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kmod: Modification of kmod-29 package's tranlations, Part 3.
[linuxjm/jm.git] / manual / kmod / release / man8 / modprobe.8
index cb1ffd1..e5f1d10 100644 (file)
 .\"
 .\"*******************************************************************
 .\"
-.\" translated for 29, 2022-05-31 ribbon <ribbon@users.osdn.me>
+.\" Japanese Version Copyright (C) 2005 Suzuki Takashi,
+.\"         and 2022 ribbon,
+.\"         and 2022 Chonan Yoichi,
+.\"         all rights reserved.
+.\" Translated (module-init-tools) Sun Jul 10 00:42:36 JST 2005
+.\"         by Suzuki Takashi <JM@linux.or.jp>.
+.\" New Translation (kmod version 29) Tue May 31 2022
+.\"         by ribbon <ribbon@users.osdn.me>
+.\" Modified Tue Oct 25 09:28:07 JST 2022
+.\"         by Chonan Yoichi <cyoichi@maple.ocn.ne.jp>
+.\"
+.\" This program is free software: you can redistribute it and/or modify
+.\" it under the terms of the GNU General Public License as published by
+.\" the Free Software Foundation, either version 2 of the License, or
+.\" (at your option) any later version.
+.\" 
+.\" This program is distributed in the hope that it will be useful,
+.\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of
+.\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.  See the
+.\" GNU General Public License for more details.
+.\" 
+.\" You should have received a copy of the GNU General Public License
+.\" along with this program.  If not, see <http://www.gnu.org/licenses/>.
 .\"
 .TH MODPROBE 8 2021/01/29 kmod modprobe
 .ie  \n(.g .ds Aq \(aq
@@ -36,7 +58,7 @@
 .\" * MAIN CONTENT STARTS HERE *
 .\" -----------------------------------------------------------------
 .SH 名前
-modprobe \- Linux ã\82«ã\83¼ã\83\8dã\83«ã\81¸ã\81®ã\83¢ã\82¸ã\83¥ã\83¼ã\83«ã\81®è¿½å\8a ã\82\84å\89\8aé\99¤
+modprobe \- Linux ã\82«ã\83¼ã\83\8dã\83«ã\81«å¯¾ã\81\97ã\81¦ã\83¢ã\82¸ã\83¥ã\83¼ã\83«ã\81®ç\9d\80è\84±ã\82\92è¡\8cã\81\86
 .SH 書式
 .HP \w'\fBmodprobe\fR\ 'u
 \fBmodprobe\fP [\fB\-v\fP] [\fB\-V\fP] [\fB\-C\ \fP\fIconfig\-file\fP] [\fB\-n\fP] [\fB\-i\fP] [\fB\-q\fP]
