OSDN Git Service

(split) LDP: Update release (3.64)
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man2 / chown.2
index 1cac089..f075e0a 100644 (file)
@@ -1,9 +1,8 @@
-.\" Hey Emacs! This file is -*- nroff -*- source.
-.\"
 .\" Copyright (c) 1992 Drew Eckhardt (drew@cs.colorado.edu), March 28, 1992
 .\" and Copyright (c) 1998 Andries Brouwer (aeb@cwi.nl)
-.\" and Copyright (c) 2007, 2008 Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
+.\" and Copyright (c) 2006, 2007, 2008, 2014 Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
 .\"
+.\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
 .\" preserved on all copies.
@@ -23,6 +22,7 @@
 .\"
 .\" Formatted or processed versions of this manual, if unaccompanied by
 .\" the source, must acknowledge the copyright and authors of this work.
+.\" %%%LICENSE_END
 .\"
 .\" Modified by Michael Haardt <michael@moria.de>
 .\" Modified 1993-07-21 by Rik Faith <faith@cs.unc.edu>
 .\"     (bsdgroups versus sysvgroups, and the effect of the parent
 .\"     directory's set-group-ID permission bit).
 .\"
+.\"*******************************************************************
+.\"
+.\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
+.\"
+.\"*******************************************************************
+.\"
 .\" Japanese Version Copyright (c) 1996 Yosiaki Yanagihara
 .\"         all rights reserved.
 .\" Translated 1996-06-24, Yosiaki Yanagihara <yosiaki@bsd2.kbnes.nec.co.jp>
 .\" Updated & Modified Wed Dec 29 06:48:16 JST 2004 by Yuichi SATO
 .\" Updated 2007-09-04, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v2.64
 .\" Updated 2008-08-09, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v3.05
+.\" Updated 2012-04-30, Akihiro MOTOKI <amotoki@gmail.com>
 .\"
-.TH CHOWN 2 2010-09-26 "Linux" "Linux Programmer's Manual"
+.TH CHOWN 2 2014\-03\-19 Linux "Linux Programmer's Manual"
 .SH 名前
-chown, fchown, lchown \- ファイルの所有者を変更する
+chown, fchown, lchown, fchownat \- ファイルの所有者を変更する
 .SH 書式
-.B #include <unistd.h>
+.nf
+\fB#include <unistd.h>\fP
 .sp
-.BI "int chown(const char *" path ", uid_t " owner ", gid_t " group );
+\fBint chown(const char *\fP\fIpathname\fP\fB, uid_t \fP\fIowner\fP\fB, gid_t \fP\fIgroup\fP\fB);\fP
 .br
-.BI "int fchown(int " fd ", uid_t " owner ", gid_t " group );
+\fBint fchown(int \fP\fIfd\fP\fB, uid_t \fP\fIowner\fP\fB, gid_t \fP\fIgroup\fP\fB);\fP
 .br
-.BI "int lchown(const char *" path ", uid_t " owner ", gid_t " group );
+\fBint lchown(const char *\fP\fIpathname\fP\fB, uid_t \fP\fIowner\fP\fB, gid_t \fP\fIgroup\fP\fB);\fP
+.sp
+\fB#include <fcntl.h>           \fP/* AT_* 定数の定義 */
+\fB#include <unistd.h>\fP
+.sp
+\fBint fchownat(int \fP\fIdirfd\fP\fB, const char *\fP\fIpathname\fP\fB,\fP
+\fB             uid_t \fP\fIowner\fP\fB, gid_t \fP\fIgroup\fP\fB, int \fP\fIflags\fP\fB);\fP
