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(split) LDP: Update release pages
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man3 / getcwd.3
index 03e4991..20e12c0 100644 (file)
@@ -1,5 +1,6 @@
 .\" Copyright (c) 1993 by Thomas Koenig (ig25@rz.uni-karlsruhe.de)
 .\"
+.\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
 .\" preserved on all copies.
@@ -19,7 +20,8 @@
 .\"
 .\" Formatted or processed versions of this manual, if unaccompanied by
 .\" the source, must acknowledge the copyright and authors of this work.
-.\" License.
+.\" %%%LICENSE_END
+.\"
 .\" Modified Wed Jul 21 22:35:42 1993 by Rik Faith (faith@cs.unc.edu)
 .\" Modified 18 Mar 1996 by Martin Schulze (joey@infodrom.north.de):
 .\"   Corrected description of getwd().
 .\" Modified Mon Dec 11 13:32:51 MET 2000 by aeb
 .\" Modified Thu Apr 22 03:49:15 CEST 2002 by Roger Luethi <rl@hellgate.ch>
 .\"
+.\"*******************************************************************
+.\"
+.\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
+.\"
+.\"*******************************************************************
+.\"
 .\" Japanese Version Copyright (c) 1997 IMAMURA Nobutaka
 .\"         all rights reserved.
 .\" Translated Fri Feb 14 12:40:22 JST 1997
 .\" Updated 2007-01-01 by Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
 .\" Updated 2008-08-21, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v3.07
 .\"
-.\" WORD: current working directory    カレントワーキングディレクトリ
-.\" WORD: LEGACY       「過去の名残(LEGACY)」
-.\"
-.TH GETCWD 3 2010-09-20 "GNU" "Linux Programmer's Manual"
+.TH GETCWD 3 2010\-09\-20 GNU "Linux Programmer's Manual"
 .SH 名前
 getcwd, getwd, get_current_dir_name \- カレントワーキングディレクトリ名の取得
 .SH 書式
 .nf
-.B #include <unistd.h>
+\fB#include <unistd.h>\fP
 .sp
-.BI "char *getcwd(char *" buf ", size_t " size );
+\fBchar *getcwd(char *\fP\fIbuf\fP\fB, size_t \fP\fIsize\fP\fB);\fP
 .sp
-.BI "char *getwd(char *" buf );
+\fBchar *getwd(char *\fP\fIbuf\fP\fB);\fP
 .sp
-.B "char *get_current_dir_name(void);"
+\fBchar *get_current_dir_name(void);\fP
 .fi
 .sp
 .in -4n
-glibc 向けの機能検査マクロの要件
-.RB ( feature_test_macros (7)
-参照):
+glibc 向けの機能検査マクロの要件 (\fBfeature_test_macros\fP(7)  参照):
 .sp
 .in
-.BR get_current_dir_name ():
+\fBget_current_dir_name\fP():
 .RS
 _GNU_SOURCE
 .RE
 .sp
-.BR getwd ():
+\fBgetwd\fP():
 .ad l
 .RS 4
 .PD 0
-.TP 4
-glibc 2.10 以降:
+.TP  4
+glibc 2.12 以降:
 .nf
 _BSD_SOURCE ||
     (_XOPEN_SOURCE\ >=\ 500 ||
         _XOPEN_SOURCE\ &&\ _XOPEN_SOURCE_EXTENDED) &&
     !(_POSIX_C_SOURCE\ >=\ 200809L || _XOPEN_SOURCE\ >=\ 700)
+.TP  4
 .fi
-.TP 4
-glibc 2.10 より前:
-_BSD_SOURCE || _XOPEN_SOURCE\ >=\ 500 ||
-_XOPEN_SOURCE\ &&\ _XOPEN_SOURCE_EXTENDED
+glibc 2.12 より前: _BSD_SOURCE || _XOPEN_SOURCE\ >=\ 500 || _XOPEN_SOURCE\ &&\ _XOPEN_SOURCE_EXTENDED
 .PD
 .RE
 .ad b
 .SH 説明
-これらの関数は、呼び出したプロセスのカレントワーキングディレクトリの
-絶対パス名 (absolute pathname) が入った文字列を返す。
-返される文字列は NULL で終端される。
-パス名は関数の結果として返され、引数
-.I buf
-がある場合は
-.I buf
-経由でも返される。
+これらの関数は、呼び出したプロセスのカレントワーキングディレクトリの 絶対パス名 (absolute pathname) が入った文字列を返す。
+返される文字列は NULL で終端される。 パス名は関数の結果として返され、引数 \fIbuf\fP がある場合は \fIbuf\fP 経由でも返される。
 
