release/man2/stat.2

   1 .\" t
   2 .\" Copyright (c) 1992 Drew Eckhardt (drew@cs.colorado.edu), March 28, 1992
   3 .\" Parts Copyright (c) 1995 Nicolai Langfeldt (janl@ifi.uio.no), 1/1/95
   4 .\" and Copyright (c) 2007 Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
   5 .\"
   6 .\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
   7 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
   8 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
   9 .\" preserved on all copies.
  10 .\"
  11 .\" Permission is granted to copy and distribute modified versions of this
  12 .\" manual under the conditions for verbatim copying, provided that the
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  15 .\"
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  23 .\"
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  25 .\" the source, must acknowledge the copyright and authors of this work.
  26 .\" %%%LICENSE_END
  27 .\"
  28 .\" Modified by Michael Haardt <michael@moria.de>
  29 .\" Modified 1993-07-24 by Rik Faith <faith@cs.unc.edu>
  30 .\" Modified 1995-05-18 by Todd Larason <jtl@molehill.org>
  31 .\" Modified 1997-01-31 by Eric S. Raymond <esr@thyrsus.com>
  32 .\" Modified 1995-01-09 by Richard Kettlewell <richard@greenend.org.uk>
  33 .\" Modified 1998-05-13 by Michael Haardt <michael@cantor.informatik.rwth-aachen.de>
  34 .\" Modified 1999-07-06 by aeb & Albert Cahalan
  35 .\" Modified 2000-01-07 by aeb
  36 .\" Modified 2004-06-23 by Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
  37 .\" 2007-06-08 mtk: Added example program
  38 .\" 2007-07-05 mtk: Added details on underlying system call interfaces
  39 .\"
  40 .\"*******************************************************************
  41 .\"
  42 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
  43 .\"
  44 .\"*******************************************************************
  45 .TH STAT 2 2012\-11\-11 Linux "Linux Programmer's Manual"
  46 .SH 名前
  47 stat, fstat, lstat \- ファイルの状態を取得する
  48 .SH 書式
  49 \fB#include <sys/types.h>\fP
  50 .br
  51 \fB#include <sys/stat.h>\fP
  52 .br
  53 \fB#include <unistd.h>\fP
  54 .sp
  55 \fBint stat(const char *\fP\fIpath\fP\fB, struct stat *\fP\fIbuf\fP\fB);\fP
  56 .br
  57 \fBint fstat(int \fP\fIfd\fP\fB, struct stat *\fP\fIbuf\fP\fB);\fP
  58 .br
  59 \fBint lstat(const char *\fP\fIpath\fP\fB, struct stat *\fP\fIbuf\fP\fB);\fP
  60 .sp
  61 .in -4n
  62 glibc 向けの機能検査マクロの要件 (\fBfeature_test_macros\fP(7)  参照):
  63 .in
  64 .ad l
  65 .PD 0
  66 .sp
  67 \fBlstat\fP():
  68 .RS 4
  69 _BSD_SOURCE || _XOPEN_SOURCE\ >=\ 500 || _XOPEN_SOURCE\ &&\ _XOPEN_SOURCE_EXTENDED
  70 .br
  71 || /* glibc 2.10 以降: */ _POSIX_C_SOURCE\ >=\ 200112L
  72 .RE
  73 .PD
  74 .ad
  75 .SH 説明
  76 .PP
  77 これらの関数はファイルについての情報を返す。
  78 ファイルそのものに対するアクセス許可は必要としないが、
  79 \(em\fBstat\fP() と \fBlstat\fP()  の場合には \(em
  80 そのファイルへ至る \fIpath\fP を構成する全てのディレクトリに対する
