OSDN Git Service

(split) LDP: Update releases based on LDP 3.52 release
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man2 / rename.2
index 9378dcb..69d1d9a 100644 (file)
@@ -1,9 +1,8 @@
-.\" Hey Emacs! This file is -*- nroff -*- source.
-.\"
 .\" This manpage is Copyright (C) 1992 Drew Eckhardt;
-.\"                               1993 Michael Haardt;
-.\"                          1993,1995 Ian Jackson.
+.\"             and Copyright (C) 1993 Michael Haardt;
+.\"             and Copyright (C) 1993,1995 Ian Jackson.
 .\"
+.\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
 .\" preserved on all copies.
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+.\" %%%LICENSE_END
 .\"
 .\" Modified Sat Jul 24 00:35:52 1993 by Rik Faith <faith@cs.unc.edu>
 .\" Modified Thu Jun  4 12:21:13 1998 by Andries Brouwer <aeb@cwi.nl>
 .\" Modified Thu Mar  3 09:49:35 2005 by Michael Haardt <michael@moria.de>
 .\" 2007-03-25, mtk, added various text to DESCRIPTION.
 .\"
-.\" Japanese Version Copyright (c) 1997 HANATAKA Shinya
-.\"         all rights reserved.
-.\" Translated Fri Dec 12 00:15:52 JST 1997
-.\"         by HANATAKA Shinya <hanataka@abyss.rim.or.jp>
-.\" Updated & Modified Thu Feb 10 07:23:59 JST 2005
-.\"         by Yuichi SATO <ysato444@yahoo.co.jp>
-.\" Updated & Modified Fri Apr 22 03:21:04 JST 2005 by Yuichi SATO
-.\" Updated 2007-05-04, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v2.44
-.\" Updated 2009-04-24, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v3.20
+.\"*******************************************************************
 .\"
-.\"WORD:       directory               ディレクトリ
-.\"WORD:       hard link               ハード・リンク
-.\"WORD:       overwrite               上書き(overwrite)
-.\"WORD:       process                 プロセス
-.\"WORD:       crash                   クラッシュ
-.\"WORD:       symbolic link           シンボリック・リンク
-.\"WORD:       working directory       ワーキング・ディレクトリ
-.\"WORD:       root directory          ルート・ディレクトリ
-.\"WORD:       effective uid           実効ユーザーID
-.\"WORD:       sticky bit              スティッキー・ビット
-.\"WORD:       memory                  メモリ
-.\"WORD:       read-only               読み込み専用
-.\"WORD:       uid                     ユーザーID
-.\"WORD:       dangling symbolic link  壊れたシンボリック・リンク
-.\"WORD:       server                  サーバー
+.\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
 .\"
-.TH RENAME 2 2009-03-30 "Linux" "Linux Programmer's Manual"
+.\"*******************************************************************
+.TH RENAME 2 2013\-01\-27 Linux "Linux Programmer's Manual"
 .SH 名前
 rename \- ファイルの名前や位置を変更する
 .SH 書式
-.B #include <stdio.h>
+\fB#include <stdio.h>\fP
 .sp
-.BI "int rename(const char *" oldpath ", const char *" newpath );
+\fBint rename(const char *\fP\fIoldpath\fP\fB, const char *\fP\fInewpath\fP\fB);\fP
 .SH 説明
-.BR rename ()
-はファイルの名前を変更し、必要ならばディレクトリ間の移動を行なう。
-そのファイルに対する
-.RB ( link (2)
-を使用して作られた) 他のハードリンク (hard link) には影響はない。
-オープン済の
-.I oldpath
+\fBrename\fP()  はファイルの名前を変更し、必要ならばディレクトリ間の移動を行なう。 そのファイルに対する (\fBlink\fP(2)
+を使用して作られた) 他のハードリンク (hard link) には影響はない。 オープン済の \fIoldpath\fP
 に対するファイルディスクリプタにも影響はない。
 
-.I newpath
-が既に存在する場合、それは不可分操作で (atomically) 置き換えられる
-(ただし、いくつかの条件がある; 以下の「エラー」のセクションを参照)。
-そのため、
-.I newpath
-にアクセスしようとしている他のプロセスがファイルを見失うことはない
-(訳註: 常にアクセス可能である)。
+\fInewpath\fP が既に存在する場合、それは不可分操作で (atomically) 置き換えられる (ただし、いくつかの条件がある;
+以下の「エラー」のセクションを参照)。 そのため、 \fInewpath\fP にアクセスしようとしている他のプロセスがファイルを見失うことはない (訳註:
+常にアクセス可能である)。
 
-.I oldpath
-と
-.I newpath
-がどちらも既存のハードリンクで、同じファイルを参照している場合、
-.BR rename ()
+\fIoldpath\fP と \fInewpath\fP がどちらも既存のハードリンクで、同じファイルを参照している場合、 \fBrename\fP()
 は何も行わず、ステータスとして成功を返す。
 
-.I newpath
-が存在し、何らかの理由で操作が失敗した場合、
-.BR rename ()
-は
-.I newpath
+\fInewpath\fP が存在し、何らかの理由で操作が失敗した場合、 \fBrename\fP()  は \fInewpath\fP
 の実体を元のまま残すことを保証する。
 
-.I oldpath
-にはディレクトリを指定することもできる。
-この場合、
-.I newpath
-は存在しないか、空のディレクトリでなければならない。
+\fIoldpath\fP にはディレクトリを指定することもできる。 この場合、 \fInewpath\fP は存在しないか、空のディレクトリでなければならない。
 
-一方で、上書きを行なう場合は、rename が行なわれるファイルを
-.I oldpath
-と
-.I newpath
+一方で、上書きを行なう場合は、rename が行なわれるファイルを \fIoldpath\fP と \fInewpath\fP
 の両方で参照できる瞬間がおそらく存在する。
 
-.I oldpath
-がシンボリック・リンク (symbolic link) を参照している場合は、
-リンクの名前が変更される。
-また、
-.I newpath
-がシンボリック・リンクを参照している場合は、リンクが上書きされる。
+\fIoldpath\fP がシンボリックリンク (symbolic link) を参照している場合は、 リンクの名前が変更される。 また、
+\fInewpath\fP がシンボリックリンクを参照している場合は、リンクが上書きされる。
 .SH 返り値
-成功した場合は 0 を返す。エラーの場合は \-1 を返し、
-.I errno
-を適切に設定する。
+成功した場合は 0 が返される。エラーの場合は \-1 が返され、 \fIerrno\fP が適切に設定される。
 .SH エラー
-.TP
-.B EACCES
-.IR oldpath " または " newpath
-を含んでいるディレクトリの書き込み許可がない。
-または、
-.IR oldpath " または " newpath
-のディレクトリ部分のどれかに検索許可がない。
-または、
-.I oldpath
-がディレクトリで
-.RI ( ..
-エントリを更新するのに必要な) 書き込み許可がない
-.RB ( path_resolution (7)
-も参照)。
-.TP
-.B EBUSY
-.IR oldpath " または " newpath
-がディレクトリで、何らかのプロセスが使用中
-(多分、カレント・ワーキング・ディレクトリか、ルートディレクトリか、
-読み込みのためにオープンされているかでろう)
-もしくは、システムが使用中 (例えばマウント・ポイントである)
-であり、システムがこれをエラーであると判断したために rename が失敗した。
-(このような場合に
-.B EBUSY
-を返すことは規格では要求されていない点に注意すること。
-このような場合に、rename をとにかく実行してみるのは何の問題もない。
-ただし、そのような状況で、システムが他に返すエラーがない場合には
-.B EBUSY
-を返すことが許されている。)
-.TP
-.B EFAULT
-.IR oldpath " または " newpath
-がアクセス可能なアドレス空間の外を指している。
-.TP
-.B EINVAL
-.IR newpath " が " oldpath
-のパス部分を含んでいる。ディレクトリを自分自身のサブディレクトリに
+.TP 
+\fBEACCES\fP
+\fIoldpath\fP または \fInewpath\fP を含んでいるディレクトリの書き込み許可がない。 または、 \fIoldpath\fP または
+\fInewpath\fP のディレクトリ部分のどれかに検索許可がない。 または、 \fIoldpath\fP がディレクトリで (\fI..\fP
+エントリを更新するのに必要な) 書き込み許可がない (\fBpath_resolution\fP(7)  も参照)。
+.TP 
+\fBEBUSY\fP
+\fIoldpath\fP または \fInewpath\fP がディレクトリで、何らかのプロセスが使用中
+(多分、カレントワーキングディレクトリか、ルートディレクトリか、 読み込みのためにオープンされているかでろう)  もしくは、システムが使用中
+(例えばマウントポイントである)  であり、システムがこれをエラーであると判断したために rename が失敗した。 (このような場合に
+\fBEBUSY\fP を返すことは規格では要求されていない点に注意すること。 このような場合に、rename をとにかく実行してみるのは何の問題もない。
+ただし、そのような状況で、システムが他に返すエラーがない場合には \fBEBUSY\fP を返すことが許されている。)
+.TP 
+\fBEDQUOT\fP
+ディスクブロックか inode がそのファイルシステムのユーザクォータに達していた。
+.TP 
+\fBEFAULT\fP
+\fIoldpath\fP や \fInewpath\fP がアクセス可能なアドレス空間の外を指している。
+.TP 
+\fBEINVAL\fP
+\fInewpath\fP が \fIoldpath\fP のパス部分を含んでいる。ディレクトリを自分自身のサブディレクトリに
 変更しようとした場合がほとんどである。
-.TP
-.B EISDIR
-.I newpath
-は存在しているディレクトリであるが、
-.I oldpath
-はディレクトリでない。
-.TP
-.B ELOOP
-.IR oldpath " または " newpath
-を解決する際に遭遇したシンボリック・リンクが多過ぎる。
-.TP
-.B EMLINK
-.I oldpath
-は既に最大数までのリンクを持っているか、それがディレクトリで
-.I newpath
+.TP 
+\fBEISDIR\fP
+\fInewpath\fP は存在しているディレクトリであるが、 \fIoldpath\fP はディレクトリでない。
+.TP 
+\fBELOOP\fP
+\fIoldpath\fP または \fInewpath\fP を解決する際に遭遇したシンボリックリンクが多過ぎる。
+.TP 
+\fBEMLINK\fP
+\fIoldpath\fP は既に最大数までのリンクを持っているか、それがディレクトリで \fInewpath\fP
 を含んでいるディレクトリが最大数までのリンクを持っている。
-.TP
-.B ENAMETOOLONG
-.IR oldpath " または " newpath " が長過ぎる。"
-.TP
-.B ENOENT
-.I oldpath
-という名前のリンクが存在しない。
-または、
-.I newpath
-というディレクトリが存在しない。
-または、
-.I oldpath
-か
-.I newpath
-が空の文字列である。
-.TP
-.B ENOMEM
-カーネルに十分なメモリが存在しない。
-.TP
-.B ENOSPC
-ファイルを含んでいるデバイスに新しいディレクトリ・エントリを
-作成するための空きがない。
-.TP
-.B ENOTDIR
-.IR oldpath " か " newpath
-に含まれているディレクトリ部分が
-実際にはディレクトリでない。
-または
-.I oldpath
-がディレクトリで、
-.I newpath
-が存在してディレクトリでない。
-.TP
-.B ENOTEMPTY " または " EEXIST
-.I newpath
-が空でないディレクトリである。すなわち "." と ".." 以外を含んでいる。
-.TP
-.BR EPERM " または " EACCES
-.I oldpath
-のあるディレクトリにスティッキー・ビット (sticky bit)
-.RB ( S_ISVTX )
-が設定されており、
-プロセスの実効ユーザー ID が
-削除しようとするファイルのユーザー ID と
-そのファイルを含むディレクトリのユーザー ID のいずれとも一致せず、かつ
-プロセスに特権がない (Linux では
-.B CAP_FOWNER
-ケーパビリティ (capability) がない)。
-または、
-.I newpath
-がすでに存在するファイルで、親ディレクトリにスティッキービットが設定されており、
-プロセスの実効ユーザー ID が
-置き換えようとするファイルのユーザー ID と
-そのファイルを含むディレクトリのユーザー ID のいずれとも一致せず、かつ
-プロセスに特権がない (Linux では
-.B CAP_FOWNER
-ケーパビリティがない)。
-または
-.IR oldpath " と " newpath
-が存在するファイル・システムが、要求された種類の名前の変更を
-サポートしていない。
-.TP
-.B EROFS
-ファイルが読み込み専用 (read-only) ファイル・システムにある。
-.TP
-.B EXDEV
-.IR oldpath " と " newpath
-が同じマウントされたファイル・システムに存在しない。
-(Linux は 1 つのファイル・システムを複数のマウント位置に
-マウントすることを許可している。
-しかし
-.BR rename ()
-は、たとえ同じファイル・システムであっても、
-別々のマウント位置を跨いでは動作しない。)
+.TP 
+\fBENAMETOOLONG\fP
+\fIoldpath\fP または \fInewpath\fP が長過ぎる。
+.TP 
+\fBENOENT\fP