+.fi
+.sp
 .sp
 .in -4n
-glibc 向けの機能検査マクロの要件
-.RB ( feature_test_macros (7)
-参照):
+glibc 向けの機能検査マクロの要件 (\fBfeature_test_macros\fP(7)  参照):
 .in
 .sp
-.BR fchown (),
-.BR lchown ():
+\fBfchown\fP(), \fBlchown\fP():
 .PD 0
 .ad l
 .RS 4
-_BSD_SOURCE || _XOPEN_SOURCE\ >=\ 500 ||
-_XOPEN_SOURCE\ &&\ _XOPEN_SOURCE_EXTENDED
+_BSD_SOURCE || _XOPEN_SOURCE\ >=\ 500 || _XOPEN_SOURCE\ &&\ _XOPEN_SOURCE_EXTENDED
 .br
 || /* glibc 2.12 以降: */ _POSIX_C_SOURCE\ >=\ 200809L
 .RE
+.sp
+\fBfchownat\fP():
+.PD 0
+.ad l
+.RS 4
+.TP  4
+glibc 2.10 以降:
+_XOPEN_SOURCE\ >=\ 700 || _POSIX_C_SOURCE\ >=\ 200809L
+.TP 
+glibc 2.10 より前:
+_ATFILE_SOURCE
+.RE
 .ad
 .PD
 .SH 説明
\81\93ã\82\8cã\82\89ã\81®ã\82·ã\82¹ã\83\86ã\83 ã\82³ã\83¼ã\83«ã\81¯ã\80\81ã\83\95ã\82¡ã\82¤ã\83«ã\81®æ\89\80æ\9c\89è\80\85 (owner) ã\81¨ã\82°ã\83«ã\83¼ã\83\97ã\82\92å¤\89æ\9b´ã\81\99ã\82\8bã\80\82
-システムコール間の違いは、ファイルの指定の仕方だけである。
\81\93ã\82\8cã\82\89ã\81®ã\82·ã\82¹ã\83\86ã\83 ã\82³ã\83¼ã\83«ã\81¯ã\80\81ã\81\84ã\81\9aã\82\8cã\82\82ã\83\95ã\82¡ã\82¤ã\83«ã\81®æ\89\80æ\9c\89è\80\85 (owner) ã\81¨ã\82°ã\83«ã\83¼ã\83\97ã\82\92å¤\89æ\9b´ã\81\99ã\82\8bã\80\82ã\82·ã\82¹ã\83\86ã\83 ã\82³ã\83¼ã\83« \fBchown\fP(),
+\fBfchown\fP(), \fBlchown\fP() 間の違いは、ファイルの指定の仕方だけである。
 .IP * 2
-.BR chown ()
-は
-.I path
-で指定されたファイルの所有権を変更する。
-.I path
-がシンボリック・リンクの場合は、リンクの展開が行われる。
+\fBchown\fP()  は \fIpathname\fP で指定されたファイルの所有権を変更する。 \fIpathname\fP
+がシンボリックリンクの場合は、リンクの展開が行われる。
 .IP *
-.BR fchown ()
-はオープンされたファイルディスクリプタ
-.I fd
-により参照されるファイルの所有権を変更する。
+\fBfchown\fP()  はオープンされたファイルディスクリプタ \fIfd\fP により参照されるファイルの所有権を変更する。
 .IP *
-.BR lchown ()
-は
-.BR chown ()
-と同じだが、シンボリック・リンクを展開しない点が異なる。
+\fBlchown\fP()  は \fBchown\fP()  と同じだが、シンボリックリンクを展開しない点が異なる。
 .PP
-特権を持つプロセス (Linux では
-.B CAP_CHOWN
-ケーパビリティ (capability) を持つプロセス) だけが
-ファイルの所有者を変更できる。
-ファイルの所有者は、その所有者が属しているグループのいずれかに
-ファイルのグループを変更することができる。
-特権 (Linux では
-.BR CAP_CHOWN )
-を持つプロセスは、任意のグループに変更できる。
+特権を持つプロセス (Linux では \fBCAP_CHOWN\fP ケーパビリティ (capability) を持つプロセス) だけが
+ファイルの所有者を変更できる。 ファイルの所有者は、その所有者が属しているグループのいずれかに ファイルのグループを変更することができる。 特権
+(Linux では \fBCAP_CHOWN\fP)  を持つプロセスは、任意のグループに変更できる。
 
-.I owner
-または
-.I group
-に \-1 が指定された場合、それらの ID は変更されない。
+\fIowner\fP または \fIgroup\fP に \-1 が指定された場合、それらの ID は変更されない。
 
-非特権ユーザーにより実行ファイルの所有者またはグループが
-変更された場合は
-.B S_ISUID
-と
-.B ISGID
-モードビットはクリアされる。
-POSIX はこの動作やルートが
-.BR chown ()
-を行なった場合については特に指定されていない。
-Linux における動作はカーネルのバージョンに依存する。
-.\" Linux 2.0 カーネルでは、スーパー・ユーザーでの動作は
-.\" 他のユーザーの場合と同じであった。
-.\" 2.2 では、2.2.12 までは、スーパー・ユーザーの場合には
-.\" これらのビットはクリアされなくなった。
-.\" 2.2.13 以降では、スーパー・ユーザーでの動作は
-.\" 再び他のユーザーの場合と同じになった。
-非グループ実行ファイル
-.RB ( S_IXGRP
-ビットが設定されていないファイル) の場合には
-.B S_ISGID
-ビットは強制ロック (mandatory locking) を意味している。
-そしてそれは
-.BR chown ()
+.\" In Linux 2.0 kernels, superuser was like everyone else
+.\" In 2.2, up to 2.2.12, these bits were not cleared for superuser.