  81 実行 (検索) 許可が必要である。
  82 .PP
  83 \fBstat\fP()  は \fIpath\fP で指定されたファイルの状態を取得して \fIbuf\fP へ格納する。
  84
  85 \fBlstat\fP()  は \fBstat\fP()  と同じであるが、 \fIpath\fP がシンボリックリンクの場合、リンクが参照しているファイルではなく、
  86 リンク自身の状態を取得する点が異なる。
  87
  88 \fBfstat\fP()  は \fBstat\fP()  と同じだが、 状態を取得するファイルをファイル・ディスクリプタ \fIfd\fP で指定する。
  89 .PP
  90 これらのシステムコールはいずれも、結果を \fIstat\fP 構造体に入れて返す。 \fIstat\fP 構造体には以下のフィールドが含まれている:
  91 .PP
  92 .in +4n
  93 .nf
  94 struct stat {
  95     dev_t     st_dev;     /* ファイルがあるデバイスの ID */
  96     ino_t     st_ino;     /* inode 番号 */
  97     mode_t    st_mode;    /* アクセス保護 */
  98     nlink_t   st_nlink;   /* ハードリンクの数 */
  99     uid_t     st_uid;     /* 所有者のユーザ ID */
 100     gid_t     st_gid;     /* 所有者のグループ ID */
 101     dev_t     st_rdev;    /* デバイス ID (特殊ファイルの場合) */
 102     off_t     st_size;    /* 全体のサイズ (バイト単位) */
 103     blksize_t st_blksize; /* ファイルシステム I/O での
 104                              ブロックサイズ */
 105     blkcnt_t  st_blocks;  /* 割り当てられた 512B のブロック数 */
 106     time_t    st_atime;   /* 最終アクセス時刻 */
 107     time_t    st_mtime;   /* 最終修正時刻 */
 108     time_t    st_ctime;   /* 最終状態変更時刻 */
 109 };
 110 .fi
 111 .in
 112 .PP
 113 \fIst_dev\fP フィールドは、このファイルが存在するデバイスを示す (マクロ \fBmajor\fP(3), \fBminor\fP(3)
 114 は、このフィールドのデバイス ID を分解するのに役立つだろう)。
 115
 116 \fIst_rdev\fP フィールドは、このファイル (inode) が表すデバイスを示す。
 117
 118 \fIst_size\fP フィールドは、(通常のファイルかシンボリックリンクの場合に)
 119 ファイルの大きさをバイト単位で示す。 シンボリックリンクの大きさは、
 120 シンボリックリンクに含まれている パス名の長さ (終端の NULL バイトは含まない)
 121 である。
 122
 123 \fIst_blocks\fP フィールドは、ファイルの大きさを 512 バイトのブロックサイズ単位で示す フィールドは、ファイルに割り当てされたブロック数を
 124 512 バイト単位で示す。 (ファイルに穴があるような場合、この値は \fIst_size\fP/512 より小さくなることもある)。
 125
 126 \fIst_blksize\fP フィールドは、効率的にファイルシステム I/O ができる「好ましい」 ブロックサイズを示す
 127 (もっと小さい単位でファイルに書き込みを行うと、 読み出し\-\-修正\-\-再書き込みといった非効率な動作になってしまうかもしれない)。
 128 .PP
 129 全ての Linux のファイルシステムが全ての時間フィールドを 実装しているわけではない。 ファイルやディレクトリのアクセスが \fIst_atime\fP
 130 フィールドを更新しないようなかたちでマウントできるファイルシステムもある。 (\fBmount\fP(8)  の \fInoatime\fP,
 131 \fInodiratime\fP, \fIrelatime\fP や \fBmount\fP(2)  の関連する情報を参照)。 また、ファイルが \fBO_NOATIME\fP
 132 付きでオープンされている場合には \fIst_atime\fP は更新されない。 \fBopen\fP(2)  参照。
 133
 134 \fIst_atime\fP フィールドはファイルアクセスがあった場合に変更される (例えば、 \fBexecve\fP(2), \fBmknod\fP(2),
 135 \fBpipe\fP(2), \fButime\fP(2)  を使用した場合や \fBread\fP(2)  で 1 バイト以上読み込んだ場合など)。
 136 \fBmmap\fP(2)  などの他のルーチンでは、 \fIst_atime\fP は更新されることもあれば、そうでない場合もある。
 137
 138 \fIst_mtime\fP フィールドは、ファイルが修正された場合に変更される (例えば、 \fBmknod\fP(2), \fBtruncate\fP(2),
 139 \fButime\fP(2)  を使用した場合や \fBwrite\fP(2)  で 1 バイト以上書き込みをした場合など)。 さらに、ディレクトリの
 140 \fIst_mtime\fP は、そのディレクトリで ファイルが作成されたり削除されたりすると変更される。 \fIst_mtime\fP フィールドは
 141 所有者やグループやハード・リンク数やモードの変更では変更 \fIされない。\fP
 142
 143 \fIst_ctime\fP フィールドは書き込みや inode 情報 (所有者、グループ、リンク数、モードなど) の 設定によって変更される。
 144 .PP
 145 以下の POSIX マクロは、 \fIst_mode\fP フィールド で使用されるファイル種別のチェックのために定義されている :
 146 .RS 4
 147 .TP  1.2i
 148 \fBS_ISREG\fP(m)
 149 通常のファイルか?
