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(split) LDP: Update draft pages
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / draft / man2 / getrlimit.2
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2 .\" and Copyright (c) 2002, 2004, 2005, 2008, 2010 Michael Kerrisk
3 .\"
4 .\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
5 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
6 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
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8 .\"
9 .\" Permission is granted to copy and distribute modified versions of this
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24 .\" %%%LICENSE_END
25 .\"
26 .\" Modified by Michael Haardt <michael@moria.de>
27 .\" Modified 1993-07-23 by Rik Faith <faith@cs.unc.edu>
28 .\" Modified 1996-01-13 by Arnt Gulbrandsen <agulbra@troll.no>
29 .\" Modified 1996-01-22 by aeb, following a remark by
30 .\"          Tigran Aivazian <tigran@sco.com>
31 .\" Modified 1996-04-14 by aeb, following a remark by
32 .\"          Robert Bihlmeyer <robbe@orcus.ping.at>
33 .\" Modified 1996-10-22 by Eric S. Raymond <esr@thyrsus.com>
34 .\" Modified 2001-05-04 by aeb, following a remark by
35 .\"          Håvard Lygre <hklygre@online.no>
36 .\" Modified 2001-04-17 by Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
37 .\" Modified 2002-06-13 by Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
38 .\"     Added note on nonstandard behavior when SIGCHLD is ignored.
39 .\" Modified 2002-07-09 by Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
40 .\"     Enhanced descriptions of 'resource' values
41 .\" Modified 2003-11-28 by aeb, added RLIMIT_CORE
42 .\" Modified 2004-03-26 by aeb, added RLIMIT_AS
43 .\" Modified 2004-06-16 by Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
44 .\"     Added notes on CAP_SYS_RESOURCE
45 .\"
46 .\" 2004-11-16 -- mtk: the getrlimit.2 page, which formally included
47 .\" coverage of getrusage(2), has been split, so that the latter
48 .\" is now covered in its own getrusage.2.
49 .\"
50 .\" Modified 2004-11-16, mtk: A few other minor changes
51 .\" Modified 2004-11-23, mtk
52 .\"     Added notes on RLIMIT_MEMLOCK, RLIMIT_NPROC, and RLIMIT_RSS
53 .\"             to "CONFORMING TO"
54 .\" Modified 2004-11-25, mtk
55 .\"     Rewrote discussion on RLIMIT_MEMLOCK to incorporate kernel
56 .\"             2.6.9 changes.
57 .\"     Added note on RLIMIT_CPU error in older kernels
58 .\" 2004-11-03, mtk, Added RLIMIT_SIGPENDING
