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(split) LDP: Update release pages
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man3 / posix_memalign.3
index bff7083..af0f27b 100644 (file)
@@ -1,6 +1,7 @@
 .\" Copyright (c) 2001 by John Levon <moz@compsoc.man.ac.uk>
 .\" Based in part on GNU libc documentation.
 .\"
+.\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
 .\" preserved on all copies.
 .\"
 .\" Formatted or processed versions of this manual, if unaccompanied by
 .\" the source, must acknowledge the copyright and authors of this work.
-.\" License.
+.\" %%%LICENSE_END
 .\"
 .\" 2001-10-11, 2003-08-22, aeb, added some details
+.\" 2012-03-23, Michael Kerrisk <mtk.manpages@mail.com>
+.\"     Document pvalloc() and aligned_alloc()
+.\"*******************************************************************
 .\"
-.\" Japanese Version Copyright (c) 2001 Akihiro MOTOKI
-.\"       all rights reserved.
-.\" Translated 2001-11-05, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>
-.\" Updated 2003-09-05, Akihiro MOTOKI, catch up to v1.60
-.\" Updated 2005-11-19, Akihiro MOTOKI
-.\" Updated 2010-04-18, Akihiro MOTOKI, LDP v3.24
+.\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
 .\"
-.\"WORD:       obsolete        廃止された
-.\"WORD:       a multiple of   〜の倍数
-.\"WORD:       a power of two  2 のべき乗
-.\"
-.TH POSIX_MEMALIGN 3  2010-09-20 "GNU" "Linux Programmer's Manual"
+.\"*******************************************************************
+.TH POSIX_MEMALIGN 3 2012\-03\-23 GNU "Linux Programmer's Manual"
 .SH 名前
-posix_memalign, memalign, valloc \- アラインメントされたメモリの割り当てを行う
+posix_memalign, aligned_alloc, memalign, valloc, pvalloc \- アラインメント
+されたメモリの割り当てを行う
 .SH 書式
 .nf
-.B #include <stdlib.h>
+\fB#include <stdlib.h>\fP
 .sp
-.BI "int posix_memalign(void **" memptr ", size_t " alignment ", size_t " size );
+\fBint posix_memalign(void **\fP\fImemptr\fP\fB, size_t \fP\fIalignment\fP\fB, size_t \fP\fIsize\fP\fB);\fP
+\fBvoid *aligned_alloc(size_t \fP\fIalignment\fP\fB, size_t \fP\fIsize\fP\fB);\fP
+\fBvoid *valloc(size_t \fP\fIsize\fP\fB);\fP
 .sp
-.B #include <malloc.h>
+\fB#include <malloc.h>\fP
 .sp
-.BI "void *valloc(size_t " size );
-.BI "void *memalign(size_t " boundary ", size_t " size );
+\fBvoid *memalign(size_t \fP\fIalignment\fP\fB, size_t \fP\fIsize\fP\fB);\fP
+\fBvoid *pvalloc(size_t \fP\fIsize\fP\fB);\fP
 .fi
 .sp
 .in -4n
-glibc 向けの機能検査マクロの要件
-.RB ( feature_test_macros (7)
-参照):
+glibc 向けの機能検査マクロの要件 (\fBfeature_test_macros\fP(7)  参照):
 .in
 .sp
 .ad l
-.BR posix_memalign ():
-.RS 4
-_POSIX_C_SOURCE\ >=\ 200112L || _XOPEN_SOURCE\ >=\ 600
-.RE
+\fBposix_memalign\fP(): _POSIX_C_SOURCE\ >=\ 200112L || _XOPEN_SOURCE\ >=\ 600
+.sp
+\fBaligned_alloc\fP(): _ISOC11_SOURCE
 .sp
-.BR valloc ():
+\fBvalloc\fP():
 .br
 .PD 0
 .RS 4
-.TP 4
+.TP  4
 glibc 2.12 以降:
 .nf
 _BSD_SOURCE ||
@@ -75,191 +71,112 @@ _BSD_SOURCE ||
     !(_POSIX_C_SOURCE\ >=\ 200112L || _XOPEN_SOURCE\ >=\ 600)
 .br
 .fi
-.TP
+.TP 
 glibc 2.12 より前:
-_BSD_SOURCE || _XOPEN_SOURCE\ >=\ 500 ||
-_XOPEN_SOURCE\ &&\ _XOPEN_SOURCE_EXTENDED
+_BSD_SOURCE || _XOPEN_SOURCE\ >=\ 500 || _XOPEN_SOURCE\ &&\ _XOPEN_SOURCE_EXTENDED
+.ad b
+.br
+((非標準の) ヘッダファイル \fI<malloc.h>\fP も
+\fBvalloc\fP() の宣言も公開する。機能検査マクロは不要である。
 .RE
 .PD
-.ad b
 .SH 説明
-関数
-.BR posix_memalign ()
-は、
-.I size
-バイトのメモリを割り当て、割り当てられたメモリのアドレスを
-.I "*memptr"
-に設定する。
-割り当てられたメモリのアドレスは
-.I "alignment"
-の倍数になっているはずである。
-.I "alignment"
-は 2 のべき乗で、かつ
-.IR "sizeof(void *)"
-の倍数でなければならない。
-.I size
-が 0 の場合、
-.BR posix_memalign ()
-は NULL か一意なポインタ値を返す。
-このポインタ値は、後で
-.BR free (3)
+.\" glibc does this:
+関数 \fBposix_memalign\fP()  は、 \fIsize\fP バイトのメモリを割り当て、割り当てられたメモリのアドレスを \fI*memptr\fP
+に設定する。 割り当てられたメモリのアドレスは \fIalignment\fP の倍数になっているはずである。 \fIalignment\fP は 2
+のべき乗で、かつ \fIsizeof(void\ *)\fP の倍数でなければならない。 \fIsize\fP が 0 の場合、
+\fBposix_memalign\fP()  は NULL か一意なポインタ値を返す。 このポインタ値は、後で \fBfree\fP(3)
 に問題なく渡すことができる。
 
