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35 .TH MAN-PAGES 7 2008-10-28 "Linux" "Linux Programmer's Manual"
37 man-pages \- Linux の man ページを書く際の決まり事
44 Linux \fIman-pages\fP プロジェクトのマニュアルページを書く際に
46 Linux \fIman-pages\fP は Linux のマニュアルページの
47 セクション 2, 3, 4, 5, 7 から構成されている。
48 このページで説明されている決まり事は、他のプロジェクトの
49 マニュアルページを書く作者にも役立つことだろう。
52 マニュアルのセクションは、習慣的に以下のような定義が用いられている:
75 様々な事柄の概要、慣習、プロトコル、文字集合の規格、その他雑多なこと。
79 のような root のみが実行可能なコマンド。
82 .\" このマニュアルセクションは廃止された。
83 .\" かつてはここに Linux カーネルのドキュメントを置くのが良いことだと
84 .\" 考えられていた。しかし、文書化されたものは非常に少なく、
85 .\" またそれらもすでに古いものとなってしまった。
86 .\" カーネル開発者にとって、もっとよい情報源が他にあるだろう。
93 この方針は一貫性の確保が主な理由である。既存の Linux のマニュアルページ
94 の圧倒的多数がこれらのマクロを使って記述されている。
95 .SS ソースファイルの配置に関する決まり事
96 マニュアルページのソースコードの 1行の長さは
97 可能な限り 75文字を越えないようにしてほしい。
98 こうすることで、パッチをメール本文に載せて送る場合に、
99 メールクライアントによる行折り返しを回避することができる。
102 これにより、パッチの内容を確認しやすくなる。
103 パッチは文単位であることが多いからである。
105 man ページの最初の行は \fBTH\fP コマンドにすべきである。
109 .I "title section date source manual"
116 man ページのタイトル。全部大文字で記載する (例:
120 man ページが属するセクション番号 (例:
124 最新のリビジョンの日付\(emman ページに変更を加えたときには
126 これが最も一般的なバージョン管理方法である。
127 日付は YYYY-MM-DD の形式で記載すべきである。
132 数少ないセクション 1 と 8 のページの場合、おそらく単に
139 (以前の慣習では、マニュアルページを記載した/内容を確認したカーネルの
140 バージョン番号を記載していた。しかし、バージョン番号が実際の内容と
141 一致していることはなく、そのためバージョン番号がないよりも
143 今後は、バージョン番号を含めるのは避けること。)
146 その他の一般的な GNU ライブラリのライブラリコールの場合、
148 .IR "GNU C Library" ", " GNU
163 \fIman-pages\fP パッケージのセクション 2 および 3 のページの場合には、
164 .I "Linux Programmer's Manual"
168 昔から使われてきたセクション名を以下のリストに示す。
173 新しくマニュアルページを作成する際には、だいたい以下のリストに示した
174 順序でセクションを配置するようにしてもらいたい。
182 オプション [通常はセクション 1, 8 のみ]
183 終了ステータス [通常はセクション 1, 8 のみ]
184 返り値 [通常はセクション 2, 3 のみ]
185 .\" May 07: Few current man pages have an ERROR HANDLING section,,,
187 エラー [たいていはセクション 2, 3 のみ]
188 .\" May 07: Almost no current man pages have a USAGE section,,,
191 .\" May 07: Almost no current man pages have a SECURITY section,,,
195 バージョン [通常はセクション 2, 3 のみ]
206 「伝統的に使われてきた見出しが使える場合には、それを使ってほしい。」
207 この種の一貫性を保つことで、情報を理解しやすくなるからである。
208 どうしても必要な場合には、理解しやすくなるように独自の見出しを
209 作ってもよい (特にセクション 4 や 5 のページではこうした方が
210 わかりやすくなる)。ただし、そうする前に、伝統的な見出しを使い、
211 そのセクション内にサブセクション (\fI.SS\fP) を設けることで
214 以下のリストでは、上記のセクションのそれぞれの内容について
219 \fB.SH NAME\fP コマンドの行が従うべき大事な点については
224 コマンドや関数のインターフェースを簡潔に記述する。
225 コマンドに対しては、コマンドや引き数 (オプション) の文法を書く。
226 そのまま書くテキストにはボールド体を用い、置き換える引き数には
227 イタリック体を用いる。省略可能なオプションはブラケット ([]) で囲い、
228 選択肢は縦棒 (|) で区切り、繰り返しには省略符号 (...) を書く。
233 ヘッダファイルから関数 (や変数) の定義を得るために
234 機能検査マクロ (feature test macro) を定義しなければならない場合、
235 書式 (SYNOPSIS) に必要な機能検査マクロを記載すべきである。
