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(split) LDP: Update the version to 3.53 in PO files
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / draft / man3 / strtok.3
index 420a353..a4589ab 100644 (file)
@@ -1,6 +1,8 @@
-.\" Copyright (C) 1996 Andries Brouwer (aeb@cwi.nl)
-.\" and Copyright (C) 2005 Michael Kerrisk (mtk.manpages@gmail.com)
+.\" Copyright (C) 2005, 2013 Michael Kerrisk (mtk.manpages@gmail.com)
+.\" a few fragments from an earlier (1996) version by
+.\" Andries Brouwer (aeb@cwi.nl) remain.
 .\"
+.\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
 .\" preserved on all copies.
 .\"
 .\" Formatted or processed versions of this manual, if unaccompanied by
 .\" the source, must acknowledge the copyright and authors of this work.
+.\" %%%LICENSE_END
 .\"
 .\" Rewritten old page, 960210, aeb@cwi.nl
 .\" Updated, added strtok_r. 2000-02-13 Nicolás Lichtmaier <nick@debian.org>
 .\" 2005-11-17, mtk: Substantial parts rewritten
+.\" 2013-05-19, mtk: added much further detail on the operation of strtok()
 .\"
 .\"*******************************************************************
 .\"
 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
 .\"
 .\"*******************************************************************
-.TH STRTOK 3 2010\-09\-27 GNU "Linux Programmer's Manual"
+.TH STRTOK 3 2013\-05\-19 GNU "Linux Programmer's Manual"
 .SH 名前
 strtok, strtok_r \- 文字列からトークンを取り出す
 .SH 書式
@@ -51,19 +55,35 @@ glibc 向けの機能検査マクロの要件 (\fBfeature_test_macros\fP(7)  参
 _XOPEN_SOURCE || _POSIX_SOURCE
 .ad b
 .SH 説明
-\fBstrtok\fP()  関数は文字列を解析してトークンに分割する。 \fBstrtok\fP()  を最初に呼び出す際には、解析対象の文字列を \fIstr\fP
-に 指定する。同じ文字列の解析を行うその後の呼び出しでは、 \fIstr\fP には NULL を指定する。
+\fBstrtok\fP()  関数は文字列を 0 個以上の空でないトークンの列に分割する。 \fBstrtok\fP()
+を最初に呼び出す際には、解析対象の文字列を \fIstr\fP に 指定する。同じ文字列の解析を行うその後の呼び出しでは、 \fIstr\fP は NULL
+にしなければならない。
 
-\fIdelim\fP 引き数には、解析する文字列をトークンに区切る文字集合を 指定する。同じ文字列を解析する一連の呼び出しにおいて、 \fIdelim\fP
-に違う文字列を指定してもよい。
+\fIdelim\fP 引き数には、解析対象の文字列をトークンに区切るのに使用する
+バイト集合を指定する。同じ文字列を解析する一連の呼び出しにおいて、
+\fIdelim\fP に違う文字列を指定してもよい。
 
-\fBstrtok\fP()  のそれぞれの呼び出しでは、次のトークンを 格納した NULL 終端された文字列へのポインタが返される。
-この文字列には区切り文字は含まれない。 これ以上トークンが見つからなかった場合には、NULL が返される。
+\fBstrtok\fP() のそれぞれの呼び出しでは、次のトークンを格納した NULL 終端
+された文字列へのポインタが返される。この文字列には区切りバイトは含まれ
+ない。これ以上トークンが見つからなかった場合には、NULL が返される。
 
-解析対象の文字列に2つ以上の区切り文字が連続している場合には、 一つの区切り文字とみなされる。
-文字列の先頭や末尾にある区切り文字は無視される。言い換えると、 \fBstrtok\fP()  が返すトークンは常に空でない文字列となる。
+同じ文字列に対して操作を行う \fBstrtok\fP() を連続して呼び出す場合、 次のトークンを探し始める位置を決めるためのポインタが保持される。 最初の
+\fBstrtok\fP の呼び出しでは、 このポインタは対象の文字列の最初のバイトにセットされる。 次のトークンの先頭は、 \fIstr\fP
+内で次の区切りバイト以外のバイトを前方に検索して決定される。 区切りバイト以外のバイトが見つからなかった場合は、 トークンはこれ以上なく、
+\fBstrtok\fP() は NULL を返す (したがって、 空の文字列や区切りバイトだけを含む文字列の場合には、 最初の \fBstrtok\fP()
+の呼び出しで NULL が返ることになる)。
 