@@ -49,185 +71,243 @@ modprobe \- Linux カーネルへのモジュールの追加や削除
 \fBmodprobe\fP [\-\-dump\-modversions] [\fIfilename\fP]
 .SH 説明
 .PP
-\fBmodprobe\fP は Linux カーネルに対するモジュールの登録や削除を適切に行います。 扱いやすさを考慮して、 モジュール名に使われる _ と
-\- は区別されません (アンダースコアの変換が自動的に行われます)。 \fBmodprobe\fP がモジュールや他のファイルを検索するディレクトリは、
-/lib/modules/`uname \-r` というモジュールディレクトリです。 この他に、 任意の設定ファイルは /etc/modprobe\&.d
-ディレクトリから検索します (\fBmodprobe.d\fP(5) 参照)。 また \fBmodprobe\fP は、 カーネルのコマンドラインからは
-<module>\&.<option> という形式で、 またブラックリストからは
-modprobe\&.blacklist=<module> という形式で、 オプション指定することができます。
+\fBmodprobe\fP は、Linux
+カーネルに対して頭のよいやり方でモジュールの追加や取り外しを行います。
+なお、ユーザの便宜を考慮して、モジュール名に含まれる _ と \- とを区別しません
+(アンダースコアの変換が自動的に行われます)。
+\fBmodprobe\fP は、モジュールディレクトリ /lib/modules/`uname \-r`
+を見て、すべてのモジュールやそのほかのファイルをそれ以下に捜します。
+ただし、作成が任意の設定ファイルについては、/etc/modprobe\&.d
+ディレクトリを調べます (\fBmodprobe.d\fP(5) 参照)。
+\fBmodprobe\fP はまた、カーネルコマンドラインで指定された、
+モジュールオプションやブラックリストも使用します。前者の書式は
+<module>\&.<option> であり、後者の書式は
+modprobe\&.blacklist=<module> です。
 .PP
-(本ツールがサポートしていない) Linux カーネル 2.4 系列の場合とは異なり、 \fBmodprobe\fP の本バージョンでは、
-モジュールそのものには何も行いません。 つまりシンボルの解決やパラメーターの解釈は、 カーネル内部で行われます。
-したがってモジュールに関する処理失敗は、 カーネルメッセージに出力されることがあります。 \fBdmesg\fP(8) を参照してください。
+なお、2\&.4 系列の Linux カーネル (このツールはサポートしていません)
+の場合とは違って、当バージョンの \fBmodprobe\fP
+は、モジュールそのものに対しては何の操作も行いません。
+シンボルの解決やパラメータの解釈といった作業は、
+カーネルの内部で行われます。そこで、モジュールの処理に失敗すると、
+カーネルメッセージが出ることがあります。\fBdmesg\fP(8) を参照してください。
 .PP
-\fBmodprobe\fP に対応づいて提供される \fBdepmod\fP ユーティリティーからは modules\&.dep\&.bin
-ファイルが生成されます (\fBdepmod\fP(8) 参照)。 そして \fBmodprobe\fP では、 そのファイルが最新であることを想定しています。
-このファイルでは、 各モジュールが他のモジュールを必要としている場合に、 それが何であるのかを一覧に示しています。 そして \fBmodprobe\fP
-はこれを利用して、 依存モジュールの追加や削除を自動的に行います。
+\fBmodprobe\fP は、modules\&.dep\&.bin
+ファイルが最新であることを当てにしています。このファイルは、\fBmodprobe\fP
+と一緒に配布され、現在の \fBmodprobe\fP に対応している
+\fBdepmod\fP(8) ユーティリティによって生成されます (\fBdepmod\fP(8) 参照)。
+modules\&.dep\&.bin は、各モジュールが、ほかのどんなモジュールを必要としているかを
+(そういったものがあれば) リストしており、\fBmodprobe\fP は、このファイルを使用して、
+そうした依存するモジュールを自動的に追加したり、取り外したりします
 .PP
-\fImodulename\fP より後ろに指定された引数は、 すべてカーネルに受け渡されます (設定ファイルに指定されたオプションも、
