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(split) LDP: Update the version to 3.53 in PO files
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man2 / timerfd_create.2
index 3c5bb97..71a81c9 100644 (file)
@@ -1,5 +1,6 @@
 .\" Copyright (C) 2008 Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
 .\"
+.\" %%%LICENSE_START(GPLv2+_SW_3_PARA)
 .\" This program is free software; you can redistribute it and/or modify
 .\" it under the terms of the GNU General Public License as published by
 .\" the Free Software Foundation; either version 2 of the License, or
 .\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.  See the
 .\" GNU General Public License for more details.
 .\"
-.\" You should have received a copy of the GNU General Public License
-.\" along with this program; if not, write to the Free Software
-.\" Foundation, Inc., 59 Temple Place, Suite 330, Boston,
-.\" MA  02111-1307  USA
+.\" You should have received a copy of the GNU General Public
+.\" License along with this manual; if not, see
+.\" <http://www.gnu.org/licenses/>.
+.\" %%%LICENSE_END
 .\"
-.\" Japanese Version Copyright (c) 2008  Akihiro MOTOKI
-.\"         all rights reserved.
-.\" Translated 2008-11-19, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v3.13
-.\" Updated 2009-04-24, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP 3.20
-.\" 
-.TH TIMERFD_CREATE 2 2009-03-10 Linux "Linux Programmer's Manual"
+.\" FIXME: Linux 3.0: timerfd_settime() adds a TFD_TIMER_CANCEL_ON_SET flag.
+.\"
+.\"*******************************************************************
+.\"
+.\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
+.\"
+.\"*******************************************************************
+.TH TIMERFD_CREATE 2 2011\-09\-14 Linux "Linux Programmer's Manual"
 .SH 名前
-timerfd_create, timerfd_settime, timerfd_gettime \-
-ファイルディスクリプタ経由で通知するタイマー
+timerfd_create, timerfd_settime, timerfd_gettime \- ファイルディスクリプタ経由で通知するタイマー
 .SH 書式
 .nf
-.B #include <sys/timerfd.h>
+\fB#include <sys/timerfd.h>\fP
 .sp
-.BI "int timerfd_create(int " clockid ", int " flags );
+\fBint timerfd_create(int \fP\fIclockid\fP\fB, int \fP\fIflags\fP\fB);\fP
 .sp
-.BI "int timerfd_settime(int " fd ", int " flags ,
-.BI "                    const struct itimerspec *" new_value ,
-.BI "                    struct itimerspec *" old_value );
+\fBint timerfd_settime(int \fP\fIfd\fP\fB, int \fP\fIflags\fP\fB,\fP
+\fB                    const struct itimerspec *\fP\fInew_value\fP\fB,\fP
+\fB                    struct itimerspec *\fP\fIold_value\fP\fB);\fP
 .sp
-.BI "int timerfd_gettime(int " fd ", struct itimerspec *" curr_value );
+\fBint timerfd_gettime(int \fP\fIfd\fP\fB, struct itimerspec *\fP\fIcurr_value\fP\fB);\fP
 .fi
 .SH 説明
-これらのシステムコールは、満了通知をファイルディスクリプタ経由で配送する
-タイマーの生成と操作を行う。
-これらは、
-.BR setitimer (2)
-や
-.BR timer_create (2)
-を用いる方法の代わりとなるものであり、このファイルディスクリプタを
-.BR select (2),
-.BR poll (2),
-.BR epoll (7)
-で監視できるという利点がある。
+これらのシステムコールは、満了通知をファイルディスクリプタ経由で配送する タイマーの生成と操作を行う。 これらは、 \fBsetitimer\fP(2)  や
+\fBtimer_create\fP(2)  を用いる方法の代わりとなるものであり、このファイルディスクリプタを \fBselect\fP(2),
+\fBpoll\fP(2), \fBepoll\fP(7)  で監視できるという利点がある。
 
