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Update release for LDP 3.67
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man3 / termios.3
index c05a033..e846b8f 100644 (file)
 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
 .\"
 .\"*******************************************************************
-.TH TERMIOS 3 2013\-03\-15 Linux "Linux Programmer's Manual"
+.\"
+.\" Japanese Version Copyright (c) 1998-1999
+.\"   Michihide Hotta and NAKANO Takeo all rights reserved.
+.\" Translated 1998-02-02, Michihide Hotta <sim@remus.dti.ne.jp>
+.\" Updated 1999-03-14, NAKANO Takeo <nakano@apm.seikei.ac.jp>
+.\" Updated 2001-02-17, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
+.\" Updated 2001-10-16, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
+.\" Updated 2002-01-04, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
+.\" Updated 2003-09-01, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
+.\" Updated 2006-07-26, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v2.36
+.\" Updated 2007-05-01, Akihiro MOTOKI, LDP v2.46
+.\" Updated 2007-09-06, Akihiro MOTOKI, LDP v2.64
+.\"
+.TH TERMIOS 3 2014\-05\-08 Linux "Linux Programmer's Manual"
 .SH 名前
 termios, tcgetattr, tcsetattr, tcsendbreak, tcdrain, tcflush, tcflow,
 cfmakeraw, cfgetospeed, cfgetispeed, cfsetispeed, cfsetospeed, cfsetspeed \-
@@ -117,7 +130,7 @@ POSIX.1\-2001 の XSI 拡張で 規定されていることを意味する。
 \fBIGNBRK\fP が設定されている場合は、BREAK 信号は無視される。 \fBIGNBRK\fP が設定されていないが、\fBBRKINT\fP
 が設定されている場合は、 BREAK 信号によって入出力キューがフラッシュされ、 さらに、端末がフォアグラウンドプロセスグループの制御端末の場合は、
 フォアグラウンドプロセスグループに \fBSIGINT\fP が送られる。 \fBIGNBRK\fP も \fBBRKINT\fP も設定されていない場合、 BREAK
-を NULL バイト (\(aq\e0\(aq) として読み込む。 ただし、\fBPARMRK\fP が設定されている場合は \e377 \e0 \e0
+をヌルバイト (\(aq\e0\(aq) として読み込む。 ただし、\fBPARMRK\fP が設定されている場合は \e377 \e0 \e0
 のシーケンスとして 読み込む。
 .TP 
 \fBIGNPAR\fP
@@ -162,12 +175,10 @@ POSIX.1\-2001 の XSI 拡張で 規定されていることを意味する。
 (POSIX にはない) 入力が UTF8 である; これにより cooked mode で文字削除 (character\-erase) を
 正しく機能させることができる。
 .PP
-POSIX.1 で定義されている \fIc_oflag\fP フラグを以下に示す:
+\fIc_oflag\fP フラグには以下の要素を指定できる:
 .TP 
 \fBOPOST\fP
 実装に依存した出力処理を有効にする。
-.PP
-残りの \fIc_oflag\fP フラグは、特記のない限り POSIX.1\-2001 で定義されている。
 .TP 
 \fBOLCUC\fP
 (POSIX にはない) 出力時に小文字を大文字に変換する。
@@ -189,8 +200,8 @@ CR を出力しない。
 遅らせることができる。また、 \fBOFILL\fP を指定すると 転送を遅らせる代わりに補填文字を送る。)
