From 46d0bd4c61d309c11a9267cbd727c66bd4060c69 Mon Sep 17 00:00:00 2001 From: cyoichi Date: Sat, 29 Oct 2022 21:25:55 +0900 Subject: [PATCH 1/1] kmod: Modification of kmod-29 package's translations, Part 2. modified: manual/kmod/draft/man5/depmod.d.5 modified: manual/kmod/draft/man5/modprobe.d.5 modified: manual/kmod/draft/man5/modules.dep.5 modified: manual/kmod/draft/man8/depmod.8 modified: manual/kmod/draft/man8/insmod.8 modified: manual/kmod/draft/man8/kmod.8 modified: manual/kmod/draft/man8/lsmod.8 modified: manual/kmod/draft/man8/modinfo.8 modified: manual/kmod/draft/man8/modprobe.8 modified: manual/kmod/draft/man8/rmmod.8 --- manual/kmod/draft/man5/depmod.d.5 | 96 +++++++++---- manual/kmod/draft/man5/modprobe.d.5 | 211 ++++++++++++++++++++--------- manual/kmod/draft/man5/modules.dep.5 | 48 +++++-- manual/kmod/draft/man8/depmod.8 | 139 +++++++++++++------ manual/kmod/draft/man8/insmod.8 | 40 ++++-- manual/kmod/draft/man8/kmod.8 | 40 ++++-- manual/kmod/draft/man8/lsmod.8 | 34 ++++- manual/kmod/draft/man8/modinfo.8 | 77 +++++++---- manual/kmod/draft/man8/modprobe.8 | 252 +++++++++++++++++++++++------------ manual/kmod/draft/man8/rmmod.8 | 51 +++++-- 10 files changed, 694 insertions(+), 294 deletions(-) diff --git a/manual/kmod/draft/man5/depmod.d.5 b/manual/kmod/draft/man5/depmod.d.5 index 926fcda7..accfc48e 100644 --- a/manual/kmod/draft/man5/depmod.d.5 +++ b/manual/kmod/draft/man5/depmod.d.5 @@ -13,7 +13,26 @@ .\" .\"******************************************************************* .\" -.\" translated for 29, 2022-05-31 ribbon +.\" Japanese Version Copyright (C) 2022 ribbon, +.\" and 2022 Chonan Yoichi, +.\" all right reserved. +.\" Translated (kmod version 29) Tue May 31 2022 +.\" by ribbon +.\" Modified Tue Oct 25 09:28:07 JST 2022 +.\" by Chonan Yoichi +.\" +.\" This program is free software: you can redistribute it and/or modify +.\" it under the terms of the GNU General Public License as published by +.\" the Free Software Foundation, either version 2 of the License, or +.\" (at your option) any later version. +.\" +.\" This program is distributed in the hope that it will be useful, +.\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of +.\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the +.\" GNU General Public License for more details. +.\" +.\" You should have received a copy of the GNU General Public License +.\" along with this program. If not, see . .\" .TH DEPMOD\&.D 5 2021/01/29 kmod depmod.d .ie \n(.g .ds Aq \(aq @@ -36,8 +55,8 @@ .\" * MAIN CONTENT STARTS HERE * .\" ----------------------------------------------------------------- .SH 名前 -depmod.d \- depmod 向けの設定ディレクトリ -.SH 書式 +depmod.d \- depmod 用の設定ディレクトリ +.SH 概要 .PP /usr/lib/depmod\&.d/*\&.conf .PP @@ -48,50 +67,71 @@ depmod.d \- depmod 向けの設定ディレクトリ /etc/depmod\&.d/*\&.conf .SH 説明 .PP -\fBdepmod\fP コマンドによって処理されるモジュールの順番は、 グローバルにもモジュールごとにでも変更できます。 このことが役立つ場面としては、 -ビルトインのカーネルモジュールが、 カスタムビルドされている場合です。 そしてユーザーが望む動作として、 -カーネルにより提供されるモジュールバージョンを上書きして、 処理優先度を制御したい場合です。 +モジュールが \fBdepmod\fP コマンドによって処理される順番は、 +全体としても、モジュールごとにも変更することができます。 +これが役に立つ典型的なケースは、カーネルに付属するモジュールが、 +同じモジュールのカスタムビルト版で補正されており、 +ユーザとしては、カーネルの供給するモジュールのバージョンを使わないようにするために、 +処理の優先順位を変更したい場合です。 .PP -depmod\&.d 配下にあるファイルのフォーマットは単純です。 1 行に 1 つのコマンドを記述します。 空行や \*(Aq#\*(Aq -で始まる行は無視されます (コメント行として利用できます)。 行末に \*(Aq\e\*(Aq を記述すれば、 次の行への継続を表します。 -これを使えば、ファイルが多少すっきりします。 +depmod\&.d の下にあるファイルの書式は単純です。1 行 1 コマンドで、空行や +\*(Aq#\*(Aq で始まる行は無視されます (後者はコメントを付けるのに使えます)。行末に +1 個の \*(Aq\e\*(Aq があると、その行は次の行に続くことになります。これを使うと、 +ファイルの見かけがちょっとよくなります。 .SH コマンド .PP search \fIsubdirectory\&.\&.\&.\fP .RS 4 -これは、 \fBdepmod\fP によって処理される /lib/modules (あるいは設定されたモジュールディレクトリ) -配下のサブディレクトリの処理順の指定を行います。 ディレクトリを順に列記して、 最も優先度の高いディレクトリを先頭に記述します。 -同じく最も優先度の低いディレクトリを最後に記述します。 特別なキーワード \fBbuilt\-in\fP は、 -カーネルによってインストールされた標準的なモジュールディレクトリを参照します。 別のキーワード \fBexternal\fP は、 -外部ディレクトリの一覧を参照するものであり、 \fBexternal\fP コマンドによって定義します。 +このコマンドを使うと、/lib/modules +(あるいは、モジュールの置き場として設定されたほかの場所) +以下のサブディレクトリが、\fBdepmod\fP によって処理される順番を指定することができます。 +リストするディレクトリの順番では、最初のものの優先度が最も高く、 +最後のものの優先度が最も低くなります。スペシャルキーワードの \fBbuilt\-in\fP +は、カーネルによってインストールされる標準のモジュールディレクトリを指しています。 +もう一つのスペシャルキーワード \fBexternal\fP は、\fBexternal\fP +コマンドによって定義される外部のディレクトリのリストを指しています。 .sp -デフォルトで depmod は、 ビルトインに対する検索文字列 "updates built\-in" を用いることで、 \fBupdates\fP -という名前のディレクトリを、 より優先度を上げて検索することができます。 ただしこれよりも、 さらに複雑な設定も可能であり、 -代表的なディストリビューションでは、 そのような指定も利用されています。 +デフォルトでは、\fBdepmod\fP は、プログラムに埋め込まれた "updates built\-in" +という検索文字列を使って、\fBupdates\fP という名前のディレクトリに、\fBbuilt\-in\fP +よりも高い優先度を与えています。でも、もっと複雑な順番の設定も可能であり、 +有名なディストリビューションのいくつかでは、 +そうした順番が実際に使われています。 .RE .PP override \fImodulename\fP \fIkernelversion\fP \fImodulesubdirectory\fP .RS 4 -このコマンドは、 \fBdepmod\fP コマンドにおいて同一の名前を共有する複数のモジュールが処理される場合に、 -特定のどのバージョンのモジュールを用いるかを、 上書き指定できるものです。 1 つのカーネルを指定することや、 ワイルドカード指定 * を用いれば、 -複数のカーネルの指定が可能です。 \fImodulesubdirectory\fP は /lib/modules -(あるいは別に指定されたモジュールディレクトリ) 配下のサブディレクトリ名であり、 対象とするモジュールがインストールされているディレクトリです。 +このコマンドを使うと、同じ名前を持つ複数のモジュールが \fBdepmod\fP +コマンドの処理の対象になる場合に、 +特定のモジュールについて、使用するバージョンを変更することができます。 +ある一つのカーネルを指定することもできますし、ワイルドカードの * +を使って、すべてのカーネルを指定することも可能です。(書式中の) +\fImodulesubdirectory\fP は、/lib/modules +(あるいは、モジュールの存在するほかの場所) 以下のサブディレクトリの名前であり、 +処理対象になるモジュールがインストールされているところです。 .sp -たとえば、 \fBkmod\fP という名のテストモジュールが更新されたので、 その優先順位を上書きするには、 以下のコマンド "override kmod -* extra" を指定します。 これを行うことで、 /lib/modules (または別に指定されたモジュールディレクトリ) 配下のサブディレクトリ -\fBextra\fP に、 その名称に一致するモジュールがあれば、 カーネルが同様な名前のモジュールを提供していたとしても、 それが優先的に用いられます。 +たとえば、更新版の出た \fBkmod\fP +という名前のテストモジュールの優先度を、"override kmod * extra" +というコマンドを指定することで変更することができます。 +このようにすると、/lib/modules (あるいは、モジュールの存在するほかの場所) +の内にある \fBextra\fP というサブディレクトリ以下にインストールされているモジュールの中に、 +モジュール名のマッチするものがあれば、 +カーネルによってすでに提供されている同名のどんなモジュールよりも、 +それが高い優先度を持つようになるのです。 .RE .PP external \fIkernelversion\fP \fIabsolutemodulesdirectory\&.\&.\&.\fP .RS 4 -これはディレクトリの一覧を指定するものであり、 \fBsearch\fP コマンドにおける優先順位に際してチェックされるものです。 一覧の並び順に意味があり、 -最初に示されたディレクトリが、 最も優先度の高いものです。 +このコマンドでは、ディレクトリのリストを指定しますが、そのリストは、\fBsearch\fP +コマンドにおける優先順位に従って照合されることになります。 +順序はここでも意味があり、先に挙げたディレクトリが、より高い優先度を持ちます。 .sp -\fIkernelversion\fP は POSIX 正規表現、 またはワイルドカード * を指定します。 これは \fBoverride\fP と同様です。 +\fIkernelversion\fP は、POSIX の正規表現、またはワイルドカードの * です。\fBoverride\fP +におけると同様です .RE .SH 著作権 .PP -This manual page Copyright 2006\-2010, Jon Masters, Red Hat, Inc\&. +このマニュアルページは、"Copyright 2006\-2010, Jon Masters, +Red Hat, Inc" です。 .SH 関連項目 .PP \fBdepmod\fP(8) diff --git a/manual/kmod/draft/man5/modprobe.d.5 b/manual/kmod/draft/man5/modprobe.d.5 index 604c83f4..17215c2f 100644 --- a/manual/kmod/draft/man5/modprobe.d.5 +++ b/manual/kmod/draft/man5/modprobe.d.5 @@ -13,7 +13,29 @@ .\" .\"******************************************************************* .\" -.\" translated for 29, 2022-05-31 ribbon +.\" Japanese Version Copyright (C) 2005 Suzuki Takashi, +.\" and 2022 ribbon, +.\" and 2022 Chonan Yoichi, +.\" all rights reserved. +.\" Translated (modprobe.conf in module-init-tools) Sun Jul 10 22:56:20 JST 2005 +.\" by Suzuki Takashi . +.\" New Translation (kmod version 29) Tue May 31 2022 +.\" by ribbon +.\" Modified Tue Oct 25 09:28:07 JST 2022 +.\" by Chonan Yoichi +.\" +.\" This program is free software: you can redistribute it and/or modify +.\" it under the terms of the GNU General Public License as published by +.\" the Free Software Foundation, either version 2 of the License, or +.\" (at your option) any later version. +.\" +.\" This program is distributed in the hope that it will be useful, +.\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of +.\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the +.\" GNU General Public License for more details. +.\" +.\" You should have received a copy of the GNU General Public License +.\" along with this program. If not, see . .\" .TH MODPROBE\&.D 5 2021/01/29 kmod modprobe.d .ie \n(.g .ds Aq \(aq @@ -36,8 +58,8 @@ .\" * MAIN CONTENT STARTS HERE * .\" ----------------------------------------------------------------- .SH 名前 -modprobe.d \- modprobe 向けの設定ディレクトリ -.SH 書式 +modprobe.d \- modprobe 用の設定ディレクトリ +.SH 概要 .PP /lib/modprobe\&.d/*\&.conf .PP @@ -48,105 +70,162 @@ modprobe.d \- modprobe 向けの設定ディレクトリ /etc/modprobe\&.d/*\&.conf .SH 説明 .PP -\fBmodprobe\fP コマンドでは、 複数のモジュールに対する追加や削除ができます。 そもそもモジュールには依存関係があるため、 -そのようなモジュールに対しては、 どのようなオプションを適用するのかを示す必要があります。 /etc/modprobe\&.d -ディレクトリに置くファイルは、 すべて \&.conf という拡張子を持つものであり、 必要となるオプションを指定します。 同時にこれらのファイルでは、 -便利なエイリアス、 つまりモジュールに対する別名を生成するものとしても利用されます。 また、 特別な要件 (たとえば複数モジュールの挿入を要するなど) -がある場合に、 通常の \fBmodprobe\fP の動作を上書きすることができます。 -.PP -なお、 モジュール名や (別モジュール名である) エイリアス名においては、 \- や _ を名称に含めることができます。 そして両者は、 -あらゆるモジュールコマンドを通じて区別なく用いられ、 アンダースコアへの変換は自動的に行われます。 -.PP -modprobe\&.d 配下にあるファイルのフォーマットは単純です。 1 行に 1 つのコマンドを記述します。空行や \*(Aq#\*(Aq -で始まる行は無視されます (コメント行として利用できます)。 行末に \*(Aq\e\*(Aq を記述すれば、 次の行への継続を表します。 -これを使えば、ファイルが多少すっきりします。 +モジュールには依存関係があるので、\fBmodprobe\fP +コマンドは、複数のモジュールを追加したり、取り外したりすることがありますが、そのため、 +そうした個々のモジュールにどんなオプションを使うべきかを指定する方法が必要になります。 +/etc/modprobe\&.d ディレクトリの直下にあるファイルで、.conf +という拡張子で終わるもののすべてが、必要に応じて、そうしたオプションを指定しています。 +そうしたファイルは、使いやすいエイリアス、 +すなわちモジュールの別名を作るためにも使用することができます。 +また、そうしたファイルによって、(二つ以上のモジュールを組み込むといった) +特別な要求を持つモジュールのために、標準の \fBmodprobe\fP +の動作を全面的に変更することもできます。 +.PP +モジュール名やエイリアス名では (後者の場合も、ほかのモジュール名と同様に)、\- や _ +を名前の一部に使うことができます。アンダースコアの変換が自動的に行われるので、 +モジュールコマンドのすべてにおいて、どちらを使っても同じであることに留意してください。 +.PP +modprobe\&.d の下にあるファイルの書式は単純です。1 行 1 コマンドで、空行や +\*(Aq#\*(Aq で始まる行は無視されます (後者はコメントを付けるのに使えます)。 +行末に 1 個の \*(Aq\e\*(Aq があると、その行は次の行に続くことになります。 +これを使うと、ファイルの見かけがちょっとよくなります。 .SH コマンド .PP alias \fIwildcard\fP \fImodulename\fP .RS 4 -これは、 モジュールに対する別名指定を可能にします。 たとえば、 "alias my\-mod really_long_modulename" とすると、 -"modprobe really_long_modulename" でなく "modprobe my\-mod" とすることができます。 -またシェルのようなワイルドカードの利用もできるため、 "alias my\-mod* really_long_modulename" とすると、 -"modprobe my\-mod\-something" でも同じことになります。 他のエイリアスに対するエイリアスを作ることはできません -(これを行うとおかしくなります)。 エイリアスはオプションを含めることができるため、 他のオプションに加えて利用することができます。 +このコマンドを使えば、モジュールに別名を付けることができます。たとえば、"alias +my\-mod really_long_modulename" と指定すると、"modprobe +really_long_modulename" の代わりに "modprobe my\-mod" +を使うことができます。シェル式のワイルドカードも使用できるので、 +"alias my\-mod* really_long_modulename" と指定すれば、 +"modprobe my\-mod\-something" でも同じ効果があります。 +ほかのエイリアスに対するエイリアスは作れませんが +(そんなことをしたら、わけが分からなくなります)、 +エイリアスにもオプションを指定することはできます。その場合は、 +ほかにもオプションがあれば、そこに追加されることになるわけです +(訳注: ここで言うオプションは、\fBmodprobe\fP(8) の「書式」で +\fImodule\ parameter\fP と言われているもののこと)。 .sp -なお、 モジュールにはそれ独自のエイリアスを含めることができます。 これは \fBmodinfo\fP を使って確認することができます。 -こういったエイリアスは、 最後の手段として用いられます (実際のモジュール, \fBinstall\fP, \fBremove\fP, \fBalias\fP -の各コマンドが設定内にない場合など)。 +気をつけていただきたいのですが、 +モジュールは、自前のエイリアスを内蔵していることもあり、\fBmodinfo\fP +を使えば、それを見ることができます。 +そうしたエイリアスは (訳注: モジュールを特定するとき) 最後の手段として利用されます +(すなわち、指定された名前の実モジュールがなく、その名前に対応する +\fBinstall\fP, \fBremove\fP, \fBalias\fP コマンドも設定ファイル中にない場合)。 .RE .PP blacklist \fImodulename\fP .RS 4 -モジュールにはそれ独自のエイリアスを含めることができます。 通常そういったエイリアスは、 "pci:123\&.\&.\&." などのように、 -サポートしているデバイスを表すものです。 こういった「内部の」エイリアスは、 通常のキーワード "alias" を使って上書きすることができます。 -というのも、 2 つ以上のモジュールが同一デバイスをサポートしている場合があります。 あるいはモジュールがサポートしているといいつつ、 -対象デバイスが存在しないような不適切な状況があります。 キーワード \fBblacklist\fP は、 特定のモジュールにおける内部エイリアスを、 -無効なものとして指示するためにあります。 +モジュールは、自前のエイリアスを内蔵していることがあります。たいていの場合、 +そうしたエイリアスは、そのモジュールがサポートしているデバイスを表していて、 +"pci:123\&.\&.\&." といったものです。こうした「内蔵」エイリアスも、通常の +"alias" キーワードによって置き換えることができますが、 +二つ以上のモジュールが、どちらも同じデバイスをサポートしていたり +(訳注: すなわち、同じ名前の内蔵エイリアスを持っていたり)、 +あるモジュールが、実際にはサポートしていないデバイスをサポートしていると、 +無効な主張をしていたりすることもあります。そうした場合に \fBblacklist\fP +キーワードを使うと、そのモジュールの内蔵エイリアスをすべて無視せよと指示することになります。 .RE .PP install \fImodulename\fP \fIcommand\&.\&.\&.\fP .RS 4 -このコマンドは \fBmodprobe\fP に対して、 カーネルに対して普通にモジュールを登録するのではなく、 指定したコマンドの実行を指示するものです。 -コマンドにはシェルコマンドが指定できます。 これによって、 どのような複雑な処理であっても、 必要であれば実現することができます。 たとえば、 -"fred" というモジュールが、 すでにインストール済みの "barney" というモジュールを使って適切に動作するとします -(ただし依存関係にはないことから、 \fBmodprobe\fP は自動的にはロードしないものとします)。 その場合には、 "install fred -/sbin/modprobe barney; /sbin/modprobe \-\-ignore\-install fred" を実行します。 -こうすれば適切に実現されます。 なお、 ここにある \fB\-\-ignore\-install\fP は、 2 つめの \fBmodprobe\fP コマンドが、 同じ -\fBinstall\fP コマンドを再度実行することがないようにしています。 以下の \fBremove\fP も参照してください。 +このコマンドは、\fBmodprobe\fP +に対して、いつもどおりカーネルにモジュールを組み込む代わりに、 +指定されたコマンドを実行するように指示します。 +指定するコマンドには任意のシェルコマンドが使えるので、 +どのような複雑な処理を望もうと、それを実行することができます。たとえば、 +モジュール "fred" は、モジュール "barney" +がすでにインストールされているときの方が、うまく動作するとします +(しかし、前者は後者に依存しているわけではないので、\fBmodprobe\fP +は後者を自動的にロードしようとはしません)。そういう場合は、"install fred +/sbin/modprobe barney; /sbin/modprobe \-\-ignore\-install fred" +と、設定ファイルに書いておけばよいのです。そうすれば、 +希望する動作が行われることになります。 +\fB\-\-ignore\-install\fP に注意してください。これは、二番目の \fBmodprobe\fP +が、ほかならぬこの \fBinstall\fP コマンドを繰り返し実行しないようにしているのです。 +以下の \fBremove\fP の項も参照してください。 .sp -モジュール追加によって依存関係を維持する対処として、 このコマンドが、 今後も長期的にその解決策となる保証はありません。 このコマンドは、 -将来のリリースのある時点において、 最終的には削除か非推奨として、 警告する形に置き換わる予定です。 このコマンドを利用すると、 mkinitrd -などのような配布ユーティリティーが行っているモジュール依存関係の自動検出の処理が複雑になります (なぜなら、 \fBinstall\fP -コマンドが行っている処理内容を、 ある程度解釈しておかなければならないためです)。 理想的には、 本コマンドを用いずに、 -モジュールが依存関係をすべて提供するようになるはずであり、 Linux カーネル内部において、 ソフトな依存関係を実装する作業が、 現在進行中です。 +このコマンドは、モジュールに補助的な依存モジュールを提供するという課題に対する一つの解決策ですが、 +長期的に見て、将来もそうである保証はありません。 +それどころか、このコマンドは、将来のリリースのある時点で、 +いずれ廃棄されるだろうとか、非推奨であるとかの警告に置き換えることが予定されています。 +このコマンドを使用すると、mkinitrd +のようなディストリビューション固有のユーティリティが、 +依存するモジュールを自動的に判断しようとするとき、作業が複雑になるのです +(なぜなら、現状では、そうしたユーティリティは、\fBinstall\fP +コマンドがやっていそうなことを、何らかの方法で解読しなければならないからです)。 +完璧な世界でなら、このコマンドを使わないでも、モジュールは、 +依存関係の情報を漏れなく提供することでしょう。実際、ゆるやかな依存関係のサポートを +Linux カーネルの内部で実装しようとする作業が、現在進行しています。 .sp -コマンド内に文字列 "$CMDLINE_OPTS" を用いると、 これは modprobe コマンドラインに指定されたオプションに置き換えられます。 -これが役に立つのは、 "modprobe fred opt=1" とした場合に、 モジュールに対しては、 "opt=1" -という引数が受け渡されることが期待されるためです。 たとえ設定ファイル内に install コマンドがあったとしても実現できます。 -したがって先に示したコマンド例は "install fred /sbin/modprobe barney; /sbin/modprobe -\-\-ignore\-install fred $CMDLINE_OPTS" となります。 +このコマンド中で、"$CMDLINE_OPTS" という文字列を使用すると、 +\fBmodprobe\fP のコマンドラインでオプションを指定した場合に、そのオプションが +"$CMDLINE_OPTS" に置き換わります (訳注: このオプションは、上の \fBalias\fP +コマンドの訳注でも述べましたが、\fBmodprobe\fP(8) の「書式」で \fImodule parameter\fP +と言われているもののことです)。この動作は重宝なことがあります。 +なぜなら、ユーザとしては、"modprobe fred opt=1" とコマンドライン上で指定したら、 +設定ファイル中に \fBinstall\fP コマンドが存在する場合でも、モジュールに +"opt=1" という引数が渡ってほしいと思うからです。そこで、上記の例でこれを使うと、 +"install fred /sbin/modprobe barney; +/sbin/modprobe \-\-ignore\-install fred $CMDLINE_OPTS" になります。 .RE .PP options \fImodulename\fP \fIoption\&.\&.\&.\fP .RS 4 -このコマンドは、 モジュール \fImodulename\fP (エイリアスを含む) がカーネルに登録される際に、 その都度追加するオプションを指定します。 -その場合は、 (\fBmodprobe \fP \fImodulename\fP を使って) 直接指定する場合と、 -そのモジュールに依存したモジュールが登録される場合があります。 +このコマンドを使えば、モジュール \fImodulename\fP (エイリアスであっても構いません) +がカーネルに組み込まれるたびに、それにオプションを付け加えることができます。 +組み込みは、(\fBmodprobe \fP \fImodulename\fP を使って) 直接行われるか、 +組み込もうとするモジュールがこのモジュールに依存しているために行われるかを問いません。 .sp -オプションは、 すべてまとめて追加されます。 つまりオプションは、 モジュール自体への指定、 エイリアスへの指定、 コマンドラインからの指定すべてです。 +すべてのオプションは、まとめて付け加えられます。そうしたオプションには、 +モジュールそのものやエイリアスに対して \fBoptions\fP +コマンドで指定したものあれば、コマンドラインで指定したものもあるわけです。 .RE .PP remove \fImodulename\fP \fIcommand\&.\&.\&.\fP .RS 4 -これは上で示した \fBinstall\fP コマンドに似ていますが、 違うところは、 "modprobe \-r" が実行されている際に呼び出される点です。 +これは上記の \fBinstall\fP コマンドに似ていますが、"modprobe \-r" +が実行されるときに、呼び出される点が異なっています。 .RE .PP softdep \fImodulename\fP pre: \fImodules\&.\&.\&.\fP post: \fImodules\&.\&.\&.\fP .RS 4 -\fBsoftdep\fP コマンドは、 ソフトな、 つまり任意のモジュール依存関係の指定を行います。 \fImodulename\fP は、 -そのような任意のモジュールがインストールされていなくても、 用いることができます。 ただし普通は、 何かの機能が失われることがあります。 たとえば、 -ストレージ HBA に対するドライバーは、 管理機能を利用するために、 別のモジュールがロードされている必要があります。 +\fBsoftdep\fP コマンドを使えば、 +ゆるやかな、すなわち使用・不使用が任意なモジュールの依存関係を指定できます。 +\fImodulename\fP というモジュールは、 +そうした使用・不使用が任意なモジュールをインストールしないでも、使うことができます。 +でも、たいていの場合、何らかの機能が使えないことになります。 +たとえば、ある記憶装置の HBA (ホストバスアダプタ) 用のドライバは、 +管理機能を使うためには、別のモジュールをロードする必要があるかもしれません。 .sp -pre\-deps モジュールと post\-deps モジュールは、 \fImodulename\fP 引数として与えられたメインのモジュールの前後において、 -modprobe がインストール (または削除) しようとする別のモジュール名、 あるいはエイリアス名のリストです。 +前依存モジュールや後依存モジュール (訳注: 上記 \fBsoftdep\fP の書式の pre: や +post: に続く \fImodules\&.\&.\&.\fP) は、\fImodulename\fP +という引数によって指定されたメインモジュールの前後に、\fBmodprobe\fP +が 順番に組み込み (あるいは、取り外し) +を試みるほかのモジュールの名前やエイリアスのリストです。 .sp -例: 設定として "softdep c pre: a b post: d e" が与えられたとします。 "modprobe c" -を実行するということは、 softdep がなかった場合には、 "modprobe a b c d e" を実行することと同じになります。 -\-\-use\-blacklist などのフラグは、 指定されたモジュールすべてに適用されます。 一方で、 モジュールパラメーターは、 モジュール c -にのみ適用されます。 +用例: "softdep c pre: a b post: d e" +という設定がなされているとします。このとき、"modprobe c" を実行するのは、この +softdep コマンドを設定せずに、"modprobe \-\-all a b c d e" +を行うのと同じことです。なお、\-\-use\-blacklist +のようなフラグは、指定されたすべてのモジュールに適用されますが、 +モジュールパラメータが適用されるのは、モジュール c だけです。 .sp -注意: 同一の \fImodulename\fP を引数とする \fBinstall\fP コマンドまたは \fBremove\fP コマンドがある場合、 -\fBsoftdep\fP が優先されます。 +注意: 同じ \fImodulename\fP 引数を取る \fBinstall\fP や \fBremove\fP +コマンドが設定ファイル中にあっても、\fBsoftdep\fP が優先されます。 .RE .SH 互換性 .PP -kmod の将来版においては、 上で説明した \fBinstall\fP の利用を避けるような警告を含めるつもりでいます。 これは、 -カーネル内でのソフトな依存関係のサポートが完成した際に行います。 そういった依存関係は直接モジュール内で行われるようになるため、 そのサポートは、 -本ユーティリティーの既存の softdep サポート機能を補助するものとなります。 +kmod の将来のバージョンでは、上で述べたように、\fBinstall\fP +の使用は避けるべきだとの強い警告が出ることになるでしょう。 +そうなるのは、カーネル中でのゆるやかな依存関係に対するサポートが完成したときのことです。 +そうしたサポートでは、ゆるやかな依存関係の情報をモジュール内で直接提供することによって、 +kmod ユーティリティ内での softdep +による現在のサポートを補完することになるでしょう。 .SH 著作権 .PP -この man ページの元々の著作権表記は Copyright 2004, Rusty Russell, IBM Corporation です。 現在は -Jon Masters その他により保守されています。 +このマニュアルページの最初の版は、"Copyright 2004, Rusty Russell, +IBM Corporation" でした。現在では、Jon Masters ほか数名によって保守されています。 .SH 関連項目 .PP \fBmodprobe\fP(8), \fBmodules.dep\fP(5) diff --git a/manual/kmod/draft/man5/modules.dep.5 b/manual/kmod/draft/man5/modules.dep.5 index fbc9987e..05164c48 100644 --- a/manual/kmod/draft/man5/modules.dep.5 +++ b/manual/kmod/draft/man5/modules.dep.5 @@ -13,7 +13,29 @@ .\" .\"******************************************************************* .\" -.\" translated for 29, 2022-05-31 ribbon +.\" Japanese Version Copyright (C) 2005 Suzuki Takashi, +.\" and 2022 ribbon, +.\" and 2022 Chonan Yoichi, +.\" all rights reserved. +.\" Translated (module-init-tools) Sun Jul 10 00:50:38 JST 2005 +.\" by Suzuki Takashi . +.\" New Translation (kmod version 29) Tue May 31 2022 +.\" by ribbon +.\" Modified Tue Oct 25 09:28:07 JST 2022 +.\" by Chonan Yoichi +.\" +.\" This program is free software: you can redistribute it and/or modify +.\" it under the terms of the GNU General Public License as published by +.\" the Free Software Foundation, either version 2 of the License, or +.\" (at your option) any later version. +.\" +.\" This program is distributed in the hope that it will be useful, +.\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of +.\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the +.\" GNU General Public License for more details. +.\" +.\" You should have received a copy of the GNU General Public License +.\" along with this program. If not, see . .\" .TH MODULES\&.DEP 5 2021/01/29 kmod modules.dep .ie \n(.g .ds Aq \(aq @@ -37,27 +59,29 @@ .\" ----------------------------------------------------------------- .SH 名前 modules.dep, modules.dep.bin \- モジュールの依存情報 -.SH 書式 +.SH 概要 .PP /lib/modules/modules\&.dep .PP /lib/modules/modules\&.dep\&.bin .SH 説明 .PP -modules\&.dep\&.bin は \fBdepmod\fP によって生成されるバイナリファイルであり、 -/lib/modules/\fIversion\fP 配下のディレクトリにあるすべてのモジュールに対する依存関係を一覧出力しています。 これは -\fBmodprobe\fP や libkmod といった kmod ツールによって利用されています。 +modules\&.dep\&.bin は、\fBdepmod\fP によって作成されるバイナリファイルであり、 +/lib/modules/\fIversion\fP 以下のディレクトリにあるすべてのモジュールの依存関係をリストしています。 +このファイルは、\fBmodprobe\fP や libkmod のような kmod のツールによって使用されます。 .PP -そのテキスト版は、 同じディレクトリに置かれており、 ファイル名は modules\&.dep です。 テキスト版は、 -簡単に読めることを目的してのみメンテナンスされており、 どの kmod ツールからも利用されていません。 +対になるテキスト版が、modules\&.dep という名前で同じディレクトリにあります。 +テキスト版は、人間にとって読みやすいという理由から維持されているだけであり、 +kmod のどのツールによってもまったく使用されていません。 .PP -これらのファイルは編集されることは意図されていません。 またこれ以上、 別のユーティリティーによって用いられることもありません。 -その書式は将来変更される可能性があります。 将来性と互換性を維持するために、 このファイルは編集するのではなく、 \fBmodinfo\fP(8) -コマンドを使った情報取得を行うことが必要です。 +こうしたファイルは、外部のユーティリティによって編集・利用されることを目的としていません。 +ファイルの書式が、将来変わるかもしれないからです。 +将来の変更に強く、ほかのツールでも利用できる形でモジュールの情報を取得したいのなら、 +こうしたファイルに手を出すよりも、\fBmodinfo\fP(8) コマンドを使用するべきです。 .SH 著作権 .PP -この man ページの元々の著作権表記は Copyright 2002, Rusty Russell, IBM Corporation です。 Jon -Masters その他により保守されています。 +このマニュアルページの最初の版は、"Copyright 2002, Rusty Russell, +IBM Corporation" でした。 現在では、Jon Masters ほか数名によって保守されています。 .SH 関連項目 .PP \fBdepmod\fP(8), \fBmodprobe\fP(8) diff --git a/manual/kmod/draft/man8/depmod.8 b/manual/kmod/draft/man8/depmod.8 index 8ed84015..2b999dc6 100644 --- a/manual/kmod/draft/man8/depmod.8 +++ b/manual/kmod/draft/man8/depmod.8 @@ -13,7 +13,29 @@ .\" .\"******************************************************************* .\" -.\" translated for 29, 2022-05-31 ribbon +.\" Japanese Version Copyright (C) 2005 Suzuki Takashi, +.\" and 2022 ribbon, +.\" and 2022 Chonan Yoichi, +.\" all rights reserved. +.\" Translated (module-init-tools) Fri Jul 8 23:11:03 JST 2005 +.\" by Suzuki Takashi . +.\" New Translation (kmod version 29) Tue May 31 2022 +.\" by ribbon +.\" Modified Tue Oct 25 09:28:07 JST 2022 +.\" by Chonan Yoichi +.\" +.