-これらのシステムコールを使うのは、それぞれ
-.BR timer_create (2),
-.BR timer_settime (2),
-.BR timer_gettime (2)
-を使うのと同様である
-.RB ( timer_getoverrun (2)
-に対応するものはなく、以下で説明するように
-この機能は
-.BR read (2)
-により提供される)。
 .\"
+これらのシステムコールを使うのは、それぞれ \fBtimer_create\fP(2), \fBtimer_settime\fP(2),
+\fBtimer_gettime\fP(2)  を使うのと同様である (\fBtimer_getoverrun\fP(2)
+に対応するものはなく、以下で説明するように この機能は \fBread\fP(2)  により提供される)。
 .SS timerfd_create()
-.BR timerfd_create ()
-は新規のタイマーオブジェクトを生成し、そのタイマーを参照するファイル
-ディスクリプタを返す。
-.I clockid
-引き数は、タイマーの進捗を管理するためのクロックを指定するもので、
-.B CLOCK_REALTIME
-か
-.B CLOCK_MONOTONIC
-のいずれかでなければならない。
-.B CLOCK_REALTIME
-はシステム全体で使用されるクロックで、このクロックは変更可能である。
-.B CLOCK_MONOTONIC
-は変更されることのないクロックで、(システム時刻の手動での変更などの)
-システムクロックの不連続な変化の影響を受けない。
-これらのクロックの現在の値は
-.BR clock_gettime (2)
-を使って取得できる。
+\fBtimerfd_create\fP()  は新規のタイマーオブジェクトを生成し、そのタイマーを参照するファイル ディスクリプタを返す。
+\fIclockid\fP 引き数は、タイマーの進捗を管理するためのクロックを指定するもので、 \fBCLOCK_REALTIME\fP か
+\fBCLOCK_MONOTONIC\fP のいずれかでなければならない。 \fBCLOCK_REALTIME\fP
+はシステム全体で使用されるクロックで、このクロックは変更可能である。 \fBCLOCK_MONOTONIC\fP
+は変更されることのないクロックで、(システム時刻の手動での変更などの)  システムクロックの不連続な変化の影響を受けない。 これらのクロックの現在の値は
+\fBclock_gettime\fP(2)  を使って取得できる。
 
-Linux 2.6.27 以降では、
-以下の値のいくつかをビット単位の論理和 (OR) で指定することで、
-.BR timerfd_create ()
+Linux 2.6.27 以降では、 以下の値のいくつかをビット単位の論理和 (OR) で指定することで、 \fBtimerfd_create\fP()
 の振舞いを変更することができる。
-.TP 14
-.B TFD_NONBLOCK
-新しく生成されるオープンファイル記述 (open file description) の
-.B O_NONBLOCK
-ファイルステータスフラグをセットする。
-このフラグを使うことで、
-.B O_NONBLOCK
-をセットするために
-.BR fcntl (2)
+.TP  14
+\fBTFD_NONBLOCK\fP
+新しく生成されるオープンファイル記述 (open file description) の \fBO_NONBLOCK\fP
+ファイルステータスフラグをセットする。 このフラグを使うことで、 \fBO_NONBLOCK\fP をセットするために \fBfcntl\fP(2)
 を追加で呼び出す必要がなくなる。
-.TP
-.B TFD_CLOEXEC
-新しいファイルディスクリプタに対して
-close-on-exec
-.RB ( FD_CLOEXEC )
-フラグをセットする。
-このフラグが役に立つ理由については、
-.BR open (2)
-の
-.B O_CLOEXEC
-フラグの説明を参照のこと。
+.TP 
+\fBTFD_CLOEXEC\fP
+新しいファイルディスクリプタに対して close\-on\-exec (\fBFD_CLOEXEC\fP)  フラグをセットする。
+このフラグが役に立つ理由については、 \fBopen\fP(2)  の \fBO_CLOEXEC\fP フラグの説明を参照のこと。
 .PP
-バージョン 2.6.26 以前の Linux では、
-.I flags
-引き数は未使用であり、0 を指定しなければならない。
+バージョン 2.6.26 以前の Linux では、 \fIflags\fP 引き数は未使用であり、0 を指定しなければならない。
 .SS timerfd_settime()
-.BR timerfd_settime ()
-は、ファイルディスクリプタ
-.I fd
-により参照されるタイマーを開始したり停止したりする。
+\fBtimerfd_settime\fP()  は、ファイルディスクリプタ \fIfd\fP により参照されるタイマーを開始したり停止したりする。
 
