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[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man7 / tcp.7
index adca5b2..a61871d 100644 (file)
@@ -93,7 +93,7 @@
 .\" Updated 2013-05-01, Akihiro MOTOKI <amotoki@gmail.com>
 .\" Updated 2013-07-22, Akihiro MOTOKI <amotoki@gmail.com>
 .\"
-.TH TCP 7 2014\-01\-23 Linux "Linux Programmer's Manual"
+.TH TCP 7 2015\-01\-10 Linux "Linux Programmer's Manual"
 .SH 名前
 tcp \- TCP プロトコル
 .SH 書式
@@ -171,7 +171,7 @@ ACK が遅延 ACK (delayed acknowledgment) を相殺するための 2 セグメ
 を 2 増やすことができる。
 .RE
 .TP 
-\fItcp_abort_on_overflow\fP (Boolean; default: disabled; Linux 2.4 以降)
+\fItcp_abort_on_overflow\fP (ブール値; デフォルト: 無効; Linux 2.4 以降)
 .\" Since 2.3.41
 接続を待ち受けているサービスが遅すぎて、受信についていけない場合に、 接続をリセットできるようにする。
 これを用いると、バーストによってオーバーフローが起こったときに、 接続を回復できるようになる。このオプションを用いるのは、
@@ -190,20 +190,25 @@ ACK が遅延 ACK (delayed acknowledgment) を相殺するための 2 セグメ
 .TP 
 \fItcp_allowed_congestion_control\fP (String; default: see text; Linux 2.4.20 以降)
 .\" The following is from 2.6.28-rc4: Documentation/networking/ip-sysctl.txt
-Show/set the congestion control algorithm choices available to unprivileged
-processes (see the description of the \fBTCP_CONGESTION\fP socket option).  The
-items in the list are separated by white space and terminated by a newline
-character.  The list is a subset of those listed in
-\fItcp_available_congestion_control\fP.  The default value for this list is
-"reno" plus the default setting of \fItcp_congestion_control\fP.
+非特権プロセスで利用できる輻輳制御アルゴリズムの選択肢を表示/設定する (\fBTCP_CONGESTION\fP ソケットオプションの説明を参照のこと)。
+このリストの要素はホワイトスペースで区切られ、改行文字で終端される。 このリストは
+\fItcp_available_congestion_control\fP で表示されるリストの部分集合となる。 このリストのデフォルト値は、"reno"
+と \fItcp_congestion_control\fP のデフォルト設定をあわせたものとなる。
+.TP 
+\fItcp_autocorking\fP (ブール値; デフォルト: 有効; Linux 3.14 以降)
+.\" commit f54b311142a92ea2e42598e347b84e1655caf8e3
+.\" Text heavily based on Documentation/networking/ip-sysctl.txt
+このオプションを有効にすると、 送信総パケット数を減らすため、 カーネルは小さな write (連続する \fBwrite\fP(2) や
+\fBsendmsg\fP(2) の呼び出し) を可能な限り結合しようとする。 パケットの結合が行われるのは、そのフローの前のパケットが少なくとも一つは
+qdisc キューかデバイスの送信キューで送信待ちの場合である。 このオプションが有効な場合でも \fBTCP_CORK\fP
+オプションを使うことができ、アプリケーションがソケットの「コルク解除」(送信待ち状態の解除)
+をいつどのように行えばよいか分かっている場合には、最適な動作をさせることができる。
 .TP 
 \fItcp_available_congestion_control\fP (String; read\-only; Linux 2.4.20 以降)
 .\" The following is from 2.6.28-rc4: Documentation/networking/ip-sysctl.txt
-Show a list of the congestion\-control algorithms that are registered.  The
-items in the list are separated by white space and terminated by a newline
-character.  This list is a limiting set for the list in
-\fItcp_allowed_congestion_control\fP.  More congestion\-control algorithms may
-be available as modules, but not loaded.
+登録されている輻輳制御アルゴリズムのリストを表示する。 このリストの要素はホワイトスペースで区切られ、改行文字で終端される。
+このリストに載っているものだけが、 \fItcp_allowed_congestion_control\fP に表示される。
+他の輻輳制御アルゴリズムがモジュールとして利用可能だが、 モジュールがロードされていないこともある。
 .TP 
 \fItcp_app_win\fP (integer; default: 31; Linux 2.4 以降)
 .\" Since 2.4.0-test7
@@ -220,7 +225,7 @@ be available as modules, but not loaded.