59 .\" 2005-07-13, mtk, documented RLIMIT_MSGQUEUE limit.
60 .\" 2005-07-28, mtk, Added descriptions of RLIMIT_NICE and RLIMIT_RTPRIO
61 .\" 2008-05-07, mtk / Peter Zijlstra, Added description of RLIMIT_RTTIME
62 .\" 2010-11-06, mtk: Added documentation of prlimit()
63 .\"
64 .\"*******************************************************************
65 .\"
66 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
67 .\"
68 .\"*******************************************************************
69 .TH GETRLIMIT 2 2013\-02\-11 Linux "Linux Programmer's Manual"
70 .SH 名前
71 getrlimit, setrlimit, prlimit \- 資源の制限を取得/設定する
72 .SH 書式
73 \fB#include <sys/time.h>\fP
74 .br
75 \fB#include <sys/resource.h>\fP
76 .sp
77 \fBint getrlimit(int \fP\fIresource\fP\fB, struct rlimit *\fP\fIrlim\fP\fB);\fP
78 .br
79 \fBint setrlimit(int \fP\fIresource\fP\fB, const struct rlimit *\fP\fIrlim\fP\fB);\fP
80 .sp
81 \fBint prlimit(pid_t \fP\fIpid\fP\fB, int \fP\fIresource\fP\fB, const struct rlimit
82 *\fP\fInew_limit\fP\fB,\fP
83 .br
84 \fB struct rlimit *\fP\fIold_limit\fP\fB);\fP
85 .sp
86 .in -4n
87 glibc 向けの機能検査マクロの要件 (\fBfeature_test_macros\fP(7)  参照):
88 .in
89 .sp
90 \fBprlimit\fP(): _GNU_SOURCE && _FILE_OFFSET_BITS == 64
91 .SH 説明
92 \fBgetrlimit\fP() と \fBsetrlimit\fP() はそれぞれ資源 (resource) の制限
93 (limit) の設定と取得を行う。 各リソースには、それに対応するソフトリミッ
94 トとハードリミットがあり、 \fIrlimit\fP 構造体で定義される:
95 .PP
96 .in +4n
97 .nf
98 struct rlimit {
99     rlim_t rlim_cur;  /* ソフトリミット */
100     rlim_t rlim_max;  /* ハードリミット
101                          (rlim_cur より小さくない) */
102 };
103
104 .fi
105 .in
106 ソフトリミットは、カーネルが対応するリソースに対して課す制限値である。 ハードリミットはソフトリミットの上限として働く。
107 特権を持たないプロセスは、ソフトリミットの値を 0 からハードリミットの範囲に設定することと、 ハードリミットを下げることのみができる
108 (一度下げたハードリミットは上げられない)。 特権プロセス (Linux では \fBCAP_SYS_RESOURCE\fP ケーパビリティ
109 (capability) を持つプロセス) は ソフトリミットとハードリミットを自由に変更できる。
110 .PP
111 値 \fBRLIM_INFINITY\fP はリソースに制限がないことを表す (この値は \fBgetrlimit\fP()  が返す構造体と
112 \fBsetrlimit\fP()  に渡す構造体の両方で使用される)。
113 .PP
114 \fIresource\fP 引き数は次のいずれか 1 つである。
115 .TP 
116 \fBRLIMIT_AS\fP
117 .\" since 2.0.27 / 2.1.12
118 プロセスの仮想メモリ (アドレス空間) の最大サイズ (バイト単位)。 この制限は \fBbrk\fP(2), \fBmmap\fP(2),
119 \fBmremap\fP(2)  の呼び出しに影響し、この制限を超えた場合は エラー \fBENOMEM\fP で失敗する。 また自動的なスタック拡張にも失敗する
120 (さらに \fBsigaltstack\fP(2)  を使った代替スタックを利用可能にしていなかった場合には、 \fBSIGSEGV\fP を生成してそのプロセスを
121 kill する)。 この値は \fIlong\fP 型なので、32 ビットの \fIlong\fP 型を持つマシンでは、 この制限は最大で 2 GiB
122 になるか、この資源が無制限になる。
123 .TP 
124 \fBRLIMIT_CORE\fP
125 \fIcore\fP ファイルの最大サイズ。 0 の場合、core ファイルは生成されない。 0 以外の場合、このサイズより大きいダンプは切り詰められる。