\" This program is free software: you can redistribute it and/or modify +.\" it under the terms of the GNU General Public License as published by +.\" the Free Software Foundation, either version 2 of the License, or +.\" (at your option) any later version. +.\" +.\" This program is distributed in the hope that it will be useful, +.\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of +.\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the +.\" GNU General Public License for more details. +.\" +.\" You should have received a copy of the GNU General Public License +.\" along with this program. If not, see . .\" .TH DEPMOD 8 2021/01/29 kmod depmod .ie \n(.g .ds Aq \(aq @@ -46,66 +68,93 @@ depmod \- modules\&.dep とマップファイルを生成する [\fB\-n\fP] [\fB\-v\fP] [\fB\-P\ \fP\fIprefix\fP] [\fB\-w\fP] [\fIversion\fP] [\fIfilename\fP...] .SH 説明 .PP -Linux カーネルモジュールは、 他のモジュールが利用できるようなサービス ("シンボル" と呼ばれる) を提供することができます (コード内において -EXPORT_SYMBOL バリアントを用いて行われます)。 2 つめのモジュールがこのシンボルを利用していたら、 2 つめのモジュールは、 明らかに -1 つめのモジュールに依存していることになります。 このような依存関係は、 非常に複雑になることがあります。 -.PP -\fBdepmod\fP は /lib/modules/\fIversion\fP 以下にあるモジュールを読み込んで、 何というシンボルをエクスポートしているか、 -何というシンボルを必要としているかを確認した上で、 モジュールの依存関係の一覧を生成します。 デフォルトでは、 その一覧を modules\&.dep -に書き込みます。 またバイナリハッシュ形式として modules\&.dep\&.bin を同一ディレクトリ内に書き込みます。 -コマンドラインからファイル名が指定された場合は、 そのモジュールのみが検査されます (モジュールがすべて一覧表示されていなければ、 -この機能はほぼ役に立ちません)。 \fBdepmod\fP はまた、 modules\&.symbols という名のファイル内に、 -モジュールによって提供されるシンボルの一覧を生成します。 そのバイナリハッシュ形式は、 modules\&.symbols\&.bin に生成します。 -モジュールが特別なデバイス名 (devname) を提供するものであって、 (systemd\-tmpfiles などのユーティリティーによって) -システム起動時に /dev を有効化する必要がある場合、 \fBdepmod\fP は modules\&.devname というファイルを出力します。 -.PP -\fIversion\fP が指定された場合は、 現在のカーネルバージョン (\fBuname \-r\fP によって返される) ではなく、 -指定されたカーネルバージョンのディレクトリを用います。 +Linux のカーネルモジュールは、(「シンボル」と呼ばれる) +サービスを (コード中で EXPORT_SYMBOL バリアントの 1 つを使用して) +ほかのモジュールが使えるように提供することができます。 +あるモジュールがそうしたシンボルを使用している場合、 +そのモジュールがシンボルを提供する側のモジュールに依存していることは明白です。 +こうした依存関係は、かなり複雑になることがあります。 +.PP +\fBdepmod\fP は、/lib/modules/\fIversion\fP 以下にある各モジュールを読み込み、 +それがどんなシンボルをエクスポートし、どんなシンボルを必要としているかを特定して、 +モジュールの依存関係のリストを作成します。デフォルトでは、このリストは、 +上記ディレクトリに置かれる modules\&.dep と、それをバイナリハッシュ化した +modules\&.dep\&.bin という名前のファイルに書き込まれます。 +なお、ファイル名をコマンドラインで指定した場合は、そうしたモジュールのみが調べられます +(すべてのモジュールを指定しないかぎり、これが役に立つことはめったにありません)。 +\fBdepmod\fP はまた、モジュールが提供するシンボルのリストを作成し、modules\&.symbols +というファイルと、そのバイナリハッシュ版の +modules\&.symbols\&.bin に書き込みます。最後に、\fBdepmod\fP +は、モジュールがスペシャルデバイス名を供給している場合は、modules\&.devname +という名前のファイルを出力します。そうしたスペシャルデバイス名は、普通ブート時に +(systemd\-tmpfiles のようなユーティリティによって) /dev +ディレクトリに配置されます。 +.PP +引数に \fIversion\fP を指定した場合は、現在稼働中のカーネルバージョン +(\fBuname \-r\fP で返ってくるもの) +ではなく、指定したカーネルバージョンのモジュールディレクトリが使用されます。 .SH オプション .PP \fB\-a\fP, \fB\-\-all\fP .RS 4 -すべてのモジュールを調査します。 このオプションはデフォルトでは、 コマンドラインからファイル名を何も指定しなかった場合に利用できます。 +すべてのモジュールを調べます。このオプションは、 +コマンドラインでファイル名を一つも指定しなかった場合、デフォルトで有効になります。 .RE .PP \fB\-A\fP, \fB\-\-quick\fP .RS 4 -このオプションを指定すると、 処理を行う前に、 modules\&.dep ファイルよりも、 モジュールが新しいかどうかがチェックされます。 -新しくなければ、 ファイルを再生成することなく、 すぐに終了します。 +このオプションを指定すると、処理を行う前にモジュール群にざっと目を通して、 +modules\&.dep ファイルより新しいモジュールがあるかどうかを調べます。もしなければ、 +modules\&.dep などのファイルを作り直さず、何のメッセージも出さずに終了します。 .RE .PP \fB\-b \fP\fIbasedir\fP, \fB\-\-basedir \fP\fIbasedir\fP .RS 4 -指定するモジュールが、 その時点で (通常の) ディレクトリ /lib/modules/\fIversion\fP にないが、ステージング領域にある場合に、 -ディレクトリ名の先頭につく \fIbasedir\fP を指定することができます。 この \fIbasedir\fP は、 出力先である modules\&.dep -ファイルでは取り除かれます。 したがって、 すぐに通常のディレクトリに移動させることができます。 このオプションを用いるのは、 -ディストリビューションベンダーであり、 depmod を後で実行することなく、 メタデータファイルを事前生成したい場合です。 +対象となるモジュール群が、現在、(標準の) ディレクトリ /lib/modules/\fIversion\fP +になく、準備領域 (a staging area) にある場合、 +準備領域で標準ディレクトリ名に先行するディレクトリ名 \fIbasedir\fP +を指定することができます。この \fIbasename\fP は、作成される modules\&.dep +ファイルでは取り除かれるので、作成されたファイルは、 +そのまま標準の場所に移動することができます。あなたがディストリビューターであり、 +depmod を後であらためて実行しないでも済むように、 +一連のメタデータファイルを前もって作っておく必要があるならば、 +このオプションを使用するとよいでしょう。 .RE .PP \fB\-C\fP, \fB\-\-config \fP\fIfile or directory\fP .RS 4 -このオプションは、 デフォルトの設定ディレクトリ /etc/depmod\&.d/ を上書きします。 +/etc/depmod\&.d にあるデフォルトの設定ディレクトリの代わりに、 +このオプションで指定するものを使用します。 .RE .PP \fB\-e\fP, \fB\-\-errsyms\fP .RS 4 -\fB\-F\fP と合わせて用いた場合に、 このオプションは、 モジュールが必要としているシンボルの中で、 -他のモジュールやカーネルからは提供されていないものを表示します。 モジュールによってシンボルが提供されていない場合には、 -カーネルから提供されているものとして扱うのが普通です (理想的には、 そうであるべきです)。 ただし、 -追加してアップデートしたサードパーティー製のドライバーが、 正しくインストールされていなかったり、 適切にビルドされていなかったりした場合に、 -この仮定は成り立たなくなります。 +このオプションは、\fB\-F\fP オプションと一緒に使用した場合、 +あるモジュールが必要としているシンボルに、 +ほかのモジュールやカーネルによって供給されていないものがあると、 +そのシンボルを報告します。通常、モジュールによって提供されていないシンボルがあれば、 +それはカーネルによって提供されるものと見なされます +(完璧な世界でなら、そうなっているはずです)。しかし、その想定が外れることもあります。 +特に、サードパーティ製のドライバを後日アップデートしたとき、 +それがきちんとインストールされていなかったり、正しくビルドされていなかったりすると、 +そうなります。 .RE .PP -\fB\-E\fP, \fB\-\-symvers\fP +\fB\-E\fP, \fB\-\-symvers \fP\fIModule\&.symvers\fP .RS 4 -\fB\-e\fP と合わせて用いた場合に、 このオプションは、 モジュールが提供するシンボルバージョンの中で、 Module\&.symvers -を通じてカーネルが提供するシンボルバージョンに一致しないものを表示します。 このオプションは \fB\-F\fP とともに用いることはできません。 +このオプションは、\fB\-e\fP オプションと一緒に使用した場合、 +モジュールが提示しているシンボルのバージョンの中に、カーネルがその +Module\&.symvers (訳注: このファイルは、自分でカーネルをビルドすると生成されます) +で情報を提供しているシンボルのバージョンと一致しないものがあれば、それを報告します。 +このオプションは、\fB\-F\fP と一緒には使えません。 .RE .PP \fB\-F\fP, \fB\-\-filesyms \fP\fISystem\&.map\fP .RS 4 -カーネルのビルド時に System\&.map が提供されるので、 この \fB\-e\fP オプションを使えば、 未解決のシンボルを表示できます。 -このオプションは \fB\-E\fP とともに用いることはできません。 +カーネルがビルドされたときに作成された System\&.map +を指定します。このオプションを使用すると、\fB\-e\fP +オプションが、解決できないシンボルを報告できるようになります。このオプションは、\fB\-E\fP +と一緒には使えません。 .RE .PP \fB\-h\fP, \fB\-\-help\fP @@ -115,35 +164,37 @@ EXPORT_SYMBOL バリアントを用いて行われます)。 2 つめのモジ .PP \fB\-n\fP, \fB\-\-show\fP, \fB\-\-dry\-run\fP .RS 4 -これを指定すると、 生成結果である modules\&.dep やその他のマップファイルを、 モジュールディレクトリに書き込まずに、 -標準出力へ書き出します。 +このオプションを指定すると、生成された modules\&.dep +や様々なマップファイルを、モジュールディレクトリに書き込まずに、 +標準出力に書き出します。 .RE .PP \fB\-P\fP .RS 4 -アーキテクチャーによっては、 シンボルの先頭に無関係なプレフィックスがつけられる場合があります。 このオプションは、 無視したいプレフィックス -(たとえば \*(Aq_\*(Aq) を指定します。 +アーキテクチャーによっては、シンボルの前に無関係な文字を付けるものがあります。 +このオプションでは、(たとえば、\*(Aq_\*(Aq といった) 無視すべき接頭辞を指定します。 .RE .PP \fB\-v\fP, \fB\-\-verbose\fP .RS 4 -\fBdepmod\fP の詳細 (verbose) モードでは、 各モジュールが依存するシンボルすべてと、 そのシンボルを提供するモジュールのファイル名を -(stdout に) 出力します。 +詳細モードでは、\fBdepmod\fP は、各モジュールが依存しているすべてのシンボルと、 +そのシンボルを提供しているモジュールのファイル名を (標準出力に) 書き出します。 .RE .PP \fB\-V\fP, \fB\-\-version\fP .RS 4 -プログラムのバージョンを表示して終了します。 古いカーネル上において実行する場合には、 以降の注意事項を参照してください。 +プログラムのバージョンを表示して終了します。 .RE .PP \fB\-w\fP .RS 4 -依存関係、エイリアス、シンボルバージョンなどに重複があった場合に警告します。 +依存関係、エイリアス、シンボルバージョンなどに重複がある場合に警告します。 .RE .SH 著作権 .PP -この man ページの元々の著作権表記は Copyright 2002, Rusty Russell, IBM Corporation です。 一部は -Copyright Jon Masters, and others です。 +このマニュアルページの最初の版は、"Copyright 2002, Rusty Russell, +IBM Corporation" でした。現在では、"Copyright Jon Masters, +and others" の部分もあります。 .SH 関連項目 .PP \fBdepmod.d\fP(5), \fBmodprobe\fP(8), \fBmodules.dep\fP(5) diff --git a/manual/kmod/draft/man8/insmod.8 b/manual/kmod/draft/man8/insmod.8 index afcd02b3..b2ac48d1 100644 --- a/manual/kmod/draft/man8/insmod.8 +++ b/manual/kmod/draft/man8/insmod.8 @@ -13,7 +13,29 @@ .\" .\"******************************************************************* .\" -.\" translated for 29, 2022-05-31 ribbon +.\" Japanese Version Copyright (C) 2005 Suzuki Takashi, +.\" and 2022 ribbon, +.\" and 2022 Chonan Yoichi, +.\" all rights reserved. +.\" Translated (module-init-tools) Sat Jul 9 16:44:06 JST 2005 +.\" by Suzuki Takashi . +.\" New Translation (kmod version 29) Tue May 31 2022 +.\" by ribbon +.\" Modified Tue Oct 25 09:28:07 JST 2022 +.\" by Chonan Yoichi +.\" +.\" This program is free software: you can redistribute it and/or modify +.\" it under the terms of the GNU General Public License as published by +.\" the Free Software Foundation, either version 2 of the License, or +.\" (at your option) any later version. +.\" +.\" This program is distributed in the hope that it will be useful, +.\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of +.\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the +.\" GNU General Public License for more details. +.\" +.\" You should have received a copy of the GNU General Public License +.\" along with this program. If not, see . .\" .TH INSMOD 8 2021/01/29 kmod insmod .ie \n(.g .ds Aq \(aq @@ -36,21 +58,23 @@ .\" * MAIN CONTENT STARTS HERE * .\" ----------------------------------------------------------------- .SH 名前 -insmod \- Linux カーネルにモジュールを登録する単純なプログラム +insmod \- Linux カーネルにモジュールを組み込む単純なプログラム .SH 書式 .HP \w'\fBinsmod\fR\ 'u \fBinsmod\fP [\fIfilename\fP] [\fImodule\ options\fP...] .SH 説明 .PP -\fBinsmod\fP はカーネルに対して、 モジュールを登録する簡単なプログラムです。 たいていのユーザーは \fBmodprobe\fP(8) -を使いたいと思うはずです。 そのプログラムの方が、 より賢いもので、 モジュールの依存関係を取り扱ってくれます。 +\fBinsmod\fP は、カーネルにモジュールを組み込むささやかなプログラムです。 +ほとんどのユーザが \fBinsmod\fP より \fBmodprobe\fP(8) を使いたいと思うことでしょう。 +\fBmodprobe\fP の方が賢く、モジュールの依存関係を処理することができます。 .PP -最も一般的なエラーメッセージだけが出力されます。 モジュールのリンク処理は、 現在はカーネル内部において行われるようになったため、 -より詳細なエラー情報は、 普通は \fBdmesg\fP が提供します。 +エラーメッセージのうち、もっとも一般的なものだけが報告されます。 +モジュールをリンクしようとする作業は、今ではカーネルの内部で行われているので、 +エラーについては、通常 \fBdmesg\fP の方が詳しい情報を提供するのです。 .SH 著作権 .PP -この man ページの元々の著作権表記は Copyright 2002, Rusty Russell, IBM Corporation です。 現在は -Jon Masters その他により保守されています。 +このマニュアルページの最初の版は、"Copyright 2002, Rusty Russell, +IBM Corporation" でした。現在では、Jon Masters ほか数名によって保守されています。 .SH 関連項目 .PP \fBmodprobe\fP(8), \fBrmmod\fP(8), \fBlsmod\fP(8), \fBmodinfo\fP(8) \fBdepmod\fP(8) diff --git a/manual/kmod/draft/man8/kmod.8 b/manual/kmod/draft/man8/kmod.8 index 89368b4f..b75cec02 100644 --- a/manual/kmod/draft/man8/kmod.8 +++ b/manual/kmod/draft/man8/kmod.8 @@ -13,7 +13,26 @@ .\" .\"******************************************************************* .\" -.\" translated for 29, 2022-05-31 ribbon +.\" Japanese Version Copyright (C) 2022 ribbon, +.\" and 2022 Chonan Yoichi, +.\" all right reserved. +.\" Translated (kmod version 29) Tue May 31 2022 +.\" by ribbon +.\" Modified Tue Oct 25 09:28:07 JST 2022 +.\" by Chonan Yoichi +.\" +.\" This program is free software: you can redistribute it and/or modify +.\" it under the terms of the GNU General Public License as published by +.\" the Free Software Foundation, either version 2 of the License, or +.\" (at your option) any later version. +.\" +.\" This program is distributed in the hope that it will be useful, +.\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of +.\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the +.\" GNU General Public License for more details. +.\" +.\" You should have received a copy of the GNU General Public License +.\" along with this program. If not, see . .