=== 変愚蛮怒の魔法システム === 変愚蛮怒でプレイヤーが用いることのできる魔法は ZAngband の魔法システム を改良し、新しい要素を沢山加えたものです。魔法は大きく分けて2種類があ り、多くの職業に共通する魔法書を使う魔法と、魔法書を使わない職業特有の 魔法(能力) があります。全ての魔法は'm'コマンドで使用する事ができます。 魔法書は9領域あり、生命、仙術、自然、カオス、暗黒、トランプ、秘術、匠、 悪魔 からなります。プレイヤーはレベルと知能、賢さ、魅力のどれかを上げ ると、魔法書を読んで新たな強力な魔法を憶える事が出来るようになります。 憶えた魔法を使うためには常にその魔法書を持っていなければなりません。魔 法書を使う職業は選択可能な領域の中から1つか2つを選んで使用する事がで きます。魔法書は1領域につき4冊あり、最初の2冊は店で買う事ができます。 職業特有の魔法(能力)は 超能力(超能力者)、ものまね(ものまね師)、魔道具 魔法(魔道具術師)、歌集(吟遊詩人)、武芸(剣術家)、練気術(練気術師)、青魔 法(青魔道師)、怒り(狂戦士)、鍛冶(鍛冶師)、鏡魔法(鏡使い)、忍術(忍者) があります。これらの魔法(能力)は憶え方も使い方も様々です。 その他に各職業は必ず一つ以上の特別な能力(クラスパワー)を持ち、レイシャ ル/クラス パワーのコマンド('U'/'O') で使う事ができます。これは魔法とは 別扱いですが、以降の文章で一緒に説明されています。 あなたは覚えた魔法の名前を見たり、ちょっと使ってみただけではその効果が 何なのか判別できない事が多いかもしれません。その時には呪文の説明を読む コマンド('b'/'P')を使い、知りたい呪文を選択してください。数行の説明文 が表示されます。 ***** === 職業別魔法使用能力 === 戦士 戦士は呪文を使えません。彼らは魔法を憎んでいます。実は上位の魔法 書を破壊することによって経験値を得さえします。彼らはクラスパワー 「剣の舞い」によって一度に多くのて敵に対して攻撃する事ができます。 メイジ メイジは領域の選択にあたって最も制約が少ない職業で、キャラクター 作成時に自由に2つの領域を選択できます。生命の魔法はプリースト程 得意ではありませんが、それを除けばメイジは非常に上手に呪文を使え ます。変愚蛮怒では2つの領域を選べる事は特別な価値があります。そ のような職業はキャラクター作成時だけでなく冒険中に第二の領域を変 更できるからです。変更したい時は新しい領域の魔法書から呪文を覚え る操作('G'コマンド)をします。ただし、呪文を学習できる数は復活しな いのでむやみに領域を変更していると新しい呪文を覚える事ができなく なってしまいます。彼らはクラスパワー「魔力食い」によって魔法棒や 杖やロッドからMPを吸収する事ができます。魔法に必要な能力値は知能 です。 プリースト プリーストは第一の領域に生命、暗黒、悪魔、のうちどれかを選択でき ます。第二の領域はほぼ自由に選択できますが、生命と暗黒、または生 命と悪魔、というペアを選択する事はできません。生命以外の領域はメ イジほどうまくはないにしろ全ての呪文を憶えられます。またメイジと 同様に冒険中に第二領域を変更する事ができます。しかしプリーストが 呪文を学ぶ際、どの呪文を学ぶかを自発的に決めることはできません。 覚える魔法書を選択すると神がふさわしい呪文を授けてくれます。それ が不満足であっても返品はできません。第一領域に生命を選択したプリー ストはクラスパワー「武器祝福」によって刃物が付いた武器を祝福して 自由に使えるようにする事ができます。第一領域に暗黒か悪魔を選択し たプリーストはクラスパワー「召魂」によって視界内の敵にダメージと 恐怖を与え、テレポートさせる事ができます。魔法に必要な能力値は賢 さです。 盗賊 盗賊は仙術、秘術、トランプ、匠、暗黒の中から一つの領域を選んで使 用できます。