keitairc: マニュアル

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keitairc 設定の指定方法

このページの記述は keitairc 2.0 系を対象としています。

keitairc にはいろいろな設定項目があります。 これらの設定項目は、設定ファイルで指定しておくこともできますし、 keitairc の起動時引数で指定することもできます。

設定ファイルと起動時引数の評価順

keitairc は、起動時に、 /etc/keitairc が存在するなら最初にこれを読み込みます。 ユーザ共通のサイト・ローカルな設定はここに記述するとよいでしょう。

次に、ユーザのホーム・ディレクトリ直下に .keitairc が存在するならこれを読み込みます。 ユーザごとの設定はここに記述するとよいでしょう。

次に、keitairc の第一引数が存在するファイル名であった場合、 これを読み込みます。

最後に、起動時引数で指定されたパラメータを 評価します。一時的な設定を行う際に用いるとよいでしょう。

いずれの設定方法でも、後で評価された設定の方が優先されます。

設定ファイルの書式

設定ファイルで指定する場合は、項目名の後にイコール、 その後に値を記述してください。

例: 設定ファイルにおける cookie_ttl の設定

cookie_ttl = 14400

設定ファイルでは、行頭の空白は無視されます。
# 以降の記述は無視されます。
空白のみの行、空行は無視されます。
日本語文字列を値に指定する場合、設定ファイルのキャラクタセットは utf-8でなければなりません。

起動時引数の書式

いずれの設定項目も、起動時引数で指定することもできます。 起動時引数で指定する場合は、項目名の先頭にハイフンをつけ、 項目名と値の間のイコールは省略してください。

例: 起動時引数ファイルにおける cookie_ttl の設定

-cookie_ttl 14400

起動時引数による設定は、プロセス情報を介して、 同じホストにいる別のユーザから見ることができます。 保護したい情報は起動時引数で指定しないようにしましょう。

設定項目の一覧: 基本編

以下に、keitairc の設定項目の一覧を示します。
[必須] と書かれた項目は、なんらかの方法で設定を行わないと keitairc が起動しません。

irc_nick
[必須] irc の nick を指定します。
irc_username
[必須] irc 上のユーザ名を指定します。
irc_desc
irc クライアントとしての description を指定します。 デフォルトは文字列 keitairc です。通常は変更する必要はありません。
irc_server
[必須] irc server を指定します。
irc_port
接続すべき irc port を指定します。 デフォルトは 6667 です。
irc_password
irc server に接続する際にサーバパスワードが必要であれば指定します。 デフォルトは無しです。
irc_keyword
指定した文字列(群)が発言中にあった場合、キーワードハイライトします。 文字列を複数指定する場合は、空白をはさまずカンマで区切って羅列してください。
設定例:
irc_keyword = ASAP,緊急,急募,飲み会
irc_charset
接続するirc server/channelで用いられているキャラクタセットを指定します。 デフォルトはiso-2022-jp-1です。
(iso-2022-jp 以外のキャラクタセットでの動作確認は不完全です)
指定には、Perlの Encode::JPで定義されているエンコーディング指定文字列を 使うことができます。
web_port
keitairc にアクセスするときのポート番号を指定します。
(keitairc 自体が listen する port を指定したい場合は web_listen_port で指定してください)
デフォルトは tcp/8080 です。
web_lines
keitairc が各チャンネルごとに記憶する発言行数を指定します。 デフォルトは100行です。
web_password
[必須] keitairc にログインする際のパスワード文字列を指定します。
平文で指定しますので、設定ファイルが漏洩するとパスワードも漏洩します。 また起動時引数で指定すると、プロセス情報を見るだけで パスワードも漏洩します。
web_host
[必須] keitairc は http server として立ち上がりますが、 その http server のホスト名を指定します。

機種・携帯キャリアごとの設定項目

NTT DoCoMo

docomo_foma_icc
NTT DoCoMo FOMA端末のICC番号を指定すると、 該当する端末はこれを用いて認証できます。 設定例:
docomo_foma_icc = icc99998888777766665555
docomo_imodeid
NTT DoCoMo FOMA端末のiモードIDを指定すると、 該当する端末はこれを用いて認証できます。 設定例:
docomo_imodeid = AAbb123

KDDI au

au_subscriber_id
au携帯端末のEZ番号 (サブスクライバID) を指定すると、 該当する端末はこれを用いて認証できます。 設定例:
au_subscriber_id = 01099887766554_xx.ezweb.ne.jp

