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util-linux: update the manpages of fdisk, cfdisk and sfdisk to 2.35.2.
[linuxjm/jm.git] / manual / util-linux / release / man8 / fdisk.8
1 .\" Copyright 1992, 1993 Rickard E. Faith (faith@cs.unc.edu)
2 .\" Copyright 1998 Andries E. Brouwer (aeb@cwi.nl)
3 .\" Copyright 2012 Davidlohr Bueso <dave@gnu.org>
4 .\" Copyright (C) 2013 Karel Zak <kzak@redhat.com>
5 .\" May be distributed under the GNU General Public License
6 .\"*******************************************************************
7 .\"
8 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
9 .\"
10 .\"*******************************************************************
11 .\" Japanese Version Copyright (c) 1997-1998 NAKANO Takeo
12 .\"   and 2004 Yuichi Sato,
13 .\"   and 2020 Chonan Yoichi,
14 .\"         all rights reserved.
15 .\" Translated Thu Sep 11 1997 by NAKANO Takeo <nakano@apm.seikei.ac.jp>
16 .\" Updated & Modified Fri 3 Jul 1998 by NAKANO Takeo
17 .\" Updated & Modified Thu 7 Oct 1999 by NAKANO Takeo 
18 .\" Updated & Modified Sat 18 Mar 2000 by NAKANO Takeo 
19 .\" Updated & Modified Sun 14 May 2000 by NAKANO Takeo 
20 .\" Updated & Modified Tue May  4 23:47:43 JST 2004
21 .\"         by Yuichi SATO <ysato444@yahoo.co.jp>
22 .\" Updated & Modified (util-linux 2.35.2) Sun Jul 12 08:32:01 JST 2020
23 .\"         by Chonan Yoichi <cyoichi@maple.ocn.ne.jp>
24 .\"
25 .TH FDISK 8 "February 2016" util\-linux "System Administration"
26
27 .SH 名前
28 fdisk \- ディスクのパーティションテーブルを操作する
29
30 .SH 書式
31 \fBfdisk\fP [options] \fIdevice\fP
32 .sp
33 \fBfdisk \-l\fP [\fIdevice\fP...]
34
35 .SH 説明
36 \fBfdisk\fP は、パーティションテーブルの作成と操作を行う対話方式のプログラムである。
37 この \fBfdisk\fP は、GPT, MBR, Sun, SGI, BSD
38 のパーティションテーブルを理解することができる。
39
40 ブロックデバイスは、\fIパーティション\fPと呼ばれる
41 1 個以上の論理ディスクに分割することができる。この分割に関する情報は、通常ディスクのセクタ
42 0 に存在する\fIパーティションテーブル\fPに記録される。(BSD の世界では、
43 「ディスクスライス」とか「ディスクラベル」という言い方をする。)
44 .IP "[\fB訳注\fP]" 8
45 このマニュアルでは、「パーティションテーブル」と「ディスクラベル」の両方を、
46 ほぼ同じ意味で、混ぜて使っている。強いて言えば、Linux や DOS
47 (GPT や MBR) については「パーティションテーブル」を使い、他の OS