彼らは強力な呪文のいくつかは覚える事ができず、新しい 呪文を学べるスピードも速くありません。結局のところ近接攻撃力も飛 道具も得意な彼らにとって魔法は補助でしかありません。彼らはクラス パワー「ヒット&アウェイ」によって攻撃すると同時にテレポートして 反撃を避ける事ができます。魔法に必要な能力値は知能です。 レンジャー 全てのレンジャーは自然の領域に精通しており、全ての呪文が使えるよ うになります。彼らはこの領域の呪文をほとんどメイジと変わらぬ速さ で覚えることができます。第二領域は仙術、秘術、トランプ、カオス、 暗黒、悪魔から選択する事ができ、冒険中に変更もできますが、これに ついては学ぶ速度は遅く、もっとも高レベルの呪文のいくつかは覚えら れません。彼らはクラスパワー「モンスター調査」によってモンスター のHP、速度、進化に必要な経験値を調べる事ができます。魔法に必要な 能力値は知能です。 パラディン パラディンは生命か暗黒の領域を選択して使う事ができます。プリース トと同様に、彼らは自分で学習する呪文を選ぶことは出来ず、神によっ て新たな祈りを授けられます。彼らは全ての呪文を学習できますが、そ の速さはプリーストにはかないません。彼らは異教を憎んでいるので生 命のパラディンは生命以外の領域の魔法書を破壊するように努め、暗黒 のパラディンは生命の魔法書を破壊するように努めます。そして高位の 魔法書であったなら彼らは破壊によって経験値を得る事ができます。彼 らはそれぞれクラスパワー「ホーリーランス」と「ヘルランス」を使用 し、直線上の敵を攻撃する事ができます。魔法に必要な能力値は賢さで す。 魔法戦士 魔法戦士は第一領域に秘術、第二領域にその他の自由な領域を選択する 事ができます。彼らは通常のメイジほどは早く呪文を覚えられませんが、 最終的には両領域の全ての呪文を覚えることができます。彼らはクラス パワー「変換HP→MP」と「変換MP→HP」を使ってMPとHPを相互に移し変 える事ができます。魔法に必要な能力値は知能です。 混沌の戦士 混沌の戦士はカオスか悪魔の領域を選択して使用できます。武器を用い た攻撃力に加えて魔法による攻撃も合せ、破壊を巻き散らす事になるで しょう。彼らは全ての呪文を覚えられます。彼らはクラスパワー「幻惑 の光」によって視界内の敵を減速させ、朦朧とさせ、混乱させ、恐怖さ せ、麻痺させる事ができます。魔法に必要な能力値は知能です。 修行僧 異なる宗派に属する修行僧はそれぞれ違う領域の魔法に専念します。彼 らは生命、自然、匠、暗黒のどれかの領域を使い、全ての呪文を修得す る事ができます。プリーストと同様に神から呪文を授けられるため覚え る呪文を自由に選ぶ事はできません。彼らはクラスパワー「構え」と 「百裂拳」を使います。状況に合せて異なる構えを用いてその場の戦闘 を有利に運び、強力な連続打撃によって最後の止めを刺します。魔法に 必要な能力値は賢さです。 超能力者 超能力は魔法書を用いません。彼らはレベルが上ると次々に強力な超能 力を使えるようになり、それぞれの超能力もレベルが上ると新たな能力 を獲得します。彼らの力は精神の力であり、目隠しをしていても使えま す。彼らはクラスパワー「明鏡止水」によってMPを回復する事ができま す。超能力に必要な能力値は賢さです。 ハイメイジ ハイメイジは一つの領域に特化し、その領域を通常のメイジよりはるか に深く学んだメイジです。1つの領域に特化したおかげで、彼らは自ら が選択した領域の呪文を唱える際の消費MP、最低レベル、失敗率で相当 な恩恵を受けます。彼らはメイジと同様のクラスパワー「魔力食い」を 使って魔法棒や杖やロッドからMPを吸収できます。魔法に必要な能力値 は知能です。 観光客 観光客は彼らなりに多くの事を見聞きしているため、驚くべき事に秘術 の魔法を使う事ができます。しかし、全く上手ではなく、直接攻撃呪文 を始めとして強力な呪文は使う事ができません。