Softbank mobile

softbank_serial_key
au携帯端末のEZ番号 (サブスクライバID) を指定すると、 該当する端末はこれを用いて認証できます。 設定例:
softbank_serial_key = SN112233445566778

emobile

emobile_userid
emobile端末のuseridを指定すると、 該当する端末はこれを用いて認証できます。

設定項目の一覧: 上級編

cookie_ttl
Cookieの生存時間を指定します。 デフォルトは3日間です。
session_ttl
セッション情報の生存時間を指定します。 デフォルトは30分です。
web_listen_port
keitairc が web 接続を待ち受ける port を指定します。 reverse proxy 環境などで、 keitairc が listen する port と、 クライアントがアクセスする port を別に指定したい場合等に用います。 デフォルトは web_port で指定されているポートと同じです。
web_title
keitairc の web アクセス画面のタイトルの基本名を指定します。 デフォルトは keitairc です。
web_root
keitairc が web server として動作するときの、 URI上のkeitaircのトップディレクトリを指定します。
たとえば example.com というサーバで
web_host = example.com
web_port = 8080
web_root = /irc/
と指定してkeitaircを立ち上げた場合、 そのkeitaircのトップページは http://example.com:8080/irc/ として動作します。末尾には必ず / を付けてください。
web_charset
keitaircにhttpアクセスする際のキャラクタセットを指定します。 デフォルトは shiftjis です。
指定には、Perlの Encode::JPで定義されているエンコーディング指定文字列を 使うことができます。
web_schema
keitaircにwebアクセスする際のスキーマを指定します。 デフォルトはhttpです。 https経由でkeitaircを使いたい場合はhttpsと指定してください。
ただしkeitairc自体はhttpsを提供しておりません。 web_schemaにhttpsを指定しても、keitaircが提供するのはhttpサービスのみです。実際には、keitaircの前段にapacheのmod_proxyやmod_sslなどをかませてお使いいただくことになるでしょう。
また、日本の携帯端末に対しhttpsでサービスを提供する際には、 SSL証明書や認証文字列の取得、位置情報の取得などにいろいろな制限があります。 注意して使用してください。
extra_header
表示内容にヘッダを追加したいときに指定します。 デフォルトは未定義です。
CSS のスタイルファイルを指定したい場合等に使用します。
たとえば http://example.com/style.css をスタイルファイルとして利用したい場合は以下のように、
extra_header = '<link rel="stylesheet" type="text/css" href="http://example.com/style.css">'
keitairc 設置ディレクトリ以下の lib/public に設置した my.css をスタイルファイルとして利用したい場合は以下のように設定します。
extra_header = '<link rel="stylesheet" type="text/css" href="/my.css">'
fontsize
keitaircに携帯機器以外からアクセスした際の、 webページの基本的なフォントサイズを指定します。
これは <font size=""> エレメントの引数になる文字列です。 デフォルトは +0 です。
mobile_fontsize
keitaircに携帯機器からアクセスした際の、 webページの基本的なフォントサイズを指定します。
これは <font size=""> エレメントの引数になる文字列です。 デフォルトは -1 です。
silent_config
keitairc 起動時のプラグイン読み込み表示を抑制します。 抑制する場合は yes や 1, 抑制しない場合は no や 0 を指定してください。 デフォルトは no です。
show_joinleave
他ユーザの join や leave も表示します。 デフォルトは yes です。
show_console
チャネルの発言同様に irc console も表示します。 デフォルトは no です。
ping_delay
keitairc は一定間隔で irc server への接続を確認します。 その間隔時間を指定します。 デフォルトは30秒です。
reconnect_delay
keitaircは、irc serverからの切断を認識すると、 一定時間後に再接続を試みます。 その待ち時間を指定します。 デフォルトは10秒です。
follow_nick
他のユーザのnick, ユーザ名を把握し、変化に追従するようにします。 デフォルトは yes です。
情報を把握するため、keitairc の立ち上がり時に irc メッセージを それなりに流しますので、irc トラフィックが気になる場合は no にしてください。
smtp_server
メール送信機能を使う場合、smtp server を指定します。 デフォルトは未定義です。 smtp auth には非対応です。
smtp_from
メール送信機能を使う場合、smtp における FROM を指定します。 デフォルトは未定義です。
smtp_to
メール送信機能を使う場合、宛先メールアドレスを指定します。 デフォルトは未定義です。
debug
より詳細なログを表示します。 デフォルトは off です。
daemonize
起動時に daemon 化します。 デフォルトは off です。
pid_dir
daemonize = yes で keitairc が daemon として起動した場合、 pid_dir で指定したディレクトリ以下の pid_file ファイルに PID を保存します。 デフォルトは /var/run です。
pid_file
daemonize = yes で keitairc が daemon として起動した場合、 pid_dir で指定したディレクトリ以下の pid_file ファイルに PID を保存します。 デフォルトは keitairc.pid です。
template_dir
keitairc が使うテンプレートファイルの検索パスを指定します。
複数のパスをコロンで連結して指定できます。
デフォルトは カレントディレクトリ/lib/templates:/usr/share/keitairc/lib/templates で、 すなわちまず カレントディレクトリ/lib/templates, 見つからなければ /usr/share/keitairc/lib/templates を検索します。
plugin_dir
keitairc が使うプラグインファイルの検索パスを指定します。
複数のパスをコロンで連結して指定できます。
デフォルトは カレントディレクトリ/lib/plugins:/usr/share/keitairc/lib/plugins で、 すなわちまず カレントディレクトリ/lib/plugins, 見つからなければ /usr/share/keitairc/lib/plugins を検索します。
public_dir
keitairc が使う静的ファイルの検索パスを指定します。
複数のパスをコロンで連結して指定できます。
デフォルトは カレントディレクトリ/lib/public:/usr/share/keitairc/lib/public で、 すなわちまず カレントディレクトリ/lib/public, 見つからなければ /usr/share/keitairc/lib/public を検索します。
rgeocode_server
携帯端末の位置情報取得機能をもとに、 現在位置の住所文字列を取得する際、 どの逆ジオコードサーバを利用するか指定します。
refits を指定すると http://refits.cgk.affrc.go.jp/tsrv/jp/rgeocode.html で提供されているサービスを使用します。
google を指定すると http://maps.google.com で提供されているサービスを使用します。
デフォルトは refits です。
reverse_message
全発言画面で、新しい発言ほど上に表示します。 デフォルトはonです。
reverse_recent
未読発言一覧画面で、新しい発言ほど上に表示します。 デフォルトはonです。
reverse_unread
未読発言画面で、新しい発言ほど上に表示します。 デフォルトはonです。
url_target
URLリンクでウィンドウのターゲットを指定します。 デフォルトは _self です。
url_redirect
URLリンクでリダイレクタを指定するときに使用します。 デフォルトは未定義です。