-そこに加えられます)。
+\fImodulename\fP の後ろに引数を付けると、そうした引数はカーネルに渡されます
+(設定ファイルで指定しているモジュールオプション (モジュールパラメータとも言います)
+があれば、そこに追加されるわけです)。
 .SH オプション
 .PP
 \fB\-a\fP, \fB\-\-all\fP
 .RS 4
\82³ã\83\9eã\83³ã\83\89ã\83©ã\82¤ã\83³ã\81\8bã\82\89æ\8c\87å®\9aã\81\95ã\82\8cã\81\9fã\83¢ã\82¸ã\83¥ã\83¼ã\83«å\90\8dã\82\92ã\81\99ã\81¹ã\81¦ç\99»é\8c²ã\81\97ます。
\82³ã\83\9eã\83³ã\83\89ã\83©ã\82¤ã\83³ã\81§æ\8c\87å®\9aã\81\95ã\82\8cã\81\9fã\83¢ã\82¸ã\83¥ã\83¼ã\83«å\90\8dã\82\92ã\81\99ã\81¹ã\81¦çµ\84ã\81¿è¾¼ã\81¿ます。
 .RE
 .PP
 \fB\-b\fP, \fB\-\-use\-blacklist\fP
 .RS 4
-このオプション指定により、 設定ファイル内に \fBblacklist\fP コマンドがあれば、  それもモジュール名に対して適用するようになります。
-これは通常、 \fBudev\fP(7) が利用します。
+このオプションを指定すると、\fBmodprobe\fP は、設定ファイルに \fBblacklist\fP
+コマンドがあれば、それもモジュール名に対して適用します。
+このオプションは通常、\fBudev\fP(7) によって使用されます。
 .RE
 .PP
 \fB\-C\fP, \fB\-\-config\fP
 .RS 4
-このオプションは、 デフォルトの設定ディレクトリ (/etc/depmod\&.d/) を上書きします。
+このオプションは、設定ディレクトリをデフォルトの /etc/modprobe\&.d
+から変更します。
 .sp
-このオプションは、 \fBinstall\fP コマンドや \fBremove\fP コマンドを通じて、 環境変数 MODPROBE_OPTIONS 内の別の
-\fBmodprobe\fP コマンドに受け渡されます。
+このオプションは、環境変数 MODPROBE_OPTIONS に入れられて、\fBinstall\fP や
+\fBremove\fP コマンド経由で、ほかの \fBmodprobe\fP コマンドにも渡されます。
 .RE
 .PP
 \fB\-c\fP, \fB\-\-showconfig\fP
 .RS 4
-設å®\9aã\83\87ã\82£ã\83¬ã\82¯ã\83\88ã\83ªã\81\8bã\82\89æ\9c\89å\8a¹ã\81ªè¨­å®\9aã\82\92å\8f\96å¾\97ã\81\8aã\82\88ã\81³è¡¨ç¤ºã\81\97ã\81¦ã\80\81 終了します。
+設å®\9aã\83\87ã\82£ã\83¬ã\82¯ã\83\88ã\83ªã\82\92読ã\81¿è¾¼ã\81¿ã\80\81æ\9c\89å\8a¹ã\81ªè¨­å®\9aã\82\92æ¨\99æº\96å\87ºå\8a\9bã\81«æ\9b¸ã\81\8då\87ºã\81\97ã\81¦ã\80\81終了します。
 .RE
 .PP
 \fB\-\-dump\-modversions\fP
 .RS 4
-1 つのモジュールが必要としている、 モジュールのバージョン情報の一覧を表示します。 このオプションは、
-通常はディストリビューションが利用するものであり、 モジュールバージョンを示す dep ファイルを使って、 Linux
-カーネルモジュールをパッケージ化するために用いられます。
+あるモジュールが要求している、そのモジュールのバージョン管理情報のリストを表示します。
+このオプションは通常、モジュールのバージョン管理の依存情報を利用して Linux
+のカーネルモジュールをパッケージにまとめるために、
+ディストリビューションによって使用されます。
 .RE
 .PP
 \fB\-d\fP, \fB\-\-dirname\fP
 .RS 4
-モジュールのルートディレクトリ。 デフォルトは / です。
+モジュール群にとってのルートディレクトリ。デフォルトでは / です。
 .RE
 .PP
 \fB\-\-first\-time\fP
 .RS 4
-通常 \fBmodprobe\fP では、 すでに存在しているモジュールを登録しようとしたり、 存在しないモジュールを削除しようとした場合でも、