\" .TH KMOD 8 2021/01/29 kmod kmod .ie \n(.g .ds Aq \(aq @@ -36,19 +55,21 @@ .\" * MAIN CONTENT STARTS HERE * .\" ----------------------------------------------------------------- .SH 名前 -kmod \- Linux カーネルモジュールを管理するためのプログラム +kmod \- Linux のカーネルモジュールを管理するプログラム .SH 書式 .HP \w'\fBkmod\fR\ 'u \fBkmod\fP [\fBOPTIONS\fP...] [\fICOMMAND\fP] [\fBCOMMAND_OPTIONS\fP...] .SH 説明 .PP -\fBkmod\fP は複数のプログラムを呼び出す実行ファイルであり、 Linux カーネルモジュールを制御するためのプログラムが実装されています。 -たいていのユーザーは、 別の名前を使ってこのプログラムを実行します。 +\fBkmod\fP は、マルチコール型の実行ファイルであり、Linux +のカーネルモジュールを管理するために使用する複数のプログラムを実装しています。 +たいていのユーザは、このプログラムを (訳注: depmod, modprobe, lsmod などの) +その別名を使ってしか実行しないでしょう。 .SH オプション .PP \fB\-V\fP \fB\-\-version\fP .RS 4 -プログラムバージョンを表示して終了します。 +プログラムのバージョンを表示して終了します。 .RE .PP \fB\-h\fP \fB\-\-help\fP @@ -64,17 +85,18 @@ kmod \- Linux カーネルモジュールを管理するためのプログラム .PP \fBlist\fP .RS 4 -現在ロードされているモジュールを一覧表示します。 +現在ロードしているモジュールを一覧表示します。 .RE .PP \fBstatic\-nodes\fP .RS 4 -現在稼働しているカーネルバージョンのモジュールによって提供される、 スタティックデバイスノードの情報を出力します。 +静的なデバイスノードについて、 +現在稼働中のカーネルバージョンのモジュールが提供する情報を出力します。 .RE .SH 著作権 .PP -この man ページの元々の著作権表記は Copyright 2014, Marco d\*(AqItri です。 Lucas De Marchi -その他により保守されています。 +このマニュアルページの最初の版は、"Copyright 2014, Marco d\*(AqItri" +でした。現在では、Lucas De Marchi ほか数名によって保守されています。 .SH 関連項目 .PP \fBlsmod\fP(8), \fBrmmod\fP(8), \fBinsmod\fP(8), \fBmodinfo\fP(8), \fBmodprobe\fP(8), diff --git a/manual/kmod/draft/man8/lsmod.8 b/manual/kmod/draft/man8/lsmod.8 index c27530ee..0a5b6993 100644 --- a/manual/kmod/draft/man8/lsmod.8 +++ b/manual/kmod/draft/man8/lsmod.8 @@ -13,7 +13,29 @@ .\" .\"******************************************************************* .\" -.\" translated for 29, 2022-05-31 ribbon +.\" Japanese Version Copyright (C) 2005 Suzuki Takashi, +.\" and 2022 ribbon, +.\" and 2022 Chonan Yoichi, +.\" all rights reserved. +.\" Translated (module-init-tools) Fri Jul 8 23:05:21 JST 2005 +.\" by Suzuki Takashi . +.\" New Translation (kmod version 29), Tue May 31 2022 +.\" by ribbon +.\" Modified Tue Oct 25 09:28:07 JST 2022 +.\" by Chonan Yoichi +.\" +.\" This program is free software: you can redistribute it and/or modify +.\" it under the terms of the GNU General Public License as published by +.\" the Free Software Foundation, either version 2 of the License, or +.\" (at your option) any later version. +.\" +.\" This program is distributed in the hope that it will be useful, +.\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of +.\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the +.\" GNU General Public License for more details. +.\" +.\" You should have received a copy of the GNU General Public License +.\" along with this program. If not, see . .\" .TH LSMOD 8 2021/01/29 kmod lsmod .ie \n(.g .ds Aq \(aq @@ -36,18 +58,18 @@ .\" * MAIN CONTENT STARTS HERE * .\" ----------------------------------------------------------------- .SH 名前 -lsmod \- Linux カーネル内のモジュール状態を表示する +lsmod \- Linux カーネル中のモジュールの状態を表示する .SH 書式 .HP \w'\fBlsmod\fR\ 'u \fBlsmod\fP .SH 説明 .PP -\fBlsmod\fP は、 /proc/modules の内容をきれいに出力する簡単なプログラムです。 -現時点でロードされているカーネルモジュールが何であるのかが示されます。 +\fBlsmod\fP は、/proc/modules の内容を見栄えよく整形して、 +現在どんなカーネルモジュールがロードされているかを表示するささやかなプログラムです。 .SH 著作権 .PP -この man ページの元々の著作権表記は Copyright 2002, Rusty Russell, IBM Corporation です。 現在は -Jon Masters その他により保守されています。 +このマニュアルページの最初の版は、"Copyright 2002, Rusty Russell, +IBM Corporation" でした。現在では、Jon Masters ほか数名によって保守されています。 .SH 関連項目 .PP \fBinsmod\fP(8), \fBmodprobe\fP(8), \fBmodinfo\fP(8) \fBdepmod\fP(8) diff --git a/manual/kmod/draft/man8/modinfo.8 b/manual/kmod/draft/man8/modinfo.8 index c87b8731..c8d30f04 100644 --- a/manual/kmod/draft/man8/modinfo.8 +++ b/manual/kmod/draft/man8/modinfo.8 @@ -13,7 +13,29 @@ .\" .\"******************************************************************* .\" -.\" translated for 29, 2022-05-31 ribbon +.\" Japanese Version Copyright (C) 2005 Suzuki Takashi, +.\" and ribbon, +.\" and Chonan Yoichi, +.\" all rights reserved. +.\" Translated (module-init-tools) Sat Jul 9 17:17:44 JST 2005 +.\" by Suzuki Takashi . +.\" New Translation (kmod version 29) Tue May 31 2022 +.\" by ribbon +.\" Modified Tue Oct 25 09:28:07 JST 2022 +.\" by Chonan Yoichi +.\" +.\" This program is free software: you can redistribute it and/or modify +.\" it under the terms of the GNU General Public License as published by +.\" the Free Software Foundation, either version 2 of the License, or +.\" (at your option) any later version. +.\" +.\" This program is distributed in the hope that it will be useful, +.\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of +.\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the +.\" GNU General Public License for more details. +.\" +.\" You should have received a copy of the GNU General Public License +.\" along with this program. If not, see . .\" .TH MODINFO 8 2021/01/29 kmod modinfo .ie \n(.g .ds Aq \(aq @@ -36,7 +58,7 @@ .\" * MAIN CONTENT STARTS HERE * .\" ----------------------------------------------------------------- .SH 名前 -modinfo \- Linux カーネルモジュールに関する情報を表示する +modinfo \- Linux カーネルモジュールについて情報を表示する .SH 書式 .HP \w'\fBmodinfo\fR\ 'u \fBmodinfo\fP [\fB\-0\fP] [\fB\-F\ \fP\fIfield\fP] [\fB\-k\ \fP\fIkernel\fP] @@ -47,14 +69,16 @@ modinfo \- Linux カーネルモジュールに関する情報を表示する \fBmodinfo \-h\fP .SH 説明 .PP -\fBmodinfo\fP は、 コマンドラインから与えられた Linux カーネルモジュールから、 その情報を抽出します。 -モジュール名がファイル名でない場合は、 /lib/modules/\fIversion\fP ディレクトリが検索されます。 -これはカーネルモジュールがロードされる際に \fBmodprobe\fP(8) によっても行われます。 +\fBmodinfo\fP は、コマンドラインで指定された Linux +のカーネルモジュールから情報を取り出します。モジュールの名前がファイル名でない場合は、 +/lib/modules/\fIversion\fP ディレクトリが検索されます。 +これは、カーネルモジュールをロードするときの \fBmodprobe\fP(8) の動作と同じです。 .PP -\fBmodinfo\fP がモジュールの各属性を一覧表示するにあたって、 デフォルトでは、 読みやすさを考慮して \fIfieldname\fP : -\fIvalue\fP という形式の出力を行います。 ファイル名も同様にして一覧出力されます (ただしファイル名は、 実際の属性ではありません)。 +\fBmodinfo\fP は、デフォルトでは、指定されたモジュールの各属性を、読みやすいように +\fIfieldname\fP : \fIvalue\fP の形式で列挙します。また、同じ形式でファイル名も表示します +(ファイル名は、実際には属性ではありませんが)。 .PP -\fBmodinfo\fP の本バージョンでは、 どのような Linux カーネルアーキテクチャーのモジュールでも解釈します。 +このバージョンの \fBmodinfo\fP は、どんな Linux カーネルアーキテクチャのモジュールも理解できます。 .SH オプション .PP \fB\-V\fP, \fB\-\-version\fP @@ -64,41 +88,48 @@ modinfo のバージョンを表示します。 .PP \fB\-F\fP, \fB\-\-field\fP .RS 4 -指定された項目値だけを 1 行ずつに表示します。 これはスクリプト内で用いる際に便利です。 項目名は、 大文字小文字を区別します。 一般的な項目は -(すべてのモジュールに含まれるわけではないですが)、 著者 (author)、 説明 (description)、 ライセンス (license)、 -引数 (param)、 依存モジュール (depends)、 エイリアス (alias)、 依存モジュールの項目、 -です。特別な項目としてファイル名があり、 モジュールのファイル名を一覧表示します。 +指定されたフィールドの値だけを、1 行に 1 つずつ表示します。 +この動作は、スクリプトで特に役に立ちます。 +フィールド名は、大文字小文字を区別しません (訳注: 実際には区別します)。 +よく使われるフィールドには (すべてのモジュールに存在するとはかぎりませんが)、 +author, description, license, parm, depends, alias などがあります。 +parm, alias, depends については、複数のフィールドがあることも珍しくありません。 +スペシャルフィールド filename には、モジュールのファイル名が入っています。 .RE .PP \fB\-b \fP\fIbasedir\fP, \fB\-\-basedir \fP\fIbasedir\fP .RS 4 -モジュールのルートディレクトリ。 デフォルトは / です。 +モジュール群にとってのルートディレクトリ。デフォルトでは / です。 .RE .PP \fB\-k \fP\fIkernel\fP .RS 4 -実行中のカーネルではない、 別のカーネルに関する情報を表示します。 これが必要になるのは、 ディストリビューションにおいて、 新たにインストールされた -(まだ稼働していない) 一連のカーネルモジュールについて、 そこからの情報を取得する場合です。 たとえば、 -新たなカーネルにおける種々のモジュールに対して、 必要となるファームウェアファイルは何であるのかを調べたいような場合です。 その場合には、 起動時に -initrd/initramfs イメージの読み込みを行わなければならないためです。 +現在稼働しているカーネル以外のカーネルについて情報を提供します。 +これがとりわけ役に立つのは、ディストリビューションにとって、新たにインストールした +(しかし、まだ動作していない) カーネルモジュール一式から情報を取り出す必要がある場合です。 +たとえば、新しいカーネルでブートする前には、そのカーネル用の +initrd/initramfs イメージを作らなければなりませんが、 +そのために、新しいカーネルの様々なモジュールが、 +どんなファームウェア・ファイルを必要としているかを知りたい場合がそれに当たります。 .RE .PP \fB\-0\fP, \fB\-\-null\fP .RS 4 -項目値の区切りとして、 改行文字ではなく ASCII ゼロ文字を用います。 これはスクリプト内で用いる際に便利です。 理論的には、 -改行文字が項目内に含まれる場合があるためです。 +フィールドの値の区切りに改行ではなく、ASCII ゼロ文字を使用します。 +理論上では改行がフィールド中に現れることもあり得るので、これはスクリプトで役に立ちます。 .RE .PP \fB\-a\fP \fB\-\-author\fP, \fB\-d\fP \fB\-\-description\fP, \fB\-l\fP \fB\-\-license\fP, \fB\-p\fP \fB\-\-parameters\fP, \fB\-n\fP \fB\-\-filename\fP .RS 4 -これは \fB\-\-field\fP フラグにおける各引数、 つまり author, description, license, parm, filename -に対するショートカットです。 かつての modutils の \fBmodinfo\fP を使っていた方が、 扱いやすくなるようにしたものです。 +こうしたものは、\fB\-\-field\fP フラグの引数に author, description, +license, parm, filename を指定する場合の簡易表記です。古い modutils の +\fBmodinfo\fP からの移行を容易にするためにあります。 .RE .SH 著作権 .PP -この man ページの元々の著作権表記は Copyright 2003, Rusty Russell, IBM Corporation です。 現在は -Jon Masters その他が保守を行っています。 +このマニュアルページの最初の版は、"Copyright 2003, Rusty Russell, +IBM Corporation" でした。現在では、Jon Masters ほか数名によって保守されています。 .SH 関連項目 .PP \fBmodprobe\fP(8) diff --git a/manual/kmod/draft/man8/modprobe.8 b/manual/kmod/draft/man8/modprobe.8 index cb1ffd16..e5f1d108 100644 --- a/manual/kmod/draft/man8/modprobe.8 +++ b/manual/kmod/draft/man8/modprobe.8 @@ -13,7 +13,29 @@ .\" .\"******************************************************************* .\" -.\" translated for 29, 2022-05-31 ribbon +.\" Japanese Version Copyright (C) 2005 Suzuki Takashi, +.\" and 2022 ribbon, +.\" and 2022 Chonan Yoichi, +.\" all rights reserved. +.\" Translated (module-init-tools) Sun Jul 10 00:42:36 JST 2005 +.\" by Suzuki Takashi . +.\" New Translation (kmod version 29) Tue May 31 2022 +.\" by ribbon +.\" Modified Tue Oct 25 09:28:07 JST 2022 +.\" by Chonan Yoichi +.\" +.\" This program is free software: you can redistribute it and/or modify +.\" it under the terms of the GNU General Public License as published by +.\" the Free Software Foundation, either version 2 of the License, or +.\" (at your option) any later version. +.\" +.\" This program is distributed in the hope that it will be useful, +.\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of +.\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the +.\" GNU General Public License for more details. +.\" +.\" You should have received a copy of the GNU General Public License +.\" along with this program. If not, see . .\" .TH MODPROBE 8 2021/01/29 kmod modprobe .ie \n(.g .ds Aq \(aq @@ -36,7 +58,7 @@ .\" * MAIN CONTENT STARTS HERE * .\" ----------------------------------------------------------------- .SH 名前 -modprobe \- Linux カーネルへのモジュールの追加や削除 +modprobe \- Linux カーネルに対してモジュールの着脱を行う .SH 書式 .HP \w'\fBmodprobe\fR\ 'u \fBmodprobe\fP [\fB\-v\fP] [\fB\-V\fP] [\fB\-C\ \fP\fIconfig\-file\fP] [\fB\-n\fP] [\fB\-i\fP] [\fB\-q\fP] @@ -49,185 +71,243 @@ modprobe \- Linux カーネルへのモジュールの追加や削除 \fBmodprobe\fP [\-\-dump\-modversions] [\fIfilename\fP] .SH 説明 .PP -\fBmodprobe\fP は Linux カーネルに対するモジュールの登録や削除を適切に行います。 扱いやすさを考慮して、 モジュール名に使われる _ と -\- は区別されません (アンダースコアの変換が自動的に行われます)。 \fBmodprobe\fP がモジュールや他のファイルを検索するディレクトリは、 -/lib/modules/`uname \-r` というモジュールディレクトリです。 この他に、 任意の設定ファイルは /etc/modprobe\&.d -ディレクトリから検索します (\fBmodprobe.d\fP(5) 参照)。 また \fBmodprobe\fP は、 カーネルのコマンドラインからは -\&.