-廃止された関数である
-.BR memalign ()
-は、
-.I size
-バイトのメモリを割り当て、割り当てられたメモリへのポインタを返す。
-メモリのアドレスは
-.I "boundary"
-の倍数になっているはずである。
-.I "boundary"
-は 2 のべき乗でなければならない。
 .\" The behavior of memalign() for size==0 is as for posix_memalign()
 .\" but no standards govern this.
+廃止された関数である \fBmemalign\fP() は、 \fIsize\fP バイトのメモリを割り当て、
+割り当てられたメモリへのポインタを返す。 メモリのアドレスは \fIalignment\fP
+の倍数になっているはずである。 \fIalignment\fP は 2 のべき乗でなければならない。
+
+関数 \fBaligned_alloc\fP() は \fBmemalign\fP() と同じだが、\fIsize\fP が \fIalignment\fP
+の倍数でなければならないという追加の制限がある点が異なる。
 
-廃止された関数である
-.BR valloc ()
-は
-.I size
-バイトのメモリを割り当て、割り当てられたメモリへのポインタを返す。
-メモリのアドレスはページサイズの倍数になっているはずである。
-これは
-.I "memalign(sysconf(_SC_PAGESIZE),size)"
+廃止された関数である \fBvalloc\fP()  は \fIsize\fP バイトのメモリを割り当て、割り当てられたメモリへのポインタを返す。
+メモリのアドレスはページサイズの倍数になっているはずである。 これは \fImemalign(sysconf(_SC_PAGESIZE),size)\fP
 と等価である。
 
-.\" motoki: be not zeroed ってどういう意味?
-3 つの関数はいずれもメモリのゼロクリアを行わない。
+廃止された関数 \fBpvalloc\fP() は \fBvalloc\fP() と同様だが、
+割り当てられるサイズがシステムのページサイズの倍数に切り上げられる。
+
+これらの関数はいずれもメモリのゼロクリアを行わない。
 .SH 返り値
-.BR memalign ()
-と
-.BR valloc ()
-は割り当てられたメモリへのポインタを返す。
-割り当てに失敗した場合は NULL を返す。
+\fBaligned_alloc\fP(), \fBmemalign\fP(), \fBvalloc\fP(), \fBpvalloc\fP() は割り当てられた
+メモリへのポインタを返す。 割り当てに失敗した場合は NULL を返す。
 