-正常終了します (そのときは何も行いません)。 これは単純なスクリプトにおいては最適なものですが、 より複雑なスクリプトの場合には、 実際に
-\fBmodprobe\fP が何を行ったのかを知る必要が出てきます。 このオプションは、 実際に何も行われなかった場合には、 modprobe
-の処理が失敗したものとします。
+通常、\fBmodprobe\fP は、すでに存在するモジュールの組み込みや、
+存在しないモジュールの取り外しを命じられても、処理に成功したものとして
+(何もせずに) 終了します。これは単純なスクリプトではまったく問題がありません。
+でも、より複雑なスクリプトでは、\fBmodprobe\fP
+が実際に何らかの処理を行ったかどうかを知りたいことがよくあります。
+このオプションを使うと、\fBmodprobe\fP は、実際には何もしなかった場合、
+実行に失敗したことになります。
 .RE
 .PP
 \fB\-\-force\-vermagic\fP
 .RS 4
-どのモジュールであっても、 カーネルバージョンやコンパイラーバージョンといった重要な情報が、 短い文字列となってその名前に含められています。
-モジュールのロードが失敗して、 カーネルが「version magic」が一致しないというエラーを出力した場合には、
-このオプションを使えばエラー回避できます。 本来このチェック処理は、 ユーザー操作を保護するものであるため、 処理内容が分かっていない限り、
-このオプションの利用は危険です。
+どのモジュールの中にも、
+カーネルやコンパイラのバージョンといった重要な情報を含む短い文字列が存在します。
+モジュールのロードに失敗して、
+カーネルが「バージョンマジックが一致しない」と苦情を言って来る場合、
+このオプションを使えば、そのバージョンマジックを除去することができます。
+言うまでもありませんが、こうしたチェックは、
+ユーザを守るためにあるのですから、自分のやっていることがよくわかっていないかぎり、
+このオプションを使うのは危険です。
 .sp
-これは、 登録されているモジュールすべてに適用されます。 つまり対象となるモジュールは、 コマンドラインから指定されたモジュール (あるいはエイリアス)
-と、 それが依存するモジュールを含みます。
+このオプションは、組み込まれるどんなモジュールにも適用されます。
+すなわち、コマンドラインで指定されたモジュール (やエイリアス) だけでなく、
+それが依存するモジュールがあれば、それにも適用されます。
 .RE
 .PP
 \fB\-\-force\-modversion\fP
 .RS 4
-CONFIG_MODVERSIONS の設定を行ってモジュールがコンパイルされた場合には、 モジュールが使用する (あるいは提供する)
-インターフェースに関して、 そのバージョンをすべて説明するセクションが生成されます。 モジュールのロードが失敗して、 特定のインターフェースにおいて、
-モジュールのバージョンが不一致であることをカーネルがエラー出力した場合には、 "\-\-force\-modversion" を使えば、
-バージョン情報をすべて取り除いて処理することができます。本来このチェック処理は、 ユーザー操作を保護するものであるため、 処理内容が分かっていない限り、
-このオプションの利用は危険です。
+CONFIG_MODVERSIONS を有効にして、モジュールをコンパイルすると、
+そのモジュールが利用する (あるいは、提供する)
+すべてのインターフェースのバージョンを記録したセクションが、モジュール内に作られます。
+モジュールのロードに失敗して、カーネルが「モジュールのインターフェースに、
+バージョンがカーネル側と一致しないものがある」と苦情を言って来る場合、
+"\-\-force\-modversion" を使えば、そうしたバージョン情報をそっくり除去することができます。
+言うまでもありませんが、こうしたチェックは、ユーザを守るためにあるのですから、
+自分のやっていることがよくわかっていないかぎり、このオプションを使うのは危険です。
 .sp
-これは、 登録されているモジュールすべてに適用されます。 つまり対象となるモジュールは、 コマンドラインから指定されたモジュール (あるいはエイリアス)
-と、 それが依存するモジュールを含みます。
+このオプションは、組み込まれるどんなモジュールにも適用されます。
+すなわち、コマンドラインで指定されたモジュール (やエイリアス) だけでなく、
+それが依存するモジュールがあれば、それにも適用されます。
 .RE
 .PP