 パケット化レイヤの Path MTU discovery (MTU probing) で、 \fIsearch_low\fP の初期値と使用される値。 MTU
 probing が有効な場合、この値はその接続の MSS の初期値となる。
 .TP 
-\fItcp_bic\fP (Boolean; default: disabled; Linux 2.4.27/2.6.6 から 2.6.13 まで)
+\fItcp_bic\fP (ブール値; デフォルト: 無効; Linux 2.4.27/2.6.6 から 2.6.13 まで)
 .\"
 .\" The following is from 2.6.12: Documentation/networking/ip-sysctl.txt
 BIC TCP 輻輳制御アルゴリズムを有効にする。 BIC\-TCP は送信側のみの変更で、 スケーラビリティと TCP 親和性
@@ -235,7 +240,7 @@ additive increase (追加的な増加) と binary search increase (二分探索
 BIC TCP が輻輳ウィンドウの調整を開始する閾値ウィンドウ (パケット単位)  を設定する。この閾値を下回る場合、BIC TCP はデフォルトの
 TCP Reno と 同じ動作をする。
 .TP 
-\fItcp_bic_fast_convergence\fP (Boolean; default: enabled; Linux 2.4.27/2.6.6 以降 2.6.13 まで)
+\fItcp_bic_fast_convergence\fP (ブール値; デフォルト: 有効; Linux 2.4.27/2.6.6 以降 2.6.13 まで)
 BIC TCP が輻輳ウィンドウの変化により速く反応するようにする。 同じコネクションを共有する二つのフローが一つにまとまるのを
 より速く行うようにする。
 .TP 
@@ -248,16 +253,16 @@ BIC TCP が輻輳ウィンドウの変化により速く反応するようにす
 システムに DMA コピーエンジンが存在し、カーネルで \fBCONFIG_NET_DMA\fP オプションが有効になっている場合に、 DMA
 コピーエンジンにオフロードされるソケットの読み込みサイズの下限値 (バイト単位)。
 .TP 
-\fItcp_dsack\fP (Boolean; default: enabled; Linux 2.4 以降)
+\fItcp_dsack\fP (ブール値; デフォルト: 有効; Linux 2.4 以降)
 .\" Since 2.4.0-test7
 RFC\ 2883 の TCP Duplicate SACK のサポートを有効にする。
 .TP 
-\fItcp_ecn\fP (Boolean; default: disabled; Linux 2.4 以降)
+\fItcp_ecn\fP (ブール値; デフォルト: 無効; Linux 2.4 以降)
 .\" Since 2.4.0-test7
 RFC\ 2884 の Explicit Congestion Notification を有効にする。
 これを有効にすると、間違った振舞いをする古いルータが 経路の途中にあるような接続先に対して影響が生じ、 場合によっては接続が落ちるかもしれない。
 .TP 
-\fItcp_fack\fP (Boolean; default: enabled; Linux 2.2 以降)
+\fItcp_fack\fP (ブール値; デフォルト: 有効; Linux 2.2 以降)
 .\" Since 2.1.92
 TCP Forward Acknowledgement のサポートを有効にする。
 .TP 
@@ -321,7 +326,7 @@ TCP keep\-alive プローブの最大回数。 この回数だけ試しても接
 .\" The following is from 2.6.12: Documentation/networking/ip-sysctl.txt
 下層にある接続追跡機構やアプリケーションでのタイムアウトは、 もっとずっと短いかもしれない。
 .TP 
-\fItcp_low_latency\fP (Boolean; default: disabled; Linux 2.4.21/2.6 以降)
+\fItcp_low_latency\fP (ブール値; デフォルト: 無効; Linux 2.4.21/2.6 以降)
 .\" Since 2.4.21/2.5.60
 有効にすると、TCP スタックはスループットを高くするよりも 遅延を少なくすることを優先して判断を行う。
 このオプションを無効にすると、スループットを高くすることが優先される。 このデフォルト値を変更した方がよいアプリケーションの例としては Beowulf
@@ -349,7 +354,7 @@ TCP_SYNQ_HSIZE*16<=tcp_max_syn_backlog のように修正し、 カーネルを
 攻撃を防ぐために過ぎない。 デフォルト値は NR_FILE*2 で、システムのメモリに応じて調整される。
 この数値を越えると、そのようなソケットはクローズされ、警告が表示される。
 .TP 
-\fItcp_moderate_rcvbuf\fP (Boolean; default: enabled; Linux 2.4.17/2.6.7 以降)
