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[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man2 / spu_create.2
index 455fe08..05da7ac 100644 (file)
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+.\" Japanese Version Copyright (c) 2007  Akihiro MOTOKI
+.\"         all rights reserved.
+.\" Translated 2007-10-23, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>
+.\" Updated 2013-05-01, Akihiro MOTOKI <amotoki@gmail.com>
+.\"
 .TH SPU_CREATE 2 2012\-08\-05 Linux "Linux Programmer's Manual"
 .SH 名前
 spu_create \- 新しい SPU コンテキストを生成する
@@ -42,97 +48,76 @@ spu_create \- 新しい SPU コンテキストを生成する
 
 \fI注\fP: このシステムコールには glibc のラッパー関数は存在しない。「注意」の節を参照。
 .SH 説明
-\fBspu_create\fP() システムコールは、Cell Broadband Engine アーキテクチャ
-を実装した PowerPC マシンにおいて、Synergistic Processor Unit (SPU) に
-アクセスする ために使用される。 このシステムコールは、SPU に対する新し
-い論理コンテキストを \fIpathname\fP に生成し、そのコンテキストに関連付けら
-れたファイルディスクリプタを返す。 \fIpathname\fP は SPU ファイルシステム
-(\fBspufs\fP) のマウントポイント内の 存在しないディレクトリを指していなけ
-ればならない。 \fBspu_create\fP() が成功すると、 \fIpathname\fP にディレクト
-リが生成され、そのディレクトリに \fBspufs\fP(7) で説明されているファイル群
-が配置される。
+\fBspu_create\fP() システムコールは、Cell Broadband Engine アーキテクチャーを実装した PowerPC
+マシンにおいて、Synergistic Processor Unit (SPU) にアクセスするために使用される。 このシステムコールは、 SPU
+に対する新しい論理コンテキストを \fIpathname\fP に生成し、 そのコンテキストに関連付けられたファイルディスクリプターを返す。
+\fIpathname\fP は SPU ファイルシステム (\fBspufs\fP) のマウントポイント内の存在しないディレクトリを指していなければならない。
+\fBspu_create\fP() が成功すると、 \fIpathname\fP にディレクトリが生成され、 そのディレクトリに \fBspufs\fP(7)
+で説明されているファイル群が配置される。
 
-When a context is created, the returned file descriptor can only be passed
-to \fBspu_run\fP(2), used as the \fIdirfd\fP argument to the \fB*at\fP family of
-system calls (e.g., \fBopenat\fP(2)), or closed; other operations are not
-defined.  A logical SPU context is destroyed (along with all files created
-within the context's \fIpathname\fP directory) once the last reference to the
-context has gone; this usually occurs when the file descriptor returned by
-\fBspu_create\fP()  is closed.
+コンテキストを作成した際、返されたファイルディスクリプターは、 \fBspu_run\fP(2) に渡すか、 \fB*at\fP 系のシステムコール
+(\fBopenat\fP(2) など) の \fIdirfd\fP 引き数として使用するか、 クローズするか、しかできない。 他の操作は定義されていない。
+そのコンテキストへの最後の参照がなくなった際に、 論理 SPU コンテキストは破棄される (そのコンテキストの \fIpathname\fP
+ディレクトリに作成されたファイルもすべて破棄される)。 通常は \fBspu_create\fP()
+が返したファイルディスクリプターがクローズされた際に発生する。
 
-\fIflags\fP 引き数には 0 か以下の定数の組み合わせ (ビット単位の論理和)
-を指定できる。
+\fIflags\fP 引き数には 0 か以下の定数の組み合わせ (ビット単位の論理和) を指定できる。
 .TP 
 \fBSPU_CREATE_EVENTS_ENABLED\fP
-Rather than using signals for reporting DMA errors, use the \fIevent\fP
-argument to \fBspu_run\fP(2).
+DMA エラーを通知するのにシグナルを使うのではなく、 \fBspu_run\fP(2) の \fIevent\fP 引き数を使用する。
 .TP 
 \fBSPU_CREATE_GANG\fP
-Create an SPU gang instead of a context.  (A gang is a group of SPU contexts
-that are functionally related to each other and which share common
-scheduling parameters\(empriority and policy.  In the future, gang
-scheduling may be implemented causing the group to be switched in and out as
-a single unit.)
+コンテキストの代わりに SPU gang を作成する。 (gang は、機能的に互いに関係していて、スケジューリングパラメーター (優先度とポリシー)
+を共有する SPU コンテキストのグループである。 将来、 グループ全体が一つの単位としてスイッチイン/スイッチアウトされる gang
+スケジューリングが実装されるかもしれない。)
 