-.I new_value
-引き数は、タイマーの満了時間 (expiration) の初期値と間隔 (interval) を
-指定する。この引き数で使用されている
-.I itimerspec
-構造体には 2 つのフィールドがあり、各フィールドは
-.I timespec
+\fInew_value\fP 引き数は、タイマーの満了時間 (expiration) の初期値と間隔 (interval) を
+指定する。この引き数で使用されている \fIitimerspec\fP 構造体には 2 つのフィールドがあり、各フィールドは \fItimespec\fP
 型の構造体である。
 .in +4n
 .nf
@@ -136,256 +89,148 @@ struct itimerspec {
 .fi
 .in
 .PP
-.I new_value.it_value
-はタイマーの満了時間の初期値を、秒とナノ秒で指定する。
-.I new_value.it_value
-のフィールドのうち少なくとも一方に 0 以外の値を設定すると、
-タイマーが開始される。
-両方のフィールドに 0 を設定すると、タイマーが停止する。
+\fInew_value.it_value\fP はタイマーの満了時間の初期値を、秒とナノ秒で指定する。 \fInew_value.it_value\fP
+のフィールドのうち少なくとも一方に 0 以外の値を設定すると、 タイマーが開始される。 両方のフィールドに 0 を設定すると、タイマーが停止する。
 
-.I new_value.it_interval
-はタイマーの一回目の満了後に繰り返しタイマーの満了間隔を、秒とナノ秒で指定する。
-.I new_value.it_interval
-のフィールドのうち少なくとも一方に 0 以外の値を設定すると、
-繰り返しタイマーが有効になる。
-両方のフィールドに 0 を設定した場合、タイマーは
-.I new_value.it_value
-で指定された時間後に、一回だけ満了して停止する。
+\fInew_value.it_interval\fP はタイマーの一回目の満了後に繰り返しタイマーの満了間隔を、秒とナノ秒で指定する。
+\fInew_value.it_interval\fP のフィールドのうち少なくとも一方に 0 以外の値を設定すると、 繰り返しタイマーが有効になる。
+両方のフィールドに 0 を設定した場合、タイマーは \fInew_value.it_value\fP で指定された時間後に、一回だけ満了して停止する。
 
-.I flags
-引き数には 0 か
-.B TFD_TIMER_ABSTIME
-を指定する。
-0 は相対時刻タイマーを意味し、
-.I new_value.it_interval
-では
-.I clockid
-で指定されたクロックの現在の値からの相対的な時刻を指定する。
-.B TFD_TIMER_ABSTIME
-は絶対時刻タイマーを意味し、
-.I new_value.it_interval
-では
-.I clockid
-で指定されたクロックの絶対時刻を指定する。つまり、
-クロックの値が
-.I new_value.it_interval
-で指定された時刻に達したら、タイマーが満了する。
+\fIflags\fP 引き数には 0 か \fBTFD_TIMER_ABSTIME\fP を指定する。 0 は相対時刻
+タイマーを意味し、 \fInew_value.it_value\fP では \fIclockid\fP で指定された
+クロックの現在の値からの相対的な時刻を指定する。 \fBTFD_TIMER_ABSTIME\fP
+は絶対時刻タイマーを意味し、 \fInew_value.it_interval\fP では \fIclockid\fP
+で指定されたクロックの絶対時刻を指定する。
+つまり、クロックの値が \fInew_value.it_interval\fP で指定された時刻に
+達したら、タイマーが満了する。
 
-.I old_value
-引き数を通じて、
-.BR timerfd_settime ()
-を呼び出した時点でのタイマーの設定を保持した構造体が返される。
-下記の
-.BR timerfd_gettime ()
-の説明を参照。
 .\"
+\fIold_value\fP 引き数が NULL でない場合、 \fIold_value\fP 引き数が指す
+\fIitimerspec\fP 構造体は、 \fBtimerfd_settime\fP() を呼び出した時点での
+タイマーの設定を返すのに使用される。
+下記の \fBtimerfd_gettime\fP() の説明を参照。
 .SS timerfd_gettime()
-.BR timerfd_gettime ()
-は、ファイルディスクリプタ
-.I fd
-で参照されるタイマーの現在の設定が入った
-.I itimerspec
-構造体を、
-.I curr_value
-に格納して返す。
+\fBtimerfd_gettime\fP()  は、ファイルディスクリプタ \fIfd\fP で参照されるタイマーの現在の設定が入った \fIitimerspec\fP
+構造体を、 \fIcurr_value\fP に格納して返す。
 