しかし鑑定の魔法だけ は非常に得意です。彼らはクラスパワー「写真撮影」と「真・鑑定」を さらなる見聞を広めるために使います。魔法に必要な能力値は知能です。 ものまね師 ものまね師は彼ら独自の能力「ものまね」を使います。モンスターが魔 法や能力を使用するのを見ることでネタを覚えて、後で全く同じように 真似る事ができます。それが攻撃魔法だったならダメージ量も全く同じ になります。彼らは見た能力は全て覚えますが、一回使用すると忘れま す。また、覚えていられる数と時間に制限があり、レベルによって決ま る1つから3つまでの制限数まではずっと覚えていられますが、それを 越える数のネタは各ターンに古いものから順番に忘れていきます。彼ら はクラスパワー「倍返し」によって、通常の倍の攻撃力でものまねを使 用する事ができます。ものまねに必要な能力は基本的に器用さですが、 まねる特殊能力に関係ある他の能力も必要です。 魔獣使い 魔獣使いはペットと乗馬能力を活用するためにトランプの領域を使用し ます。彼らは生命を持つモンスターを召喚するのが得意で、実際メイジ よりも速く召喚魔法を覚えます。しかし、生命を持たないモンスターは 全く召喚できませんし、そのような呪文を覚える事はできません。彼ら はクラスパワー「生物支配」と「真・生物支配」を用いて生命を持つモ ンスターを最も効果的に支配する事ができます。魔法に必要な能力は魅 力です。 スペルマスター スペルマスターは身体能力全てを犠牲にする代りに、9つ全ての魔法領 域を同時に扱う事ができる特別な職業です。彼らは呪文を使うために学 習をする必要はなく、魔法書を持っていてレベルが足りていれば全ての 呪文を熟練したメイジと同じくらいに上手く使う事ができます。彼らは クラスパワー「魔力食い」によって魔法棒や杖やロッドからMPを吸収す る事ができます。魔法に必要な能力は知能です。 アーチャー アーチャーは戦士と同様、魔法は一切使いません。彼らはクラスパワー 「小石/矢の製造」によって、岩石の地形から石や弾、骨から矢やクロス ボウの矢を製造する事ができます。 魔道具術師 魔道具術師は独特の魔法能力を持ちます。彼らは魔法棒や杖やロッドの 魔力を吸収して、まるで吸収したアイテムを全て同時に所持しているか のように自由に使う事ができます。ロッドは所持しているときと同様に 充填しますし、魔法棒や杖でさえも魔道具術師の力によってゆっくり使 用回数を回復します。魔道具術師の知力が高いほどこれらの充填速度は 速くなります。また、彼らは魔力復活の薬を飲んで充填に使う事もでき ます。彼らはクラスパワー「魔力の取り込み」によって魔法棒や杖やロッ ドを吸収します。魔法に必要な能力は知能です。 吟遊詩人 吟遊詩人は歌集を用いて魔法的な歌の力で戦います。歌集はほとんど魔 法書と同じシステムです。歌集は全部で4冊あり、下位の2冊は町で買 う事ができ、歌集を読んで新たな歌を学習し、その歌を使うためには常 に歌集を所持していなければなりません。歌のいくつかは魔法書の呪文 と同様に使った時に効果を発揮しますが、多くの歌はMPを消費して歌い 続けている間ずっと効果を持つ歌集独特のものです。彼らはクラスパワー 「歌を止める」によって現在歌い続けている歌を中断します。魔法に必 要な能力は魅力です。 赤魔道師 赤魔道師は魔法戦士に似ていて近接戦闘と魔法の両方の能力を持ちます。 彼らはスペルマスターと同様に同時に全ての魔法領域を使用可能という 素晴しい特徴を持ちます。しかし、新たな呪文を使えるようになるのは 非常に遅く、どんなにレベルを上げても使用可能なのは各領域の下位の 2冊の魔法書のみであり、2冊目の魔法書に含まれる呪文の中でも強力 なものの幾つかは使用できません。しかし、秘術だけは例外的に4冊全 ての呪文を使えます。実際のところ秘術の領域は4冊とも下位の魔法書 なのです。彼らはクラスパワー「連続魔」によって、一回の行動順に2 つの呪文を同時に使うという強力な能力を持っています。