+.\" Since 2.2.13, superuser is once more like everyone else.
+非特権ユーザーにより実行ファイルの所有者またはグループが 変更された場合は \fBS_ISUID\fP と \fBISGID\fP モードビットはクリアされる。
+POSIX はこの動作やルートが \fBchown\fP()  を行なった場合については特に指定されていない。 Linux
+における動作はカーネルのバージョンに依存する。 非グループ実行ファイル (\fBS_IXGRP\fP ビットが設定されていないファイル) の場合には
+\fBS_ISGID\fP ビットは強制ロック (mandatory locking) を意味している。 そしてそれは \fBchown\fP()
 ではクリアできない。
+.SS fchownat()
+\fBfchownat\fP() システムコールは \fBchown\fP() と全く同様に動作するが、以下で説明する点が異なる。
+
+\fIpathname\fP で指定されたパス名が相対パスの場合、このパス名はファイルディスクリプター \fIdirfd\fP
+が参照するディレクトリに対する相対パスと解釈される (\fBchown\fP()
+に相対パス名を渡した場合のように、呼び出したプロセスのカレントワーキングディレクトリに対する相対パスではない)。
+
+\fIpathname\fP で指定されたパス名が相対パスで、 \fIdirfd\fP が特別な値 \fBAT_FDCWD\fP の場合、 (\fBchown\fP()
+と同様に) \fIpathname\fP は呼び出したプロセスのカレントワーキングディレクトリに対する相対パスと解釈される。
+
+\fIpathname\fP で指定されたパス名が絶対パスの場合、 \fIdirfd\fP は無視される。
+
+\fIflags\fP 引き数は、以下に示す値の 0 個以上の OR (論理和) をとって作成される ビットマスクである。
+.TP 
+\fBAT_EMPTY_PATH\fP (Linux 2.6.39 以降)
+.\" commit 65cfc6722361570bfe255698d9cd4dccaf47570d
+.\" Before glibc 2.16, defining _ATFILE_SOURCE sufficed
+\fIpathname\fP が空文字列の場合、 \fIdirfd\fP が参照するファイルに対して操作を行う (\fIdirfd\fP は \fBopen\fP(2)
+\fBO_PATH\fP フラグを使って取得することができる)。この場合、 \fIdirfd\fP
+は、ディレクトリだけでなく、任意のタイプのファイルを参照することができる。 \fIdirfd\fP が \fBAT_FDCWD\fP
+の場合、この呼び出しはカレントワーキングディレクトリに対して操作を行う。このフラグは Linux 固有であり、その定義を得るにあ
+\fB_GNU_SOURCE\fP を定義すること。
+
+.TP 
+\fBAT_SYMLINK_NOFOLLOW\fP
+\fIpathname\fP がシンボリックリンクの場合、リンクの展開を行わない。代わりに、\fBlchown\fP()
+同様、リンク自身に対して操作を行う。(デフォルトでは \fBfchownat\fP() は \fBchown\fP() と同様にシンボリックリンクの展開を行う。)
+.PP
+\fBfchownat\fP() の必要性についての説明については \fBopenat\fP(2) を参照。
 .SH 返り値
-成功すると、0 を返す。
-失敗すると、\-1 を返し、
-.I errno
-に適切な値を設定する。
+成功した場合は 0 が返される。エラーの場合は \-1 が返され、 \fIerrno\fP が適切に設定される。
 .SH エラー
-ファイルシステムによっては他のエラーが返される事がある。
-.B chmod
-で一般的なエラーを以下に挙げる。
-.TP
-.B EACCES
-.I path
-の構成要素に検索許可 (search permission) がない
-.RB ( path_resolution (7)
-も参照)。
-.TP
-.B EFAULT
-.I path
-が割り当てられたアドレス空間外を指している。
-.TP
-.B ELOOP
-.I path
-を解決する際に遭遇したシンボリック・リンクが多過ぎる。
-.TP
-.B ENAMETOOLONG
-.I path
-が長過ぎる。
-.TP
-.B ENOENT
+ファイルシステムによっては、下記の一覧にない他のエラーが返されることもある。
+
+\fBchown\fP()  でごく一般的なエラーを以下に挙げる:
+.TP 
+\fBEACCES\fP
