.\" Copyright (c) Bruno Haible .\" .\" This is free documentation; you can redistribute it and/or .\" modify it under the terms of the GNU General Public License as .\" published by the Free Software Foundation; either version 2 of .\" the License, or (at your option) any later version. .\" .\" References consulted: .\" GNU glibc-2 source code and manual .\" Dinkumware C library reference http://www.dinkumware.com/ .\" OpenGroup's Single UNIX specification http://www.UNIX-systems.org/online.html .\" ISO/IEC 9899:1999 .\" .\" About this Japanese page, please contact to JM Project .\" Translated Sat Oct 23 17:53:50 JST 1999 .\" by FUJIWARA Teruyoshi .\" .TH WCSTOK 3 1999-07-25 "GNU" "Linux Programmer's Manual" .SH 名前 wcstok \- ワイド文字文字列をトークンに分割する .SH 書式 .nf .B #include .sp .BI "wchar_t *wcstok(wchar_t *" wcs ", const wchar_t *" delim \ ", wchar_t **" ptr ); .fi .SH 説明 .BR wcstok () 関数は、 .BR strtok (3) 関数に対応するワイド文字関数に、 マルチスレッドセーフの動作をさせるための引き数を追加したものである。 この関数を用いて、ワイド文字文字列 \fIwcs\fP をトークンに分解すること ができる。ここで、トークンは \fIdelim\fP に列挙されている文字を含まな い部分文字列として定義される。 .PP 検索は \fIwcs\fP が NULL でなければ \fIwcs\fP から開始され、\fIwcs\fP が NULL ならば \fI*ptr\fP から開始される。まず、全ての区切りワイド文字 がスキップされる。つまり、\fIdelim\fP に含まれるワイド文字を超えるよう にポインタが前に進められる。 ワイド文字文字列の終わりに達したら、 .BR wcstok () は NULL を返して トークンが全く見つからなかったことを示し、この後に .BR wcstok () を呼び 出しても NULL が返されるように \fI*ptr\fP に適切な値を設定する。それ 以外の場合には、 .BR wcstok () 関数はトークンの先頭を識別し、これを指す ポインタを返す。ただしこれを行う前に、トークンの後にある、\fIdelim\fP に含まれている文字を L\(aq\\0\(aq に置き換えることによってトークンを 0 で 終端させる。さらに \fI*ptr\fP を更新し、後で .BR wcstok () を呼び出した 際に、識別されたトークンの続きから検索できるようにする。 .SH 返り値 .BR wcstok () 関数は次のトークンへのポインタを返す。トークンが見つから なければ NULL を返す。 .SH 準拠 C99. .SH 注意 関数に与えたワイド文字列 \fIwcs\fP は、関数の動作によって完全に書き換 えられる。 .SH 例 以下のコードは、ワイド文字文字列に含まれるトークンを取り出しながら ループする。 .sp .nf wchar_t *wcs = ...; wchar_t *token; wchar_t *state; for (token = wcstok(wcs, " \\t\\n", &state); token != NULL; token = wcstok(NULL, " \\t\\n", &state)) { ... } .fi .SH 関連項目 .BR strtok (3), .BR wcschr (3)