魔法に必要な 能力は知能です。 剣術家 剣術家は武芸の書を読む事によって特別な必殺技を覚え、様々な付加能 力を付けて武器を振う事ができます。武芸の書は全部で4冊あり、下位 の2冊は武器の店で買う事ができます。魔法書の呪文と違い、一度技を 覚えてしまえばその技を使うのに武芸の書を所持する必要はありません。 ただし、どんな技を使うときも常に武器を装備していなければなりませ ん。彼らはMPの扱いについても特徴があります。彼らの通常の最大MPは 他の職業に比べて非常に小さく、賢さ(と種族)のみによって決定され、 レベルが上っても増えません。しかし、彼らはクラスパワー「気合いた め」によって一時的にその最大MPを越えてMPを増やす事ができ、その後 に高レベルの技を使う事ができます。また、もう一つのクラスパワー 「型」は剣術家の戦闘のスタイルを変更します。型は4つの種類があり、 それぞれ長所と短所があります。必殺技の使用に必要な能力は賢さです。 練気術師 練気術師は修行僧に似ていて武器を持たず軽装で戦いますが、彼らは肉 体そのものよりもむしろ気の力を武器として使います。気を様々に活用 する練気術は超能力に良く似ていて、レベルが上る事で新たな能力を獲 得して行きます。彼らは修行僧と同様に普通の魔法書も生命、自然、匠、 暗黒、の中から一つを選んで使用する事ができます。魔法を使用するコ マンドは通常と同じですが、魔法書を選択する画面で'w'を押す事で魔法 書の代りに練気術を選択する事ができます。彼らの練気術の中の一つ 「練気」は気を練って一時的に彼らの気を強化する事ができます。素手 による直接攻撃力が上昇し、この状態で他の練気術を使用すると練った 気を一気に放出するため通常よりも大きな効果を持ちます。彼らはクラ スパワー「明鏡止水」によってMPを回復する事ができます。魔法と練気 術に必要な能力は賢さです。 青魔道師 青魔道師をモンスターの魔法や能力を学習して自分の魔法として使う事 ができます。ものまねとは異なり一度覚えれば忘れませんが、クラスパ ワー「ラーニング」を使用中にモンスターの魔法や能力による直接的な 攻撃や召喚による攻撃を受けなければ学習できません。したがって体力 回復魔法やスピード等の自己を強化する魔法を学習するのは不可能です。 また、攻撃魔法の威力までは真似ないのでそれは自分の能力によって決 まります。魔法に必要な能力は知能です。 騎兵 騎兵は戦士と同様、魔法を全く使いません。彼らは乗馬に非常に熟練し ているため、クラスパワー「荒馬ならし」を使用して乗馬可能なモンス ターに無理矢理跳び乗ってペットにする事ができます。 狂戦士 狂戦士は、彼ら独特の技の体系「怒り」を使用する事ができます。彼ら はレベルを上げる事によって新たな怒りの技を覚えます。狂戦士は戦士 と同様に、「魔法」は使いません。それどころか巻物、魔法棒、杖、ロッ ド、アーティファクトの発動も全て使用できません。その救済処置とし て彼らはクラスパワー「空腹充足」と「帰還」を持っています。空腹充 足はサバイバル技術であるとして、なぜ帰還ができるのかは想像におま かせします。 鍛冶師 鍛冶師は魔法自体は使いませんが、武器や防具から装備の魔力のエッセ ンスを抜き出して他の武器や防具を強化するのに使用する事ができます。 耐性や能力の付加は一つの装備に対して一つしかできませんし、アーティ ファクトには一切付加できません。しかし、防具のAC修正や、武器の命 中、ダメージ修正は上限値に達するまでは自由に強化する事ができます。 また、一度付加した耐性や能力を再び取り除いて、別のエッセンスを付 けられるようにする事もできます。彼らはクラスパワー「目利き」によっ て武器や防具を鑑定する事ができます。これは高レベルの鍛冶師の場合 は*鑑定*になります。 鏡使い 鏡使いは魔法の鏡を生成して配置し、それを活用して攻撃を行う鏡魔法 を使用します。彼らはレベルが上がる事で新たな鏡魔法を覚えます。