48 の場合も含めて、より一般的に言うときは「ディスクラベル」を使うようにしているらしいが、
49 必ずしもそうとは言えないところもある。
50 .PP
51 すべてのパーティション分割は、デフォルトではデバイスの I/O リミット
52 (I/O トポロジーとも言う) に基づいて行われる。そのため \fBfdisk\fP
53 は、4K\-sector のサイズにふさわしくディスクレイアウトを最適化したり、MBR や GPT
54 のために最近のデバイスで開始点や終了点のオフセットを適切な値に揃えたりできるのである。
55 だから、デフォルトの値に (たとえば、パーティションの最初や最後のセクタの値に)
56 \fBfdisk\fP の提示するデフォルトを使うのは、いつだって賢明なことである。
57 また、パーティションのサイズを +/\-<size>{M,G,...}
58 の表記で指定すれば、必ずデバイスのプロパティに合わせて大きさが調整されることになる。
59 .IP "[\fB訳注\fP]" 8
60 util-linux 所収の \fBblkid\fP(8) の man によれば、\fBblkid \-i\fP
61 \fIdevice\fP で「I/O Limits (aka I/O topology)
62 の情報を表示する」ことになっている。そこで、それを実行すると、MINIMUM_IO_SIZE,
63 PHYSICAL_SECTOR_SIZE, LOGICAL_SECTOR_SIZE が表示された。I/O
64 リミットとは、そうしたもののことなのだろう。「I/O 境界」「I/O 制約」と訳せるかもしれない。
65 .PP
66 CHS (Cylinder\-Head\-Sector)
67 アドレシングは非推奨であり、デフォルトでは使用されない。だから、SSD や 4K\-sector
68 のデバイスを使うときは、"fdisk \-S <n> \-H <n>"
69 といったアドバイスのある古い記事や助言には、どうか従わないでいただきたい。
70
71 なお、ディスクレイアウトを表示するスクリプトのためには、\fBpartx\fP(8)
72 が豊富なインターフェースを提供している。
73 \fBfdisk\fP の方は、主として人間が使うことを想定しているのである。\fBfdisk\fP
74 は、出力については後方互換を保証していない。入力 (コマンド)
75 については、どれも後方互換のはずである。
76
77 .SH オプション
78 .TP 
79 \fB\-b\fP, \fB\-\-sector\-size\fP \fIsectorsize\fP
80 ディスクのセクタサイズを指定する。有効な値は、512, 1024, 2048, 4096
81 である。(最近のカーネルはセクタサイズの情報を持っている。
82 このオプションを使うのは、カーネルが古い場合や、
83 カーネルの持っている情報を変更したい場合のみにすること。) util\-linux\-2.17
84 以来 \fBfdisk\fP は、論理セクタサイズと物理セクタサイズを区別している。
85 このオプションは、両方のセクタサイズを \fIsectorsize\fP に変更する。
86 .TP 
87 \fB\-B\fP, \fB\-\-protect\-boot\fP
88 新しいディスクラベルを作成するとき、ディスクの最初のセクタの先頭部分を消去しない。
89 この機能は、GPT と MBR に対してサポートされている。
90 .TP 
91 \fB\-c\fP, \fB\-\-compatibility\fP[=\fImode\fP]
92 互換モードが 'dos' か 'nondos' か指定する。デフォルトは、non\-DOS
93 モードである。後方互換のために、このオプションは、引き数の
94 \fImode\fP なしで使うこともできる。その場合は、デフォルトが使用される。
95 気を付けてほしいのは、オプションの \fB\-c\fP と、指定が任意の引き数 \fImode\fP
96 との間を空白で区切ってはいけないことだ。正しい書式は、たとえば '\-c=dos' である。
97 .TP 
98 \fB\-h\fP, \fB\-\-help\fP
99 ヘルプテキストを表示して終了する。
100 .TP 
101 \fB\-L\fP, \fB\-\-color\fP[=\fIwhen\fP]
102 出力をカラー表示にする。指定が任意の引き数 \fIwhen\fP には、\fBauto\fP, \fBnever\fP,
103 \fBalways\fP が使える。引き数 \fIwhen\fP を省略すると、デフォルトの