+\fItcp_moderate_rcvbuf\fP (ブール値; デフォルト: 有効; Linux 2.4.17/2.6.7 以降)
 .\" The following is from 2.6.28-rc4: Documentation/networking/ip-sysctl.txt
 有効にすると、TCP は受信バッファの自動調整を行う。 具体的には、 (\fItcp_rmem[2]\fP を超えない範囲で)
 バッファの大きさを自動的に変化させ、 その経路で最大のスループットを達成するのに必要な大きさに合わせようとする。
@@ -384,7 +389,7 @@ TCP がグローバルに割り当てるページ数の最大値。 この値は
 常に有効にする。 MSS の初期値として \fItcp_base_mss\fP が使用される。
 .RE
 .TP 
-\fItcp_no_metrics_save\fP (Boolean; default: disabled; Linux 2.6.6 以降)
+\fItcp_no_metrics_save\fP (ブール値; デフォルト: 無効; Linux 2.6.6 以降)
 .\" The following is from 2.6.28-rc4: Documentation/networking/ip-sysctl.txt
 デフォルトでは、TCP は接続クローズ時に各種の接続パラメータを ルートキャッシュ (route cache) に保存し、近い将来に接続が確立された際に
 これらの情報を初期状態として使用できるようになっている。 通常は、これにより全体として性能が向上するが、 時として性能の劣化を引き起こすこともある。
@@ -401,7 +406,7 @@ TCP パケットストリームでパケット順序の逆転が発生しただ
 これは、接続中のパケットの並び替えによって生じる 不必要な速度低下や再送を最小化するように設計された、 パケット並び替え (packet
 reordering) の検知メトリックなのである。
 .TP 
-\fItcp_retrans_collapse\fP (Boolean; default: enabled; Linux 2.2 以降)
+\fItcp_retrans_collapse\fP (ブール値; デフォルト: 有効; Linux 2.2 以降)
 .\" Since 2.1.96
 再送の際にフルサイズのパケットを送ろうとする。
 .TP 
@@ -416,7 +421,7 @@ reordering) の検知メトリックなのである。
 (再送のタイムアウトに依存するが)  およそ 13〜30 分程度の期間に対応する。 RFC\ 1122 は最小の限界を 100 秒と置いているが、
 これはたいていの場合には短すぎると思われる。
 .TP 
-\fItcp_rfc1337\fP (Boolean; default: disabled; Linux 2.2 以降)
+\fItcp_rfc1337\fP (ブール値; デフォルト: 無効; Linux 2.2 以降)
 .\" Since 2.1.90
 TCP の動作を RFC\ 1337 に準拠させる。 無効にすると、TIME_WAIT 状態のときに RST が受信された場合、 TIME_WAIT
 期間の終了を待たずにそのソケットを直ちにクローズする。
@@ -450,16 +455,16 @@ TCP ソケットの受信バッファのデフォルトサイズ。 この値は
 (Linux 2.4 では、デフォルト値は 87380*2 バイトで、 メモリの少ないシステムでは 87380 まで減らされる。)
 .RE
 .TP 
-\fItcp_sack\fP (Boolean; default: enabled; Linux 2.2 以降)
+\fItcp_sack\fP (ブール値; デフォルト: 有効; Linux 2.2 以降)
 .\" Since 2.1.36
 RFC\ 2018 の TCP Selective Acknowledgements を有効にする。
 .TP 
-\fItcp_slow_start_after_idle\fP (Boolean; default: enabled; Linux 2.6.18 以降)
+\fItcp_slow_start_after_idle\fP (ブール値; デフォルト: 有効; Linux 2.6.18 以降)
 .\" The following is from 2.6.28-rc4: Documentation/networking/ip-sysctl.txt
 有効にすると、RFC 2861 の動作が行われ、 アイドル時間経過後に輻輳ウィンドウをタイムアウトさせる。 アイドル時間は現在の RTO
 (再送タイムアウト) で定義される。 無効にすると、輻輳ウィンドウはアイドル時間経過後もタイムアウトされない。
 .TP 
-\fItcp_stdurg\fP (Boolean; default: disabled; Linux 2.2 以降)
+\fItcp_stdurg\fP (ブール値; デフォルト: 無効; Linux 2.2 以降)
 .\" Since 2.1.44
 .\" RFC 793 was ambiguous in its specification of the meaning of the
