.\" Copyright 1993 David Metcalfe (david@prism.demon.co.uk)
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+.\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
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.\" Formatted or processed versions of this manual, if unaccompanied by
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-.TH TZSET 3 2012\-03\-25 "" "Linux Programmer's Manual"
+.\"
+.\" Japanese Version Copyright (c) 1998 NAKANO Takeo all rights reserved.
+.\" Translated 1998-03-23, NAKANO Takeo <nakano@apm.seikei.ac.jp>
+.\" Updated 2000-09-14, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
+.\" Updated 2002-01-06, NAKANO Takeo
+.\" Updated 2007-01-07, Akihiro MOTOKI, catch up to LDP v2.43
+.\"
+.TH TZSET 3 2015\-01\-30 "" "Linux Programmer's Manual"
.SH 名前
tzset, tzname, timezone, daylight \- 時刻の変換情報を初期化する
.SH 書式
(UTC からの西向きの秒数) と \fIdaylight\fP (このタイムゾーンにサマータイムに関するルールがなければ 0、
サマータイム期間が一年のどこかにあれば 0 以外) も設定する。
.PP
-\fBTZ\fP 環境変数が設定されていない場合には、 \fItzname\fP 変数はローカルな壁時計時刻 (wall clock time) に
-最も近い値に初期化される。 このローカルな壁時計時刻としては、 システムのタイムゾーンディレクトリ (後述) にある \fBtzfile\fP(5)
-形式のファイル \fIlocaltime\fP で指定されている値が用いられる。 (この際には \fI/etc/localtime\fP もよく用いられる。
-これはシステムのタイムゾーンディレクトリにある 適切なファイルへのシンボリックリンクになっている。)
+\fBTZ\fP 環境変数が設定されていない場合には、 システムのタイムゾーンが使用される。 ステムのタイムゾーンを設定するには、 \fBtzfile\fP(5)
+形式のファイルを \fI/etc/localtime\fP にコピーしたりリンクしたりする。
+これらのファイルがあるタイムゾーンデータベースはシステムのタイムゾーンディレクトリ (\fBファイル\fP の節を参照) に置かれている。
.PP
\fBTZ\fP 環境変数が存在しているが、その値が空だったり、 以下に示す形式のどれにもあてはまらない場合は、 協定世界時 (Coordinated
Universal Time: UTC) が用いられる。
.PP
-\fBTZ\fP の値は以下の 3 つの形式のいずれかを取ることができる。 最初の形式はサマータイム (daylight saving time)
-を持たないローカルタイムゾーンに対して用いる。
+\fBTZ\fP の値は以下の 2 つの形式のいずれかを取ることができる。 最初の形式は、 使用するタイムゾーンを表す文字列を直接指定する方法である。
.sp
.RS
-\fIstd offset\fP
+std offset \fIdst\fP[\fIoffset\fP][,\fIstart\fP[\fI/time\fP],\fIend\fP[\fI/time\fP]]
.RE
.sp
-\fIstd\fP 文字列はタイムゾーンの名前を指定する。 アルファベットからなる 3 文字以上の文字列でなければならない。 \fIoffset\fP 文字列は
-\fIstd\fP の直後に続き、 協定世界時 (UTC) を得るために ローカルな時刻に加えなければならない時間を指定する。 \fIoffset\fP
-は、ローカルタイムゾーンがグリニッジ子午線 (Prime Meridian) の西なら正の値、東なら負の値を取る。 時間 (hour) は 0 から
-24 の間でなければならない。 分 (minute) と秒 (second) は 0 から 59 の間でなければならない。
+この指定方法ではスペースは一切使用しない。 \fIstd\fP 文字列はタイムゾーンの名前を指定する。 アルファベットからなる 3
+文字以上の文字列でなければならない。 \fIoffset\fP 文字列は \fIstd\fP の直後に続き、 協定世界時 (UTC) を得るために
+ローカルな時刻に加えなければならない時間を指定する。 \fIoffset\fP は、ローカルタイムゾーンがグリニッジ子午線 (Prime Meridian)
+の西なら正の値、東なら負の値を取る。 時間 (hour) は 0 から 24 の間でなければならない。 分 (minute) と秒 (second) は
+0 から 59 の間でなければならない。
.PP
-2 番目の形式はサマータイムがある場合に用いられる。
-.sp
-.RS
-\fIstd offset dst [offset],start[/time],end[/time]\fP
-.RE
-.sp