keitairc 2.0 で廃止された設定項目

以下は、かつて keitairc 1.x で存在し、 keitairc 2.0 で廃止された設定項目です。 keitairc 2.0 は、これら設定が残っている場合、起動時に警告を表示します。

show_newmsgonly
新着メッセージのみを表示するようにする指定でしたが、 廃止されました。keitairc 2.0 以降では指定しても無視されます。
web_username
webアクセス時の認証のユーザ名の指定でしたが、 廃止されました。keitairc 2.0 以降では指定しても無視されます。
use_cookie
Cookieを利用するかどうかの指定でしたが、 廃止されました。keitairc 2.0 以降では指定しても無視され、 常にCookieを利用しようとします。
au_pcsv
au端末の場合に、外部リンクに対してPCサイトビューアー用の リンクも出すかどうかの指定でしたが、 廃止されました。keitairc 2.0 以降では指定しても無視され、 au端末からのアクセスの場合は、外部リンクに対してPCサイトビューアー用の リンクも常に案内します。

keitairc で使われる環境変数

HOME
ユーザごとの設定ファイル .keitairc を探すのに使われます。
IS_IPOD
1 に設定すると、すべてのクライアントを強制的に iPhone/iPod touch と見なします。
0 に設定すると、iPhone/iPod touch からのアクセスの場合でも、 強制的に iPhone/iPod touch からのアクセスとは認識しなくなります。 ただし、同時に下記のIS_IPOD_OS3が1に設定されている場合は、IS_IPOD=1 とみなして動作します。 iPhone/iPod touch対応なしの状態で iPhone/iPod touchから使いたい場合にご利用ください。
IS_IPOD_OS3
1 に設定すると、すべてのクライアントを強制的に iPhone/iPod touch OS 3.0 以降と見なします(同時に iPhone/iPod touch としての 強制認識も有効になります)。
0 に設定すると、iPhone/iPod touch OS 3.0 以降からのアクセスの場合でも、 強制的に iPhone/iPod touch OS 3.0 以降からのアクセスとは認識しなくなります (ただし、この場合でも実際にiPhone/iPod touch からのアクセス もしくは IS_IPOD=1 と設定していた場合は、iPhone/iPod touch からのアクセスだとは認識されます)。
現状、この判定は位置情報通知機能の有効判定にのみ用いられていますので、0 にすることで 強制的に位置情報送信機能を無効にするのに使えます。 また keitairc iPhone/iPod UI の位置情報送信機能は、iPhone OS 3.0 以降の Mobile Safari上に実装されている Geolocation APIを用いています。 Geolocation APIはFirefox 3.5などにも実装されていますので、それらで動作を 確認するにも使えるかもしれません。
SourceForge.jp