 \fB\-f\fP, \fB\-\-force\fP
 .RS 4
-バージョン情報を含んでいることが原因で、 ロードができないモジュールに対して、 そのバージョン情報を取り除いてロードを行います。 これは
-\fB\-\-force\-vermagic\fP と \fB\-\-force\-modversion\fP をともに指定することと同じです。 本来このチェック処理は、
-ユーザー操作を保護するものであるため、 処理内容が分かっていない限り、 このオプションの利用は危険です。
+バージョン管理に関する情報がモジュールにあると、ロードが中断しかねない場合に、
+モジュールからそうした情報をすべて取り除こうとします。
+これは \fB\-\-force\-vermagic\fP と \fB\-\-force\-modversion\fP
+の両方を使用するのと同じことです。
+言うまでもありませんが、こうしたチェックはユーザを守るためにあるのですから、
+自分のやっていることがよくわかっていないかぎり、このオプションを使うのは危険です。
 .sp
-これは、 登録されているモジュールすべてに適用されます。 つまり対象となるモジュールは、 コマンドラインから指定されたモジュール (あるいはエイリアス)
-と、 それが依存するモジュールを含みます。
+このオプションは、組み込まれるどんなモジュールにも適用されます。
+すなわち、コマンドラインで指定されたモジュール (やエイリアス) だけでなく、
+それが依存するモジュールがあれば、それにも適用されます
 .RE
 .PP
 \fB\-i\fP, \fB\-\-ignore\-install\fP, \fB\-\-ignore\-remove\fP
 .RS 4
-このオプションを指定すると、 \fBmodprobe\fP の処理にあたって、 コマンドラインからモジュールが指定されても、
-設定ファイル内にそのモジュールが存在していれば、 \fBinstall\fP コマンドや \fBremove\fP コマンドは無視されます (その依存モジュールは、
-設定ファイル内に設定されたコマンドに従います)。 \fBinstall\fP コマンドと \fBremove\fP コマンドは、
-このオプションが用いられた場合に無視されますが、 \fB\-\-ignore\-install\fP または \fB\-\-ignore\-remove\fP
-の一方だけが指定された (両方の指定がない) 場合であっても、 両方が無視されます。  \fBmodprobe.d\fP(5) を参照してください。
+このオプションを使うと、\fBmodprobe\fP
+は、コマンドラインで指定されたモジュールに対して設定ファイル中に
+install や remove コマンドが存在しても、それを無視します
+(依存するモジュールについては、このオプションを指定した場合でも、
+設定ファイル中でそのモジュールに対して設定されているコマンドの対象になります)。
+現状では、このオプションを使用した場合、\fBinstall\fP と \fBremove\fP
+の両方のコマンドが無視されることになります。
+\fB\-\-ignore\-install\fP や \fB\-\-ignore\-remove\fP の片方のみを使って
+(そして、両方を使うことなく) より具体的に指定しても、動作は変わりません。
+\fBmodprobe.d(5)\fP を参照してください。
 .RE
 .PP
 \fB\-n\fP, \fB\-\-dry\-run\fP, \fB\-\-show\fP
 .RS 4
-このオプションは、 モジュールの登録や削除 (つまり install コマンドや remove コマンドの実行) は行わず、
-これを除いたすべてのコマンドを実行します。 \fB\-v\fP と合わせて用いれば、 デバッグ目的で利用することができます。 これまでの開発経緯において、
-\fB\-\-dry\-run\fP と \fB\-\-show\fP は、 まったく同じ意味となっているため、 どちらを用いても構いません。
+このオプションを指定すると、実際にモジュールを組み込んだり、取り外したり
+(それに、install や remove コマンドを実行したり) する以外のあらゆることを行います。
+\fB\-v\fP オプションと組み合わせると、問題が起きたときのデバッグに便利です。
+歴史的な理由から  \fB\-\-dry\-run\fP と \fB\-\-show\fP は事実上同じ意味なので、
+どちらを使っても構いません。
 .RE
 .PP
 \fB\-q\fP, \fB\-\-quiet\fP
 .RS 4