-.BR getcwd ()
-関数はカレントワーキングディレクトリの絶対パス名を
-.I buf
-で示された
-.I size
-長の配列にコピーする。
+\fBgetcwd\fP()  関数はカレントワーキングディレクトリの絶対パス名を \fIbuf\fP で示された \fIsize\fP 長の配列にコピーする。
 .PP
-終端の NULL バイトも含めた、カレントワーキングディレクトリの
-絶対パス名の長さが
-.I size
-バイトを超えている場合は、返り値として NULL が返り
-.I errno
-に
-.B ERANGE
-がセットされる。
-アプリケーションはこのエラーをチェックし、
+終端の NULL バイトも含めた、カレントワーキングディレクトリの 絶対パス名の長さが \fIsize\fP バイトを超えている場合は、返り値として NULL
+が返り \fIerrno\fP に \fBERANGE\fP がセットされる。 アプリケーションはこのエラーをチェックし、
 必要に応じてより長いバッファを用意すべきである。
 .PP
-POSIX.1-2001 標準の拡張として、
-Linux (libc4, libc5, glibc) では
-.I buf
-が NULL の場合、
-.BR getcwd ()
-は必要なバッファを
-.BR malloc (3)
-を用いて動的に割り当てる。
-この場合、
-.I size
-が 0 の場合を除き、バッファの長さは
-.I size
-となる。
-.I size
-が 0 の場合には必要な大きさが確保される。
-呼び出し側で、返されたバッファを
-.BR free (3)
-すべきである。
+POSIX.1\-2001 標準の拡張として、 Linux (libc4, libc5, glibc) では \fIbuf\fP が NULL の場合、
+\fBgetcwd\fP()  は必要なバッファを \fBmalloc\fP(3)  を用いて動的に割り当てる。 この場合、 \fIsize\fP が 0
+の場合を除き、バッファの長さは \fIsize\fP となる。 \fIsize\fP が 0 の場合には必要な大きさが確保される。 呼び出し側で、返されたバッファを
+\fBfree\fP(3)  すべきである。
 
-.BR get_current_dir_name ()
-はカレントワーキングディレクトリの絶対パス名を収めるのに
-十分な大きさの配列を
-.BR malloc (3)
-で獲得する。環境変数
-.B PWD
-が設定されておりその値が正しければ、その値が返される。
-呼び出し側で、返されたバッファを
-.BR free (3)
-すべきである。
+\fBget_current_dir_name\fP()  はカレントワーキングディレクトリの絶対パス名を収めるのに 十分な大きさの配列を
+\fBmalloc\fP(3)  で獲得する。環境変数 \fBPWD\fP が設定されておりその値が正しければ、その値が返される。 呼び出し側で、返されたバッファを
+\fBfree\fP(3)  すべきである。
 
-.BR getwd ()
-は
-.BR malloc (3)
-によるメモリ獲得を一切行なわない。
-.I buf
-引数は少なくとも
-.B PATH_MAX
-バイトの長さを持つ配列へのポインタである必要がある。
-終端の NULL バイトも含めた、カレントワーキングディレクトリの
-絶対パス名の長さが
-.B PATH_MAX
-バイトを超えている場合、
-NULL が返され、
-.I errno
-に
-.B ENAMETOOLONG
-が設定される。
-(システムによっては、
-.B PATH_MAX
-は必ずしもコンパイル時に決まる定数ではない点に注意すること。
-また、ファイルシステムに依存する場合もある。
-.BR pathconf (3)
-を参照。)
-移植性とセキュリティ上の理由から、
-.BR getwd ()
+\fBgetwd\fP()  は \fBmalloc\fP(3)  によるメモリ獲得を一切行なわない。 \fIbuf\fP 引数は少なくとも \fBPATH_MAX\fP
+バイトの長さを持つ配列へのポインタである必要がある。 終端の NULL バイトも含めた、カレントワーキングディレクトリの 絶対パス名の長さが
+\fBPATH_MAX\fP バイトを超えている場合、 NULL が返され、 \fIerrno\fP に \fBENAMETOOLONG\fP が設定される。
+(システムによっては、 \fBPATH_MAX\fP は必ずしもコンパイル時に決まる定数ではない点に注意すること。
+また、ファイルシステムに依存する場合もある。 \fBpathconf\fP(3)  を参照。)  移植性とセキュリティ上の理由から、 \fBgetwd\fP()
 の利用は推奨されない。
 .SH 返り値
-成功すると、これらの関数はカレントワーキングディレクトリの絶対パス名
-が入った文字列へのポインタを返す。
-.BR getcwd ()
-と
-.BR getwd ()
-の場合、返り値は
-.I buf
-と同じ値になる。
+成功すると、これらの関数はカレントワーキングディレクトリの絶対パス名 が入った文字列へのポインタを返す。 \fBgetcwd\fP()  と
+\fBgetwd\fP()  の場合、返り値は \fIbuf\fP と同じ値になる。
 
