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34 .TH INOTIFY 7 2008-11-18 "Linux" "Linux Programmer's Manual"
36 inotify \- ファイルシステムイベントを監視する
39 API はファイルシステムイベントを監視するための機構を提供する。
40 inotify は個々のファイルやディレクトリを監視するのに使える。
41 ディレクトリを監視する場合、inotify はディレクトリ自身と
44 以下のシステムコールがこの API と共に使用される:
47 .BR inotify_init1 (2)),
48 .BR inotify_add_watch (2),
49 .BR inotify_rm_watch (2),
54 は inotify インスタンスを作成し、inotify インスタンスを参照する
60 と同様だが、いくつかの追加の機能が提供されている。
62 .BR inotify_add_watch (2)
63 は inotify インスタンスに関連づけられた「監視対象 (watch) リスト」を操作する。
64 監視対象リストの各アイテム ("watch") は、
67 カーネルが監視する複数のイベントの集合を指定する。
68 .BR inotify_add_watch (2)
69 は新しい監視アイテムの作成や既存の監視対象の変更ができる。
70 各監視対象は一意の「監視対象ディスクリプタ」を持つ。
72 .BR inotify_add_watch (2)
75 .BR inotify_rm_watch (2)
76 は inotify の監視対象リストからアイテムを削除する。
79 全てのファイルディスクリプタがクローズされた場合、
80 その下層にあるオブジェクトとそのリソースは、
82 関連が切られた監視対象は自動的に解放される。
84 どのようなイベントが起こっていたかを知るには、
85 アプリケーションで inotify ファイルディスクリプタを
88 これまでに何もイベントが起こっていない場合、
89 停止 (blocking) モードのファイルディスクリプタであれば、
92 は停止する (シグナルにより割り込まれなかった場合。
93 シグナルによる割り込みがあった場合、呼び出しはエラー
100 が成功すると、以下の構造体を 1 つ以上含むバッファが返される:
104 struct inotify_event {
105 int wd; /* 監視対象ディスクリプタ */
106 .\" FIXME . The type of the 'wd' field should probably be "int32_t".
107 .\" I submitted a patch to fix this. See the LKML thread
108 .\" "[patch] Fix type errors in inotify interfaces", 18 Nov 2008
109 .\" Glibc bug filed: http://sources.redhat.com/bugzilla/show_bug.cgi?id=7040
110 uint32_t mask; /* イベントのマスク */
111 uint32_t cookie; /* 関連するイベント群を関連づける
112 一意なクッキー (rename(2) 用) */
113 uint32_t len; /* \(aqname\(aq フィールドのサイズ */
114 char name[]; /* NULL で終端された任意の名前 */
122 .BR inotify_add_watch (2)
123 呼び出しで返された監視対象ディスクリプタのうちの 1 つである。
126 には発生したイベント (下記参照) を記述するためのビットが含まれる。
129 は関連するイベントを関連づけるための一意な整数である。
130 現在のところ、この値は rename イベントに対してのみ使われており、
135 イベントをアプリケーションで関連づけることができる。
138 フィールドは監視しているディレクトリ内のファイルに対して
139 イベントが返される場合のためにだけ存在する。
140 監視するディレクトリからのファイルの相対パス名を表す。
142 その後の読み込みで適切なアドレス境界に調整するために、
143 さらに NULL バイトが含まれる場合もある。
152 .I "sizeof(inotify_event)+len"
156 に渡されたバッファが小さすぎて次のイベントに関する情報を返せない
157 場合の動作はカーネルのバージョンにより異なる。
167 .BR inotify_add_watch (2)
170 引き数と、inotify ファイル構造体を
176 フィールドは、ともに inotify イベントを識別するための
179 .BR inotify_add_watch (2)
192 ファイルがアクセス (read) された。(*)
196 メタデータとは、例えば、許可 (permission)、タイムスタンプ、拡張属性、
197 リンクカウント (Linux 2.6.25 以降)、UID、GID などである。(*)