126 .TP 
127 \fBRLIMIT_CPU\fP
128 CPU 時間の上限 (秒数)。プロセスがソフトリミットに達した場合に、
129 \fBSIGXCPU\fP シグナルを送る。このシグナルに対するデフォルトの動作は、
130 プロセスの終了である。ただし、シグナルをキャッチして、ハンドラがメイン
131 プログラムに制御を返すこともできる。プロセスが CPU 時間を使い続けた
132 場合は、ハードリミットに達するまで 1 秒毎にプロセスに \fBSIGXCPU\fP を送り、
133 ハードリミットに達すると \fBSIGKILL\fP を送る。
134 (ソフトリミットを超過したときの動作は、 Linux における動作である。ソフ
135 トリミットを超えて CPU 時間を使い続けるプロセスの扱い方についての実装は
136 変化してきている。 このシグナルをキャッチする必要のある 移植性を考えた
137 アプリケーションでは、 最初に \fBSIGXCPU\fP を受け取った時点で正しく終了
138 すべきである。)
139 .TP 
140 \fBRLIMIT_DATA\fP
141 プロセスのデータセグメント (初期化されたデータ・初期化されていないデータ・ヒープ) の最大値。 このリミットは \fBbrk\fP(2)  と
142 \fBsbrk\fP(2)  の呼び出しに影響する。 これらの関数は、このリソースのソフトリミットに達すると、 エラー \fBENOMEM\fP で失敗する。
143 .TP 
144 \fBRLIMIT_FSIZE\fP
145 プロセスが作成できるファイルサイズの最大値。 このサイズを超えてファイルを拡張すると、 \fBSIGXFSZ\fP シグナルを送る。
146 デフォルトでは、このシグナルはプロセスを終了する。 プロセスをキャッチすることもできるが、 関連するシステムコール (\fBwrite\fP(2),
147 \fBtruncate\fP(2)  など) はエラー \fBEFBIG\fP で失敗する。
148 .TP 
149 \fBRLIMIT_LOCKS\fP (初期の Linux 2.4 のみ)
150 .\" to be precise: Linux 2.4.0-test9; no longer in 2.4.25 / 2.5.65
151 このプロセスが実行できる \fBflock\fP(2)  ロック数と \fBfcntl\fP(2)  リース数の合計値を制限する。
152 .TP 
153 \fBRLIMIT_MEMLOCK\fP
154 RAM 内にロックできるメモリの最大バイト数。 実際には、この制限はシステムページサイズの最も近い倍数に 切り捨てて丸められる。 この制限は
155 \fBmlock\fP(2), \fBmlockall\fP(2), \fBmmap\fP(2)  の \fBMAP_LOCKED\fP 操作に影響する。 Linux
156 2.6.9 以降では \fBshmctl\fP(2)  \fBSHM_LOCK\fP 操作にも影響する。 この操作は呼び出し元プロセスの実 (real) ユーザー
157 ID にロックされる 共有メモリセグメント (\fBshmget\fP(2)  を参照) の合計バイト数の最大値を設定する。 \fBshmctl\fP(2)
158 \fBSHM_LOCK\fP によるロックは、 \fBmlock\fP(2), \fBmlockall\fP(2), \fBmmap\fP(2)  の
159 \fBMAP_LOCKED\fP によって確立されるプロセス毎のメモリロックとは分けて数える。 1 つのプロセスはこの制限までのバイトをロックできる。
160 この制限には 2 つの種類がある。 2.6.9 より前の Linux カーネル では、
161 この制限は特権プロセスによってロックされるメモリの合計を制御していた。 Linux 2.6.9
162 以降では、特権プロセスがロックするメモリの合計に制限はなく、 代わりにこの制限は非特権プロセスがロックするメモリの合計に 適用されるようになった。
163 .TP 
164 \fBRLIMIT_MSGQUEUE\fP (Linux 2.6.8 以降)
165 呼び出し元プロセスの実ユーザー ID に対して、 POSIX メッセージキューのために確保できるバイト数の制限を指定する。 この制限は
166 \fBmq_open\fP(3)  に対して適用される。 ユーザが作成した各々のメッセージキューのバイト数は
167 以下の式により計算され、(そのキューが削除されるまでの間)  この制限の計算対象に含められる。
168 .nf
169
170     bytes = attr.mq_maxmsg * sizeof(struct msg_msg *) +
171             attr.mq_maxmsg * attr.mq_msgsize
172
173 .fi
174 ここで \fIattr\fP は \fImq_attr\fP 構造体であり、 \fBmq_open\fP(3)  の第 4 引き数として指定される。
175
176 \fIsizeof(struct msg_msg\ *)\fP (Linux/i386 では 4 バイト) を含む最初の加数は、 ユーザーが長さ 0
177 のメッセージを無制限に作れないこと保証している (このようなメッセージであっても、 記録のためのオーバーヘッドでシステムメモリを消費する)。
178 .TP 
179 \fBRLIMIT_NICE\fP (Linux 2.6.12 以降, 下記の「バグ」の節も参照)
