価である:
288 .nf
289 com2sec public  default public
290 group   public  v1      public
291 group   public  v2c     public
292 group   public  usm     public
293 view    all     included        .1
294 access  public  ""      any     noauth  exact   all     none    none
295 .SH SNMPv3 設定
296 .PP
297 .IP "engineID STRING"
298 snmpd エージェントが SNMPv3 メッセージに応答するためには
299 engineID を設定する必要がある。
300 設定ファイルにこの行があれば、STRING から engineID を設定する。
301 engineID のデフォルト値は、マシンのホスト名に対して見つかる
302 最初の IP アドレスに設定される。
303 .IP "createUser username (MD5|SHA) authpassphrase [DES] [privpassphrase]"
304 このディレクティブは、他の場所にある通常の設定ファイルではなく、
305 "/var/ucd-snmp"/snmpd.conf ファイルに書くべきである。
306 その理由は、情報がこのファイルから読み込まれた後、
307 この行が削除され (ユーザーのマスターパスワードの格納場所から消去されて)、
308 この行から得られるキーに置き換えられるためである。
309 このキーはローカルなキーであり、
310 盗まれたとしても他のエージェントにアクセスするのには使えない。
311 しかしパスワードが盗まれた場合は、他のエージェントにアクセスできる。
312 .IP
313 MD5 と SHA は使用される認証タイプであるが、
314 SHA を使用するためにはインストールされている openssl を使って
315 パッケージを作成しなければならない。
316 現在のところプライバシープロトコルがサポートされているのは DES のみである。
317 プライバシーパスフレーズが指定されていない場合、
318 認証パスフレーズと同じであると仮定される。
319 上で説明した VACM アクセス制御テーブルに入れなければ、
320 作成したユーザーの使い道がない点に注意すること。
321 .IP
322 警告: パスフレーズは少なくとも 8 文字である。
323 .IP
324 .I snmpusm
325 コマンドを用いれば、実行中に SNMPv3 ユーザーを作成することができる。
326 .IP
327 .SH システム情報の設定
328 .IP "syslocation STRING"
329 .IP "syscontact STRING"
330 .IP "sysname STRING"
331 エージェントが置かれているシステムの場所 (location)・
332 連絡先 (contact)・名前 (name) を設定する。
333 この情報は mibII ツリーの 'system' グループに設定される。
334 通常、これらのオブジェクト (sysLocation.0, sysContact.0 and sysName.0) は
335 読み書き可能である。
336 ただし、これらのオブジェクトの値に適切なトークンを付加して指定すれば、
337 そのオブジェクトを読み込みのみにすることができ、
338 オブジェクトの値を設定しようとしたときに
339 notWritable エラーレスポンスを返すようにできる。
340 .IP "sysservices NUMBER"
341 system.sysServices.0 オブジェクトの値を設定する。
342 ホストの場合は、72 がよい。
343 .IP "agentaddress [(udp|tcp):]port[@address][,...]"