104 \fBauto\fP になる。カラー表示は無効にすることもできる。
105 プログラムに埋め込まれた現在のデフォルトが有効か無効かを知りたければ、\fB\-\-help\fP
106 の出力を見ればよい。「\fBカラー表示\fP」セクションも参照していただきたい。
107 .TP 
108 \fB\-l\fP, \fB\-\-list\fP
109 指定されたデバイスのパーティションテーブルを一覧表示して、終了する。
110 デバイスをひとつも指定しなかった場合は、 \fI/proc/partitions\fP
111 というファイルが存在するなら、そこに記載されているデバイスを対象にする。
112 .TP 
113 \fB\-o\fP,\fB \-\-output \fP\fIlist\fP
114 どの出力項目 (columns)
115 を表示するかを指定する。サポートされている全項目のリストを知るには、\fB\-\-help\fP
116 オプションを使用すればよい。
117
118 \fIlist\fP を \fI+list\fP
119 という書式で指定すれば、デフォルトのリストに項目を追加することができる
120 (たとえば \fB\-o +UUID\fP のように)。
121 .TP 
122 \fB\-s\fP, \fB\-\-getsz\fP
123 指定した各ブロックデバイスについて 512\-byte
124 セクタでサイズを表示する。このオプションは非推奨であり、\fBblockdev\fP(8)
125 を使った方がよい。(訳注: 実のところ、手元の v2.35.2 の \fBfdisk \-s\fP
126 では、1 セクタ 1024 バイト計算のセクタ数を表示する。\fBblockdev \-\-getsz\fP
127 の方は 1 セクタ 512 バイトのセクタ数。)
128 .TP 
129 \fB\-t\fP, \fB\-\-type\fP \fItype\fP
130 指定したタイプ (\fItype\fP) のディスクラベルに対してのみサポートを有効にし、
131 ほかのすべてのタイプに対するサポートは無効にする。
132 .TP 
133 \fB\-u\fP, \fB\-\-units\fP[=\fIunit\fP]
134 パーティションテーブルの一覧表示をするとき、
135 「セクタ数」または「シリンダ数」でサイズを表示する。
136 デフォルトは、セクタ数でのサイズ表示である。後方互換を考慮して、このオプションは、
137 \fIunit\fP 引き数なしでも使えるようになっている。その場合は、デフォルトが使用される。
138 気を付けてほしいのは、オプションの \fB\-u\fP と、指定が任意の引き数 \fIunit\fP
139 との間を空白で区切ってはいけないことだ。すなわち、正しい書式は、たとえば
140 \&'\-u=cylinders' である。
141
142 .TP 
143 \fB\-C\fP, \fB\-\-cylinders\fP \fInumber\fP
144 ディスクのシリンダ数を指定する。
145 どうしてそんなことをしたがるのか、筆者にはさっぱりわからないが。
146 .TP 
147 \fB\-H\fP, \fB\-\-heads\fP \fInumber\fP
148 ディスクのヘッド数を指定する (もちろん、物理的なヘッド数ではなく、
149 パーティションテーブルで使うヘッド数である)。
150 妥当な値は、255 または 16 である。
151 .TP 
152 \fB\-S\fP, \fB\-\-sectors\fP \fInumber\fP
153 ディスクの 1 トラックあたりのセクタ数を指定する
154 (もちろん、物理的なセクタ数ではなく、パーティションテーブルで使うセクタ数である)。
155 妥当な値は、63 である。
156
157 .TP 
158 \fB\-w\fP, \fB\-\-wipe\fP \fIwhen\fP
159 デバイスからファイルシステムや RAID
160 やパーティションテーブルのシグナチャーを消去する
161 (訳注: 前から存在する古いシグナチャーを消去するということだろう)。衝突 (collision)
162 が起きないようにするためである。引き数の \fIwhen\fP には、\fBauto\fP, \fBnever\fP,
163 \fBalways\fP が使える。このオプションが指定されない場合のデフォルトは、\fBauto\fP
164 であり、その場合シグナチャーが消去されるのは、対話モードのときだけである。