-.I it_value
-フィールドは、タイマーが次に満了するまでの残り時間を返す。
-この構造体の両方のフィールドが 0 であれば、タイマーは現在停止している。
-タイマー設定時に
-.B TFD_TIMER_ABSTIME
+\fIit_value\fP フィールドは、タイマーが次に満了するまでの残り時間を返す。 この構造体の両方のフィールドが 0
+であれば、タイマーは現在停止している。 タイマー設定時に \fBTFD_TIMER_ABSTIME\fP
 フラグが指定されたかに関わらず、このフィールドは常に相対値が格納される。
 
-.I it_interval
-フィールドは、タイマーの間隔を返す。
-この構造体の両方のフィールドが 0 であれば、タイマーは
-.I new_value.it_value
-で指定された時間後に一回だけ満了して停止するように設定されている。
+\fIit_interval\fP フィールドは、タイマーの間隔を返す。 この構造体の両方のフィールドが 0 であれば、タイマーは
+\fInew_value.it_value\fP で指定された時間後に一回だけ満了して停止するように設定されている。
 .SS タイマー・ファイルディスクリプタに対する操作
-.BR timerfd_create ()
-が返すファイルディスクリプタは以下の操作をサポートしている。
-.TP
-.BR read (2)
-.BR timerfd_settime ()
-を使ってタイマーの設定が最後変更されて以降、または
-.BR read (2)
-の呼び出しに最後に成功して以降に、タイマーの満了が一回以上発生していれば、
-.BR read (2)
-に渡されたバッファに、タイマー満了回数を示す 8 バイトの unsigned 型の整数
-.RI ( uint64_t )
-が返される
-(返される値はホストバイトオーダ、つまりそのホストマシンにおける
+\fBtimerfd_create\fP()  が返すファイルディスクリプタは以下の操作をサポートしている。
+.TP 
+\fBread\fP(2)
+\fBtimerfd_settime\fP()  を使ってタイマーの設定が最後変更されて以降、または \fBread\fP(2)
+の呼び出しに最後に成功して以降に、タイマーの満了が一回以上発生していれば、 \fBread\fP(2)  に渡されたバッファに、タイマー満了回数を示す 8
+バイトの unsigned 型の整数 (\fIuint64_t\fP)  が返される (返される値はホストバイトオーダ、つまりそのホストマシンにおける
 整数の通常のバイトオーダである)。
 .IP
-.BR read (2)
-を行った時点でタイマーの満了が発生していなければ、
-.BR read (2)
-は停止 (block) する、もしくはファイルディスクリプタが
-非停止 (nonblocking) に設定されている場合はエラー
-.B EAGAIN
-で失敗する (非停止モードにするには、
-.BR fcntl (2)
-の
-.B F_SETFL
-命令で
-.B O_NONBLOCK
-フラグをセットする)。
+\fBread\fP(2)  を行った時点でタイマーの満了が発生していなければ、 \fBread\fP(2)  は停止 (block)
+する、もしくはファイルディスクリプタが 非停止 (nonblocking) に設定されている場合はエラー \fBEAGAIN\fP で失敗する
+(非停止モードにするには、 \fBfcntl\fP(2)  の \fBF_SETFL\fP 命令で \fBO_NONBLOCK\fP フラグをセットする)。
 .IP
-渡されたバッファのサイズが 8 バイト未満の場合、
-.BR read (2)
-はエラー
-.B EINVAL
-で失敗する。
-.TP
-.BR poll "(2), " select "(2) (と同様の操作)"
