.\" Copyright (c) Bruno Haible .\" .\" This is free documentation; you can redistribute it and/or .\" modify it under the terms of the GNU General Public License as .\" published by the Free Software Foundation; either version 2 of .\" the License, or (at your option) any later version. .\" .\" References consulted: .\" GNU glibc-2 source code and manual .\" Dinkumware C library reference http://www.dinkumware.com/ .\" OpenGroup's Single UNIX specification http://www.UNIX-systems.org/online.html .\" ISO/IEC 9899:1999 .\" .\" About this Japanese page, please contact to JM Project .\" Translated Mon Oct 25 22:55:40 JST 1999 .\" by FUJIWARA Teruyoshi .\" .TH WCRTOMB 3 2011-09-28 "GNU" "Linux Programmer's Manual" .SH 名前 wcrtomb \- ワイド文字 1 つをマルチバイト列に変換する .SH 書式 .nf .B #include .sp .BI "size_t wcrtomb(char *" s ", wchar_t " wc ", mbstate_t *" ps ); .fi .SH 説明 この関数が主に使われるのは、\fIs\fP が NULL でなく、 \fIwc\fP が NULL ワイド文字 (L\(aq\\0\(aq) でない場合である。 この場合には、 .BR wcrtomb () 関数はワイド文字 \fIwc\fP をマルチバイト表 現に変換し、\fIs\fP が指す char 型の配列にこれを格納する。この関数は シフト状態 \fI*ps\fP を更新し、出力されたマルチバイト表現の長さ、すな わち \fIs\fP に書き込まれたバイト数を返す。 .PP 別のケースとしては、\fIs\fP は NULL でないが \fIwc\fP が NULL ワイド文字 (L\(aq\\0\(aq) のことがある。 この場合の .BR wcrtomb () 関数は、\fI*ps\fP を初期状態に戻すのに必 要なシフトシーケンスを \fIs\fP が指す char 型配列に格納し、その後に \(aq\\0\(aq を格納する。この関数はシフト状態 \fI*ps\fP を更新し(つまり初期状態に戻 し)、シフトシーケンスの長さに 1 を加えた値を返す。この値は \fIs\fP に 書き込まれたバイト数である。 .PP 三番目のケースは、\fIs\fP が NULL の時である。 この場合には \fIwc\fP は無視され、関数の実際の動きとしては wcrtomb(buf, L\(aq\\0\(aq, ps) が返される。ここで、 .I buf は内部的な無名バッファである。 .PP 以上のいずれの場合も、\fIps\fP が NULL ポインタならばシフト状態は用い られず、 .BR wcrtomb () 関数だけが知っている静的な匿名の状態が使われる。 .SH 返り値 .BR wcrtomb () 関数は、\fIs\fP が指すバイト列に書き込まれたバイト数、あ るいは書き込まれたであろうバイト数を返す。\fIwc\fP を(現在のロケールに 従って)マルチバイト列で表現できなければ、 .I (size_t)\ \-1 が返され、 \fIerrno\fP に \fBEILSEQ\fP が設定される。 .SH 準拠 C99. .SH 注意 .BR wcrtomb () の動作は、現在のロケールの .B LC_CTYPE カテゴリに依存する。 .PP \fIps\fP に NULL を渡した際の動作はマルチスレッドセーフでない。 .SH 関連項目 .BR wcsrtombs (3)