 150 .TP
 151 \fBS_ISDIR\fP(m)
 152 ディレクトリか?
 153 .TP
 154 \fBS_ISCHR\fP(m)
 155 キャラクター・デバイスか?
 156 .TP
 157 \fBS_ISBLK\fP(m)
 158 ブロック・デバイスか?
 159 .TP
 160 \fBS_ISFIFO\fP(m)
 161 FIFO (名前付きパイプ) か?
 162 .TP
 163 \fBS_ISLNK\fP(m)
 164 シンボリックリンクか? (POSIX.1\-1996 にはない)
 165 .TP
 166 \fBS_ISSOCK\fP(m)
 167 ソケットか? (POSIX.1\-1996 にはない)
 168 .RE
 169 .PP
 170 以下のフラグが \fIst_mode\fP フィールド用に定義されている:
 171 .in +4n
 172 .TS
 173 lB l l.
 174 S_IFMT  0170000 ファイル種別を示すビット領域を表すビットマスク
 175 S_IFSOCK        0140000 ソケット
 176 S_IFLNK 0120000 シンボリックリンク
 177 S_IFREG 0100000 通常のファイル
 178 S_IFBLK 0060000 ブロック・デバイス
 179 S_IFDIR 0040000 ディレクトリ
 180 S_IFCHR 0020000 キャラクター・デバイス
 181 S_IFIFO 0010000 FIFO
 182 S_ISUID 0004000 set\-user\-ID bit
 183 S_ISGID 0002000 set\-group\-ID bit (下記参照)
 184 S_ISVTX 0001000 スティッキー・ビット (下記参照)
 185 S_IRWXU 00700   ファイル所有者のアクセス許可用のビットマスク
 186 S_IRUSR 00400   所有者の読み込み許可
 187 S_IWUSR 00200   所有者の書き込み許可
 188 S_IXUSR 00100   所有者の実行許可
 189 S_IRWXG 00070   グループのアクセス許可用のビットマスク
 190 S_IRGRP 00040   グループの読み込み許可
 191 S_IWGRP 00020   グループの書き込み許可
 192 S_IXGRP 00010   グループの実行許可
 193 S_IRWXO 00007   他人 (others) のアクセス許可用のビットマスク
 194 S_IROTH 00004   他人の読み込み許可
 195 S_IWOTH 00002   他人の書き込み許可
 196 S_IXOTH 00001   他人の実行許可
 197 .TE
 198 .in
 199 .P
 200 set\-group\-ID bit (\fBS_ISGID\fP)  にはいくつかの特殊な使用法がある: ディレクトリに設定した場合には、そのディレクトリが
 201 BSD 方式で使用される ことを示す。つまり、そのディレクトリに作成されたファイルのグループID は 作成したプロセスの実効 (effective)
 202 グループID ではなく、ディレクトリの グループID を継承する。また、そのディレクトリに作成されたディレクトリにも \fBS_ISGID\fP
 203 ビットが設定される。グループ実行ビット (\fBS_IXGRP\fP)  が設定されていないファイルに設定された場合は、 set\-group\-ID
 204 ビットはファイル/レコードの 強制的な (mandatory) ロックを表す。
 205 .P
 206 ディレクトリにスティッキービット (S_ISVTX) が設定された場合は、 そのディレクトリのファイルの名前を変更したり、削除したりできるのは、
 207 そのファイルの所有者か、そのディレクトリの所有者か、特権プロセス だけとなる。
 208 .SH 返り値
 209 成功した場合、0 が返される。 失敗した場合、 \-1 が返され、 \fIerrno\fP に適切な値がセットされる。
 210 .SH エラー
 211 .TP
 212 \fBEACCES\fP
 213 \fIpath\fP が所属するディレクトリとその上位のディレクトリのいずれかに 対する検索許可がなかった (\fBpath_resolution\fP(7)
 214 も参照のこと)。
 215 .TP
 216 \fBEBADF\fP
 217 \fIfd\fP が不正である。
 218 .TP
 219 \fBEFAULT\fP
 220 アドレスが間違っている。
 221 .TP
 222 \fBELOOP\fP
 223 パスを辿る際に解決すべきシンボリックリンクが多過ぎた。
 224 .TP
 225 \fBENAMETOOLONG\fP
 226 \fIpath\fP が長過ぎる。
 227 .TP
 228 \fBENOENT\fP
 229 \fIpath\fP の構成要素が存在しないか、 \fIpath\fP が空文字列である。
 230 .TP
 231 \fBENOMEM\fP
 232 カーネルのメモリが足りない。
 233 .TP
 234 \fBENOTDIR\fP
 235 \fIpath\fP の前半部分 (prefix) の構成要素がディレクトリではない。
 236 .TP
 237 \fBEOVERFLOW\fP
 238 \fIpath\fP or \fIfd\fP refers to a file whose size, inode number, or number of
 239 blocks cannot be represented in, respectively, the types \fIoff_t\fP, \fIino_t\fP,
 240 or \fIblkcnt_t\fP.  This error can occur when, for example, an application
 241 compiled on a 32\-bit platform without \fI\-D_FILE_OFFSET_BITS=64\fP calls
 242 \fBstat\fP()  on a file whose size exceeds \fI(1<<31)\-1\fP bytes.
 243 .SH 準拠
 244 .\" SVr4 documents additional
 245 .\" .BR fstat ()
 246 .\" error conditions EINTR, ENOLINK, and EOVERFLOW.  SVr4
 247 .\" documents additional
 248 .\" .BR stat ()
 249 .\" and
 250 .\" .BR lstat ()
 251 .\" error conditions EINTR, EMULTIHOP, ENOLINK, and EOVERFLOW.