-一つ以上のタイマー満了が発生していれば、
-ファイルディスクリプタは読み出し可能となる
-.RB ( select (2)
-の
-.I readfds
-引き数や
-.BR poll (2)
-の
-.B POLLIN
-フラグ)。
+渡されたバッファの大きさが 8 バイト未満の場合、 \fBread\fP(2)  はエラー \fBEINVAL\fP で失敗する。
+.TP 
+\fBpoll\fP(2), \fBselect\fP(2) (と同様の操作)
+一つ以上のタイマー満了が発生していれば、 ファイルディスクリプタは読み出し可能となる (\fBselect\fP(2)  の \fIreadfds\fP 引き数や
+\fBpoll\fP(2)  の \fBPOLLIN\fP フラグ)。
 .IP
-このファイルディスクリプタは、他のファイルディスクリプタ多重 API である
-.BR pselect (2),
-.BR ppoll (2),
-.BR epoll (7)
-もサポートしている。
-.TP
-.BR close (2)
-ファイルディスクリプタがそれ以降は必要なくなった際には、クローズすべきである。
-同じ timer オブジェクトに関連付けられたファイルディスクリプタが全て
-クローズされると、そのタイマーは解除され、
-そのオブジェクト用の資源がカーネルにより解放される。
+このファイルディスクリプタは、他のファイルディスクリプタ多重 API である \fBpselect\fP(2), \fBppoll\fP(2),
+\fBepoll\fP(7)  もサポートしている。
+.TP 
+\fBclose\fP(2)
 .\"
-.SS fork(2) での扱い
-.BR fork (2)
-が行われると、子プロセスは
-.BR timerfd_create ()
-により生成されたファイルディスクリプタのコピーを
-継承する。そのファイルディスクリプタは、親プロセスの対応する
-ファイルディスクリプタと同じタイマーオブジェクトを参照しており、
-子プロセスの
-.BR read (2)
-でも同じタイマーの満了に関する情報が返される。
+ファイルディスクリプタがそれ以降は必要なくなった際には、クローズすべきである。 同じ timer
+オブジェクトに関連付けられたファイルディスクリプタが全て クローズされると、そのタイマーは解除され、
+そのオブジェクト用の資源がカーネルにより解放される。
+.SS "fork(2) での扱い"
 .\"
-.SS execve(2) での扱い
-.BR execve (2)
-の前後で
-.BR timerfd_create ()
-により生成されたファイルディスクリプタは保持され、
+\fBfork\fP(2)  が行われると、子プロセスは \fBtimerfd_create\fP()  により生成されたファイルディスクリプタのコピーを
+継承する。そのファイルディスクリプタは、親プロセスの対応する ファイルディスクリプタと同じタイマーオブジェクトを参照しており、 子プロセスの
+\fBread\fP(2)  でも同じタイマーの満了に関する情報が返される。
+.SS "execve(2) での扱い"
+\fBexecve\fP(2)  の前後で \fBtimerfd_create\fP()  により生成されたファイルディスクリプタは保持され、
 タイマーが開始されていた場合にはタイマーの満了が発生し続ける。
 .SH 返り値
-成功すると、
-.BR timerfd_create ()
-は新しいファイルディスクリプタを返す。
-エラーの場合、\-1 を返し、
-.I errno
+成功すると、 \fBtimerfd_create\fP()  は新しいファイルディスクリプタを返す。 エラーの場合、\-1 を返し、 \fIerrno\fP
 にエラーを示す値を設定する。
 