-失敗した場合、これらの関数は NULL を返し、
-.I errno
-にエラーを示す値を設定する。
-.I buf
-が指す配列の内容は未定義である。
+失敗した場合、これらの関数は NULL を返し、 \fIerrno\fP にエラーを示す値を設定する。 \fIbuf\fP が指す配列の内容は未定義である。
 .SH エラー
-.TP
-.B EACCES
+.TP 
+\fBEACCES\fP
 ファイル名の構成要素に対する読み込みあるいは検索の権限がない。
-.TP
-.B EFAULT
-.I buf
-が不正なアドレスを指している。
-.TP
-.B EINVAL
-.I size
-引数が 0 かつ、
-.I buf
-引数が NULL ポインタでない。
-.TP
-.B EINVAL
-.BR getwd ():
-.I buf
-が NULL である。
-.TP
-.B ENAMETOOLONG
-.BR getwd ():
-絶対パス名が入った NULL 終端された文字列の長さが
-.B PATH_MAX
-バイトを超えている。
-.TP
-.B ENOENT
+.TP 
+\fBEFAULT\fP
+\fIbuf\fP が不正なアドレスを指している。
+.TP 
+\fBEINVAL\fP
+\fIsize\fP 引数が 0 かつ、 \fIbuf\fP 引数が NULL ポインタでない。
+.TP 
+\fBEINVAL\fP
+\fBgetwd\fP(): \fIbuf\fP が NULL である。
+.TP 
+\fBENAMETOOLONG\fP
+\fBgetwd\fP(): 絶対パス名が入った NULL 終端された文字列の長さが \fBPATH_MAX\fP バイトを超えている。
+.TP 
+\fBENOENT\fP
 カレントワーキングディレクトリが削除されている。
-.TP
-.B ERANGE
-.I size
-引数の値がワーキングディレクトリの絶対パス名の長さより小さい。
-長さには文字列の終端バイトも含まれる。
+.TP 
+\fBERANGE\fP
+\fIsize\fP 引数の値がワーキングディレクトリの絶対パス名の長さより小さい。 長さには文字列の終端バイトも含まれる。
 より大きい配列を確保してもう一度実行する必要がある。
 .SH 準拠
-.BR getcwd ()
-は POSIX.1-2001 に準拠している。
-POSIX.1-2001 は、
-.I buf
-が NULL の場合の
-.BR getcwd ()
-の動作を規定しないままとしている。
+\fBgetcwd\fP()  は POSIX.1\-2001 に準拠している。 POSIX.1\-2001 は、 \fIbuf\fP が NULL の場合の
+\fBgetcwd\fP()  の動作を規定しないままとしている。
 
-.BR getwd ()
-は POSIX.1-2001 に存在しているが、「過去の名残(LEGACY)」とされている。
-POSIX.1-2008 では、
-.BR getwd ()
-の仕様が削除されている。
-代わりに
-.BR getcwd ()
-を使うこと。
-POSIX.1-2001 は
-.BR getwd ()
+\fBgetwd\fP()  は POSIX.1\-2001 に存在しているが、「過去の名残(LEGACY)」とされている。 POSIX.1\-2008 では、
+\fBgetwd\fP()  の仕様が削除されている。 代わりに \fBgetcwd\fP()  を使うこと。 POSIX.1\-2001 は \fBgetwd\fP()
 に関するエラーを定義していない。
 
-.BR get_current_dir_name ()
-は GNU 拡張である。
+\fBget_current_dir_name\fP()  は GNU 拡張である。
 .SH 注意
-Linux では (2.1.92 以降)、
-.BR getcwd ()
-はシステムコールである。
-古いシステムでは
-.I /proc/self/cwd
-を参照する。
-システムコールも proc ファイルシステムもない場合、
-一般的な実装が呼び出される。
-この場合においてのみ、(Linux では) この関数は
-.B EACCES
-で失敗する可能性がある。
+Linux では (2.1.92 以降)、 \fBgetcwd\fP()  はシステムコールである。 古いシステムでは \fI/proc/self/cwd\fP
+を参照する。 システムコールも proc ファイルシステムもない場合、 一般的な実装が呼び出される。 この場合においてのみ、(Linux では)
+この関数は \fBEACCES\fP で失敗する可能性がある。
 .LP
-これらの関数はしばしばカレントワーキングディレクトリの位置を保存し、
-後で戻ってくるために利用される。
-未使用のファイルディスクリプタが十分ある場合は、
-現在のディレクトリ (".") を開いて
-.BR fchdir (2)
-を呼び出すほうが普通は高速で信頼性がある。
-特に Linux 以外のプラットフォームの場合はそうである。
+これらの関数はしばしばカレントワーキングディレクトリの位置を保存し、 後で戻ってくるために利用される。 未使用のファイルディスクリプタが十分ある場合は、
+現在のディレクトリ (".") を開いて \fBfchdir\fP(2)  を呼び出すほうが普通は高速で信頼性がある。 特に Linux
+以外のプラットフォームの場合はそうである。
 .SH 関連項目
-.BR chdir (2),
-.BR fchdir (2),
-.BR open (2),
-.BR unlink (2),
-.BR free (3),
-.BR malloc (3)
+\fBchdir\fP(2), \fBfchdir\fP(2), \fBopen\fP(2), \fBunlink\fP(2), \fBfree\fP(3),
+\fBmalloc\fP(3)
+.SH この文書について
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.54 の一部
+である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
+http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。