 252 これらのシステムコールは SVr4, 4.3BSD, POSIX.1\-2001 に準拠している。 \fBstat\fP()  と \fBfstat\fP()
 253 コールは SVr4, SVID, POSIX, X/OPEN, 4.3BSD に準拠している。 \fBlstat\fP()  コールは 4.3BSD と
 254 SVr4 に準拠している。
 255
 256 POSIX.1\-2001 では、シンボリックリンクに対する \fBlstat\fP() で
 257 有効な情報を返すように求められていたのは、 \fIstat\fP 構造体の \fIst_size\fP
 258 と \fIst_mode\fP のファイル種別要素だけであった。
 259 POSIX.1\-2008 では規定が厳しくなり、 \fBlstat\fP() は \fIst_mode\fP の
 260 アクセス許可ビット以外の全てのフィールドに有効な情報を返すことが
 261 求められるようになっている。
 262
 263 \fIst_blocks\fP と \fIst_blksize\fP フィールドの使用はあまり移植性がない
 264 (これらのフィールドは BSD によって導入された。 システムごとに解釈が
 265 異なっており、 NFS マウントの場合には同じシステムでも異なる可能性がある)。
 266 \fI<sys/stat.h>\fP から \fIblkcnt_t\fP の \fIblksize_t\fP 型定義を
 267 読み込みたい場合は、(\fIどの\fPヘッダファイルをインクルードするよりも前に)
 268 \fB_XOPEN_SOURCE\fP を 500 以上の値で定義すること。
 269 .LP
 270 POSIX.1\-1990 には \fBS_IFMT\fP, \fBS_IFSOCK\fP, \fBS_IFLNK\fP, \fBS_IFREG\fP,
 271 \fBS_IFBLK\fP, \fBS_IFDIR\fP, \fBS_IFCHR\fP, \fBS_IFIFO\fP, \fBS_ISVTX\fP 定数に関する
 272 記述はなかったが、代わりに \fBS_ISDIR\fP() のようなマクロを使用するように
 273 要求していた。 \fBS_IF*\fP 定数は POSIX.1\-2001 以降には存在する。
 274
 275 マクロ \fBS_ISLNK\fP() と \fBS_ISSOCK\fP() は POSIX.1\-1996 にはないが、
 276 POSIX.1\-2001 には両方とも存在する。 前者は SVID 4 に、後者は SUSv2 に
 277 由来している。
 278 .LP
 279 UNIX V7 (とその後のシステム) は \fBS_IREAD\fP, \fBS_IWRITE\fP, \fBS_IEXEC\fP を持っており、
 280 POSIX はその同義語として \fBS_IRUSR\fP, \fBS_IWUSR\fP, \fBS_IXUSR\fP を規定している。
 281 .SS 他のシステム
 282 各種システムで使用されていた(いる)値:
 283 .ad l
 284 .TS
 285 l l l l l.
 286 16進   名前  ls      8進数 説明
 287 f000    S_IFMT          170000  ファイル種別フィールドのビットマスク
 288 0000                    000000  T{
 289 SCO では 使用不能 inode; BSD では不明なファイル種別;
 290 SVID\-v2 と XPG2 では 0 と 0100000 の両方が通常のファイル
 291 T}
 292 1000    S_IFIFO p|      010000  FIFO (名前付きパイプ)
 293 2000    S_IFCHR c       020000  キャラクタ特殊ファイル (V7)