344 デフォルトの 161 番ポートではなく、
345 指定したソケットのリストでエージェントのリストを作成する。
346 複数のポートをコンマで区切って指定できる。
347 トランスポート名 ("udp" または "tcp")・コロン・ポート名のようにして、
348 トランスポート名を指定できる。
349 特定のインタフェースにバインドするために、
350 アドレスを指定することができる。
351 例えば
352 .I "agentaddress 161,tcp:161,9161@localhost"
353 のように指定すれば、エージェントに対して、
354 全てのアドレスの udp ポート 161・全てのアドレスの tcp ポート 161・
355 localhost のアドレスに関連づけられた
356 インタフェースの udp ポート 9161 を監視 (listen) させることができる。
357 .I "-T"
358 フラグを用いれば、
359 使用するデフォルトのトランスポートマッピングを変更することができる
360 (上記の例では、デフォルトのトランスポートマッピングは
361 .I udp
362 である)。
363 .IP "agentgroup groupid"
364 ポートをオープンした後で、グループ ID を指定した値に変更する。
365 groupid はグループ名またはグループ番号である。
366 グループ番号の場合は '#' で始める。
367 例えば
368 .I agentgroup snmp
369 の場合は、エージェントを snmp グループで動作させる。
370 .I agentgroup #10
371 の場合は、エージェントをグループ ID 10 番で動作させる。
372 .IP "agentuser uid"
373 ポートをオープンした後で、ユーザー ID を指定した値に変更する。
374 userid はユーザー名またはユーザー番号である。
375 ユーザー番号の場合は '#' で始める。
376 例えば
377 .I agentuser snmp
378 の場合は、エージェントをユーザー snmp で動作させる。
379 .I agentuser #10
380 の場合は、エージェントをユーザー ID 10 番で動作させる。
381 .IP "interface NAME TYPE SPEED"
382 エージェントがタイプやスピードの推測に失敗したインタフェースに対して、
383 このディレクティブで追加の情報を提供することができる。
384 TYPE は IANAifType-MIB で指定されるタイプである。
385 .IP "ignoredisk STRING"
386 使用可能なディスクデバイスをスキャンする場合、
387 エージェントは使用可能なディスクデバイスをオープンするときに
388 ブロックを行うことがある。
389 これによってデバイスツリーを辿っているときにタイムアウトが起るかもしれない。
390 次に辿ったときにタイムアウトになるかもしれないし、
391 毎回タイムアウトになるかもしれない。
392 .IP
393 このような現象が起った場合は、このディレクティブを追加し、
394 チェックしない (つまりオープンしない) 全てのデバイスを指定する。
395 設定ファイルにこのディレクティブを 1 つ以上の指定して、
396 オープンしない全てのデバイスを書き込む。
397 bourne シェルの文法の似たワイルドカードを使って、
398 デバイスを指定することもできる (下記の例を参照すること)。
399 .IP
400 .B 注意:
401 全てのシステムでスキャンされるデバイスのリストは、
402 ソース (host/hr_disk.c) を見て、
403 OS タイプに対応した Add_HR_Disk_entry() コールをチェックすること。
404 .IP
405 例:
406 .IP
407 ignoredisk /dev/rdsk/c0t2d0
408 .IP
409 このディレクティブは、
410 デバイス /dev/rdsk/c0t2d0 をスキャンさせないようにする。
411 .IP
412 ignoredisk /dev/rdsk/c0t[!6]d0
413 .IP
414 このディレクティブは /dev/rdsk/c0t6d0 を除く /dev/rdsk/c0tXd0 の
415 全てのデバイスをスキャンさせないようにする。 
416 多くのシステムで同様なディレクティブとしては以下のものがある:
417 .IP
418 ignoredisk /dev/rdsk/c0t[0-57-9a-f]d0
419 .IP
420 ignoredisk /dev/rdsk/c1*
421 .IP
422 このディレクティブは、/dev/rdsk/c1 で始まる名前のデバイスを
423 全てスキャンさせないようにする。
424 .IP
425 ignoredisk /dev/rdsk/c?t0d0
426 .IP
427 このディレクティブは、デバイス /dev/rdsk/cXt0d0 ('X' は任意の文字) を
428 全てスキャンさせないようにする。
429 .IP
430 どのディレクティブにおいても、
431 このようなワイルドカード表現を 2 つ以上使うことできる。
432 .IP "authtrapenable NUMBER"
433 authtrapenable を 1 に設定すると、
434 認証の失敗が起った場合にトラップを生成する。