 .\" urgent pointer.  RFC 1122 (and RFC 961) fixed on a particular
@@ -487,7 +492,7 @@ TCP syncookies を有効にする。カーネルは \fBCONFIG_SYNCOOKIES\fP を
 \fItcp_max_syn_backlog\fP, \fItcp_synack_retries\fP, \fItcp_abort_on_overflow\fP
 などの使用を考えること。
 .TP 
-\fItcp_timestamps\fP (Boolean; default: enabled; Linux 2.2 以降)
+\fItcp_timestamps\fP (ブール値; デフォルト: 有効; Linux 2.2 以降)
 .\" Since 2.1.36
 RFC\ 1323 の TCP timestamps を有効にする。
 .TP 
@@ -495,21 +500,23 @@ RFC\ 1323 の TCP timestamps を有効にする。
 このパラメータは、一つの TCP Segmentation Offload (TSO) フレームで 消費できる輻輳ウィンドウの割合 (パーセント)
 を制御する。 バースト性と、どれだけ大きな TSO フレームを構築するかのはトレードオフであり、 このパラメータはその度合いを設定する。
 .TP 
-\fItcp_tw_recycle\fP (Boolean; default: disabled; Linux 2.4 以降)
+\fItcp_tw_recycle\fP (ブール値; デフォルト: 無効; Linux 2.4 以降)
 .\" Since 2.3.15
 .\"
 .\" The following is from 2.6.12: Documentation/networking/ip-sysctl.txt
-TIME_WAIT ソケットの素早い再利用を有効にする。 このオプションを有効にすると、 NAT (ネットワークアドレス変換)
-を用いていると問題が生じるので、 あまり推奨しない。
+TIME_WAIT ソケットの素早い再利用 (fast recycling) を有効にする。 通常のインターネットと通信したり NAT
+(ネットワークアドレス変換) を使うデバイスでは、 このオプションを有効にするのは推奨されない。 いくつかの NAT ゲートウェイでは IP
+タイムスタンプをそのまま通過させるので、 一つの IP が増加しないタイムスタンプを持つように見える。 RFC 1323 (PAWS), RFC
+6191 を参照。
 .TP 
-\fItcp_tw_reuse\fP (Boolean; default: disabled; Linux 2.4.19/2.6 以降)
+\fItcp_tw_reuse\fP (ブール値; デフォルト: 無効; Linux 2.4.19/2.6 以降)
 .\" Since 2.4.19/2.5.43
 .\"
 .\" The following is from 2.6.12: Documentation/networking/ip-sysctl.txt
 プロトコルの面から見て問題ない場合に新規コネクションに TIME_WAIT 状態のソケットを再利用することを許可する。技術的に詳しい人の助言や
 要請なしにこのオプションを変更すべきではない。
 .TP 
-\fItcp_vegas_cong_avoid\fP (Boolean; default: disabled; Linux 2.2 から 2.6.13 まで)
+\fItcp_vegas_cong_avoid\fP (ブール値; デフォルト: 無効; Linux 2.2 から 2.6.13 まで)
 .\" Since 2.1.8; removed in 2.6.13
 .\"
 .\" The following is from 2.6.12: Documentation/networking/ip-sysctl.txt
@@ -517,14 +524,14 @@ TCP Vegas 輻輳制御アルゴリズムを有効にする。 TCP Vegas は帯
 の送信側のみに変更を加えたものである。 TCP Vegas は輻輳ウィンドウを修正することで、送信レートを調整する。 TCP Vegas は TCP
 Reno と比べてパケットロスは少ないが、 TCP Reno ほど積極的な挙動はしない。
 .TP 
-\fItcp_westwood\fP (Boolean; default: disabled; Linux 2.4.26/2.6.3 から 2.6.13 まで)
+\fItcp_westwood\fP (ブール値; デフォルト: 無効; Linux 2.4.26/2.6.3 から 2.6.13 まで)
 TCP Westwood+ 輻輳制御アルゴリズムを有効にする。 TCP Westwood+ は TCP 輻輳制御の性能を最適化するように TCP
 Reno の プロトコルスタックの送信側のみに修正を加えたものである。 輻輳が起こった後で、輻輳ウィンドウや slow start の閾値を
 通信両端間の帯域の推測に基づいて設定する。 この推測を使って、TCP Westwood+ は輻輳が発生した時に使っていた 帯域を考慮に入れた slow
 start の閾値と輻輳ウィンドウを設定する。 TCP Westwood+ は、有線ネットワークにおける TCP Reno の公平性