+パス名の構成要素に検索許可がない (\fBpath_resolution\fP(7)  も見よ)。
+.TP 
+\fBEFAULT\fP
+\fIpathname\fP がアクセス可能なアドレス空間の外を指している。
+.TP 
+\fBELOOP\fP
+\fIpathname\fP を解決するときに、解決すべきシンボリックリンクが多すぎた。
+.TP 
+\fBENAMETOOLONG\fP
+\fIpathname\fP が長過ぎる。
+.TP 
+\fBENOENT\fP
 ファイルが存在しない。
-.TP
-.B ENOMEM
+.TP 
+\fBENOMEM\fP
 カーネルに十分なメモリがない。
-.TP
-.B ENOTDIR
-.I path
-の構成要素がディレクトリでない。
-.TP
-.B EPERM
-呼び出したプロセスに所有者またはグループ (もしくはその両方) を変更するために
-要求される許可 (上記を参照) がない。
-.TP
-.B EROFS
-指定したファイルが読み込み専用 (read-only) のファイル・システム上にある。
+.TP 
+\fBENOTDIR\fP
+パス名の構成要素がディレクトリではない。
+.TP 
+\fBEPERM\fP
+呼び出したプロセスに所有者またはグループ (もしくはその両方) を変更するために 要求される許可 (上記を参照) がない。
+.TP 
+\fBEROFS\fP
+ファイルが読み込み専用 (read only) のファイルシステム上にある。
 .PP
-.BR fchown ()
-で一般的なエラーを以下に挙げる:
-.TP
-.B EBADF
+\fBfchown\fP()  で一般的なエラーを以下に挙げる:
+.TP 
+\fBEBADF\fP
 ディスクリプターが有効でない。
-.TP
-.B EIO
+.TP 
+\fBEIO\fP
 i ノード (inode) を変更する際に低レベル I/O エラーが発生した。
-.TP
-.B ENOENT
+.TP 
+\fBENOENT\fP
 上記を参照。
-.TP
-.B EPERM
+.TP 
+\fBEPERM\fP
 上記を参照。
-.TP
-.B EROFS
+.TP 
+\fBEROFS\fP
 上記を参照。
+.PP
+\fBchown\fP() で発生するのと同じエラーが \fBfchownat\fP() でも起こる。 \fBfchownat\fP() では以下のエラーも発生する。
+.TP 
+\fBEBADF\fP
+\fIdirfd\fP が適切なファイルディスクリプタでない。
+.TP 
+\fBEINVAL\fP
+\fIflags\fP に無効なフラグが指定された。
+.TP 
+\fBENOTDIR\fP
+\fIpathname\fP が相対パスで、 \fIdirfd\fP がディレクトリ以外のファイルを参照しているファイルディスクリプタである。
+.SH バージョン
+\fBfchownat\fP()  はカーネル 2.6.16 で Linux に追加された。 ライブラリによるサポートはバージョン 2.4 以降の glibc
+で利用できる。
 .SH 準拠
-4.4BSD, SVr4, POSIX.1-2001.
+\fBchown\fP(), \fBfchown\fP(), \fBlchown\fP(): 4.4BSD, SVr4, POSIX.1\-2001,
+POSIX.1\-2008.
 
-4.4BSD 版ではスーパー・ユーザーのみが使用できる
-(つまり、普通のユーザーはファイルを手放すことはできない)。
 .\" chown():
-.\" SVr4 には EINVAL, EINTR, ENOLINK, EMULTIHOP を返すと記載されているが、
-.\" ENOMEM はない。
-.\" POSIX.1 には ENOMEM, ELOOP について記載はない。
+.\" SVr4 documents EINVAL, EINTR, ENOLINK and EMULTIHOP returns, but no
+.\" ENOMEM.  POSIX.1 does not document ENOMEM or ELOOP error conditions.
 .\" fchown():
-.\" SVr4 には他に EINVAL, EIO, EINTR, ENOLINK エラー状態についての記載がある。
+.\" SVr4 documents additional EINVAL, EIO, EINTR, and ENOLINK
+.\" error conditions.
+4.4BSD 版ではスーパーユーザーのみが使用できる (つまり、普通のユーザーはファイルを手放すことはできない)。
+
+\fBfchownat\fP(): POSIX.1\-2008.