幾 つかの鏡魔法は覚えた後にさらにレベルが上がる事で別の能力を獲得し ていくものもあります。彼らにとって鏡の配置は非常に重要です。鏡に 当って反射する攻撃魔法もありますし、鏡の上にいるモンスターにのみ 効果を持つ魔法もあります。また、鏡使いが鏡の上に立ったとき、多く の鏡魔法を通常よりも効果的に使う事ができます。特にテレポート魔法 については鏡の上で使う事により通常の1/2の時間で唱える事ができます。 注意するべきは同時に維持する事のできる鏡の数に制限がある事です、 不要な鏡は壊してしまえばまた新たな鏡を作れるようになります。彼ら はクラスパワー「鏡割り」と「静水」を持っています。鏡割りはその階 にある鏡を全て割り、「静水」は鏡の上で使うとMPを回復します。鏡魔 法に必要な能力は知能です。 忍者 忍者は暗闇に潜み、不意打ちによって敵を攻撃するために、それを補助 する忍術を使用する事ができます。彼らはレベルが上ると新たな忍術を 覚えていきます。彼らはクラスパワー「速駆け」を使用する事で通常よ りも遥かに速く走る事ができます。忍術に必要な能力は器用さです。 ***** === 魔法の領域 === 生命 生命の魔法はプリーストの得意とする領域です。多くの呪文は回復・防 御系の魔法ですが、邪悪な敵に対しては特別に強力な攻撃魔法があり、 特にアンデッドに対しては近くにいるものをまとめて滅ぼす強力な魔法 を持っています。またこの領域は術者の属性が悪の方に傾くと失敗率が 上がるという特徴を持ちます。 仙術 仙術の魔法は感知や鑑定やテレポート系の魔法が充実していて、術者の スピードを上げたり、敵のスピードを下げ、眠らせ、混乱させる魔法を 備えます。しかし、直接ダメージを与える攻撃魔法や回復魔法は全くな く、序盤のうちは敵の攻撃を直接防ぐ防御呪文もありません。ただし最 高レベルの魔法の一つに無傷球の魔法があります。 自然 自然の魔法は攻守ともにバランスの取れた領域で、 感知呪文や防御力を 高める呪文、地形を変える呪文が充実しています。序盤は攻撃能力が限 られていますが、レベルが上がればそれなりに役に立つ攻撃呪文を使用 できます。さらに生命の領域に継ぐ強力な回復呪文も持っています。自 然の領域は術者の属性が善悪いずれか一方に傾きすぎると失敗率が上が るという特徴を持ちます。 カオス カオスの魔法は攻撃力にすぐれています。多種多様な攻撃魔法があり、 攻撃手段には欠きません。マジック・ミサイルやファイア・ボルトに始 まり、中レベルのファイア・ボールやドゥーム・ボルト、そしておそる べきログルス発動、魔力の嵐、虚無召来の呪文に至るまでカオスは他の 追随を許さない攻撃魔法を提供します。また、魔法で*破壊*ができるの はこの領域だけです。この領域の魔法の中には敵や術者を変化させるも のがあり、術者を別の種族に変身させてしまう事さえあります。また、 魔法に失敗するとカオスの力が逆流し予測不能な効果を及ぼすこともあ ります。感知等の補助的な魔法はほとんどありません、ただし、テレポー ト系の簡単な魔法はいくつか持っています。 暗黒 暗黒の魔法はカオス同様攻撃的な領域で、術者は毒、吸血、死の呪文、 また地獄の炎までも操ることができ、レベルの低いモンスターをまとめ て抹殺する事もできます。また、カオスと違い感知系の魔法も少しは使 えます。カオスが全てのモンスターに効く魔法が多いのに対し、この領 域は生命を持ったモンスターに特に強いという特徴を持ちます。その反 面、 高レベルのアンデッド系のモンスターにはあまり有効な攻撃ができ ません。強力な呪文の多くは術者の血を触媒として必要とするので、術 者は呪文を唱える過程で傷つくことがしばしばあります。さらに最後の 魔法書「ネクロノミコン」の魔法に失敗すると、ダメージ以外の様々な 嫌な効果を受けることがあります。 この領域は術者の属性が善の方に傾 くと失敗率が上がるという特徴を持ちます。 