-\fBstrtok_r\fP()  関数は \fBstrtok\fP()  のリエントラント版である。 \fIsaveptr\fP 引き数は \fIchar *\fP
+各トークンの末尾は、次の区切りバイトが見つかるか、終端の NULL バイト (\(aq\e0\(aq)
+に達するまで文字列を前方に検索することで見つかる。 区切りバイトが見つかった場合には、 現在のトークンの終わりを示すために、 見つかった区切りバイトが
+NULL バイトで上書きされ、 \fBstrtok\fP() はポインタを次のバイトに設定する。
+このポインタは、次のトークンを検索する際の開始点として使用される。 この場合、 \fBstrtok\fP() は見つかったトークンの先頭へのポインタを返す。
+
+上記の説明の通り、 解析対象の文字列に 2 つ以上の区切りバイトが連続している場合には、 一つの区切りバイトとみなされ、
+文字列の先頭や末尾にある区切りバイトは無視される。 言い換えると、 \fBstrtok\fP() が返すトークンは必ず空でない文字列となる。
+したがって、例えば "\fIaaa;;bbb,\fP" という文字列が与えられたとすると、 区切り文字列 "\fI;,\fP" を指定した一連の
+\fBstrtok\fP() の呼び出しでは、 "\fIaaa\fP" と \fIbbb\fP" が返り、その次に NULL ポインタが返る。
+
+\fBstrtok_r\fP()  関数は \fBstrtok\fP()  のリエントラント版である。 \fIsaveptr\fP 引き数は \fIchar\ *\fP
 変数へのポインタであり、 同じ文字列の解析を行う \fBstrtok_r\fP()  の呼び出し間で処理状況を保存するために \fBstrtok_r\fP()
 内部で使用される。
 
@@ -74,6 +94,11 @@ _XOPEN_SOURCE || _POSIX_SOURCE
 \fBstrtok_r\fP()  の呼び出し時に異なる \fIsaveptr\fP 引き数を指定することで、 異なる文字列の解析を同時に行うことができる。
 .SH 返り値
 \fBstrtok\fP()  と \fBstrtok_r\fP()  は次のトークンへのポインタか、 トークンがなければ NULL を返す。
+.SH 属性
+.SS "マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)"
+The \fBstrtok\fP() 関数はスレッドセーフではない。
+.LP
+\fBstrtok_r\fP() 関数はスレッドセーフである。
 .SH 準拠
 .TP 
 \fBstrtok\fP()
@@ -88,14 +113,17 @@ POSIX.1\-2001.
 .IP *
 これらの関数は const な文字列では使えない。
 .IP *
-区切り文字自体は失われてしまう。
+区切りバイト自体は失われてしまう。
 .IP *
 \fBstrtok\fP()  関数は文字列の解析に静的バッファを用いるので、スレッドセーフでない。 これが問題になる場合は \fBstrtok_r\fP()
 を用いること。
 .SH 例
-以下のプログラムは、 \fBstrtok_r\fP()  を利用するループを入れ子にして使用し、 文字列を2階層のトークンに分割するものである。
-1番目のコマンドライン引き数には、解析対象の文字列を指定する。 2番目の引き数には、文字列を「大きな」トークンに分割するために
-使用する区切り文字を指定する。 3番目の引き数には、「大きな」トークンを細かく分割するために 使用する区切り文字を指定する。
+以下のプログラムは、 \fBstrtok_r\fP() を利用するループを入れ子にして使用し、
+文字列を 2 階層のトークンに分割するものである。 1番目のコマンドライン
+引き数には、解析対象の文字列を指定する。 2 番目の引き数には、文字列を
+「大きな」トークンに分割するために 使用する区切りバイトを指定する。
+3 番目の引き数には、「大きな」トークンを細かく分割するために使用する
+区切りバイトを指定する。
 .PP
 このプログラムの出力例を以下に示す。
 .PP
@@ -155,6 +183,6 @@ main(int argc, char *argv[])
 \fBindex\fP(3), \fBmemchr\fP(3), \fBrindex\fP(3), \fBstrchr\fP(3), \fBstring\fP(3),
 \fBstrpbrk\fP(3), \fBstrsep\fP(3), \fBstrspn\fP(3), \fBstrstr\fP(3), \fBwcstok\fP(3)
 .SH この文書について
-この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.40 の一部
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.53 の一部
 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。