237 .BR feature_test_macros (7)
239 .\" FIXME . Say something here about compiler options
243 通常、このセクションは 4 章のマニュアルページでのみ登場する。
246 プログラム・関数・フォーマットの動作・目的を説明する。
247 ファイルや標準入力をどのように処理し、標準出力や標準エラー出力を
248 どのように生成するかといったことについて述べる。
250 (ただしそれが動作の理解にどうしても必要なら別)。
252 プログラムのコマンドライン・オプションの説明には、
255 .\" 入力にある種の文法があったり、複雑なサブコマンドがある場合は、
258 .\" のセクションに分離することを考えるとよい
260 .\" のセクションには概要だけを置くようにする)。
263 プログラムが受け付けるコマンドライン・オプションと、
264 その場合プログラムの振舞いがどう変わるかを説明する。
265 このセクションはセクション 1 と 8 のマニュアルページにだけ登場すべきである。
268 .\" コマンドなどが実装している副言語 (sublanguage) の文法を記述する。
270 .B 終了ステータス (EXIT STATUS)
271 プログラムの終了ステータスの値と、それらの値に対応する状況を列挙する。
272 このセクションはセクション 1 と 8 のマニュアルページにだけ登場すべきである。
274 .B 返り値 (RETURN VALUE)
275 セクション 2 と 3 のページの場合、このセクションに
276 ライブラリルーチンが呼び出し元に返す値のリストを記載する。
277 それらの値が返された場合の状態に対する説明も書く。
280 セクション 2 と 3 のマニュアルページでは、
283 に設定される可能性がある値のリストを記載する。
284 リストには、エラーの値とエラーの原因についての情報を書く。
285 「エラーリストはアルファベット順にすべきである。」
287 .B 環境変数 (ENVIRONMENT)
288 プログラムや関数に影響する環境変数をリストし、それらの効果を書く。
291 プログラムや関数が用いるファイルを列記する。
292 例えば、設定ファイル、起動ファイル、プログラムが直接操作するファイルなどである。
293 これらのファイルのファイル名はフルパスで記載し、
294 ディレクトリの部分はユーザーの好みに合わせて
296 多くのプログラムではデフォルトのインストール先は
298 である。したがってベースとなるマニュアルページでも
301 .\" May 07: Almost no current man pages have a DIAGNOSTICS section;
302 .\" "RETURN VALUE" or "EXIT STATUS" is preferred.
304 .\" .B 診断メッセージ (DIAGNOSTICS)
305 .\" ごく一般的なエラーメッセージの概要と、
306 .\" それらをどう扱うかについて述べる。プログラムの実行時に現れる
307 .\" システムエラーメッセージや致命的シグナルを全部説明する必要はない。
309 .\" 何らかの特殊な意味を持っている場合は別である。
311 .\" May 07: Almost no current man pages have a SECURITY section.
313 .\" .B セキュリティ (SECURITY)
314 .\" セキュリティ関連の話題・問題について述べる。
315 .\" 避けるべき設定や環境・セキュリティ上の問題を引き起こすコマンド
316 .\" などについて警告する。それらが明らかでない場合には、これは特に重要である。
317 .\" セキュリティに関する話題は、必ずしも独立したセクションにする必要はない。
318 .\" もし理解しやすければ、セキュリティの情報は他のセクション
324 .\" しかし、セキュリティの情報はどこかには書いておいてほしい!
327 システムコールやライブラリ関数が登場したり、動作の重要な変更が行われた、
328 Linux カーネルや glibc のバージョンについての簡潔な概要。
329 一般に、全ての新しいインターフェイスは、マニュアルページに
331 残念なことに、多くの既存のマニュアルページにこの情報は含まれていない
332 (これらのページが書かれた時点ではそのようなポリシーはなかったからである)。
334 新しいコードを書くプログラマの観点からすれば、
336 Linux 2.4 以降で追加されたカーネルインターフェイス (カーネル 2.2 からの変更) と
337 glibc バージョン 2.1 以降で追加されたライブラリ関数 (glibc 2.0 からの変更)
341 マニュアルページにも、いろいろなシステムコールが初めて登場した
342 カーネルバージョンについての情報が書かれている。
344 .B 準拠 (CONFORMING TO)
345 そのマニュアルページで説明している関数やコマンドに関連する
347 セクション 2 や 3 のページでは、このセクションで
348 システムコールや関数が準拠する POSIX.1 のバージョンと、
349 C99 で規定されているかに触れるべきである。
350 (SUS, SUSv2, XPG などの他の標準規格や、SVr4 や 4.xBSD の実装標準に
351 ついては、説明しているコールがこれらの規格で規定されており
352 POSIX.1 の現行バージョンで規定されていない場合以外は、
357 そのコールがどの標準にも基づいていないが、
358 他のシステムで広く存在する場合は、その旨を記載すること。