-指定にはスペースを含めてはならない。 先頭の \fIstd\fP と \fIoffset\fP は 1 番目の形式と同じで、 標準のタイムゾーンを指定する。
\fIdst\fP 文字列と \fIoffset\fP は、 対応するサマータイムゾーンの名前とオフセットを指定する。
オフセットが省略されると、デフォルトでは標準の一時間前となる。
.PP
TZ="NZST\-12:00:00NZDT\-13:00:00,M10.1.0,M3.3.0"
.fi
.PP
-3 番目の形式は、タイムゾーンの情報をファイルから読み込むように指定する。
+2 番目の形式は、タイムゾーンの情報をファイルから読み込むように指定する。
.sp
.RS
:[filespec]
.RE
.sp
-ファイルの指定 \fIfilespec\fP が省略された場合は、 タイムゾーンの情報はシステムタイムゾーンディレクトリの \fIlocaltime\fP
-ファイルから読まれる。 最近ではシステムタイムゾーンディレクトリは普通 \fI/usr/share/zoneinfo/localtime\fP である。
-このファイルは \fBtzfile\fP(5) 形式で書かれている。 \fIfilespec\fP が与えられた場合は、
-タイムゾーンの情報をそのファイルから読み込む。このファイルも \fBtzfile\fP(5) 形式で書かれている必要がある。 \fIfilespec\fP が
-\(aq/\(aq で始まらなかった場合には、 システムタイムゾーンディレクトリからの相対パスで ファイルが指定されたことになる。
+ファイルの指定 \fIfilespec\fP が省略された場合、 もしくは指定された値が解釈できない場合、 協定標準時 (UTC; Coordinated
+Universal Time) が使用される。 指定された場合、 \fIfilespec\fP はタイムゾーン情報を読み出す \fBtzfile\fP(5)
+形式のファイルを指定する。 \fIfilespec\fP が \(aq/\(aq で始まっていない場合には、 システムタイムゾーンディレクトリからの相対パスで
+ファイルが指定されたことになる。 コロンが省略された場合には、 上記の \fBTZ\fP の各形式での解釈を試みる。
.PP
例を挙げておく。もう一度ニュージーランドの例である。
.nf
TZ=":Pacific/Auckland"
.fi
+.SH 環境変数
+.TP
+\fBTZ\fP
+この変数が設定された場合、 その値がシステムで設定されたタイムゾーンより優先して使用される。
+.TP
+\fBTZDIR\fP
+この変数が設定された場合、 その値がシステムで設定されたタイムゾーンデータベースのディレクトリパスより優先して使用される。
.SH ファイル
-用いられるシステムタイムゾーンディレクトリは (g)libc のバージョンに依存する。 libc4 と libc5 は
-\fI/usr/lib/zoneinfo\fP を用いる。libc\-5.4.6 以降では、これが使えなかった場合には
-\fI/usr/share/zoneinfo\fP を使おうとする。 glibc2 では環境変数 \fBTZDIR\fP が存在すればそれを用いる。
-このデフォルトはどのようにインストールされたかによるが、 普通は \fI/usr/share/zoneinfo\fP である。
-.LP
-ã\81\93ã\81®ã\82¿ã\82¤ã\83 ã\82¾ã\83¼ã\83³ã\83\87ã\82£ã\83¬ã\82¯ã\83\88ã\83ªã\81«ã\81¯ä»¥ä¸\8bã\81®ã\83\95ã\82¡ã\82¤ã\83«ã\81\8cå\90«ã\81¾ã\82\8cã\82\8b。
-.nf
-localtime ローカルタイムゾーンのファイル
-posixrules POSIX 式の TZ 書式ルール
-.fi
-.LP
-\fI/etc/localtime\fP は、 \fIlocaltime\fP ファイルや、 システムのタイムゾーンディレクトリ中の適切なタイムゾーンファイルへの
-シンボリックリンクであることが多い。
+.TP
+\fB/etc/localtime\fP
+システムのタイムゾーンファイル。
+.TP
+\fB/usr/share/zoneinfo/\fP
+ã\82·ã\82¹ã\83\86ã\83 ã\81®ã\82¿ã\82¤ã\83 ã\82¾ã\83¼ã\83³ã\83\87ã\83¼ã\82¿ã\83\99ã\83¼ã\82¹ã\81®ã\83\87ã\82£ã\83¬ã\82¯ã\83\88ã\83ª。
+.TP
+\fB/usr/share/zoneinfo/posixrules\fP
+TZ 文字列で dst タイムゾーンが他に何の指定なしで単独で指定された場合、 このファイルが start/end のルールに使用される。
+このファイルは \fBtzfile\fP(5) 形式である。 デフォルトでは、 ゾーン情報の Makefile でこのファイルは
+\fIAmerica/New_York\fP にハードリンクされる。
+.PP
+上記は現在の標準のファイルの場所だが、 glibc のコンパイル時に変更できる。
.SH 準拠
SVr4, POSIX.1\-2001, 4.3BSD.
.SH 注意
\fBdate\fP(1), \fBgettimeofday\fP(2), \fBtime\fP(2), \fBctime\fP(3), \fBgetenv\fP(3),
\fBtzfile\fP(5)
.SH この文書について
-この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.41 の一部
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.79 の一部
である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。