トランプ トランプとは、アンバー世界のパターン(Pattern)と同じ仕組みの力がカー ドに描かれたものであり、トランプの魔法書はこのカードのデッキから なっています。トランプの魔法はトランプの扉を活用したテレポート系 魔法と召喚魔法が充実していて、さらに召喚したモンスターを強化する ための魔法までも備えています。ただし、全てのモンスターが召還され るのを喜ぶわけではありません。100%忠誠なモンスターは幽霊の下僕の みであり、その他のモンスターは魔法がうまく働かないと敵として召喚 されてしまいます。また、召喚魔法によって自分の属性と反対の属性の モンスターを召喚するのは非常に困難である事は注意が必要です。また、 この領域にはランダムな効果を及ぼす「シャッフル」という魔法があり、 デッキからランダムな一枚のカードが選ばれて様々な効果を発揮します。 この効果の中には非常に有用なものから、非常に悪い効果まであります。 秘術 仙術よりもさらに、秘術魔法は汎用的な領域です。全ての領域から有用 な呪文を集めるべく作られたもので、*鑑定*が無いことを除けば概ね成 功していると言えるでしょう。これは欠点でもあります。秘術はダンジ ョンの探検に必要な「補助」呪文をそろえていますが、超強力な高位呪 文はありません。結果として全ての秘術の魔法書は街で買うことができ ます。また「特化された」領域、つまり秘術以外の領域では同じ呪文が より低いレベルかつ低MPで使用可能であることも注意すべき点です。そ れゆえ秘術魔法は唯一の選択としては薦められません。しかし他の領域 に欠けている補助呪文を補うにはいい領域です。 匠 匠の魔法は変愚蛮怒オリジナルの領域で、攻撃力や防御力、スピード等、 身体能力を増強する魔法が充実しています。回復力強化や壁抜けは匠の 領域特有の魔法で、レベルが低いわりに強力です。匠には感知やテレポー トの魔法がありませんが、一時的なテレパシー能力を得る魔法がありま す。 悪魔 悪魔の魔法は変愚蛮怒オリジナルの領域で、カオス同様攻撃力にすぐれ、 炎や地獄の属性を持った攻撃魔法が充実しています。感知魔法はほとん どありませんが、周辺の地形を感知したり、一時的なテレパシーを得た りすることができます。この領域には一時的な変身系の魔法があり、悪 魔や魔王に変身することができます。この領域はプレイヤーの属性が善 の方に傾くと失敗率が上がるという特徴を持ちます。 ***** === 呪文の使用 === 魔法を使えるクラスを選択したプレイヤーは、ゲーム中に起るいくつかの変わ った現象に注意しなければなりません。以下に、そのようなことが起こったと きの注意点を述べます。 --- 防具と魔法の使用 --- 呪文を使える全ての職業はある重量を越えて防具を装備することによりペナル ティを受けます。典型的に、呪文への依存度の高い職業や軽装で戦うことを好 む職業ほど、許容重量は小さくなります。もし重量制限を越えると、MPの量は 下がります。このペナルティは低レベルのキャラクタにはかなり厳しいもので すが、高レベルになれば無視できる範囲かもしれません。 --- メイジタイプの職業と手の防具 --- 知能を用いて魔法書から呪文を用いる職業と青魔道師は、手に防具を装備する ことでペナルティを受けます。例外は器用さを増加する防具や麻痺への耐性や 魔法道具を使い易くする能力を持った防具で、これらは装備してもペナルティ はありません。このペナルティの論理的根拠としては、手は呪文を唱える際に 複雑なジェスチャーをする必要があり、手に何か邪魔になるものがあってはそ れの妨げになるということがあげられます。他の職業の魔法は祈る事や精神の 力によって魔法を使うのでペナルティーを受けません。 --- MP不足の状態で唱える呪文 --- 時折、あなたは(偶然に、あるいは死に物狂いで)必要なMPがないときに呪文 を唱えようとすることがあるでしょう。このような状況では、「MPが足りない がとにかく唱えてみるのか?」