 .TP 
 \fBOFDEL\fP
-(POSIX にはない) 補填文字を ASCII DEL にする。 このフラグが設定されていない場合は ASCII NUL (\(aq\e0\(aq)
\81«ã\81ªã\82\8bã\80\82 (Linux ã\81§ã\81¯å®\9fè£\85ã\81\95ã\82\8cã\81¦ã\81\84ã\81ªã\81\84)
+補填文字を ASCII DEL にする。 このフラグが設定されていない場合は ASCII NUL (\(aq\e0\(aq) になる。 (Linux
+では実装されていない)
 .TP 
 \fBNLDLY\fP
 NL の遅延を設定する。値は \fBNL0\fP (遅延なし) および \fBNL1\fP である。 [\fB_BSD_SOURCE\fP か
@@ -448,7 +459,7 @@ System V で (シェルのジョブ制御の前にあった) \fIshell layers\fP
 .IP \fBTCSANOW\fP
 ただちに変更が有効となる。
 .IP \fBTCSADRAIN\fP
-\fIfd\fP への出力がすべて転送された後に変更が有効になる。この機能は 出力に影響するパラメータを変更する時に使用するべきである。
+\fIfd\fP への出力がすべて転送された後に変更が有効になる。このオプションは 出力に影響するパラメータを変更する時に使用するべきである。
 .IP \fBTCSAFLUSH\fP
 パラメータを変更する前に、 \fIfd\fP への出力がすべて転送され、受信したがまだ読み込んでいないすべての 入力が破棄される。
 .SS カノニカルモードと非カノニカルモード
@@ -469,22 +480,42 @@ LNEXT も効果を持つ)。 \fBread\fP(2)  は最大でも 1行の入力しか
 非カノニカルモードでは、入力は即座に利用可能となり (ユーザは行区切り文字を打ち込む必要はない)、入力処理は実行されず、行編集は無効となる。 MIN
 (\fIc_cc[VMIN]\fP) と TIME (\fIc_cc[VTIME]\fP) の設定により、 \fBread\fP(2)
 が完了する条件が決定される。4種類の場合がある:
-.IP * 2
-MIN == 0; TIME == 0: データが利用可能であれば、 \fBread\fP(2)
-はすぐに返る。このときの返り値は、そのとき利用可能なバイト数か \fBread\fP(2)  の要求バイト数のうち小さい方となる。 利用可能なデータがない場合
-\fBread\fP(2)  は 0 を返す。
-.IP * 2
-MIN > 0; TIME == 0: \fBread\fP(2)  は、利用可能なデータが MIN バイトか要求バイト数のいずれかに達するまで
-停止する。返り値は、MIN か要求バイト数の小さい方となる。
-.IP * 2
-MIN == 0; TIME > 0: TIME はタイマの上限を規定し、単位は 1/10 秒である。 タイマは \fBread\fP(2)
-が呼ばれた時点で開始される。 \fBread\fP(2)  が返るのは、少なくとも 1バイトのデータが利用可能となった時点、
-またはタイマが時間切れとなった時点である。 入力が全くなくタイマが時間切れとなった場合、 \fBread\fP(2)  は 0 を返す。
-.IP * 2
-MIN > 0; TIME > 0: TIME はタイマの上限を規定し、単位は 1/10 秒である。
-入力の最初のバイトが利用可能になった後は、 新たに 1バイト受信する度にタイマがリセットされる。 \fBread\fP(2)  が返るのは、MIN
-バイトか要求バイト数のうち少ない方まで読み出された時点か、 バイト間タイマが時間切れとなった時点である。
-は最初のバイトが利用可能にならないとタイマは開始されないので、 少なくとも 1バイトは読み込まれる。
+.TP 
+MIN == 0, TIME == 0 (ポーリングリード)
+データが利用可能であれば、 \fBread\fP(2) はすぐに返る。このときの返り値は、そのとき利用可能なバイト数か \fBread\fP(2)
+の要求バイト数のうち小さい方となる。 利用可能なデータがない場合 \fBread\fP(2) は 0 を返す。
+.TP 
+MIN > 0, TIME == 0 (ブロッキングリード)
+\fBread\fP(2)  は、利用可能なデータが MIN バイトに達するまで停止する。返り値は最大でも要求バイト数である。
+.TP 
+MIN == 0, TIME > 0 (タイムアウト付きの読み込み)
+TIME はタイマの上限を規定し、単位は 1/10 秒である。 タイマは \fBread\fP(2)  が呼ばれた時点で開始される。 \fBread\fP(2)
+が返るのは、少なくとも 1バイトのデータが利用可能となった時点、 またはタイマが時間切れとなった時点である。
+入力が全くなくタイマが時間切れとなった場合、 \fBread\fP(2)  は 0 を返す。 \fBread\fP(2)
+の呼び出し時にすでに利用可能なデータがある場合、 その呼び出しは呼び出し直後にそのデータが到着したかのように振る舞う。