165 いずれの場合でも、新しいパーティションテーブルが作成される前に、検出されたシグナチャーが、
166 警告メッセージとして通知される。\fBwipefs\fP(8) コマンドの説明もご覧いただきたい。
167
168 .TP 
169 \fB\-W\fP, \fB\-\-wipe\-partition\fP \fIwhen\fP
170 新たに作成するパーティションからファイルシステムや RAID
171 やパーティションテーブルのシグナチャーを消去する
172 (訳注: 前から存在する古いシグナチャーを消去するということだろう)。衝突 (collision)
173 が起きないようにするためである。引き数の \fIwhen\fP には、\fBauto\fP, \fBnever\fP,
174 \fBalways\fPが使える。このオプションが指定されない場合のデフォルトは、
175 \fBauto\fP であり、その場合シグナチャーが消去されるのは、対話モードのときだけで、
176 それもユーザが承認した後である。
177 いずれの場合でも、新しいパーティションが作成される前に、検出されたシグナチャーが、
178 警告メッセージとして通知される。\fBwipefs\fP(8) コマンドの説明もご覧いただきたい。
179
180 .TP 
181 \fB\-V\fP, \fB\-\-version\fP
182 バージョン情報を表示して終了する。
183
184 .SH デバイス
185 「デバイス」は普通、/dev/sda, /dev/sdb
186 などである。デバイス名は、ディスク全体を指している。libata
187 (ATA ホストコントローラーと ATA デバイスをサポートするために Linux
188 カーネルの内部で使われるライブラリ) の存在しない古いシステムでは、IDE と
189 SCSI のディスクを区別している。そうした場合は、デバイス名が /dev/hd* (IDE)
190 や /dev/sd* (SCSI) になるだろう。
191
192 「パーティション」は、デバイス名の後ろにパーティション番号が付いたものだ。
193 たとえば、/dev/sda1 は、そのシステムの最初のハードディスクの最初のパーティションである。
194 Linux kernel 文書 (この場合は、Documentation/admin\-guide/devices.txt
195 というファイル) もご覧になっていただきたい。
196
197 .SH サイズ
198 "Last sector (最終セクタ)"
199 という問い合わせに対しては、パーティションサイズをセクタ数でも
200 +/\-<size>{K,B,M,G,...} という表記でも指定できる。
201 .IP "[\fB訳注\fP]" 8
202 デフォルトでは、最終セクタ番号を指定するようになっている。
203 サイズを、バイト数ではなく、セクタの数で指定する +/-<セクタ数>
204 という指定法もある。
205 .PP
206 サイズの前に '+' を付けると、そのパーティションの最初のセクタからの相対的なサイズと解釈される。
207 サイズの前に '\-' を付けた場合は、最大位置
208 (そのパーティションのために利用できる最後のセクタ) からのサイズになる。
209
210 サイズをバイト数で指定する場合は、数字の後に KiB=1024, MiB=1024*1024
211 のような乗数を表す接尾辞を付けることができる。GiB, TiB, PiB, EiB,
212 ZiB, YiB も同様に使える。"iB" を続けるのは任意であり、たとえば、"K"
213 は "KiB" と同じ意味である。
214
215 相対的なサイズは、必ずデバイスの I/O リミットに合わせて大きさが調整される。
216 +/\-<size>{K,B,M,G,...} というこの表記法をお勧めする所以である。
217
218 後方互換のため、fdisk は KB=1000, MB=1000*1000 といった接尾辞も解する。
219 GB, TB, PB, EB, ZB, YB も同様に使える。ただし、こういった
220 10^N を表す接尾時は非推奨である。
221
222 .SH スクリプトファイル
223 \fBfdisk\fP では、sfdisk 互換のスクリプトファイルを読み込むことができる
224 ('I' コマンドを使用する)。スクリプトはメモリ中のパーティションテーブルに適用されるので、
225 そのパーティションテーブルに変更を加えてから、それをデバイスに書き出すことが可能である。
226 .PP
227 また逆に、現在メモリ中にあるディスクレイアウトを、'O'