200 書き込みのためにオープンされたファイルがクローズされた。(*)
203 書き込み以外のためにオープンされたファイルがクローズされた。(*)
206 監視対象ディレクトリ内でファイルやディレクトリが作成された。(*)
209 監視対象ディレクトリ内でファイルやディレクトリが削除された。(*)
212 監視対象のディレクトリまたはファイル自身が削除された。
218 監視対象のディレクトリまたはファイル自身が移動された。
221 ファイルが監視対象ディレクトリ外へ移動された。(*)
224 ファイルが監視対象ディレクトリ内へ移動された。(*)
232 上記でアスタリスク (*) を付けたイベントは、
233 そのディレクトリ内のファイルに対して発生する。
238 フィールドは、ディレクトリ内のファイル名を表す。
241 マクロは上記のイベント全てのマスクとして定義される。
243 .BR inotify_add_watch (2)
251 IN_MOVED_FROM|IN_MOVED_TO
255 IN_CLOSE_WRITE|IN_CLOSE_NOWRITE
259 .BR inotify_add_watch (2)
268 \fIpathname\fP がシンボリックリンクである場合に辿らない。
272 \fIpathname\fP に対する監視マスクが既に存在する場合、
273 (マスクの置き換えではなく) イベントを追加 (OR) する。
276 1 つのイベントについて \fIpathname\fP を監視し、
277 イベントが発生したら監視対象リストから削除する。
279 .BR IN_ONLYDIR " (Linux 2.6.15 以降)"
280 \fIpathname\fP がディレクトリの場合にのみ監視する。
294 監視対象が (\fBinotify_rm_watch\fP(2) により) 明示的に
295 削除された。もしくは (ファイルの削除、またはファイル
296 システムのアンマウントにより) 自動的に削除された。
302 イベントキューが溢れた (このイベントの場合、\fIwd\fP は \-1 である)。
305 監視対象オブジェクトを含むファイルシステムがアンマウントされた。
309 以下のインターフェースは、inotify で消費される
310 カーネルメモリの総量を制限するのに使用できる:
312 .I /proc/sys/fs/inotify/max_queued_events
315 を呼び出すときに使用され、対応する inotify インスタンスについて
316 キューに入れられるイベントの数の上限を設定する。
321 .I /proc/sys/fs/inotify/max_user_instances
322 1 つの実ユーザ ID に対して生成できる
323 inotify インスタンスの数の上限を指定する。
325 .I /proc/sys/fs/inotify/max_user_watches
326 作成可能な監視対象の数の実 UID 単位の上限を指定する。
328 inotify は 2.6.13 の Linux カーネルに組込まれた。
329 これに必要なライブラリのインターフェースは、
330 glibc のバージョン 2.4 に追加された
331 .RB ( IN_DONT_FOLLOW ,
334 だけはバージョン 2.5 で追加された)。
336 inotify API は Linux 独自のものである。
343 イベントがある場合、ファイルディスクリプタは読み込み可能と通知する。
345 Linux 2.6.25 以降では、シグナル駆動 (signal-driven) I/O の通知が
346 inotify ファイルディスクリプタについて利用可能である。
363 には inotify ファイルディスクリプタ番号が、
375 inotify ファイルディスクリプタに対して
376 連続して生成される出力 inotify イベントが同一の場合
382 前のイベントがまだ読み込まれていなければ、
383 連続するイベントが 1 つのイベントにまとめられる
386 inotify ファイルディスクリプタの読み込みで返されるイベントは、
388 従って、たとえば、あるディレクトリの名前を別の名前に変更した場合、
389 inotify ファイルディスクリプタについての正しい順番で
394 は inotify ファイルディスクリプタから何バイト読み込めるかを返す。
396 inotify によるディレクトリの監視は再帰的に行われない:
397 あるディレクトリ以下のサブディレクトリを監視する場合、
406 連続する同一のイベントを一つにまとめることを意図したコード
407 (古い方のイベントがまだ読み込まれていない場合に、
408 最新の 2 つのイベントを一つにまとめられる可能性がある) が、
409 最新のイベントが「最も古い」読み込まれていないイベントとまとめられるか
412 .BR inotify_add_watch (2),
413 .BR inotify_init (2),
414 .BR inotify_init1 (2),
415 .BR inotify_rm_watch (2),
418 .IR Documentation/filesystems/inotify.txt .