435 デフォルトの値は disabled(2) である。
436 通常これに対応するオブジェクト
437 (snmpEnableAuthenTraps.0) は読み書き可能であるが、
438 このトークンを使って値を設定すると読み込みだけになり、
439 オブジェクトの値を設定しようとした場合には
440 notWritable エラーレスポンスを返す。
441 .IP "trapcommunity STRING"
442 このコマンドはトラップを送るときに使う
443 デフォルトのコミュニティ文字列を定義する。
444 このコマンドはコミュニティ文字列を使う以下の 3 つのコマンドより
445 前に使用しなければならない点に注意すること。
446 .IP "trapsink HOST [COMMUNITY [PORT]]"
447 .IP "trap2sink HOST [COMMUNITY [PORT]]"
448 .IP "informsink HOST [COMMUNITY [PORT]]"
449 これらのコマンドはトラップを受信する (通知を送る先の) ホストを定義する。
450 このデーモンは起動時に Cold Start トラップを送る。
451 有効になっている場合は、認証が失敗したときにもトラップを送る。
452 \fItrapsink\fR, \fItrap2sink\fR, \fIinformsink\fR 行を複数指定すれば、
453 複数の送信先を指定することができる。
454 \fItrap2sink\fR は SNMPv2 トラップを送るのに使う。
455 \fIinformsink\fR は通知を発行するのに使う。
456 COMMUNITY が指定されていない場合、
457 以前に \fItrapcommunity\fR ディレクティブで指定した文字列が使われる。
458 PORT が指定されていない場合、
459 良く知られている SNMP トラップポート (162) が使われる。
460 .IP "trapsess [SNMPCMD_ARGS] HOST [COMMUNITY]"
461 これはより基本的なトラップ設定トークンで、
462 任意のトラップ送信先タイプと任意の SNMP バージョンを指定できる。
463 .I "SNMPCMD ARGS"
464 として渡される引き数のより詳しい情報は、
465 .I snmpcmd(1)
466 の man ページを参照すること。
467 ここで挙げた引き数に加えて、特別な引き数 \fI-Ci\fR があり、
468 unacknowledged トラップではなく通知を使用することを指定する。
469 (この引き数を指定するには、
470 バージョン番号 v2c または v3 を指定する必要がある)。
471 .SH プロキシのサポート
472 .IP "proxy [SNMPCMD ARGS] HOST OID [REMOTEOID]"
473 .B 警告:
474 この機能はサポートはβ版である。
475 .IP
476 このトークンは受信した OID 以下の任意のリクエストを HOST に中継して渡す。
477 通常はローカルの OID ツリーを新しい  REMOTEOID という場所に変更する。
478 HOST で認証されるためには、適切な
479 .I "SNMPCMD ARGS"
480 のセットを使わなければならない。
481 詳細は snmpcmd の man ページを参照すること。
482 .IP
483 例:
484 .IP
485 proxy -v 1 -c public remotehost .1.3.6.1.4.1.2021
486 .IP
487 proxy -v 3 -l noAuthNoPriv -u user remotehost .1.3.6.1.3.10 .1.3.6.1.2.1.1
488 .SH パススルー制御
489 .IP "pass MIBOID EXEC"
490 MIBOID の全制御を EXEC プログラムに渡す。
491 EXEC プログラムは以下の 3 つのうちの 1 つの方法で呼び出す:
492 .RS
493 .IP "EXEC -g MIBOID"
494 .IP "EXEC -n MIBOID"
495 .IP
496 これらの呼び出しは SNMP get と getnext リクエストにマッチする。
497 EXEC プログラムは渡された引き数を受け取り、
498 レスポンスを標準出力に返すと仮定されている。
499 .IP
500 標準出力の 1 行目は返り値の mib OID である。
501 2 行目は返される値の TYPE である。
502 TYPE はテキスト文字列
503 .BR string ", " integer ", " unsigned ", " objectid ", "
504 .BR timeticks ", " ipaddress ", " counter ", " gauge
505 のうちの 1 つである。
506 標準出力の 3 行目は返された TYPE に対応する VALUE である。
507 .IP
508 例えば .1.3.6.1.4.100 へリクエストが送られたときに
509 スクリプトが整数値 "42" を返す場合、
510 スクリプトは以下の 3 行を返さなければならない:
511 .br
512 .RS
513   .1.3.6.1.4.100
514 .br
515   integer
516 .br