-このフラグを指定した場合、 削除または登録しようとしているモジュールが見つからない場合 (エイリアスでもなく、 \fBinstall\fP/\fBremove\fP
-コマンドでもない場合)、 \fBmodprobe\fP はエラーメッセージを表示しません。 ただしその場合でも、 ゼロではない終了ステータスを返します。
-request_module を利用すれば存在確認が取れるモジュールに対しては、 カーネルはこの機能を使うことで、 モジュール検査を行います。
+このフラグを使用すると、\fBmodprobe\fP は、モジュールを取り外したり、
+組み込んだりしようとして、それが見つからなかった場合に
+(しかも、それがエイリアスの名前でも、\fBinstall\fP や \fBremove\fP
+コマンドの対象でもなかった場合に)、エラーメッセージを出さなくなります。それでも、
+ゼロ以外のステータスで終了することに変わりはありません。なお、カーネルは、
+存在するかどうかが不確かなモジュールの探索を request_module
+関数を使って便宜主義的に行うために、このフラグを使用します。
 .RE
 .PP
 \fB\-R\fP, \fB\-\-resolve\-alias\fP
 .RS 4
-エイリアスに一致するモジュール名をすべて表示します。 これは、 モジュールエイリアスに問題がある際のデバッグに利用できます。
+あるエイリアスに対応するモジュール名をすべて表示します。
+モジュールのエイリアスに問題がある場合、デバッグの役に立つかもしれません。
 .RE
 .PP
 \fB\-r\fP, \fB\-\-remove\fP
 .RS 4
-この \fBmodprobe\fP オプションは、 モジュールを登録するのではなく、 削除を行います。
-対象モジュールが依存しているモジュールも未使用であった場合、 \fBmodprobe\fP はそのモジュールも削除します。 モジュール登録の場合とは違って、
-コマンドラインからは複数のモジュールを指定することができます (モジュールを削除するので、 モジュールにパラメーターを受け渡しても意味がありません)。
+このオプションを指定すると、\fBmodprobe\fP は、モジュールを組み込む代わりに、
+それを取り外します。そのモジュールが依存しているモジュールも使用されていない場合は、
+それもまた取り外そうとします。組み込みを行う場合とは違って、
+複数のモジュールをコマンドラインで指定することができます
+(モジュールを取り外す場合には、モジュールパラメータを指定しても意味がありません)。
 .sp
-通常、 モジュールを削除することはありません。 ただしバグを含んだモジュールであれば必要になることがあります。
-利用しているディストリビューションのカーネルが、 モジュール削除機能のサポートを含めずにビルドされている場合があります。
+通常は、モジュールを取り外す理由などありませんが、
+モジュールにバグのある場合には、それが必要になることもあります。
+もっとも、ご使用のディストリビューションのカーネルは、
+モジュール取り外しのサポートを有効にしてビルドされていないかもしれません。
 .RE
 .PP
 \fB\-S\fP, \fB\-\-set\-version\fP
 .RS 4
-\fBuname\fP(2) を用いずに、 カーネルバージョンを設定します (これによって、 モジュールを検索するディレクトリを決定します)。
+カーネルのバージョンを設定します。すなわち、カーネルのバージョン
+(それによって、モジュールを探しに行く場所が決まります)
+を判断するのに、\fBuname\fP(2) を使用しません。
 .RE
 .PP
 \fB\-\-show\-depends\fP
 .RS 4
-対象のモジュールそのものも含めて、 依存するモジュール (またはエイリアス) を一覧表示します。 これによって (空リストの場合も含めて)
-モジュールファイル名のリストを、 1 つにつき 1 行ずつ表示して、 各行の先頭に "insmod" を出力します。 通常これは、
-initrd/initramfs イメージを生成する際に含めるモジュールの決定のために、 ディストリビューションが利用します。 \fBInstall\fP
-コマンドが適用されると、 先頭に "install" が出力されます。 これは install コマンドは実行しません。 \fBmodinfo\fP(8)
-を利用すれば、 モジュール自体から依存モジュールの情報を取得することができますが、 エイリアスや install コマンドについては、
-何も得ることはできません。
+あるモジュール (または、エイリアス) の依存関係を、そのモジュール自体も含めて、
