-.\" Hey Emacs! This file is -*- nroff -*- source.
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.\" Modified 1993-07-21, Rik Faith <faith@cs.unc.edu>
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-.\" Japanese Version Copyright (c) 1996 Takeshi Ueno
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-.\" Translated 1996-07-03, Takeshi Ueno <tueno@vio.co.jp>
-.\" Modified 1997-12-14, HANATAKA Shinya <hanataka@abyss.rim.or.jp>
-.\" Modified 2003-01-16, Akihiro Motoki <amotoki@dd.iij4u.or.jp>
-.\" Updated & Modified 2004-05-19, Yuichi SATO <ysato444@yahoo.co.jp>
-.\" Updated & Modified 2005-09-07, Akihiro MOTOKI
-.\" Updated 2008-02-10, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v2.77
-.\" Updated 2008-11-09, Akihiro MOTOKI, LDP v3.13
+.\"*******************************************************************
+.\"
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.\"
-.TH DUP 2 2010-09-10 "Linux" "Linux Programmer's Manual"
+.\"*******************************************************************
+.TH DUP 2 2012\-02\-14 Linux "Linux Programmer's Manual"
.SH 名前
dup, dup2, dup3 \- ファイル・ディスクリプタを複製する
.SH 書式
.nf
-.B #include <unistd.h>
+\fB#include <unistd.h>\fP
.sp
-.BI "int dup(int " oldfd );
-.BI "int dup2(int " oldfd ", int " newfd );
+\fBint dup(int \fP\fIoldfd\fP\fB);\fP
+\fBint dup2(int \fP\fIoldfd\fP\fB, int \fP\fInewfd\fP\fB);\fP
.sp
-.BR "#define _GNU_SOURCE" " /* feature_test_macros(7) 参照 */"
-.B #include <unistd.h>
+\fB#define _GNU_SOURCE\fP /* feature_test_macros(7) 参照 */
+\fB#include <fcntl.h>\fP /* 定数 O_* の定義の取得 */
+\fB#include <unistd.h>\fP
.sp
-.BI "int dup3(int " oldfd ", int " newfd ", int " flags );
+\fBint dup3(int \fP\fIoldfd\fP\fB, int \fP\fInewfd\fP\fB, int \fP\fIflags\fP\fB);\fP
.fi
.SH 説明
-これらのシステムコールは、ファイル・ディスクリプタ
-.I oldfd
-の複製を作る。
+これらのシステムコールは、ファイル・ディスクリプタ \fIoldfd\fP の複製を作る。
-.BR dup ()
-は最も小さい番号の未使用のディスクリプタを
-新しいディスクリプタとして使用する。
+\fBdup\fP() は最も小さい番号の未使用のディスクリプタを 新しいディスクリプタとして使用する。
-.BR dup2 ()
-は
-.I newfd
-を
-.I oldfd
-の複製として作成する。
-必要であれば最初に
-.I newfd
-をクローズする。
+\fBdup2\fP() は \fInewfd\fP を \fIoldfd\fP の複製として作成する。 必要であれば最初に \fInewfd\fP をクローズする。
以下の点に注意すること。
.IP * 3
-.I oldfd
-が有効なファイルディスクリプタでない場合、その呼び出しは失敗し、