-.BR timerfd_settime ()
-と
-.BR timerfd_gettime ()
-は成功すると 0 を返す。
-エラーの場合、\-1 を返し、
-.I errno
-にエラーを示す値を設定する。
+\fBtimerfd_settime\fP()  と \fBtimerfd_gettime\fP()  は成功すると 0 を返す。 エラーの場合、\-1 を返し、
+\fIerrno\fP にエラーを示す値を設定する。
 .SH エラー
-.BR timerfd_create ()
-は以下のエラーで失敗する可能性がある。
-.TP
-.B EINVAL
-.I clockid
-引き数が
-.B CLOCK_MONOTONIC
-でも
-.B CLOCK_REALTIME
-でもない。
-.TP
-.B EINVAL
-.I flags
-が無効である。もしくは、Linux 2.6.26 以前の場合は
-.I flags
-が 0 以外である。
-.TP
-.B EMFILE
-オープン済みのファイルディスクリプタの数がプロセスあたりの上限に
-達していた。
-.TP
-.B ENFILE
+\fBtimerfd_create\fP()  は以下のエラーで失敗する可能性がある。
+.TP 
+\fBEINVAL\fP
+\fIclockid\fP 引き数が \fBCLOCK_MONOTONIC\fP でも \fBCLOCK_REALTIME\fP でもない。
+.TP 
+\fBEINVAL\fP
+\fIflags\fP が無効である。もしくは、Linux 2.6.26 以前の場合には \fIflags\fP が 0 以外である。
+.TP 
+\fBEMFILE\fP
+オープン済みのファイルディスクリプタの数がプロセスあたりの上限に 達していた。
+.TP 
+\fBENFILE\fP
 オープン済みのファイル総数がシステム全体の上限に達していた。
-.TP
-.B ENODEV
+.TP 
+\fBENODEV\fP
 (カーネル内の) 無名 inode デバイスをマウントできなかった。
-.TP
-.B ENOMEM
+.TP 
+\fBENOMEM\fP
 タイマーを作成するのに十分なカーネルメモリがなかった。
 .PP
-.BR timerfd_settime ()
-と
-.BR timerfd_gettime ()
-は以下のエラーで失敗する可能性がある。
-.TP
-.B EBADF
-.I fd
-が有効なファイルディスクリプタでない。
-.TP
-.B EFAULT
-.IR new_value ,
-.IR old_value ,
-.I curr_value
-が有効なポインタではない。
-.TP
-.B EINVAL
-.I fd
-が有効な timerfd ファイルディスクリプタでない。
+\fBtimerfd_settime\fP()  と \fBtimerfd_gettime\fP()  は以下のエラーで失敗する可能性がある。
+.TP 
+\fBEBADF\fP
+\fIfd\fP が有効なファイルディスクリプタでない。
+.TP 
+\fBEFAULT\fP
+\fInew_value\fP, \fIold_value\fP, \fIcurr_value\fP が有効なポインタではない。
+.TP 
+\fBEINVAL\fP
+\fIfd\fP が有効な timerfd ファイルディスクリプタでない。
 .PP
-.BR timerfd_settime ()
-は以下のエラーで失敗することもある。
-.TP
-.B EINVAL
-.I new_value
-が適切に初期化されていない
-.RI ( tv_nsec
-の一つが 0 から 999,999,999 までの範囲に入っていない)。
-.TP
-.B EINVAL
+\fBtimerfd_settime\fP()  は以下のエラーで失敗することもある。
+.TP 
+\fBEINVAL\fP
+\fInew_value\fP が適切に初期化されていない (\fItv_nsec\fP の一つが 0 から 999,999,999 までの範囲に入っていない)。
+.TP 
+\fBEINVAL\fP
 .\" This case only checked since 2.6.29, and 2.2.2[78].some-stable-version.
 .\" In older kernel versions, no check was made for invalid flags.
-.I flags
-が無効である。
+\fIflags\fP が無効である。
 .SH バージョン
-これらのシステムコールはカーネル 2.6.25 以降の Linux で利用可能である。
\83©ã\82¤ã\83\96ã\83©ã\83ªå\81´ã\81®ã\82µã\83\9dã\83¼ã\83\88ã\81¯ã\83\90ã\83¼ã\82¸ã\83§ã\83³ 2.8 ä»¥é\99\8dã\81® glibc ã\81§æ\8f\90ä¾\9bã\81\95ã\82\8cã\81¦ã\81\84ã\82\8bã\80\82
+これらのシステムコールはカーネル 2.6.25 以降の Linux で利用可能である。 ライブラリ側のサポートはバージョン 2.8 以降の glibc
+で提供されている。
 .SH 準拠
 これらのシステムコールは Linux 固有である。
+.SH バグ
+.\" 2.6.29
+現在のところ、 \fBtimerfd_create\fP()  が対応している clockid の種類は \fBtimer_create\fP(2)
+よりも少ない。
 .SH 例
-以下のプログラムは、タイマーを作成し、その進捗をモニターするものである。
-このプログラムは最大で 3 個のコマンドライン引き数を取り、
-第一引き数ではタイマーの満了時間の初期値 (秒数単位) を、
-第二引き数ではタイマーの間隔 (秒数単位) を、
-第三引き数ではタイマーが何回満了したらプログラムが終了するかを指定する。
-第二引き数と第三引き数は省略可能である。
+以下のプログラムは、タイマーを作成し、その進捗をモニターするものである。 このプログラムは最大で 3 個のコマンドライン引き数を取り、
+第一引き数ではタイマーの満了時間の初期値 (秒数単位) を、 第二引き数ではタイマーの間隔 (秒数単位) を、
+第三引き数ではタイマーが何回満了したらプログラムが終了するかを指定する。 第二引き数と第三引き数は省略可能である。
 
