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[linuxjm/jm.git] / manual / kmod / draft / man8 / depmod.8
index 8ed8401..2b999dc 100644 (file)
 .\"
 .\"*******************************************************************
 .\"
-.\" translated for 29, 2022-05-31 ribbon <ribbon@users.osdn.me>
+.\" Japanese Version Copyright (C) 2005 Suzuki Takashi,
+.\"         and 2022 ribbon,
+.\"         and 2022 Chonan Yoichi,
+.\"         all rights reserved.
+.\" Translated (module-init-tools) Fri Jul  8 23:11:03 JST 2005
+.\"         by Suzuki Takashi <JM@linux.or.jp>.
+.\" New Translation (kmod version 29) Tue May 31 2022
+.\"         by ribbon <ribbon@users.osdn.me>
+.\" Modified Tue Oct 25 09:28:07 JST 2022
+.\"         by Chonan Yoichi <cyoichi@maple.ocn.ne.jp>
+.\"
+.\" This program is free software: you can redistribute it and/or modify
+.\" it under the terms of the GNU General Public License as published by
+.\" the Free Software Foundation, either version 2 of the License, or
+.\" (at your option) any later version.
+.\" 
+.\" This program is distributed in the hope that it will be useful,
+.\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of
+.\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.  See the
+.\" GNU General Public License for more details.
+.\" 
+.\" You should have received a copy of the GNU General Public License
+.\" along with this program.  If not, see <http://www.gnu.org/licenses/>.
 .\"
 .TH DEPMOD 8 2021/01/29 kmod depmod
 .ie  \n(.g .ds Aq \(aq
@@ -46,66 +68,93 @@ depmod \- modules\&.dep とマップファイルを生成する
 [\fB\-n\fP] [\fB\-v\fP] [\fB\-P\ \fP\fIprefix\fP] [\fB\-w\fP] [\fIversion\fP] [\fIfilename\fP...]
 .SH 説明
 .PP
-Linux カーネルモジュールは、 他のモジュールが利用できるようなサービス ("シンボル" と呼ばれる) を提供することができます (コード内において
-EXPORT_SYMBOL バリアントを用いて行われます)。 2 つめのモジュールがこのシンボルを利用していたら、 2 つめのモジュールは、 明らかに
-1 つめのモジュールに依存していることになります。 このような依存関係は、 非常に複雑になることがあります。
-.PP
-\fBdepmod\fP は /lib/modules/\fIversion\fP 以下にあるモジュールを読み込んで、 何というシンボルをエクスポートしているか、
-何というシンボルを必要としているかを確認した上で、 モジュールの依存関係の一覧を生成します。 デフォルトでは、 その一覧を modules\&.dep
-に書き込みます。 またバイナリハッシュ形式として modules\&.dep\&.bin を同一ディレクトリ内に書き込みます。
-コマンドラインからファイル名が指定された場合は、 そのモジュールのみが検査されます (モジュールがすべて一覧表示されていなければ、
-この機能はほぼ役に立ちません)。 \fBdepmod\fP はまた、 modules\&.symbols という名のファイル内に、
-モジュールによって提供されるシンボルの一覧を生成します。 そのバイナリハッシュ形式は、 modules\&.symbols\&.bin に生成します。
-モジュールが特別なデバイス名 (devname) を提供するものであって、 (systemd\-tmpfiles などのユーティリティーによって)
-システム起動時に /dev を有効化する必要がある場合、 \fBdepmod\fP は modules\&.devname というファイルを出力します。
-.PP
-\fIversion\fP が指定された場合は、 現在のカーネルバージョン (\fBuname \-r\fP によって返される) ではなく、
-指定されたカーネルバージョンのディレクトリを用います。
+Linux のカーネルモジュールは、(「シンボル」と呼ばれる)