228 コマンドを使って、スクリプトファイルに書き出すこともできる。
229 .PP
230 こうしたスクリプトファイルは、cfdisk, sfdisk, fdisk などの libfdisk
231 アプリケーションの間で互換性がある。より詳しいことは、\fBsfdisk\fP をご覧いただきたい。
232
233 .SH ディスクラベル
234 \fBGPT (GUID Partition Table)\fP
235 .RS
236 GPT は、パーティションテーブルのレイアウトについての最近の規格である。
237 GPT は、各パーティションに対して、64 ビットの論理ブロックアドレス、チェックサム、
238 UUID、それに、どんなパーティションかを示す名前を使用する。
239 また、パーティションの数に制限がない
240 (とは言え、パーティショニングツールの多くでは、パーティション数の上限をたいてい
241 128 にしている)。
242 .IP "[\fB訳注\fP]" 8
243 ここで言う「どんなパーティションかを示す名前」は、\fBfdisk -l -o +Name\fP
244 を実行すると (存在すれば) 表示される、簡単なパーティションの説明のことだろう。"EFI 
245 system partition" とか "Basic data partition" のようなものである。
246 \fBsfdisk\fP の \fB\-\-part\-label\fP オプションの説明や、
247 「\fB入力の書式\fP」セクションのフィールド名の説明もご覧になっていただきたい。
248 .PP
249 なお、GPT の仕様では、今でも最初のセクタが \fBprotective MBR\fP
250 のために留保されている。MBR 専用のパーティショニングツールが、誤認識して
251 GPT ディスクを上書きしてしまうのを防ぐためである。
252
253 GPT は、MBR より常によい選択である。UEFI
254 のブートローダーを持つ最近のハードウェアでは、なおさらのことだ。
255 .RE
256
257 \fBDOS\-type (MBR)\fP
258 .RS
259 DOS 形式のパーティションテーブルは、記述できるパーシションの数に上限がない。
260 セクタ 0 には、4 パーティションを記述する余地がある (これらは基本パーティションと呼ばれる)。
261 そのうちのひとつは拡張パーティションにすることができる。
262 これは、言わば、論理パーティションを入れる容器であり、セクタの連鎖リストの形になっている記述子
263 (descriptors) が、それぞれの対応する論理パーティションの前に付いている。
264 4 個の基本パーティションは、存在する、しないにかかわらず、1\-4
265 の番号を取る。論理パーティションの番号は、5 から始まる。
266
267 DOS 形式のパーティションテーブルでは、各パーティションの開始オフセットとサイズは、
268 二つの方法で記録される。すなわち、セクタの絶対数 (32 ビットで指定される)
269 と、\fBシリンダ数/ヘッド数/セクタ数\fP (\fBC/H/S\fP) の三つ組としてである
270 (10+8+6 ビットで指定される)。前者には問題がない。512\-byte セクタで最大
271 2 TB まで表現できる。後者には二つの問題がある。第一に、こうした C/H/S
272 のフィールドを埋めることができるのは、ヘッド数や
273 1 トラックあたりのセクタ数が分かっているときだけだ。
274 第二には、そうした数値の妥当な値が分かっている場合でも、利用できる 24
275 ビットでは十分ではない。DOS は C/H/S のみを使い、Windows は両方を使う。Linux は
276 C/H/S を全く使わない。\fBC/H/S 方式のアドレス指定は非推奨である\fP。
277 fdisk の将来のバージョンではサポートされないかもしれない。
278
279 \fBDOS 互換のパーティションを作成したいなら\fP、「\fBDOS
280 モード ...\fP」\fBセクションをお読みになるとよい\fP。\fBfdisk\fP
281 はデフォルトでは、シリンダ境界に留意しない。
282 .RE
283
284 \fBBSD/Sun\-type\fP
285 .RS
286 BSD/Sun 形式のディスクラベルは、8 個のパーティションを記述できる。そのうちの
287 3 番目は、ディスク全体を表すパーティションになるはずだ。
288 パーティションが (スワップパーティションのように)