180 \fBsetpriority\fP(2)  や \fBnice\fP(2)  を使って引き上げられるプロセスの nice 値の上限を指定する。 nice
181 値の実際の上限は \fI20\ \-\ rlim_cur\fP で計算される (このような変な状況は、リソース制限値として負の数を指定できないため
182 発生する。通常、負の値は特別な意味を持っているからである。 例えば、通常は \fBRLIM_INFINITY\fP の値は \-1 である)。
183 .TP 
184 \fBRLIMIT_NOFILE\fP
185 このプロセスがオープンできるファイルディスクリプタ数の最大値より 1 大きい値を指定する。 (\fBopen\fP(2), \fBpipe\fP(2),
186 \fBdup\fP(2)  などにより) この上限を超えようとした場合、エラー \fBEMFILE\fP が発生する (歴史的に、BSD ではこの上限は
187 \fBRLIMIT_OFILE\fP という名前となっている)。
188 .TP 
189 \fBRLIMIT_NPROC\fP
190 呼び出したプロセスの実ユーザー ID で作成できる最大プロセス数 (より正確には Linux ではスレッド数)。 この上限に達すると、
191 \fBfork\fP(2)  はエラー \fBEAGAIN\fP で失敗する。
192 .TP 
193 \fBRLIMIT_RSS\fP
194 .\" As at kernel 2.6.12, this limit still does nothing in 2.6 though
195 .\" talk of making it do something has surfaced from time to time in LKML
196 .\"       -- MTK, Jul 05
197 プロセスの resident set (RAM 上に存在する仮想ページの数) の 上限を (ページ数で) 指定する。 この制限は 2.4.30
198 より前でしか影響がなく、 \fBmadvise\fP(2)  に \fBMADV_WILLNEED\fP を指定した関数コールにしか影響しない。
199 .TP 
200 \fBRLIMIT_RTPRIO\fP (Linux 2.6.12 以降, バグの節も参照)
201 \fBsched_setscheduler\fP(2)  や \fBsched_setparam\fP(2)
202 を使って設定できる、そのプロセスのリアルタイム優先度の上限を指定する。
203 .TP 
204 \fBRLIMIT_RTTIME\fP (Linux 2.6.25 以降)
205 リアルタイムスケジューリング方針でスケジューリングされるプロセスが ブロッキング型のシステムコールを呼び出さずに消費することのできる CPU
206 時間の合計についての上限を (マイクロ秒単位で) 指定する。 この上限の目的のため、プロセスがブロッキング型のシステムコールを 呼び出す度に、消費された
207 CPU 時間のカウントは 0 にリセットされる。 プロセスが CPU を使い続けようとしたが他のプロセスに置き換えられた (preempted)
208 場合や、そのプロセスのタイムスライスが満了した場合、 そのプロセスが \fBsched_yield\fP(2)  を呼び出した場合は、CPU
209 時間のカウントはリセットされない。
210
211 ソフトリミットに達すると、そのプロセスに \fBSIGXCPU\fP シグナルが送られる。そのプロセスがこのシグナルを捕捉するか 無視して、CPU
212 時間を消費し続けた場合には、 ハードリミットに達するまで 1 秒に 1 回 \fBSIGXCPU\fP が生成され続けることになる。
213 ハードリミットに達した時点で、そのプロセスには \fBSIGKILL\fP シグナルが送られる。
214
215 この上限を意図的に使用するのは、暴走したリアルタイムプロセスを 停止して、システムが動かなくなるのを避ける場合である。
216 .TP 
217 \fBRLIMIT_SIGPENDING\fP (Linux 2.6.8 以降)
218 .\" This replaces the /proc/sys/kernel/rtsig-max system-wide limit
219 .\" that was present in kernels <= 2.6.7.  MTK Dec 04
220 呼び出し元プロセスの実ユーザー ID に対して キューに入れられるシグナルの
221 数の制限を指定する。この制限をチェックするため、標準シグナルとリアルタ
222 イムシグナルの両方がカウントされる。しかし、この制限は \fBsigqueue\fP(3)
223 に対してのみ適用され、 \fBkill\fP(2) 使うことで、そのプロセスに対してま
224 だキューに入れられていない シグナルのインスタンスをキューに入れることが
225 できる。
226 .TP 
227 \fBRLIMIT_STACK\fP
228 プロセススタックの最大サイズをバイト単位で指定する。 この上限に達すると、 \fBSIGSEGV\fP シグナルが生成される。 このシグナルを扱うためには、
229 プロセスは代りのシグナルスタック (\fBsigaltstack\fP(2))  を使用しなければならない。
230
231 Linux 2.6.23 以降では、この制限はプロセスのコマンドライン引き数と環境変数
232 に使用される空間の合計サイズの上限の決定にも使用される。詳細については \fBexecve\fP(2)  を参照。
233 .SS prlimit()
234 .\" commit c022a0acad534fd5f5d5f17280f6d4d135e74e81