+サービスを (コード中で EXPORT_SYMBOL バリアントの 1 つを使用して)
+ほかのモジュールが使えるように提供することができます。
+あるモジュールがそうしたシンボルを使用している場合、
+そのモジュールがシンボルを提供する側のモジュールに依存していることは明白です。
+こうした依存関係は、かなり複雑になることがあります。
+.PP
+\fBdepmod\fP は、/lib/modules/\fIversion\fP 以下にある各モジュールを読み込み、
+それがどんなシンボルをエクスポートし、どんなシンボルを必要としているかを特定して、
+モジュールの依存関係のリストを作成します。デフォルトでは、このリストは、
+上記ディレクトリに置かれる modules\&.dep と、それをバイナリハッシュ化した
+modules\&.dep\&.bin という名前のファイルに書き込まれます。
+なお、ファイル名をコマンドラインで指定した場合は、そうしたモジュールのみが調べられます
+(すべてのモジュールを指定しないかぎり、これが役に立つことはめったにありません)。
+\fBdepmod\fP はまた、モジュールが提供するシンボルのリストを作成し、modules\&.symbols
+というファイルと、そのバイナリハッシュ版の
+modules\&.symbols\&.bin に書き込みます。最後に、\fBdepmod\fP
+は、モジュールがスペシャルデバイス名を供給している場合は、modules\&.devname
+という名前のファイルを出力します。そうしたスペシャルデバイス名は、普通ブート時に
+(systemd\-tmpfiles のようなユーティリティによって) /dev
+ディレクトリに配置されます。
+.PP
+引数に \fIversion\fP を指定した場合は、現在稼働中のカーネルバージョン
+(\fBuname \-r\fP で返ってくるもの)
+ではなく、指定したカーネルバージョンのモジュールディレクトリが使用されます。
 .SH オプション
 .PP
 \fB\-a\fP, \fB\-\-all\fP
 .RS 4
-すべてのモジュールを調査します。 このオプションはデフォルトでは、 コマンドラインからファイル名を何も指定しなかった場合に利用できます。
+すべてのモジュールを調べます。このオプションは、
+コマンドラインでファイル名を一つも指定しなかった場合、デフォルトで有効になります。
 .RE
 .PP
 \fB\-A\fP, \fB\-\-quick\fP
 .RS 4
-このオプションを指定すると、 処理を行う前に、 modules\&.dep ファイルよりも、 モジュールが新しいかどうかがチェックされます。
-新しくなければ、 ファイルを再生成することなく、 すぐに終了します。
+このオプションを指定すると、処理を行う前にモジュール群にざっと目を通して、
+modules\&.dep ファイルより新しいモジュールがあるかどうかを調べます。もしなければ、
+modules\&.dep などのファイルを作り直さず、何のメッセージも出さずに終了します。
 .RE
 .PP
 \fB\-b \fP\fIbasedir\fP, \fB\-\-basedir \fP\fIbasedir\fP
 .RS 4
-指定するモジュールが、 その時点で (通常の) ディレクトリ /lib/modules/\fIversion\fP にないが、ステージング領域にある場合に、
-ディレクトリ名の先頭につく \fIbasedir\fP を指定することができます。 この \fIbasedir\fP は、 出力先である modules\&.dep
-ファイルでは取り除かれます。 したがって、 すぐに通常のディレクトリに移動させることができます。 このオプションを用いるのは、
-ディストリビューションベンダーであり、 depmod を後で実行することなく、 メタデータファイルを事前生成したい場合です。
+対象となるモジュール群が、現在、(標準の) ディレクトリ /lib/modules/\fIversion\fP
+になく、準備領域 (a staging area) にある場合、
+準備領域で標準ディレクトリ名に先行するディレクトリ名 \fIbasedir\fP
+を指定することができます。この \fIbasename\fP は、作成される modules\&.dep
+ファイルでは取り除かれるので、作成されたファイルは、
+そのまま標準の場所に移動することができます。あなたがディストリビューターであり、
+depmod を後であらためて実行しないでも済むように、
+一連のメタデータファイルを前もって作っておく必要があるならば、
+このオプションを使用するとよいでしょう。
 .RE
 .PP
 \fB\-C\fP, \fB\-\-config \fP\fIfile or directory\fP
 .RS 4
-このオプションは、 デフォルトの設定ディレクトリ /etc/depmod\&.d/ を上書きします。
+/etc/depmod\&.d にあるデフォルトの設定ディレクトリの代わりに、
+このオプションで指定するものを使用します。
 .RE
 .PP
 \fB\-e\fP, \fB\-\-errsyms\fP
 .RS 4
-\fB\-F\fP と合わせて用いた場合に、 このオプションは、 モジュールが必要としているシンボルの中で、
-他のモジュールやカーネルからは提供されていないものを表示します。 モジュールによってシンボルが提供されていない場合には、
-カーネルから提供されているものとして扱うのが普通です (理想的には、 そうであるべきです)。 ただし、
-追加してアップデートしたサードパーティー製のドライバーが、 正しくインストールされていなかったり、 適切にビルドされていなかったりした場合に、
-この仮定は成り立たなくなります。
+このオプションは、\fB\-F\fP オプションと一緒に使用した場合、
+あるモジュールが必要としているシンボルに、