-.I newfd
-はクローズされない。
+\fIoldfd\fP が有効なファイルディスクリプタでない場合、その呼び出しは失敗し、 \fInewfd\fP はクローズされない。
.IP *
-.I oldfd
-が有効なファイルディスクリプタで、
-.I newfd
-が
-.I oldfd
-と同じ値の場合、
-.BR dup2 ()
-は何もせず、
-.I newfd
-を返す。
+\fIoldfd\fP が有効なファイルディスクリプタで、 \fInewfd\fP が \fIoldfd\fP と同じ値の場合、 \fBdup2\fP() は何もせず、
+\fInewfd\fP を返す。
.PP
-これらのシステムコールのいずれかが成功を返した場合には、
-古いファイル・ディスクリプタと新しいファイル・ディスクリプタは
-互いに可換なものとして使うことができる。
-2つのファイル・ディスクリプタは同じファイル記述 (description)
-.RB ( open (2)
-参照) を参照しており、したがってファイルオフセットやファイル状態フラグが
-共有される。例えば、一方のディスクリプタに対して
-.BR lseek (2)
-を使ってファイルオフセットを変更した場合、もう一方のディスクリプタの
-オフセットも変化する。
+これらのシステムコールのいずれかが成功を返した場合には、 古いファイル・ディスクリプタと新しいファイル・ディスクリプタは
+互いに可換なものとして使うことができる。 2つのファイル・ディスクリプタは同じファイル記述 (description) (\fBopen\fP(2)
+参照) を参照しており、したがってファイルオフセットやファイル状態フラグが 共有される。例えば、一方のディスクリプタに対して \fBlseek\fP(2)
+を使ってファイルオフセットを変更した場合、もう一方のディスクリプタの オフセットも変化する。
-2つのディスクリプタはファイル・ディスクリプタ・フラグ (close-on-exec flag)
-を共有しない。複製されたディスクリプタの
-close-on-exec flag
-.RB ( fcntl (2)
-参照) は off となる。
+2つのディスクリプタはファイル・ディスクリプタ・フラグ (close\-on\-exec flag) を共有しない。複製されたディスクリプタの
+close\-on\-exec flag (\fBfcntl\fP(2) 参照) は off となる。
-.BR dup3 ()
-は
-.BR dup2 ()
-と同じだが、以下の点が異なる。
+\fBdup3\fP() は \fBdup2\fP() と同じだが、以下の点が異なる。
.IP * 3
-呼び出し元が、新しいファイル・ディスクリプタに対して
-close-on-exec フラグを強制的に設定することができる。
-これを行うには、
-.I flags
-に
-.B O_CLOEXEC
-を指定する。
-このフラグが役に立つ理由については、
-.BR open (2)
-の
-.B O_CLOEXEC
+呼び出し元が、新しいファイル・ディスクリプタに対して close\-on\-exec フラグを強制的に設定することができる。 これを行うには、
+\fIflags\fP に \fBO_CLOEXEC\fP を指定する。 このフラグが役に立つ理由については、 \fBopen\fP(2) の \fBO_CLOEXEC\fP
フラグの説明を参照のこと。
.IP *
.\" FIXME . To confirm with Al Viro that this was intended, and its rationale
-.I oldfd
-が
-.I newfd
-と同じ場合、
-.BR dup3 ()
-は
-.B EINVAL
-エラーで失敗する。
+\fIoldfd\fP が \fInewfd\fP と同じ場合、 \fBdup3\fP() は \fBEINVAL\fP エラーで失敗する。
.SH 返り値
-成功すると、これらのシステムコールは新しいディスクリプタを返す。
-エラーの場合、\-1 を返し、
-.I errno
-を適切に設定する。
+成功すると、これらのシステムコールは新しいディスクリプタを返す。 エラーの場合、\-1 を返し、 \fIerrno\fP を適切に設定する。
.SH エラー
-.TP
-.B EBADF
-.I oldfd
-がオープンされたファイル・ディスクリプタでないか、
-.I newfd
-がファイル・ディスクリプタとして許される範囲から外れている。
-.TP
-.B EBUSY
-(Linux のみ)
-.BR open (2)
-や
-.BR dup ()
-との競合状態の場合に、
-.BR dup2 ()
-や
-.BR dup3 ()
+.TP
+\fBEBADF\fP
+\fIoldfd\fP がオープンされたファイル・ディスクリプタでないか、 \fInewfd\fP がファイル・ディスクリプタとして許される範囲から外れている。