289 その最初のセクタを実際に使用する場合には、そのパーティションをシリンダ 0
290 から始めてはいけない。ディスクラベルを破壊することになるからである。
291 なお、\fBBSD ラベル\fP は、通常 DOS パーティションの中にネストされる。
292 .RE
293
294 \fBIRIX/SGI\-type\fP
295 .RS
296 IRIX/SGI 形式のディスクラベルは、16 個のパーティションを記述できる。そのうちの
297 11 番目は、ボリューム全体を表すパーティションであり、
298 9 番目は、ボリュームヘッダと名付けられるはずだ。
299 このボリュームヘッダには、パーティションテーブルも含まれることになる。
300 すなわち、ブロック 0 から始まって、デフォルトでは
301 5 シリンダ分を占めるのである。ボリュームヘッダの残りのスペースは、
302 ヘッダのディレクトリエントリ用に使用することができる。
303 どのパーティションも、ボリュームヘッダと重なってはいけない。
304 また、ボリュームヘッダのパーティションタイプを変更してはならないし、
305 そこにファイルシステムを作ってもいけない。
306 パーティションテーブルがなくなってしまうからである。このタイプのラベルを使うのは、
307 IRIX/SGI マシンで Linux を動かすときか、Linux の元で IRIX/SGI
308 のディスクを扱うときだけにするべきである。
309 .RE
310
311 パーティションテーブルが更新されたときは、プログラムを終了する前に、
312 sync() と ioctl(BLKRRPART) (ディスクからパーティションテーブルを再読み込みする)
313 が実行される。
314
315 .SH "DOS モードと DOS 6.x に関する警告"
316 \fBご注意いただきたいが、このセクションで述べることの全てが非推奨である。\fP
317 \fB最近のオペレーティングシステムでは、ジオメトリやシリンダ数といったことに気を使う必要はない。\fP
318 \fBそれでも、本当に DOS 互換のパーティション分割をなさりたいのならば、fdisk \fP
319 \fBのコマンドラインオプション '\-c=dos \-u=cylinders' を使用して\fP
320 \fBDOS モードと cylinder 単位を有効にしなければならない。\fP
321
322 DOS 6.x の FORMAT
323 コマンドは、パーティションのデータ領域の最初のセクタに、ある種の情報を探しに行き、
324 それをパーティションテーブルの情報より信頼できるものとして扱う。また、DOS の FORMAT
325 は、DOS の FDISK が、サイズの変更があったときには必ず、パーティションのデータ領域の最初の
326 512 バイトをクリアすることを当てにしている。DOS の FORMAT
327 は、/U フラグが指定されたときでさえ、上記の追加情報を見に行こうとする。
328 我々としては、こうした振る舞いは、DOS の FORMAT や FDISK のバグだと思う。
329
330 要するにこういうことだ。\fBfdisk\fP や \fBcfdisk\fP
331 を使って、パーティションテーブル上の DOS の領域のサイズを変更する場合には、DOS の
332 FORMAT でそのパーティションをフォーマットする前に、\fBdd\fP(1)
333 コマンドを使って、そのパーティションの\fB最初の 512 バイトを 0
334 で初期化することも\fP行わなければならないのである。
335 たとえば、\fBfdisk\fP を使って、パーティションテーブル中の /dev/sda1 に
336 DOS の領域を作成しているのならば、(\fBfdisk\fP
337 を終了し、パーティションテーブルの情報が有効になるように Linux をリブートした後で)
338 "dd if=/dev/zero of=/dev/sda1 bs=512 count=1"
339 というコマンドを実行して、そのパーティションの最初の 512
340 バイトを 0 で初期化することになるだろう。
341
342 通常 \fBfdisk\fP はディスクジオメトリを自動的に取得する。
343 それは必ずしも実際の物理的なディスクジオメトリとはかぎらない
344 (そうなのだ。最近のディスクには、物理的なジオメトリのようなものは実のところ存在しない。
345 「シリンダ数/ヘッド数/セクタ数」といった単純化された形で記述できるようなものは、
346 確かに存在しないのだ)。それでも、MS\-DOS