 .SH 注意
-.RB ( open (2)
-や
-.BR mkdir (2)
-などにより) 新しいファイルが作成されるとき、
-その所有者は呼び出したプロセスのファイルシステム・ユーザ ID と
-同じに設定される。
-そのファイルのグループはいくつかの要因により決定される。
-その要因としては、
-ファイルシステムの種類、そのファイルシステムのマウント時に
-使用されたオプション、親ディレクトリで set-group-ID 許可ビットが
-有効になっているどうか、がある。
-ファイルシステムが
-.BR mount (8)
-オプションの
-.I "\-o\ grpid"
-.RI ( "\-o\ bsdgroups"
-も同義語) と
-.I "\-o\ nogrpid"
-.RI ( "\-o sysvgroups"
-も同義語) に対応している場合、ルールは以下の通りとなる。
+元々の Linux の \fBchown\fP(), \fBfchown\fP(), \fBlchown\fP() システムコールは、
+16 ビットのユーザ ID とグループ ID だけに対応していた。
+その後、 32 ビットの ID に対応した \fBchown32\fP(), \fBfchown32\fP(), \fBlchown32\fP()
+が Linux 2.4 で追加された。
+\fBchown\fP(), \fBfchown\fP(), and \fBlchown\fP() の glibc のラッパー関数は、
+カーネルのバージョンによる違いを吸収している。
+
+(\fBopen\fP(2)  や \fBmkdir\fP(2)  などにより) 新しいファイルが作成されるとき、
+その所有者は呼び出したプロセスのファイルシステムユーザ ID と 同じに設定される。 そのファイルのグループはいくつかの要因により決定される。
+その要因としては、 ファイルシステムの種類、そのファイルシステムのマウント時に 使用されたオプション、親ディレクトリで set\-group\-ID
+許可ビットが 有効になっているどうか、がある。 ファイルシステムが \fBmount\fP(8)  オプションの \fI\-o\ grpid\fP (\fI\-o\ bsdgroups\fP も同義語) と \fI\-o\ nogrpid\fP (\fI\-o sysvgroups\fP も同義語)
+に対応している場合、ルールは以下の通りとなる。
 .IP * 2
-ファイルシステムが
-.I "\-o\ grpid"
-付きでマウントされている場合、新しいファイルのグループは
-親ディレクトリのグループと同じになる。
+ファイルシステムが \fI\-o\ grpid\fP 付きでマウントされている場合、新しいファイルのグループは 親ディレクトリのグループと同じになる。
 .IP *
-ファイルシステムが
-.I "\-o\ nogrpid"
-付きでマウントされており、親ディレクトリでは set-group-ID ビットが
-無効になっている場合、新しいファイルのグループは
-プロセスのファイルシステム GID と同じになる。
+ファイルシステムが \fI\-o\ nogrpid\fP 付きでマウントされており、親ディレクトリでは set\-group\-ID ビットが
+無効になっている場合、新しいファイルのグループは プロセスのファイルシステム GID と同じになる。
 .IP *
-ファイルシステムが
-.I "\-o\ nogrpid"
-付きでマウントされており、親ディレクトリでは set-group-ID ビットが
-有効になっている場合、新しいファイルのグループは
-親ディレクトリのグループと同じになる。
+ファイルシステムが \fI\-o\ nogrpid\fP 付きでマウントされており、親ディレクトリでは set\-group\-ID ビットが
+有効になっている場合、新しいファイルのグループは 親ディレクトリのグループと同じになる。
 .PP
-Linux 2.6.25 では、マウントオプション
-.I "\-o\ grpid"
-と
-.I "\-o\ nogrpid"
-に対応しているファイルシステムは
-ext2, ext3, ext4, XFS である。
-これらのマウントオプションに対応していないファイルシステムでは、
-.I "\-o\ nogrpid"
+Linux 2.6.25 では、マウントオプション \fI\-o\ grpid\fP と \fI\-o\ nogrpid\fP に対応しているファイルシステムは
+ext2, ext3, ext4, XFS である。 これらのマウントオプションに対応していないファイルシステムでは、 \fI\-o\ nogrpid\fP
 に関するルールが適用される。
 .PP
-.BR chown ()
-方式は UID マッピングを使用した
-NFS ファイル・システムを侵害する。
-さらにファイルの内容にアクセスする全てのシステム・コールを侵害する。
-これは
-.BR chown ()
-が既にオープンされたファイルに対する
-アクセスをただちに取り消すことによる。
-クライアント側のキャッシュにより所有権が変更されて
-ユーザーのアクセスが許した時点と、実際に他のクライアントでユーザーによって
-ファイルにアクセスできる時点との間に時間差があるかもしれない。
+\fBchown\fP()  方式は UID マッピングを使用した NFS ファイルシステムを侵害する。