 (fairness) と、無線リンクでのスループットを大きく向上する。
 .TP 
-\fItcp_window_scaling\fP (Boolean; default: enabled; Linux 2.2 以降)
+\fItcp_window_scaling\fP (ブール値; デフォルト: 有効; Linux 2.2 以降)
 .\" Since 2.1.36
 RFC\ 1323 の TCP ウィンドウスケーリングを有効にする。 この機能を用いると、接続先が対応していれば、 TCP 接続で大きな (64K
 以上の) ウィンドウが使えるようになる。 通常は TCP ヘッダのウインドウ長フィールドは 16 ビットなので、 ウィンドウサイズは 64K
@@ -561,7 +568,7 @@ TCP ウィンドウを用いるには、 \fI/proc/sys/net/ipv4/tcp_window_scalin
 (Linux 2.4 では、デフォルト値は 128K バイトで、 メモリの少ないシステムでは 64K にまで減らされる。)
 .RE
 .TP 
-\fItcp_workaround_signed_windows\fP (Boolean; default: disabled; Linux 2.6.26 以降)
+\fItcp_workaround_signed_windows\fP (ブール値; デフォルト: 無効; Linux 2.6.26 以降)
 有効にすると、ウィンドウスケーリングオプションを受信しないのは、 接続相手の TCP が壊れていると考え、ウィンドウを符号付きの量とみなす。
 無効にすると、接続相手からウィンドウスケーリングオプションを受信しなかった 場合であっても、接続相手の TCP が壊れているとはみなさない。
 .SS ソケットオプション
@@ -573,13 +580,10 @@ TCP ソケットのオプションは、 オプションレベル引数に \fIIP
 \fBTCP_CONGESTION\fP (Linux 2.6.13 以降)
 .\"        commit 5f8ef48d240963093451bcf83df89f1a1364f51d
 .\"        Author: Stephen Hemminger <shemminger@osdl.org>
-The argument for this option is a string.  This option allows the caller to
-set the TCP congestion control algorithm to be used, on a per\-socket basis.
-Unprivileged processes are restricted to choosing one of the algorithms in
-\fItcp_allowed_congestion_control\fP (described above).  Privileged processes
-(\fBCAP_NET_ADMIN\fP)  can choose from any of the available congestion\-control
-algorithms (see the description of \fItcp_available_congestion_control\fP
-above).
+このオプションの引き数は文字列である。 このオプションを使うと、呼び出し元がソケット単位に使用する TCP 輻輳制御アルゴリズムを設定することができる。
+非特権プロセスが使用できるアルゴリズムは (上述の) \fItcp_allowed_congestion_control\fP
+で設定されたものだけに制限される。 特権プロセス (\fBCAP_NET_ADMIN\fP) は任意の輻輳制御アルゴリズムを選択することができる (上記の
+\fBtcp_available_congestion_control\fP の説明を参照)。
 .TP 
 \fBTCP_CORK\fP (Linux 2.2 以降)
 .\" precisely: since 2.1.127
@@ -654,32 +658,24 @@ quickack モードでは ack はすぐに送信される。 このフラグは
 .\" The following text taken nearly verbatim from Jerry Chu's (excellent)
 .\" commit message.
 .\"
-This option takes an \fIunsigned int\fP as an argument.  When the value is
-greater than 0, it specifies the maximum amount of time in milliseconds that
-transmitted data may remain unacknowledged before TCP will forcibly close
-the corresponding connection and return \fBETIMEDOUT\fP to the application.  If
-the option value is specified as 0, TCP will to use the system default.