とゲームから聞かれるはずです。ここで呪文を 唱えてみることは可能ですが、成功率がかなり低くなり、耐久にダメージを受 ける結果になることもあります。また、数ターンの間麻痺してしまうこともあ ります(麻痺への耐性を持っていても)。耐久の減少や麻痺は呪文詠唱が成功 したかどうかに関わらず発生します。 --- 呪文の持続時間 --- 呪文の中には、スピードや全耐性のように唱えてから一定時間で効果が薄れる タイプのものがあります。ごくわずかな例外を除いて、このような呪文を繰り 返し唱えることは呪文の持続時間に累積効果を示しません。言い換えれば、20 ターンの有効時間を持つ呪文を3回唱えても、持続時間が60ターンになること はないのです。ありがちなのは、後で唱えた呪文の持続時間が有効になるケー スです。 ***** === 呪文の種類 === --- ボルトとビーム --- ある方向を狙ったり、標的に向かって放たれるボルトタイプの呪文は、その方 向に存在する最初の怪物(もしくは障害物)に命中します。これはそれを意図 しようと意図しまいと起こることです。時折、あなたはこのタイプの呪文がそ の直線上に存在する複数の怪物に対して命中することに気づくでしょう。これ はこのタイプの呪文の中には「貫通」する確率のある呪文があるからです。こ の効果は、固定であったりレベルに依存します。この効果は、狙った方向の直 線上に存在する一定範囲以内の敵全てに起こります。 --- ボール --- ボールタイプの呪文には覚えておくべき2つの特性があります。まず、ボルト タイプと違って特定の標的を狙えるということです。狙った方向にある最初の 怪物ではなく、特定の怪物を狙うことができます。つまり、怪物の群れの中心 にいる敵を狙い撃てるのです。もう一つは、この手の呪文はある範囲(この範 囲は呪文ごとに違います)内に対して有効であるということです。狙った標的 に加え、標的を中心としてこの範囲内にいる敵(や効果を受ける物体)にも効 果を及ぼします。ただ、その強さは中心から離れるほど弱くなります。幽体的 なモンスターは壁の中にいることがありますが、そのモンスターに向けて放っ たボール魔法は壁の前で爆発してしまい、直撃した場合の半分のダメージだけ を与える事になります。 --- 視界 --- 視界タイプの呪文はキャラクタの視界に存在する全ての怪物に効果を及ぼしま す。これは暗闇にいて見えないけれども、もし明るければ見える位置にいる怪 物も含みます。 --- エリア --- エリアタイプの呪文はプレイヤーの回りの一定範囲に効果を及ぼします。その サイズは呪文ごとにかなり変わります。たとえば、ライト・エリアの呪文は一 つの部屋全体を明るくしますし、トラップ感知や周辺抹殺は決まった半径の円 の内部、通常の抹殺はその階全てに効果が及びます。 ***** === ヒントと豆知識 === もし「昔の」魔法使いをやりたい場合、仙術とカオスを選ぶのが良いです。序 盤のメイジの呪文、マジック・ミサイル、モンスター感知、トラップ感知、鑑 定などが使用できます。 できることなら防御的な領域と攻撃的な領域を一つずつ選ぶのが良いです。例 えば生命あるいは仙術と、暗黒あるいはカオスの組合せなどです。自然は中間 的な領域で、攻撃、防御の両方の呪文がありますが、少なくとも序盤は両方と もそれほど強くはありません。自然は高レベルになって強力な呪文が使えるま では他の手段で生き残れるキャラクターが使うと一番いいでしょう。 魔法領域をいつも同じ順番で選ぶようにすれば(例えば自然を第一領域、カオ スを第二領域に)魔法書を選択する際に混乱が少ないでしょう。それでも混乱 するようなら、マクロを使いましょう(完全マクロまたは銘による選択)。 -- Original : (??) Updated : (??) Updated : Zangband DevTeam Updated : Hengband 1.0.11