+一覧表示します。モジュールファイル名の集合 (空集合のこともあります) が、1 行に
+1 ファイルずつ、各行の先頭に "insmod" を付けて、出力されます。
+このオプションの代表的な使い道は、ディストリビューションが initrd/initramfs
+イメージを作成するとき、どのモジュールを収録するかを決めるのに使うことです。
+\fBInstall\fP コマンドが適用されている場合は、"install"
+という文字列を行頭に置くことで、それを示しますが、そうした install
+コマンドが実行されるわけではありません。なお、\fBmodinfo\fP(8) を使えば、
+モジュールの依存関係をそのモジュール自体から取り出すことができますが、
+\fBmodinfo\fP は、設定ファイルの alias や install といったコマンドについては、
+何も知らないことに注意してください。
 .RE
 .PP
 \fB\-s\fP, \fB\-\-syslog\fP
 .RS 4
-このオプションを指定すると、 あらゆるエラーメッセージは、 標準エラー出力に向けてではなく、 syslog 機能に向けて (ログレベル
-LOG_NOTICE の LOG_DAEMON として) 出力されます。 この処理はまた、 stderr が利用できない場合には、
-自動的に有効になります。
+このオプションを指定すると、エラーメッセージがある場合に、
+それを標準エラーに送るのではなく、syslog の仕組みを通して出力します
+(LOG_NOTICE レベルの LOG_DAEMON として扱われます)。
+このオプションは、標準エラーが使えない場合にも、自動的に有効になります。
 .sp
-このオプションは、 \fBinstall\fP コマンドや \fBremove\fP コマンドを通じて、 環境変数 MODPROBE_OPTIONS 内の別の
-\fBmodprobe\fP コマンドに受け渡されます。
+このオプションは、環境変数 MODPROBE_OPTIONS に入れられて、\fBinstall\fP や
+\fBremove\fP コマンド経由で、ほかの \fBmodprobe\fP コマンドにも渡されます。
 .RE
 .PP
 \fB\-V\fP, \fB\-\-version\fP
 .RS 4
-プログラムバージョンを表示して終了します。
\83\97ã\83­ã\82°ã\83©ã\83 ã\81®ã\83\90ã\83¼ã\82¸ã\83§ã\83³ã\82\92表示ã\81\97ã\81¦çµ\82äº\86ã\81\97ã\81¾ã\81\99ã\80\82
 .RE
 .PP
 \fB\-v\fP, \fB\-\-verbose\fP
 .RS 4
-プログラムの処理内容に関するメッセージを出力します。 普通 \fBmodprobe\fP は、 何かが誤っている場合にのみメッセージを出力します。
+プログラムが何をやっているかについてメッセージを表示します。通常
+modprobe がメッセージを出すのは、何かがうまく行かなかったときだけです。
 .sp
-このオプションは、 \fBinstall\fP コマンドや \fBremove\fP コマンドを通じて、 環境変数 MODPROBE_OPTIONS 内の別の
-\fBmodprobe\fP コマンドに受け渡されます。
+このオプションは、環境変数 MODPROBE_OPTIONS に入れられて、\fBinstall\fP や
+\fBremove\fP コマンド経由で、ほかの \fBmodprobe\fP コマンドにも渡されます。
 .RE
 .SH 環境変数
 .PP
-環境変数 MODPROBE_OPTIONS は、 \fBmodprobe\fP への引数受け渡しにも利用されます。
+環境変数 MODPROBE_OPTIONS は、\fBmodprobe\fP
+コマンドに引数を渡すためにユーザが使用することもできます。
 .SH 著作権
 .PP
-この man ページの元々の著作権表記は Copyright 2002, Rusty Russell, IBM Corporation です。 現在は
-Jon Masters その他により保守されています。
+このマニュアルページの最初の版は、"Copyright 2002, Rusty Russell,
+IBM Corporation" でした。現在では、Jon Masters ほか数名によって保守されています。
 .SH 関連項目
 .PP
 \fBmodprobe.d\fP(5), \fBinsmod\fP(8), \fBrmmod\fP(8), \fBlsmod\fP(8), \fBmodinfo\fP(8)