-.BR posix_memalign ()
-は成功した場合は 0 を返し、
-失敗した場合は次のセクションに記載されたエラー値のいずれかを返す。
-.I errno
-はセットされないことに注意すること。
+\fBposix_memalign\fP()  は成功した場合は 0 を返し、 失敗した場合は次のセクションに記載されたエラー値のいずれかを返す。
+\fIerrno\fP はセットされないことに注意すること。
 .SH エラー
-.TP
-.B EINVAL
-.I alignment
-引き数が 2 のべき乗でなかったか、
-.IR "sizeof(void *)"
-の倍数でなかった。
-.TP
-.B ENOMEM
+.TP 
+\fBEINVAL\fP
+\fIalignment\fP 引き数が 2 のべき乗でなかったか、 \fIsizeof(void\ *)\fP の倍数でなかった。
+.TP 
+\fBENOMEM\fP
 割り当て要求を満たすのに十分なメモリがなかった。
 .SH バージョン
-.BR memalign ()
\81¨
-.BR valloc ()
-はすべての Linux libc ライブラリで使用可能である
-.BR posix_memalign ()
-は glibc 2.1.91 以降で使用可能である。
+関数 \fBmemalign\fP(), \fBvalloc\fP(), \fBpvalloc\fP() は
\81\99ã\81¹ã\81¦ã\81® Linux libc ã\83©ã\82¤ã\83\96ã\83©ã\83ªã\81§ä½¿ç\94¨å\8f¯è\83½ã\81§ã\81\82ã\82\8bã\80\82
+
+関数 \fBaligned_alloc\fP() は glibc バージョン 2.16 で追加された
+
+関数 \fBposix_fallocate\fP() は glibc 2.1.91 以降で利用可能である。
 .SH 準拠
-関数
-.BR valloc ()
-は 3.0BSD で登場した。4.3BSD では廃止されたと記載されており、
-SUSv2 では過去の名残だと記載されている。
-POSIX.1-2001 にはもはや存在しない。
-関数
-.BR memalign ()
-は SunOS 4.1.3 で登場したが、4.4BSD にはない
-関数
-.BR posix_memalign ()
-は POSIX.1d に由来する。
+関数 \fBvalloc\fP() は 3.0BSD で登場した。4.3BSD では廃止されたと記載されており、
+SUSv2 では過去の名残だと記載されている。 POSIX.1\-2001 には存在しない。
+
+関数 \fBpvalloc\fP() は GNU による拡張である。
+
+関数 \fBmemalign\fP() は SunOS 4.1.3 で登場したが、4.4BSD にはない。
+
+関数 \fBposix_memalign\fP() は POSIX.1d に由来する
+
+.\"
+関数 \fIaligned_alloc\fP() は C11 標準で規定されている。
 .SS ヘッダ
-.BR posix_memalign ()
-の宣言を \fI<stdlib.h>\fP で行うことに関しては、
-皆の意見が一致している。
+\fBposix_memalign\fP()  の宣言を \fI<stdlib.h>\fP で行うことに関しては、 皆の意見が一致している。
 
-いくつかのシステムでは、
-.BR memalign ()
-は \fI<malloc.h>\fP ではなく \fI<stdlib.h>\fP で宣言されている。
+いくつかのシステムでは、 \fBmemalign\fP()  は \fI<malloc.h>\fP ではなく
+\fI<stdlib.h>\fP で宣言されている。
 
