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-\fIsyslog(4,buf,len)\fP 呼び出しは「リング・バッファ消去」命令も実行する以外は 機能 3 と完全に同じである。
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-\fIsyslog(5,dummy,dummy)\fP 呼び出しは「リング・バッファ消去」命令のみを実行する (呼び出しの書式で、 \fIbuf\fP や
-\fIlen\fP が "dummy" と記載されている場合、その引き数の値が無視されることを表す)。
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-\fIsyslog(6,dummy,dummy)\fP 呼び出しはコンソールのログレベルを最小に設定し、 コンソールにメッセージが表示されないようにする。
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-\fIsyslog(7,dummy,dummy)\fP 呼び出しはコンソールのログレベルをデフォルトに設定し、 コンソールにメッセージが表示されるようにする。
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-\fIsyslog(8,dummy,level)\fP 呼び出しはコンソールのログレベルを \fIlevel\fP に設定する。 \fIlevel\fP は 1 以上 8
-以下の整数でなければならない。 詳細は \fBログレベル (loglevel)\fP の節を参照のこと。
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-\fIsyslog(9,dummy,dummy)\fP 呼び出しはカーネル・ログバッファにある現在読み出し可能なバイト数を返す。
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-\fIsyslog(10,dummy,dummy)\fP 呼び出しはカーネル・ログバッファの総量を返す。
+.TP
+\fBSYSLOG_ACTION_READ_CLEAR\fP (4)
+リング・バッファに残っているメッセージをすべて読み出し、クリアする。 この呼び出しは \fItype\fP 3
+と全く同じことを行い、追加で「リング・バッファ消去」 ("clear ring buffer") コマンドも実行する。
+.TP
+\fBSYSLOG_ACTION_CLEAR\fP (5)
+「リング・バッファ消去」 (\"clear ring buffer\") コマンドのみを実行する。 引き数 \fIbufp\fP と \fIlen\fP
+は無視される。
+.IP
+このコマンドは実際にリング・バッファをクリアするわけではなく、 コマンド 3 (\fBSYSLOG_ACTION_READ_ALL\fP) と 4
+(\fBSYSLOG_ACTION_READ_CLEAR\fP で返す内容を決定するカーネルの管理変数を設定する。 このコマンドはコマンド 2
+(\fBSYSLOG_ACTION_READ\fP) と 9 (\fBSYSLOG_ACTION_SIZE_UNREAD\fP) には影響を与えない。
+.TP
+\fBSYSLOG_ACTION_CONSOLE_OFF\fP (6)
+printk のコンソールへの出力を無効にする。 コンソールのログレベルを最小に設定し、 コンソールにメッセージが出力されないようにする。 引き数
+\fIbufp\fP と \fIlen\fP は無視される。
+.TP
+\fBSYSLOG_ACTION_CONSOLE_ON\fP (7)
+コンソールのログレベルをデフォルトに設定し、 コンソールにメッセージが表示されるようにする。 引き数 \fIbufp\fP と \fIlen\fP は無視される。
+.TP
+\fBSYSLOG_ACTION_CONSOLE_LEVEL\fP (8)
+コンソールのログレベルを \fIlen\fP で指定された値に設定する。 \fIlen\fP は 1 以上 8 以下の整数でなければならない。 詳細は
+\fBログレベル (loglevel)\fP の節を参照のこと。 引き数 \fIbufp\fP は無視される。
+.TP
+\fBSYSLOG_ACTION_SIZE_UNREAD\fP (9) (Linux 2.4.10 以降)
+コマンド 2 (\fBSYSLOG_ACTION_READ\fP) でカーネル・ログ・バッファから読み出せるバイト数を返す。 引き数 \fIbufp\fP と
+\fIlen\fP は無視される。
+.TP
+\fBSYSLOG_ACTION_SIZE_BUFFER\fP (10) (Linux 2.6.6 以降)
+カーネル・ログ・バッファの全体のサイズを返す。 引き数 \fIbufp\fP と \fIlen\fP は無視される。
+.PP
+コマンド種別 3 と 10 以外のコマンドは全て特権が必要である。
+バージョン 2.6.37 より前の Linux カーネルでは、
+コマンド種別 3 と 10 は非特権プロセスも呼び出すことができる。
+Linux 2.6.37 以降では、\fI/proc/sys/kernel/dmesg_restrict\fP が値 0 の場合に限り、
+非特権プロセスはこれらのコマンドを呼び出すことができる。
+Linux 2.6.37 より前では、「特権を持つ (privileged)」とは呼び出し者が
+\fBCAP_SYS_ADMIN\fP ケーパビリティを持つことを意味する。
+Linux 2.6.37 以降では、「特権を持つ」とは呼び出し者が
+\fBCAP_SYS_ADMIN\fP ケーパビリティか
+(新しい) \fBCAP_SYSLOG\fP ケーパビリティのいずれかを持つことを意味する
+(この目的で \fBCAP_SYS_ADMIN\fP ケーパビリティを使うのは今は非推奨である)。