517   42
518 .RE
519 .IP
520 end-of-mib 条件や不正なリクエスが原因で、
521 スクリプトが応答できないことを表すには、
522 単純に exit して標準出力に何も返さなければよい。
523 SNMP NO-SUCH-NAME レスポンスに対応する snmp エラーが生成される。
524 .IP "EXEC -s MIBOID TYPE VALUE"
525 .IP 
526 SNMP set リクエストを送るには、上の方法を用いる。
527 EXEC プログラムに渡される TYPE は、テキスト文字列
528 .BR integer ", " counter ", " gauge ", " timeticks ", " 
529 .BR ipaddress ", " objid ", " string
530 のうちの 1 つである。
531 これらは次の引き数で渡される VALUE のタイプを表す。
532 .IP
533 標準出力に何も返さなかった場合は、set が成功したものと仮定する。
534 それ以外の場合としては、エラーを示すために
535 .B not-writable
536 または
537 .B wrong-type
538 のいずれかの文字列を返すことがあり、
539 適当なエラーレスポンスが生成される。
540 .RS
541 .IP 注意:
542 デフォルトでは、ユーザーのスクリプトで
543 write (つまり snmpset) が許可されるコミュニティは、
544 "private" コミュニティと
545 上で説明した "community" トークンで別に定義した
546 コミュニティ #2 のみである。
547 どのコミュニティに書き込みアクセスを許可するかは、
548 ソースファイル snmplib/snmp_impl.h の
549 RWRITE 定義で制御できる。
550 .RE
551 .RE
552 .IP
553 (snmpd.conf における) 例:
554 .IP
555 pass .1.3.6.1.4.1.2021.255 /path/to/local/passtest
556 .RE
557 .IP "pass_persist MIBOID EXEC"
558 MIBOID の全ての制御を EXEC プログラムに渡す。
559 pass と似ているが、EXEC プログラムは
560 最初のリクエストに返答した後も稼働し続ける。
561 .IP
562 初期化の際には、EXEC に対して標準入力から文字列 "PING\\n" が渡され、
563 標準出力に "PONG\\n" を表示して返答する。
564 .IP
565 get または getnext リクエストを送るには、
566 EXEC プログラムにコマンド (get または getnext) と
567 mib OID という 2 行を渡す。
568 EXEC プログラムは、mib OID・返される VALUE の TYPE・
569 返された TYPE に対応する VALUE という 3 行を返す。
570 .IP
571 例えば、.1.3.6.1.4.100 の値をリクエストする場合は、
572 標準入力に以下の 2 行を渡す。
573 .br
574 .RS
575   get
576 .br
577   .1.3.6.1.4.100  
578 .RE
579 .IP
580 値、つまり 42 を返すために、スクリプトは以下のような書き出しを行う:
581 .br
582 .RS
583   .1.3.6.1.4.100
584 .br
585   integer
586 .br
587   42
588 .RE
589 .IP
590 end-of-mib 条件または不正なリクエストが原因で、
591 スクリプトがリクエストに応答できないことを表すには、
592 標準出力に "NONE\\n" を書き出す。
593 .IP
594 (snmpd.conf における) 例:
595 .IP
596 pass_persist .1.3.6.1.4.1.2021.255 /path/to/local/pass_persisttest
597 .RE
598 .SH 例
599 上記の情報が実際の例でどのように使われているかについては、
600 ソースのトップディレクトリにある EXAMPLE.CONF ファイルを参照すること。
601 .SH snmpd.conf と snmpd.local.conf の再読み込み
602 ucd-snmp エージェントは設定ファイルを再読み込みさせることが可能である。
603 以下の 2 つのうちの 1 つを実行すればよい:
604 .IP 1.
605 snmpset で UCD-SNMP-MIB::versionUpdateConfig.0
606 (.1.3.6.1.4.1.2021.100.11.0) を整数 (1) に設定する。
607 .IP 2.
608 snmpd エージェントプロセスに "kill -HUP" シグナルを送る。
609 .SH ファイル
610 /usr/share/snmp/snmpd.conf
611 .SH 関連項目
612 snmpconf(1), snmp.conf(5), snmp_config(5), snmpd(1), EXAMPLE.conf, read_config(3).
613 .\" Local Variables:
614 .\"  mode: nroff
615 .\" End: