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[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man2 / setfsuid.2
index d710e8a..a3016e5 100644 (file)
@@ -1,5 +1,6 @@
 .\" Copyright (C) 1995, Thomas K. Dyas <tdyas@eden.rutgers.edu>
 .\"
+.\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
 .\" preserved on all copies.
@@ -19,6 +20,7 @@
 .\"
 .\" Formatted or processed versions of this manual, if unaccompanied by
 .\" the source, must acknowledge the copyright and authors of this work.
+.\" %%%LICENSE_END
 .\"
 .\" Created   1995-08-06 Thomas K. Dyas <tdyas@eden.rutgers.edu>
 .\" Modified  2000-07-01 aeb
 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
 .\"
 .\"*******************************************************************
-.TH SETFSUID 2 2010\-11\-22 Linux "Linux Programmer's Manual"
+.\"
+.\" Japanese Version Copyright (c) 1997 HANATAKA Shinya
+.\"         all rights reserved.
+.\" Translated Sat Mar  1 00:55:10 JST 1997
+.\"         by HANATAKA Shinya <hanataka@abyss.rim.or.jp>
+.\" Modified Mon Sep 23 21:15:17 JST 2000
+.\"         by HANATAKA Shinya <hanataka@abyss.rim.or.jp>
+.\" Modified 2002-09-24 by Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>
+.\" Modified 2005-02-24, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>
+.\" Updated 2012-04-30, Akihiro MOTOKI <amotoki@gmail.com>
+.\"
+.TH SETFSUID 2 2013\-08\-08 Linux "Linux Programmer's Manual"
 .SH 名前
 setfsuid \- ファイルシステムのチェックに用いられるユーザ ID を設定する
 .SH 書式
-\fB#include <unistd.h>\fP /* glibc では <sys/fsuid.h> */
+\fB#include <sys/fsuid.h>\fP
 .sp
 \fBint setfsuid(uid_t \fP\fIfsuid\fP\fB);\fP
 .SH 説明
-\fBsetfsuid\fP()  は Linux カーネルがファイルシステムに対する 全てのアクセスのチェックに使用するユーザID を設定する。通常は
-\fIfsuid\fP の値は実効 (effective) ユーザID と同じになる。実際、 実効ユーザID が変更される度に \fIfsuid\fP
\82\82ã\81¾ã\81\9fæ\96°ã\81\97ã\81\84å®\9få\8a¹ã\83¦ã\83¼ã\82ID の値に変更される。
+\fBsetfsuid\fP()  は、 呼び出し元のファイルシステムユーザー ID \(em ファイルシステムへの全てのアクセスのチェックにおいて
+Linux カーネルが使用するユーザ ID \(em の値を変更する。通常はファイルシステムユーザー ID の値は実効 (effective)
\83¦ã\83¼ã\82¶ID ã\81¨å\90\8cã\81\98ã\81«ã\81ªã\82\8bã\80\82å®\9fé\9a\9bã\80\81 å®\9få\8a¹ã\83¦ã\83¼ã\82¶ID ã\81\8cå¤\89æ\9b´ã\81\95ã\82\8cã\82\8b度ã\81«ã\83\95ã\82¡ã\82¤ã\83«ã\82·ã\82¹ã\83\86ã\83 ã\83¦ã\83¼ã\82¶ã\83¼ ID ã\82\82ã\81¾ã\81\9fæ\96°ã\81\97ã\81\84å®\9få\8a¹ã\83¦ã\83¼ã\82¶ ID の値に変更される。
 
-通常、 \fBsetfsuid\fP()  や \fBsetfsgid\fP()  が明示的に呼び出されるのは、Linux NFS サーバー のように、
+通常、 \fBsetfsuid\fP()  や \fBsetfsgid\fP() を明示的に呼び出すのは、Linux NFS サーバー のように、
 ファイルアクセスに用いるユーザID / グループID を変更しなければならないが、 対応する実(real)/実効(effective) ユーザID /
 グループID は変更したくないような プログラムに限られる。 NFS サーバーのようなプログラムで、通常のユーザID を変更すると、
 プロセスを望まないシグナルにさらす可能性があり、 セキュリティホールになる。(下記参照)
 
-\fBsetfsuid\fP()  ã\81¯ã\80\81ã\82¹ã\83¼ã\83\91ã\83¼ã\83¦ã\83¼ã\82¶ã\81«ã\82\88ã\81£ã\81¦å\91¼ã\81³å\87ºã\81\95ã\82\8cã\81\9få ´å\90\88ã\81\8bã\80\81 \fIfsuid\fP ã\81\8cå®\9fã\83¦ã\83¼ã\82¶IDã\80\81å®\9få\8a¹ã\83¦ã\83¼ã\82¶IDã\80\81 ä¿\9då­\98ã\82»ã\83\83ã\83\88ã\83¦ã\83¼ã\82¶ID
-(saved set\-user\-ID)、現在の \fIfsuid\fP の値のいずれかに一致する場合にのみ成功する。
+\fBsetfsuid\fP()  ã\81¯ã\80\81ã\82¹ã\83¼ã\83\91ã\83¼ã\83¦ã\83¼ã\82¶ã\81«ã\82\88ã\81£ã\81¦å\91¼ã\81³å\87ºã\81\95ã\82\8cã\81\9få ´å\90\88ã\81\8bã\80\81 \fIfsuid\fP ã\81\8cå\91¼ã\81³å\87ºã\81\97å\85\83ã\81®å®\9fã\83¦ã\83¼ã\82¶IDã\80\81å®\9få\8a¹ã\83¦ã\83¼ã\82¶IDã\80\81
+保存セットユーザID (saved set\-user\-ID)、現在のファイルシステムグループ ID の値のいずれかに一致する場合にのみ成功する。
 .SH 返り値
-成功した場合、 \fIfsuid\fP の以前の値を返す。エラーの場合は \fIfsuid\fP の現在の値を返す。
+成功時も失敗時も、 この呼び出しは直前の呼び出し元のファイルシステムユーザー ID の値を返す。
 .SH バージョン
 .\" This system call is present since Linux 1.1.44
 .\" and in libc since libc 4.7.6.
@@ -62,8 +75,13 @@ setfsuid \- ファイルシステムのチェックに用いられるユーザ I
 glibc が引き数がユーザID として不正だと判断した場合は、 システムコールを行わず \fIerrno\fP に \fBEINVAL\fP を設定して \-1
 が返される。
 .LP
-このシステムコールが導入された当時、プロセスは 同じ実効ユーザIDのプロセスへシグナルを送ることができた。
-今日では、シグナル送信権限の扱いはかなり違うものになっている。
+このシステムコールが導入された当時、 あるプロセスは同じ実効ユーザー ID を持つ別のプロセスにシグナルを送信できた。 これは、
+特権プロセスがファイルのアクセス許可をチェックするために自身の実効ユーザー ID を変更すると、 同じユーザー ID を持つ別の (非特権)
+プロセスが送信したシグナルを受け取るようになってしまうことを意味する。そのため、 プロセスが、 受け取りたくないシグナルを受信する状態にならずに、
+ファイルのアクセス許可をチェックするために自身のユーザー ID を変更できるように、 ファイルシステムユーザー ID 属性が追加された。 Linux
+2.0 以降では、 シグナルの送信許可の扱いは異なり (\fBkill\fP(2) 参照)、 プロセスは、
+望まないプロセスからシグナルを受信してしまう状態にならずに、 自身の実効ユーザー ID を変更することができる。 したがって、
+\fBsetfsuid\fP() は今日では不要であり、 新規のアプリケーションでは使用すべきではない (\fBsetfsgid\fP(2) も同様)。
 
 元々の Linux の \fBsetfsuid\fP() システムコールは
 16 ビットのグループ ID だけに対応していた。
@@ -72,11 +90,14 @@ glibc が引き数がユーザID として不正だと判断した場合は、 
 glibc の \fBsetfsuid\fP() のラッパー関数は
 カーネルバージョンによるこの違いを吸収している。
 .SH バグ
-いかなる種類のエラーメッセージも呼び出し元に返さない。 失敗した場合は (呼び出し元には \fBCAP_SETUID\fP ケーパビリティがなかったのだから)
-最低でも \fBEPERM\fP くらいは返すべきである。
+いかなる種類のエラーメッセージも返さず、 成功した場合も失敗した場合も呼び出しは同じ値を返すため、
+呼び出しが成功したか失敗したかを直接判定することはできない。 その代わり、 直前の \fBsetfsuid\fP() の呼び出しがファイルシステムグループ
+ID を変更したかどうかを判定するために、 呼び出し元はこの後に \fIsetfsuid(\-1)\fP などを呼び出して返り値を見なければならない
+(\fIsetfsuid(\-1)\fP は常に失敗する)。 最低でも、失敗した場合は \fBEPERM\fP くらいは返すべきである (呼び出し元には
+\fBCAP_SETUID\fP ケーパビリティがなかったのだから)。
 .SH 関連項目
 \fBkill\fP(2), \fBsetfsgid\fP(2), \fBcapabilities\fP(7), \fBcredentials\fP(7)
 .SH この文書について
-この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.41 の一部
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.67 の一部
 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。