+\fIoldpath\fP という名前のリンクが存在しない。 または、 \fInewpath\fP というディレクトリが存在しない。 または、 \fIoldpath\fP
+か \fInewpath\fP が空の文字列である。
+.TP 
+\fBENOMEM\fP
+十分なカーネルメモリーがない。
+.TP 
+\fBENOSPC\fP
+そのファイルを含んでいるデバイスに新しいディレクトリエントリを 作成するための空きがない。
+.TP 
+\fBENOTDIR\fP
+\fIoldpath\fP か \fInewpath\fP に含まれているディレクトリ部分が 実際にはディレクトリでない。 または \fIoldpath\fP
+がディレクトリで、 \fInewpath\fP が存在してディレクトリでない。
+.TP 
+\fBENOTEMPTY  または  EEXIST\fP
+\fInewpath\fP が空でないディレクトリである。すなわち "." と ".." 以外を含んでいる。
+.TP 
+\fBEPERM\fP または \fBEACCES\fP
+\fIoldpath\fP のあるディレクトリにスティッキービット (sticky bit)  (\fBS_ISVTX\fP)  が設定されており、
+プロセスの実効ユーザー ID が 削除しようとするファイルのユーザー ID と そのファイルを含むディレクトリのユーザー ID
+のいずれとも一致せず、かつ プロセスに特権がない (Linux では \fBCAP_FOWNER\fP ケーパビリティ (capability) がない)。
+または、 \fInewpath\fP がすでに存在するファイルで、親ディレクトリにスティッキービットが設定されており、 プロセスの実効ユーザー ID が
+置き換えようとするファイルのユーザー ID と そのファイルを含むディレクトリのユーザー ID のいずれとも一致せず、かつ プロセスに特権がない
+(Linux では \fBCAP_FOWNER\fP ケーパビリティがない)。 または \fIoldpath\fP と \fInewpath\fP
+が存在するファイルシステムが、要求された種類の名前の変更を サポートしていない。
+.TP 
+\fBEROFS\fP
+ファイルが読み込み専用のファイルシステムに存在する。
+.TP 
+\fBEXDEV\fP
+\fIoldpath\fP と \fInewpath\fP が同じマウントされたファイルシステムに存在しない。 (Linux は 1
+つのファイルシステムを複数のマウント位置に マウントすることを許可している。 しかし \fBrename\fP()
+は、たとえ同じファイルシステムであっても、 別々のマウント位置を跨いでは動作しない。)
 .SH 準拠
-4.3BSD, C89, C99, POSIX.1-2001.
+4.3BSD, C89, C99, POSIX.1\-2001.
 .SH バグ
-NFS ファイル・システムでは、操作が失敗したからといって、
-ファイルの名前が変更できなかったと決めてかかることはできない。
-サーバが rename 操作を終えてからクラッシュした場合、
-サーバが再び立ち上がったときに、
-再送信された RPC が処理されるが、これは失敗となる。
-アプリケーションはこの問題を正しく取り扱うことが期待されている。
-同様の問題について
-.BR link (2)
-にも書かれている。
+NFS ファイルシステムでは、操作が失敗したからといって、 ファイルの名前が変更できなかったと決めてかかることはできない。 サーバが rename
+操作を終えてからクラッシュした場合、 サーバが再び立ち上がったときに、 再送信された RPC が処理されるが、これは失敗となる。
+アプリケーションはこの問題を正しく取り扱うことが期待されている。 同様の問題について \fBlink\fP(2)  にも書かれている。
 .SH 関連項目
-.BR mv (1),
-.BR chmod (2),
-.BR link (2),
-.BR renameat (2),
-.BR symlink (2),
-.BR unlink (2),
-.BR path_resolution (7),
-.BR symlink (7)
+\fBmv\fP(1), \fBchmod\fP(2), \fBlink\fP(2), \fBrenameat\fP(2), \fBsymlink\fP(2),
+\fBunlink\fP(2), \fBpath_resolution\fP(7), \fBsymlink\fP(7)
+.SH この文書について
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.52 の一部
+である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
+http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。