+このオプションは \fIunsigned int\fP 型の引き数を取る。 値が 0 より大きい場合、その値は、 どのくらいの時間、送信されたデータが ACK
+を受信しないままの状態が続くと、 TCP がその接続を強制的にクローズし、アプリケーションに \fBETIMEDOUT\fP を返すかを、
+ミリ秒単位で指定する。 オプションの値が 0 の場合、TCP はシステムのデフォルト値を使用する。
 
-Increasing user timeouts allows a TCP connection to survive extended periods
-without end\-to\-end connectivity.  Decreasing user timeouts allows
-applications to "fail fast", if so desired.  Otherwise, failure may take up
-to 20 minutes with the current system defaults in a normal WAN environment.
+ユーザータイムアウトを長くすると、 通信の両端での接続性がない場合でも長い時間 TCP 接続が維持されるようになる。 ユーザータイムアウトを短くすると、
+アプリケーションは必要であれば「早く失敗」できるようになる。 設定しなかった場合は、 通常の WAN 環境では現在のシステムのデフォルトの 20
+分で失敗することになる。
 
-This option can be set during any state of a TCP connection, but is only
-effective during the synchronized states of a connection (ESTABLISHED,
-FIN\-WAIT\-1, FIN\-WAIT\-2, CLOSE\-WAIT, CLOSING, and LAST\-ACK).  Moreover, when
-used with the TCP keepalive (\fBSO_KEEPALIVE\fP)  option, \fBTCP_USER_TIMEOUT\fP
-will override keepalive to determine when to close a connection due to
-keepalive failure.
+このオプションは TCP 接続がどの状態の場合でも設定することができるが、 接続が同期状態 (ESTABLISHED, FIN\-WAIT\-1,
+FIN\-WAIT\-2, CLOSE\-WAIT, CLOSING, LAST\-ACK) の場合のみ効果がある。 また、 TCP keepalive
+(\fBSO_KEEPALIVE\fP) オプションとともに使用された場合、 \fBTCP_USER_TIMEOUT\fP は keepalive
+失敗による接続クローズを判定するための keepalive 値を上書きする。
 
-The option has no effect on when TCP retransmits a packet, nor when a
-keepalive probe is sent.
+このオプションは TCP がパケットを再送する際や keepalive プローブを送信する際には影響を及ぼさない。
 
-This option, like many others, will be inherited by the socket returned by
-\fBaccept\fP(2), if it was set on the listening socket.
+他の多くのオプション同様、リッスン中のソケットでこのオプションがセットされていれば \fBaccept\fP(2) が返すソケットにオプションが継承される。
 
-Further details on the user timeout feature can be found in RFC\ 793 and
-RFC\ 5482 ("TCP User Timeout Option").
+ユーザータイムアウト機能の詳細は RFC\ 793 と  RFC\ 5482 ("TCP User Timeout Option") に書かれている。
 .TP 
 \fBTCP_WINDOW_CLAMP\fP (Linux 2.4 以降)
 .\" Precisely: since 2.3.41
@@ -736,7 +732,7 @@ LISTEN 状態にあってはならず、さもないとエラー (\fBEINVAL\fP)
 が偽を返さなくなるまで繰り返し行うことで、緊急マークの位置まで 読み進めることができる。
 .TP 
 \fBSIOCOUTQ\fP
-.\" FIXME http://sources.redhat.com/bugzilla/show_bug.cgi?id=12002,
+.\" FIXME http://sources.redhat.com/bugzilla/show_bug.cgi?id=12002,
 .\" filed 2010-09-10, may cause SIOCOUTQ to be defined in glibc headers
 ソケットの送信キューに残っている未送信データの量を返す。ソケットは LISTEN 状
 態にあってはならない。 LISTEN 状態の場合にはエラー (\fBEINVAL\fP) となる。
@@ -797,6 +793,6 @@ RFC\ 2581: TCP 輻輳制御アルゴリズム。
 .br
 RFC\ 2018 と RFC\ 2883: SACK とその拡張。
 .SH この文書について
-この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.63 の一部
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.77 の一部
 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。