 294 3000    S_IFMPC         030000  多重化されたキャラクタ特殊ファイル (V7)
 295 4000    S_IFDIR d/      040000  ディレクトリ (V7)
 296 5000    S_IFNAM         050000  T{
 297 XENIX の二つの副型を持つ名前付きの特殊ファイル
 298 副型は \fIst_rdev\fP の値 1, 2 で区別される
 299 T}
 300 0001    S_INSEM s       000001  XENIX の IFNAM セマフォ副型
 301 0002    S_INSHD m       000002  XENIX の IFNAM 共有データ副型
 302 6000    S_IFBLK b       060000  ブロック特殊ファイル (V7)
 303 7000    S_IFMPB         070000  多重化されたブロック特殊ファイル (V7)
 304 8000    S_IFREG \-      100000  通常ファイル (V7)
 305 9000    S_IFCMP         110000  VxFS 圧縮ファイル
 306 9000    S_IFNWK n       110000  ネットワーク特殊ファイル (HP\-UX)
 307 a000    S_IFLNK l@      120000  シンボリックリンク (BSD)
 308 b000    S_IFSHAD                130000  T{
 309 Solaris の ACL 用の隠し inode (ユーザ空間からは見えない)
 310 T}
 311 c000    S_IFSOCK        s=      140000  ソケット (BSD; VxFS の "S_IFSOC")
 312 d000    S_IFDOOR        D>      150000  Solaris の door ファイル
 313 e000    S_IFWHT w%      160000  BSD の空白ファイル (inode を使用しない)
 314 0200    S_ISVTX         001000  T{
 315 スティッキービット: 使用後もスワップに残す (V7)
 316 .br
 317 予約 (SVID\-v2)
 318 .br
 319 ディレクトリ以外: ファイルをキャッシュしない (SunOS)
 320 .br
 321 ディレクトリの場合: 削除制限フラグ (SVID\-v4.2)
 322 T}
 323 0400    S_ISGID         002000  T{
 324 実行時の set\-group\-ID (V7)
 325 .br
 326 ディレクトリの場合: GID の伝搬に BSD 方式を使用する
 327 T}
 328 0400    S_ENFMT         002000  T{
 329 System V ファイルロックを強制する (S_ISGID と共有)
 330 T}
 331 0800    S_ISUID         004000  実行時の set\-user\-ID (V7)
 332 0800    S_CDF           004000  T{
 333 ディレクトリがコンテキスト依存ファイル (HP\-UX)
 334 T}
 335 .TE
 336 .ad
 337
 338 スティッキー コマンドは Version 32V AT&T UNIX で登場した。
 339 .SH 注意
 340 .\" As at kernel 2.6.25, XFS and JFS support nanosecond timestamps,
 341 .\" but ext2, ext3, and Reiserfs do not.