+.TP 
+MIN > 0, TIME > 0 (バイト間のタイムアウト付きの読み出し)
+TIME はタイマの上限を規定し、単位は 1/10 秒である。 入力の最初のバイトが利用可能になった後は、 新たに
+1バイト受信する度にタイマがリセットされる。 \fBread\fP(2) は以下の条件のいずれかを満たした場合に返る。
+.RS
+.IP * 3
+MIN バイトのデータを受信した。
+.IP *
+バイト間タイマーが時間切れになった。
+.IP *
+.\" e.g., Solaris
+\fBread\fP(2) で要求されたバイト数のデータを受信した (POSIX ではこの終了条件は規定されておらず、 他のいくつかの実装では
+\fBread\fP(2) はこの条件では返らない)。
+.RE
+.IP
+タイマーは最初のバイトが利用可能になった時点で開始されるので、 少なくとも 1 バイトは読み出される。 \fBread\fP()
+の呼び出し時にすでに利用可能なデータがある場合、 その呼び出しは呼び出し直後にそのデータが到着したかのように振る舞う。
+.PP
+.\" POSIX.1-2008 XBD 11.1.7
+POSIX では、 \fBO_NONBLOCK\fP ファイル状態フラグが MIN や TIME の設定よりも優先されるかは規定されていない。
+\fBO_NONBLOCK\fP が設定された場合、 非カノニカルモードの \fBread\fP(2) は MIN や TIME の設定に関わらずすぐに返る。
+また、利用可能なデータがない場合、 POSIX では、は非カノニカルモードの \fBread\fP(2) が 0 を返す方法も、 \fIerrno\fP に
+\fBEAGAIN\fP を設定して \-1 を返すことも認められている。
 .SS "Raw mode"
 .LP
 \fBcfmakeraw\fP()  は、端末を昔の Version 7 端末ドライバの "raw" モードのように設定する。
@@ -591,6 +622,12 @@ START 文字の送信。 START 文字は端末デバイスからシステムへ
 .LP
 \fBtcsetattr\fP()  は \fIなんらかの\fP 変更要求が成功した場合に成功を返すことに注意。 従って、複数の変更を行った場合には、引き続いて
 \fBtcgetattr\fP()  を呼び出して全ての変更が実行されているかを確認する必要があるかもしれない。
+.SH 属性
+.SS "マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)"
+関数 \fBtcgetattr\fP(), \fBtcsetattr\fP(), \fBtcsendbreak\fP(), \fBtcdrain\fP(),
+\fBtcflush\fP(), \fBtcflow\fP(), \fBcfmakeraw\fP(), \fBcfgetispeed\fP(),
+\fBcfgetospeed\fP(), \fBcfsetispeed\fP(), \fBcfsetospeed\fP(), \fBcfsetspeed\fP()
+はスレッドセーフである。
 .SH 準拠
 \fBtcgetattr\fP(), \fBtcsetattr\fP(), \fBtcsendbreak\fP(), \fBtcdrain\fP(),
 \fBtcflush\fP(), \fBtcflow\fP(), \fBcfgetispeed\fP(), \fBcfgetospeed\fP(),
@@ -598,7 +635,7 @@ START 文字の送信。 START 文字は端末デバイスからシステムへ
 
 \fBcfmakeraw\fP()  と \fBcfsetspeed\fP()  は非標準だが、BSD では利用可能である。
 .SH 注意
-UNIX V7 とその後のいくつかのシステムでは、ボーレートの 14 個のリストである B0, ..., B9600 の後ろに EXTA, EXTB
+UNIX\ V7 とその後のいくつかのシステムでは、ボーレートの 14 個のリストである B0, ..., B9600 の後ろに EXTA, EXTB
 ("External A" と "External B") の 2 つを 追加している。
 多くのシステムではさらに高速なボーレートのためにリストを拡張している。
 .LP
@@ -614,6 +651,6 @@ DU, Tru64 は \fIduration\fP ミリ秒のブレークを送信する。 FreeBSD,
 .SH 関連項目
 \fBstty\fP(1), \fBconsole_ioctl\fP(4), \fBtty_ioctl\fP(4), \fBsetserial\fP(8)
 .SH この文書について
-この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.50 の一部
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.67 の一部
 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。