347 がパーティションテーブルで使用するのは、このディスクジオメトリなのである。
348
349 たいていの場合、デフォルトで万事うまく行くし、Linux
350 がディスク上の唯一のシステムなら、問題はまったく起きない。
351 それでも、ディスクを他のオペレーティングシステムと共有しなければならないのなら、他の
352 OS の FDISK でパーティションを少なくとも
353 1 つ作っておくのは、多くの場合、よい考えである。Linux
354 は、ブートするとき、パーティションテーブルを調べて、
355 他のシステムとうまくやって行くためには、どんな (見せかけの)
356 ジオメトリが必要かを推測しようとと試みるからである。
357
358 パーティションテーブルが DOS モードで表示される際には、
359 パーティションテーブルの各領域について、整合性のチェックが必ず行われる。
360 このチェックは、物理開始点と論理開始点、物理終了点と論理終了点が同じかどうかと、
361 各パーティションの開始点や終了点が、シリンダ境界と一致しているかどうかをチェックしている
362 (ただし後者のチェックでは、最初のパーティションは除外される)。
363
364 MS\-DOS のバージョンによっては、作成する最初のパーティションを、シリンダ境界ではなく、
365 先頭シリンダの第 2 セクタから始めるものがある。
366 開始点が先頭シリンダ中にあるパーティションでは、
367 シリンダ境界からパーティションが始まるわけがないが
368 (訳注: 何故なら、先頭シリンダの先頭には
369 MBR などがあるはずだから)、それが問題になることは、お手元のマシンに OS/2
370 も入っていないかぎり、まずないだろう。
371
372 最善の結果を得るためには、必ずその OS
373 に固有のパーティションテーブル作成プログラムを使うべきである。
374 たとえば、DOS のパーティションは、DOS の FDISK プログラムで作り、Linux
375 のパーティションは、Linux の fdisk か cfdisk プログラムで作るべきなのだ。
376 .SH カラー表示
377 自動的なカラー表示は、\fI/etc/terminal\-colors.d/fdisk.disable\fP
378 という空ファイルを作ることで無効にできる。
379
380 カラー表示の設定についてもっと詳しいことを知りたかったら、\fBterminal\-colors.d\fP(5)
381 をご覧になるとよい。\fBfdisk\fP は、以下の論理カラー名をサポートしている。
382 .TP 
383 \fBheader\fP
384 出力するパーティションテーブルのヘッダ。
385 .TP 
386 \fBhelp\-title\fP
387 ヘルプセクションのタイトル。
388 .TP 
389 \fBwarn\fP
390 警告メッセージ。
391 .TP 
392 \fBwelcome\fP
393 ウェルカムメッセージ。
394
395 .SH 作者
396 Karel Zak <kzak@redhat.com>
397 .br
398 Davidlohr Bueso <dave@gnu.org>
399 .PP
400 最初のバージョンを書いたのは、Andries E. Brouwer, A. V. Le Blanc,
401 その他の人たちだった。
402
403 .SH 環境変数
404 .IP FDISK_DEBUG=all
405 fdisk のデバッグ出力を有効にする。
406 .IP LIBFDISK_DEBUG=all
407 libfdisk デバッグ出力を有効にする。
408 .IP LIBBLKID_DEBUG=all
409 libblkid デバッグ出力を有効にする。
410 .IP LIBSMARTCOLS_DEBUG=all
411 libsmartcols デバッグ出力を有効にする。
412 .IP LIBSMARTCOLS_DEBUG_PADDING=on
413 目に見える埋め文字 (padding characters) を使用する。LIBSMARTCOLS_DEBUG
414 を有効にしておく必要がある。
415
416 .SH 関連項目
417 \fBcfdisk\fP(8), \fBmkfs\fP(8), \fBpartx\fP(8), \fBsfdisk\fP(8)
418
419 .SH 入手方法
420 この fdisk コマンドは、util\-linux パッケージの一部であり、以下の URL
421 から入手できる。https://www.kernel.org/pub/linux/utils/util\-linux/