-A new directory will be created at the location specified by the \fIpathname\fP
-argument.  This gang may be used to hold other SPU contexts, by providing a
-pathname that is within the gang directory to further calls to
-\fBspu_create\fP().
+\fIpathname\fP 引き数で指定された場所に新しいディレクトリが作成される。 この gang を使って他の SPU
+コンテキストを保持することができる。 それには、それ以降の \fBspu_create\fP() に gang ディレクトリ内のパス名を渡す。
 .TP 
 \fBSPU_CREATE_NOSCHED\fP
-Create a context that is not affected by the SPU scheduler.  Once the
-context is run, it will not be scheduled out until it is destroyed by the
-creating process.
+SPU スケジューラーの影響を受けないコンテキストを作成する。 一度実行されると、
+呼び出したプロセスが破棄されるまでこのコンテキストがスケジューリングで追い出されることはない。
 
-Because the context cannot be removed from the SPU, some functionality is
-disabled for \fBSPU_CREATE_NOSCHED\fP contexts.  Only a subset of the files
-will be available in this context directory in \fBspufs\fP.  Additionally,
-\fBSPU_CREATE_NOSCHED\fP contexts cannot dump a core file when crashing.
+このコンテキストは SPU から削除されることはないので、 \fBSPU_CREATE_NOSCHED\fP コンテキストではいくつかの機能は無効にされる。
+\fBspufs\fP のこのコンテキストのディレクトリでは一部のファイルだけができる。 また、 \fBSPU_CREATE_NOSCHED\fP
+コンテキストはクラッシュした際にコアファイルをダンプできない。
 
-Creating \fBSPU_CREATE_NOSCHED\fP contexts requires the \fBCAP_SYS_NICE\fP
-capability.
+\fBSPU_CREATE_NOSCHED\fP コンテキストを作成するには \fBCAP_SYS_NICE\fP ケーパビリティが必要である。
 .TP 
 \fBSPU_CREATE_ISOLATE\fP
-Create an isolated SPU context.  Isolated contexts are protected from some
-PPE (PowerPC Processing Element)  operations, such as access to the SPU
-local store and the NPC register.
+隔離された SPU コンテキストを作成する。 隔離されたコンテキストはいくつかの PPE (PowerPC Processing Element)
+命令から保護される。 SPU ローカルストアや NPC レジスターへのアクセスなどである。
 