 以下のシェルのセッションはこのプログラムの使用例を示したものである。
 .in +4n
 .nf
 
-.RB "$" " a.out 3 1 100"
+$\fB a.out 3 1 100\fP
 0.000: timer started
 3.000: read: 1; total=1
 4.000: read: 1; total=2
-.BR "^Z " "                 # type control-Z to suspend the program"
+\fB^Z \fP                 # type control\-Z to suspend the program
 [1]+  Stopped                 ./timerfd3_demo 3 1 100
-.RB "$ " "fg" "                # Resume execution after a few seconds"
+$ \fBfg\fP                # Resume execution after a few seconds
 a.out 3 1 100
 9.660: read: 5; total=7
 10.000: read: 1; total=8
 11.000: read: 1; total=9
-.BR "^C " "                 # type control-C to suspend the program"
+\fB^C \fP                 # type control\-C to suspend the program
 .fi
 .in
 .SS プログラムのソース
@@ -436,7 +281,7 @@ a.out 3 1 100
 #include <stdio.h>
 #include <stdint.h>        /* Definition of uint64_t */
 
-#define handle_error(msg) \\
+#define handle_error(msg) \e
         do { perror(msg); exit(EXIT_FAILURE); } while (0)
 
 static void
@@ -475,7 +320,7 @@ main(int argc, char *argv[])
     ssize_t s;
 
     if ((argc != 2) && (argc != 4)) {
-        fprintf(stderr, "%s init\-secs [interval\-secs max\-exp]\\n",
+        fprintf(stderr, "%s init\-secs [interval\-secs max\-exp]\en",
                 argv[0]);
         exit(EXIT_FAILURE);
     }
@@ -505,7 +350,7 @@ main(int argc, char *argv[])
         handle_error("timerfd_settime");
 
     print_elapsed_time();
-    printf("timer started\\n");
+    printf("timer started\en");
 
     for (tot_exp = 0; tot_exp < max_exp;) {
         s = read(fd, &exp, sizeof(uint64_t));
@@ -514,7 +359,7 @@ main(int argc, char *argv[])
 
         tot_exp += exp;
         print_elapsed_time();
-        printf("read: %llu; total=%llu\\n",
+        printf("read: %llu; total=%llu\en",
                 (unsigned long long) exp,
                 (unsigned long long) tot_exp);
     }
@@ -522,22 +367,11 @@ main(int argc, char *argv[])
     exit(EXIT_SUCCESS);
 }
 .fi
-.SH バグ
-現在のところ、
-.\" 2.6.29
-.BR timerfd_create ()
-が対応している clockid の種類は
-.BR timer_create (2)
-よりも少ない。
 .SH 関連項目
-.BR eventfd (2),
-.BR poll (2),
-.BR read (2),
-.BR select (2),
-.BR setitimer (2),
-.BR signalfd (2),
-.BR timer_create (2),
-.BR timer_gettime (2),
-.BR timer_settime (2),
-.BR epoll (7),
-.BR time (7)
+\fBeventfd\fP(2), \fBpoll\fP(2), \fBread\fP(2), \fBselect\fP(2), \fBsetitimer\fP(2),
+\fBsignalfd\fP(2), \fBtimer_create\fP(2), \fBtimer_gettime\fP(2),
+\fBtimer_settime\fP(2), \fBepoll\fP(7), \fBtime\fP(7)
+.SH この文書について
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.53 の一部
+である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
+http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。