+.TP
+\fBEBUSY\fP
+(Linux のみ) \fBopen\fP(2) や \fBdup\fP() との競合状態の場合に、 \fBdup2\fP() や \fBdup3\fP()
はこのエラーを返すかもしれない。
-.TP
-.B EINTR
-.BR dup2 ()
-や
-.BR dup3 ()
-の呼び出しがシグナルにより割り込まれた。
-.BR signal (7)
-参照。
-.TP
-.B EINVAL
-.RB ( dup3 ())
-.I flags
-に無効な値が入っている。
+.TP
+\fBEINTR\fP
+\fBdup2\fP() や \fBdup3\fP() の呼び出しがシグナルにより割り込まれた。 \fBsignal\fP(7) 参照。
+.TP
+\fBEINVAL\fP
.\" FIXME . To confirm with Al Viro that this was intended, and its rationale
-もしくは、
-.I oldfd
-が
-.I newfd
-と同じであった。
-.TP
-.B EMFILE
-プロセスがすでにオープンできる最大数までファイル・ディスクリプタ
-を開いていて、さらに新しいものを開こうとした。
+(\fBdup3\fP()) \fIflags\fP に無効な値が入っている。 もしくは、 \fIoldfd\fP が \fInewfd\fP と同じであった。
+.TP
+\fBEMFILE\fP
+プロセスがすでにオープンできる最大数までファイル・ディスクリプタ を開いていて、さらに新しいものを開こうとした。
.SH バージョン
-.BR dup3 ()
-はバージョン 2.6.27 で Linux に追加された。
-glibc によるサポートはバージョン 2.9 以降で利用できる。
+\fBdup3\fP() はバージョン 2.6.27 で Linux に追加された。 glibc によるサポートはバージョン 2.9 以降で利用できる。
.SH 準拠
-.BR dup (),
-.BR dup2 ():
-SVr4, 4.3BSD, POSIX.1-2001.
+\fBdup\fP(), \fBdup2\fP(): SVr4, 4.3BSD, POSIX.1\-2001.
-.BR dup3 ()
-は Linux 固有である。
-.\" SVr4 には他に EINTR, ENOLINK エラー状態の記述がある。
-.\" POSIX.1 には他に EINTR がある。
-.\" EBUSY が返されるのは Linux 独自のものである。
+.\" SVr4 documents additional
+.\" EINTR and ENOLINK error conditions. POSIX.1 adds EINTR.
+.\" The EBUSY return is Linux-specific.
+\fBdup3\fP() は Linux 固有である。
.SH 注意
-.I newfd
-が範囲を超えた時に返されるエラーは、
-.BR dup2 ()
-と
-.BR fcntl( "..., " F_DUPFD ", ..." )
-では異っている。
-.BR dup2 ()
-が
-.B F_DUPFD
-と同じように
-.B EINVAL
-を返すシステムもある。
+\fInewfd\fP が範囲を超えた時に返されるエラーは、 \fBdup2\fP() と \fBfcntl(\fP..., \fBF_DUPFD\fP, ...\fB)\fP
+では異っている。 \fBdup2\fP() が \fBF_DUPFD\fP と同じように \fBEINVAL\fP を返すシステムもある。
-.I newfd
-がオープンされていると、
-.BR close (2)
-した時に報告されるはずのエラーが失われてしまう。
-.BR dup2 ()
-や
-.BR dup3 ()
-を使う前に先ず
-.I newfd
-をクローズするようにした方がいいだろう。
+\fInewfd\fP がオープンされていると、 \fBclose\fP(2) した時に報告されるはずのエラーが失われてしまう。 \fBdup2\fP() や
+\fBdup3\fP() を使う前に先ず \fInewfd\fP をクローズするようにした方がいいだろう。
.SH 関連項目
-.BR close (2),
-.BR fcntl (2),
-.BR open (2)
+\fBclose\fP(2), \fBfcntl\fP(2), \fBopen\fP(2)
+.SH この文書について
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.53 の一部
+である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
+http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。