-Creating \fBSPU_CREATE_ISOLATE\fP contexts also requires the
-\fBSPU_CREATE_NOSCHED\fP flag.
+\fBSPU_CREATE_ISOLATE\fP コンテキストを作成するには \fBSPU_CREATE_NOSCHED\fP フラグも指定する必要がある。
 .TP 
 \fBSPU_CREATE_AFFINITY_SPU\fP
-Create a context with affinity to another SPU context.  This affinity
-information is used within the SPU scheduling algorithm.  Using this flag
-requires that a file descriptor referring to the other SPU context be passed
-in the \fIneighbor_fd\fP argument.
+別の SPU コンテキストと affinity (親和性) を持ったコンテキストを作成する。 この affinity 情報は SPU
+スケジューリングアルゴリズムで使用される。 このフラグを使う際には、 他の SPU コンテキストを指すファイルディスクリプターを
+\fIneighbor_fd\fP 引き数を渡す必要がある。
 .TP 
 \fBSPU_CREATE_AFFINITY_MEM\fP
-Create a context with affinity to system memory.  This affinity information
-is used within the SPU scheduling algorithm.
+システムメモリーと affinity (親和性) を持ったコンテキストを作成する。 この affinity 情報は SPU
+スケジューリングアルゴリズムで使用される。
 .PP
-The \fImode\fP argument (minus any bits set in the process's \fBumask\fP(2))
-specifies the permissions used for creating the new directory in \fBspufs\fP.
-See \fBstat\fP(2)  for a full list of the possible \fImode\fP values.
+\fImode\fP 引き数 (からプロセスの \fBumask\fP(2) でセットされたビットを除いたもの) により、 \fBspufs\fP
+に作られる新しいディレクトリで使用されるアクセス許可が決まる。 利用できる \fImode\fP 値の完全なリストについては \fBstat\fP(2) を参照。
 .SH 返り値
-成功すると、 \fBspu_create\fP() は新しいファイルディスクリプタを返す。
-エラーの場合、\-1 を返し、 \fIerrno\fP に以下のリストに記載のエラーコードの
-いずれかを設定する。
+成功すると、 \fBspu_create\fP() は新しいファイルディスクリプターを返す。 エラーの場合、\-1 を返し、 \fIerrno\fP
+に以下のリストに記載のエラーコードのいずれかを設定する。
 .SH エラー
 .TP 
 \fBEACCES\fP
-現在のユーザが \fBspufs\fP(7) のマウントポイントへの書き込み許可を持って
\8f¾å\9c¨ã\81®ã\83¦ã\83¼ã\82¶ã\83¼ã\81\8c \fBspufs\fP(7) ã\81®ã\83\9eã\82¦ã\83³ã\83\88ã\83\9dã\82¤ã\83³ã\83\88ã\81¸ã\81®æ\9b¸ã\81\8dè¾¼ã\81¿è¨±å\8f¯ã\82\92æ\8c\81ã\81£ã\81¦
 いない。
 .TP 
 \fBEEXIST\fP
 指定されたパス名で SPU コンテキストがすでに生成されている。
 .TP 
 \fBEFAULT\fP
-\fIpathname\fP が呼び出し元のプロセスのアドレス空間で有効な文字列ポインタ
-ではない。
+\fIpathname\fP が呼び出し元のプロセスのアドレス空間で有効な文字列ポインターではない。
 .TP 
 \fBEINVAL\fP
-\fIpathname\fP が SPUFS マウントポインタ内のディレクトリではない。
-または、無効なフラグが指定された。
+\fIpathname\fP が SPUFS マウントポイント内のディレクトリではない。 または、無効なフラグが指定された。
 .TP 
 \fBELOOP\fP
 \fIpathname\fP を解決するまでに辿ったシンボリックリンクが多過ぎた。
@@ -147,8 +132,7 @@ See \fBstat\fP(2)  for a full list of the possible \fImode\fP values.
 システム全体でオープンできるファイル数の上限に達していた。
 .TP 
 \fBENODEV\fP
-An isolated context was requested, but the hardware does not support SPU
-isolation.
+隔離されたコンテキストが要求されたが、 ハードウェアが SPU アイソレーションをサポートしていない。
 .TP 
 \fBENOENT\fP
 \fIpathname\fP の一部が解決できなかった。
@@ -157,8 +141,7 @@ isolation.
 カーネルが必要なリソースの全てを割り当てることができなかった。
 .TP 
 \fBENOSPC\fP
-新しいコンテキストを生成するのに十分な SPU リソースがなかった、
-または SPU コンテキスト数がそのユーザの特定の上限に達していた。
+新しいコンテキストを生成するのに十分な SPU リソースがなかった、 または SPU コンテキスト数がそのユーザーの特定の上限に達していた。
 .TP 
 \fBENOSYS\fP
 機能が動作中のシステムで提供されていない。理由は、 ハードウェアで SPU が提供されていないか、 spufs
@@ -168,28 +151,27 @@ isolation.
 \fIpathname\fP の一部がディレクトリではない。
 .TP 
 \fBEPERM\fP
-The \fISPU_CREATE_NOSCHED\fP flag has been given, but the user does not have
-the \fBCAP_SYS_NICE\fP capability.
+\fISPU_CREATE_NOSCHED\fP フラグが指定されたが、ユーザーが \fBCAP_SYS_NICE\fP ケーパビリティを持っていない。
 .SH ファイル
 \fIpathname\fP は \fBspufs\fP のマウントポイントの配下の場所を指して
 いなければならない。 慣例では \fI/spu\fP にマウントされる。
 .SH バージョン
 \fBspu_create\fP() システムコールはカーネル 2.6.16 で Linux に追加された。
 .SH 準拠
\81\93ã\81®ã\82·ã\82¹ã\83\86ã\83 ã\82³ã\83¼ã\83«ã\81¯ Linux å\9bºæ\9c\89ã\81§ã\81\82ã\82\8aã\80\81 PowerPC ã\82¢ã\83¼ã\82­ã\83\86ã\82¯ã\83\81ã\83£ã\81§ã\81®ã\81¿
-実装されている。 このシステムコールを使ったプログラムは移植性がない。
\81\93ã\81®ã\82·ã\82¹ã\83\86ã\83 ã\82³ã\83¼ã\83«ã\81¯ Linux å\9bºæ\9c\89ã\81§ã\81\82ã\82\8aã\80\81 PowerPC ã\82¢ã\83¼ã\82­ã\83\86ã\82¯ã\83\81ã\83£ã\83¼ã\81§ã\81®ã\81¿å®\9fè£\85ã\81\95ã\82\8cã\81¦ã\81\84ã\82\8bã\80\82
+このシステムコールを使ったプログラムは移植性がない。
 .SH 注意
 glibc はこのシステムコールに対するラッパー関数を提供していない。 \fBsyscall\fP(2)  を使うこと。ただし、
-\fBspu_create\fP()  は より抽象度の高い SPU へのインタフェースを実装するライブラリから
+\fBspu_create\fP()  ã\81¯ ã\82\88ã\82\8aæ\8a½è±¡åº¦ã\81®é«\98ã\81\84 SPU ã\81¸ã\81®ã\82¤ã\83³ã\82¿ã\83¼ã\83\95ã\82§ã\83¼ã\82¹ã\82\92å®\9fè£\85ã\81\99ã\82\8bã\83©ã\82¤ã\83\96ã\83©ã\83ªã\81\8bã\82\89
 利用されることを意図したものであり、通常のアプリケーションから 使用は意図されていない。推奨のライブラリについては
 .UR http://www.bsc.es\:/projects\:/deepcomputing\:/linuxoncell/
 .UE
 を参照のこと。
 .SH 例
-See \fBspu_run\fP(2)  for an example of the use of \fBspu_create\fP()
+\fBspu_create\fP() の利用例については \fBspu_run\fP(2) を参照。
 .SH 関連項目
 \fBclose\fP(2), \fBspu_run\fP(2), \fBcapabilities\fP(7), \fBspufs\fP(7)
 .SH この文書について
-この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.52 の一部
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.79 の一部
 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。