359 そのコールが Linux 固有の場合は、その旨を記載すること。
361 (そうなっているページが多いが) このセクションの内容が標準のリスト
362 だけの場合、リストの最後にピリオド (\(aq.\(aq) を置くこと。
366 セクション 2 と 3 のマニュアルページでは、
367 \fILinux での注意 (Linux Notes)\fP や \fIglibc での注意 (Glibc Notes)\fP
368 という名前のサブセクション (\fBSS\fP) を設けると便利なこともある。
371 制限・知られている欠陥や不便な点、その他不思議な動作などを書く。
374 この関数・ファイル・コマンドをどのように使うかを示した
377 以下の「サンプルプログラム」の節を参照のこと。
381 .B 著者セクションは極力使用しないこと。
382 一般的には、著者のリストを各ページに撒き散らさない方がよい
383 (時間がたつと、作者のリストは膨大になる可能性がある)。
384 マニュアルページを新規に書いたり、大幅に修正を行った場合には、
385 ソースファイルにコメントとして著作権表示を追加すること。
386 あなたがデバイスドライバの作者で、バグを報告するためのアドレスを
387 載せたい場合は、「バグ」セクションの後ろにこのセクションを配置すること。
390 関連するマニュアルページを、コンマ区切りのリストで、
391 セクション番号順に、セクション内ではアルファベット順で記載する。
397 関数に対しては、引き数には常にイタリック体を用いる。
398 「たとえ書式 (SYNOPSIS) セクションであっても、このルールに従う」
401 .BI " int myfunction(int " argc ", char **" argv );
403 引き数名といった変数名はイタリック体を指定すべきである。
407 ディレクトリ内のファイルへの参照) は常にイタリック体にする (例:
409 ただし、書式 (SYNOPSIS) セクションは例外で、
410 インクルードファイルはボールドにする (例:
411 .BR "#include <stdio.h>" )。
413 以下の標準のインクルードファイルを参照する際は、
414 通常の C 言語と同様に山括弧でヘッダファイルを囲ぬで指定する (例:
417 通常、大文字で表現する特殊マクロはボールドで表す (例えば
419 例外として NULL はボールドにしない。
421 エラーコードのリストを列挙する時には、コードはボールドで表す
426 完全なコマンドは、長い場合には、例に示すように
427 字下げした行にコマンドだけを記載すべきである。
437 のようにイタリック体で文中に埋め込んで記載してもよい。
438 この場合、コマンド内の適切な位置に、改行できないスペース ("\e\ ")
444 式は、専用の字下げした行に記載しない場合、イタリック体を指定すること。
445 繰り返しになるが、式を通常の文中に埋め込む場合にも、
448 そのマニュアルページの説明対象への参照は、ボールドで名前を記載する。
449 対象が関数 (つまり、セクション 2 や 3 のページ) の場合、
450 名前の後ろにローマンフォント (通常のフォント) で丸括弧の対を続ける。
453 のマニュアルページでは、説明対象への参照は
456 マニュアルページのソースファイルには次のように記載するのが望ましい:
462 ("\\fB...\\fP()" よりも、この形式を使うこと。
463 これにより、マニュアルページのソースファイルを解釈するツールを
466 別のマニュアルページへの参照は、ボールドで名前を記載し、
467 それに続けてセクション番号を「必ず」書く。セクション番号は
468 ローマンフォント (通常のフォント) で書き、スペースは入れない
471 マニュアルページのソースファイルには次のように記載するのが望ましい:
477 (相互参照にセクション番号を含めておくと、
479 といったツールがページ間のハイパーリンクを適切に生成できる。)
484 新しいページやパッチは全てこの慣習に従って下さい。
485 .SS サンプルプログラムとシェルのセッション
486 マニュアルページには、システムコールやライブラリ関数の使い方を示す
491 サンプルプログラムは C で記載すること。
495 インタフェースについて文章で簡単に説明できる以上のことを示す場合にだけ
496 必要かつ有用である。インタフェースを呼び出す以外に何もしないサンプル
501 (100行未満が望ましく、50行未満が理想的である)。
504 サンプルプログラムでは、システムコールやライブラリ関数を呼び出した後で
510 でコンパイルした際に警告なしでコンパイルできること。
513 可能かつ適切な場合には、サンプルプログラムで
514 入力により動作を変化させるなどの実験を行うとよい
515 (理想的には、コマンドライン引き数や、プログラムが読み込む入力データ
519 サンプルプログラムは、K&R (Kernighan and Ritchie) スタイルで書き、
521 (ソースコードで TAB 文字を使うのは避けること。)
523 サンプルプログラムがどんな風になっていればよいかの例については、
529 プログラムの使い方や他のシステムの特徴を示すためにシェルのセッション例
530 を含める場合、ユーザの入力文をボールドにして、システムが生成する
532 .SS 構造体の定義、シェルのセッションログなどの字下げ
533 構造体の定義やシェルのセッションログなどを本文中に記載する際は、
534 スペース 4個分の字下げを行う (つまり、ブロックを
541 パッケージに含まれるマニュアルページの体裁の標準的な例については、