+さらにファイルの内容にアクセスする全てのシステムコールを侵害する。 これは \fBchown\fP()  が既にオープンされたファイルに対する
+アクセスをただちに取り消すことによる。 クライアント側のキャッシュにより所有権が変更されて
+ユーザーのアクセスが許した時点と、実際に他のクライアントでユーザーによって ファイルにアクセスできる時点との間に時間差があるかもしれない。
 
-Linux の 2.1.81 より前のバージョン (特に 2.1.46 以前) では、
-.BR chown ()
-はシンボリック・リンクを追跡しない。
-Linux 2.1.81 以降では
-.BR chown ()
-はシンボリック・リンクを追跡し、新たなシステム・コール
-.BR lchown ()
-はシンボリック・リンクを追跡しない。
-Linux 2.1.86 以降ではこの新しいコール (古い
-.BR chown ()
-と全く同じ動作を行なう) は同じシステムコール番号を持ち
-.BR chown ()
-は新しく導入された番号を持つ。
+Linux の 2.1.81 より前のバージョン (特に 2.1.46 以前) では、 \fBchown\fP()  はシンボリックリンクを追跡しない。
+Linux 2.1.81 以降では \fBchown\fP()  はシンボリックリンクを追跡し、新たなシステムコール \fBlchown\fP()
+はシンボリックリンクを追跡しない。 Linux 2.1.86 以降ではこの新しいコール (古い \fBchown\fP()  と全く同じ動作を行なう)
+は同じシステムコール番号を持ち \fBchown\fP()  は新しく導入された番号を持つ。
 .SH 例
 .PP
-以下のプログラムは、
-二つ目のコマンドライン引き数で指定された名前のファイルの所有者を、
-一つ目のコマンドライン引き数で指定された値に変更する。
-新しい所有者は、数字のユーザ ID かユーザ名のいずれかで指定できる
-(ユーザ名で指定した場合には、
-.BR getpwnam (3)
-を使ってシステムのパスワードファイルの検索が行われ、
-ユーザ ID への変換が行われる)。
+以下のプログラムは、 二つ目のコマンドライン引き数で指定された名前のファイルの所有者を、 一つ目のコマンドライン引き数で指定された値に変更する。
+新しい所有者は、数字のユーザ ID かユーザ名のいずれかで指定できる (ユーザ名で指定した場合には、 \fBgetpwnam\fP(3)
+を使ってシステムのパスワードファイルの検索が行われ、 ユーザ ID への変換が行われる)。
+.SS プログラムのソース
 .nf
-
 #include <pwd.h>
 #include <stdio.h>
 #include <stdlib.h>
@@ -305,14 +283,14 @@ main(int argc, char *argv[])
     struct passwd *pwd;
     char *endptr;
 
-    if (argc != 3 || argv[1][0] == \(aq\\0\(aq) {
-        fprintf(stderr, "%s <owner> <file>\\n", argv[0]);
+    if (argc != 3 || argv[1][0] == \(aq\e0\(aq) {
+        fprintf(stderr, "%s <owner> <file>\en", argv[0]);
         exit(EXIT_FAILURE);
     }
 
     uid = strtol(argv[1], &endptr, 10);  /* Allow a numeric string */
 
-    if (*endptr != \(aq\\0\(aq) {         /* Was not pure numeric string */
+    if (*endptr != \(aq\e0\(aq) {         /* Was not pure numeric string */
         pwd = getpwnam(argv[1]);   /* Try getting UID for username */
         if (pwd == NULL) {
             perror("getpwnam");
@@ -331,8 +309,8 @@ main(int argc, char *argv[])
 }
 .fi
 .SH 関連項目
-.BR chmod (2),
-.BR fchownat (2),
-.BR flock (2),
-.BR path_resolution (7),
-.BR symlink (7)
+\fBchmod\fP(2), \fBflock\fP(2), \fBpath_resolution\fP(7), \fBsymlink\fP(7)
+.SH この文書について
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.64 の一部
+である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
+http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。