 342 カーネル 2.5.48 以降では、 \fIstat\fP 構造体は 3 つのファイルのタイムスタンプ
 343 関連のフィールドでナノ秒単位の精度に対応している。 glibc では、機能検査
 344 マクロ \fB_BSD_SOURCE\fP か \fB_SVID_SOURCE\fP が定義された場合に、各フィールドの
 345 ナノ秒の情報を \fIst_atim.tv_nsec\fP という形式の名前で公開する。
 346 これらのフィールドは POSIX.1\-2008 で規定されており、
 347 バージョン 2.12 以降の glibc では、
 348 \fB_POSIX_C_SOURCE\fP が 200809L 以上の値で定義されるか、
 349 \fB_XOPEN_SOURCE\fP が 700 以上の値で定義された場合に、
 350 これらのフィールドが公開される。
 351 上記のマクロのいずれも定義されていない場合、ナノ秒の値は
 352 \fIst_atimensec\fP という形式の名前で公開される。
 353 秒より細かいタイムスタンプをサポートしていないファイルシステムでは、
 354 ナノ秒のフィールドは 0 に設定される。
 355
 356 Linux では、 \fBlstat\fP() は一般には自動マウント動作 (automounter action) の
 357 きっかけとならないが、 \fBstat\fP() はきっかけとなる (\fBfstatat\fP(2) を参照)。
 358
 359 \fI/proc\fP ディレクトリ以下にあるファイルのほとんどでは、 \fBstat\fP()  を呼び出した際に、 \fIst_size\fP
 360 フィールドにファイルサイズが返されない。 代わりに \fIst_size\fP フィールドには 0 が返される。
 361 .SS 背後のカーネル・インタフェース
 362 .\"
 363 .\" A note from Andries Brouwer, July 2007
 364 .\"
 365 .\" > Is the story not rather more complicated for some calls like
 366 .\" > stat(2)?
 367 .\"
 368 .\" Yes and no, mostly no. See /usr/include/sys/stat.h .
 369 .\"
 370 .\" The idea is here not so much that syscalls change, but that
 371 .\" the definitions of struct stat and of the types dev_t and mode_t change.
 372 .\" This means that libc (even if it does not call the kernel
 373 .\" but only calls some internal function) must know what the
 374 .\" format of dev_t or of struct stat is.
 375 .\" The communication between the application and libc goes via
 376 .\" the include file <sys/stat.h> that defines a _STAT_VER and
 377 .\" _MKNOD_VER describing the layout of the data that user space
 378 .\" uses. Each (almost each) occurrence of stat() is replaced by
 379 .\" an occurrence of xstat() where the first parameter of xstat()
 380 .\" is this version number _STAT_VER.
 381 .\"
 382 .\" Now, also the definitions used by the kernel change.
 383 .\" But glibc copes with this in the standard way, and the
 384 .\" struct stat as returned by the kernel is repacked into
 385 .\" the struct stat as expected by the application.