-SUSv2 によると、
-.BR valloc ()
-は
-.I <stdlib.h>
-で宣言される。
-libc4,5 や glibc では
-.I <malloc.h>
-で宣言されており、
-さらに
-.I <stdlib.h>
-でも宣言されることもある
-(具体的には以下のいずれかの場合:
-.B _GNU_SOURCE
-が定義されている、
-.B _BSD_SOURCE
-が定義されている、
-glibc で
-.B _XOPEN_SOURCE_EXTENDED
-が定義されている、
-glibc で
-.B _XOPEN_SOURCE
-が 500 より小さくない値に定義されている)。
+SUSv2 によると、 \fBvalloc\fP() は \fI<stdlib.h>\fP で宣言される。 libc4,5
+や glibc では \fI<malloc.h>\fP で宣言されており、 さらに適切な機能検査
+マクロが定義された場合には \fI<stdlib.h>\fP でも宣言される(上記を参照)。
 .SH 注意
-多くのシステムでは、アラインメントに関して制限がある。例えば、
-ブロックデバイスに対するダイレクト I/O に使用するバッファには
-アラインメントに関する制限がある。
-POSIX では、どんなアラインメントが必要かを知るために
-.I "pathconf(path,_PC_REC_XFER_ALIGN)"
-コールを規定している。ここで
-.BR posix_memalign ()
+多くのシステムでは、アラインメントに関して制限がある。例えば、 ブロックデバイスに対するダイレクト I/O に使用するバッファには
+アラインメントに関する制限がある。 POSIX では、どんなアラインメントが必要かを知るために
+\fIpathconf(path,_PC_REC_XFER_ALIGN)\fP コールを規定している。ここで \fBposix_memalign\fP()
 を使うと、この必要条件を満たすことができる。
 
-.BR posix_memalign ()
-は
-.I alignment
-が上で詳細に述べた必要条件を満たすかどうかを確かめる。
-.BR memalign ()
-は
-.I boundary
-引き数が正しいかどうかの確認を行わないかもしれない。
+\fBposix_memalign\fP() は \fIalignment\fP が上で詳細に述べた必要条件を満たすか
+どうかを確かめる。 \fBmemalign\fP() は \fIalignment\fP 引き数が正しいかどうかの
+確認を行わないかもしれない。
 
-POSIX では
-.BR posix_memalign ()
-によって獲得したメモリは
-.BR free (3)
-を使って解放することができる必要がある。
-いくつかのシステムでは
-.BR memalign ()
-や
-.BR valloc ()
-で割り当てられたメモリを再利用する手段が提供されていない。
-.\" motoki: while の前後のつながりはこれでいい?
-(なぜなら
-.BR free (3)
-に渡すことができるのは
-.BR malloc (3)
-から受け取ったポインタだけだが、
-例えば
-.BR memalign ()
-は
-.BR malloc (3)
-を呼び出し、得た値をアラインメントしてしまうからである)
 .\" Other systems allow passing the result of
-.\" .BR valloc ()
+.\" .IR valloc ()
 .\" to
-.\" .BR free (3),
+.\" .IR free (3),
 .\" but not to
-.\" .BR realloc (3).
-glibc の実装では、
-ここに述べた 3 つの関数のいずれで獲得したメモリも
-.BR free (3)
-で再利用することができる。
+.\" .IR realloc (3).
+POSIX では \fBposix_memalign\fP() によって獲得したメモリは \fBfree\fP(3) を
+使って解放することができる必要がある。 いくつかのシステムでは
+\fBmemalign\fP() や\fBvalloc\fP() で割り当てられたメモリを再利用する手段が
+提供されていない(なぜなら \fBfree\fP(3) に渡すことができるのは
+\fBmalloc\fP(3) から受け取ったポインタだけだが、例えば \fBmemalign\fP() は
+\fBmalloc\fP(3) を呼び出し、得た値をアラインメントしてしまうからである)。
+glibc の実装では、 ここに述べた関数のいずれで獲得したメモリも
+\fBfree\fP(3) で再利用することができる。
 
-glibc の
-.BR malloc (3)
-は常に 8 バイトにアラインメントされたメモリアドレスを返すので、
-ここで述べた関数が必要になるのは
-8 バイトよりも大きなアラインメントが必要な場合だけである。
+glibc の \fBmalloc\fP(3) は常に 8 バイトにアラインメントされたメモリアドレスを
+返すので、ここで述べた関数が必要になるのは 8 バイトよりも大きなアラインメント
+が必要な場合だけである。
 .SH 関連項目
-.BR brk (2),
-.BR getpagesize (2),
-.BR free (3),
-.BR malloc (3)
+\fBbrk\fP(2), \fBgetpagesize\fP(2), \fBfree\fP(3), \fBmalloc\fP(3)
+.SH この文書について
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.52 の一部
+である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
+http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。