+ほかのモジュールやカーネルによって供給されていないものがあると、
+そのシンボルを報告します。通常、モジュールによって提供されていないシンボルがあれば、
+それはカーネルによって提供されるものと見なされます
+(完璧な世界でなら、そうなっているはずです)。しかし、その想定が外れることもあります。
+特に、サードパーティ製のドライバを後日アップデートしたとき、
+それがきちんとインストールされていなかったり、正しくビルドされていなかったりすると、
+そうなります。
 .RE
 .PP
-\fB\-E\fP, \fB\-\-symvers\fP
+\fB\-E\fP, \fB\-\-symvers \fP\fIModule\&.symvers\fP
 .RS 4
-\fB\-e\fP と合わせて用いた場合に、 このオプションは、 モジュールが提供するシンボルバージョンの中で、 Module\&.symvers
-を通じてカーネルが提供するシンボルバージョンに一致しないものを表示します。 このオプションは \fB\-F\fP とともに用いることはできません。
+このオプションは、\fB\-e\fP オプションと一緒に使用した場合、
+モジュールが提示しているシンボルのバージョンの中に、カーネルがその
+Module\&.symvers (訳注: このファイルは、自分でカーネルをビルドすると生成されます)
+で情報を提供しているシンボルのバージョンと一致しないものがあれば、それを報告します。
+このオプションは、\fB\-F\fP と一緒には使えません。
 .RE
 .PP
 \fB\-F\fP, \fB\-\-filesyms \fP\fISystem\&.map\fP
 .RS 4
-カーネルのビルド時に System\&.map が提供されるので、 この \fB\-e\fP オプションを使えば、 未解決のシンボルを表示できます。
-このオプションは \fB\-E\fP とともに用いることはできません。
+カーネルがビルドされたときに作成された System\&.map
+を指定します。このオプションを使用すると、\fB\-e\fP
+オプションが、解決できないシンボルを報告できるようになります。このオプションは、\fB\-E\fP
+と一緒には使えません。
 .RE
 .PP
 \fB\-h\fP, \fB\-\-help\fP
@@ -115,35 +164,37 @@ EXPORT_SYMBOL バリアントを用いて行われます)。 2 つめのモジ
 .PP
 \fB\-n\fP, \fB\-\-show\fP, \fB\-\-dry\-run\fP
 .RS 4
-これを指定すると、 生成結果である modules\&.dep やその他のマップファイルを、 モジュールディレクトリに書き込まずに、
-標準出力へ書き出します。
+このオプションを指定すると、生成された modules\&.dep
+や様々なマップファイルを、モジュールディレクトリに書き込まずに、
+標準出力に書き出します。
 .RE
 .PP
 \fB\-P\fP
 .RS 4
-アーキテクチャーによっては、 シンボルの先頭に無関係なプレフィックスがつけられる場合があります。 このオプションは、 無視したいプレフィックス
-(たとえば \*(Aq_\*(Aq) を指定します。
+アーキテクチャーによっては、シンボルの前に無関係な文字を付けるものがあります。
+このオプションでは、(たとえば、\*(Aq_\*(Aq といった) 無視すべき接頭辞を指定します。
 .RE
 .PP
 \fB\-v\fP, \fB\-\-verbose\fP
 .RS 4
-\fBdepmod\fP の詳細 (verbose) モードでは、 各モジュールが依存するシンボルすべてと、 そのシンボルを提供するモジュールのファイル名を
-(stdout に) 出力します。
+詳細モードでは、\fBdepmod\fP は、各モジュールが依存しているすべてのシンボルと、
+そのシンボルを提供しているモジュールのファイル名を (標準出力に) 書き出します。
 .RE
 .PP
 \fB\-V\fP, \fB\-\-version\fP
 .RS 4
-プログラムのバージョンを表示して終了します。 古いカーネル上において実行する場合には、 以降の注意事項を参照してください。
+プログラムのバージョンを表示して終了します。
 .RE
 .PP
 \fB\-w\fP
 .RS 4
-ä¾\9då­\98é\96¢ä¿\82ã\80\81ã\82¨ã\82¤ã\83ªã\82¢ã\82¹ã\80\81ã\82·ã\83³ã\83\9cã\83«ã\83\90ã\83¼ã\82¸ã\83§ã\83³ã\81ªã\81©ã\81«é\87\8dè¤\87ã\81\8cã\81\82ã\81£ã\81\9f場合に警告します。
+ä¾\9då­\98é\96¢ä¿\82ã\80\81ã\82¨ã\82¤ã\83ªã\82¢ã\82¹ã\80\81ã\82·ã\83³ã\83\9cã\83«ã\83\90ã\83¼ã\82¸ã\83§ã\83³ã\81ªã\81©ã\81«é\87\8dè¤\87ã\81\8cã\81\82ã\82\8b場合に警告します。
 .RE
 .SH 著作権
 .PP
-この man ページの元々の著作権表記は Copyright 2002, Rusty Russell, IBM Corporation です。 一部は
-Copyright Jon Masters, and others です。
+このマニュアルページの最初の版は、"Copyright 2002, Rusty Russell,
+IBM Corporation" でした。現在では、"Copyright Jon Masters,
+and others" の部分もあります。
 .SH 関連項目
 .PP
 \fBdepmod.d\fP(5), \fBmodprobe\fP(8), \fBmodules.dep\fP(5)