 386 .\" Thus, _STAT_VER and this setup cater for the application-libc
 387 .\" interface, rather than the libc-kernel interface.
 388 .\"
 389 .\" (Note that the details depend on gcc being used as c compiler.)
 390 時間の経過とともに、 \fIstat\fP 構造体のサイズが大きくなり、この影響で \fBstat\fP()  には 3つのバージョンが存在する:
 391 \fIsys_stat\fP()  (スロットは \fI__NR_oldstat\fP)、 \fIsys_newstat\fP()  (スロットは
 392 \fI__NR_stat\fP)、 \fIsys_stat64\fP()  (カーネル 2.4 で導入; スロットは \fI__NR_stat64\fP).  glibc
 393 の \fBstat\fP()  ラッパー関数はこれらの詳細をアプリケーションから隠蔽してくれる。
 394 具体的には、カーネルが提供しているシステムコールのうち最新のバージョンを 起動し、古いバイナリの場合には必要に応じて返された情報を再構成
 395 (repack) する。 \fBfstat\fP()  と \fBlstat\fP()  についても同様である。
 396 .SH 例
 397 以下のプログラムは \fBstat\fP()  を呼び出し、返ってきた \fIstat\fP 構造体のフィールドのいくつかを表示する。
 398 .nf
 399
 400 #include <sys/types.h>
 401 #include <sys/stat.h>
 402 #include <time.h>
 403 #include <stdio.h>
 404 #include <stdlib.h>
 405
 406 int
 407 main(int argc, char *argv[])
 408 {
 409     struct stat sb;
 410
 411     if (argc != 2) {
 412         fprintf(stderr, "Usage: %s <pathname>\en", argv[0]);
 413         exit(EXIT_FAILURE);
 414     }
 415
 416     if (stat(argv[1], &sb) == \-1) {
 417         perror("stat");
 418         exit(EXIT_FAILURE);
 419     }
 420
 421     printf("File type:                ");
 422
 423     switch (sb.st_mode & S_IFMT) {
 424     case S_IFBLK:  printf("block device\en");            break;
 425     case S_IFCHR:  printf("character device\en");        break;
 426     case S_IFDIR:  printf("directory\en");               break;
 427     case S_IFIFO:  printf("FIFO/pipe\en");               break;
 428     case S_IFLNK:  printf("symlink\en");                 break;
 429     case S_IFREG:  printf("regular file\en");            break;
 430     case S_IFSOCK: printf("socket\en");                  break;
 431     default:       printf("unknown?\en");                break;
 432     }
 433
 434     printf("I\-node number:            %ld\en", (long) sb.st_ino);
 435
 436     printf("Mode:                     %lo (octal)\en",
 437             (unsigned long) sb.st_mode);
 438
 439     printf("Link count:               %ld\en", (long) sb.st_nlink);
 440     printf("Ownership:                UID=%ld   GID=%ld\en",
 441             (long) sb.st_uid, (long) sb.st_gid);
 442
 443     printf("Preferred I/O block size: %ld bytes\en",
 444             (long) sb.st_blksize);
 445     printf("File size:                %lld bytes\en",
 446             (long long) sb.st_size);
 447     printf("Blocks allocated:         %lld\en",
 448             (long long) sb.st_blocks);
 449
 450     printf("Last status change:       %s", ctime(&sb.st_ctime));
 451     printf("Last file access:         %s", ctime(&sb.st_atime));
 452     printf("Last file modification:   %s", ctime(&sb.st_mtime));
 453
 454     exit(EXIT_SUCCESS);
 455 }
 456 .fi
 457 .SH 関連項目
 458 \fBaccess\fP(2), \fBchmod\fP(2), \fBchown\fP(2), \fBfstatat\fP(2), \fBreadlink\fP(2),
 459 \fButime\fP(2), \fBcapabilities\fP(7), \fBsymlink\fP(7)
 460 .SH この文書について
 461 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.50 の一部
 462 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
 463 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。