235 .\" Author: Jiri Slaby <jslaby@suse.cz>
236 .\" Date:   Tue May 4 18:03:50 2010 +0200
237 Linux 固有の \fBprlimit\fP() システムコールは、 \fBsetrlimit\fP() と \fBgetrlimit\fP
238 の機能を合わせて拡張したものである。 このシステムコールを使って、任意のプロセスのリソース上限の設定と取得を行うことができる。
239
240 \fIresource\fP 引き数は \fBsetrlimit\fP() や \fBgetrlimit\fP() と同じ意味である。
241
242 \fInew_limit\fP 引き数が NULL 以外の場合、 \fInew_limit\fP が指す \fIrlimit\fP 構造体を使って \fIresource\fP
243 のソフトリミットとハードリミットの新しい値が設定される。 \fIold_limit\fP 引き数が NULL 以外の場合、 \fBprlimit\fP()
244 の呼び出しが成功すると、 \fIresource\fP の直前のソフトリミットとハードリミットが \fIold_limit\fP が指す \fIrlimit\fP
245 構造体に格納される。
246
247 .\" FIXME this permission check is strange
248 .\" Asked about this on LKML, 7 Nov 2010
249 .\"     "Inconsistent credential checking in prlimit() syscall"
250 \fIpid\fP 引き数は呼び出しの操作対象となるプロセス ID を指定する。 \fIpid\fP が 0
251 の場合、呼び出しは呼び出し元プロセスに対して適用される。 自分以外のプロセスのリソースの設定と取得を行うためには、 呼び出し元プロセスが
252 \fBCAP_SYS_RESOURCE\fP ケーパビリティを持っているか、 対象となるプロセスの実ユーザ ID、 実効ユーザ ID、 保存
253 set\-user\-ID が呼び出し元プロセスの実ユーザ ID と一致し、 かつ、 対象となるプロセスの実グループ ID、 実効グループ ID、 保存
254 set\-group\-ID が呼び出し元プロセスの実グループ ID と一致していなければならない。
255 .SH 返り値
256 成功した場合、これらのシステムコールは 0 を返す。
257 エラーの場合は \-1 が返され、 \fIerrno\fP が適切に設定される。
258 .SH エラー
259 .TP 
260 \fBEFAULT\fP
261 場所を指すポインタ引き数がアクセス可能なアドレス空間外を指している。
262 .TP 
263 \fBEINVAL\fP
264 \fIresource\fP で指定された値が有効でない。
265 または、 \fBsetrlimit\fP() や \fBprlimit\fP() で、
266 \fIrlim\->rlim_cur\fP が \fIrlim\->rlim_max\fP よりも大きかった。
267 .TP 
268 \fBEPERM\fP
269 特権のないプロセスがハードリミットを上げようとした。
270 これを行うためには \fBCAP_SYS_RESOURCE\fP ケーパビリティが必要である。
271 または、特権のないプロセスが \fBRLIMIT_NOFILE\fP ハードリミットを
272 現在のカーネルの最大値 (\fBNR_OPEN\fP) 以上に増やそうとした。
273 または、呼び出したプロセスが \fIpid\fP で指定されたプロセスのリミットを
274 設定する許可を持っていなかった。
275 .TP 
276 \fBESRCH\fP
277 \fIpid\fP で指定された ID のプロセスが見つからなかった。
278 .SH バージョン
279 \fBprlimit\fP() システムコールは Linux 2.6.36 以降で利用できる。 ライブラリのサポートは glibc 2.13
280 以降で利用できる。
281 .SH 準拠
282 \fBgetrlimit\fP(), \fBsetrlimit\fP(): SVr4, 4.3BSD, POSIX.1\-2001.
283 .br
284 \fBprlimit\fP(): Linux 固有。
285
286 \fBRLIMIT_MEMLOCK\fP と \fBRLIMIT_NPROC\fP は BSD から派生し、
287 POSIX.1\-2001 には指定されていない。
288 これらは BSD 系と Linux に存在するが、他の実装は少ない。
289 \fBRLIMIT_RSS\fP は BSD から派生し、POSIX.1\-2001 には指定されていない。
290 それにも関わらず多くの実装で存在する。
291 \fBRLIMIT_MSGQUEUE\fP, \fBRLIMIT_NICE\fP, \fBRLIMIT_RTPRIO\fP, \fBRLIMIT_RTTIME\fP,
292 \fBRLIMIT_SIGPENDING\fP は Linux 固有のものである。
293 .SH 注意
294 \fBfork\fP(2)  で作成された作成された子プロセスは、 親プロセスのリソース制限を継承する。 \fBexecve\fP(2)
295 の前後でリソース制限は保存される。
296
297 シェルのリソース制限は、シェルの組み込みコマンドである \fIulimit\fP (\fBcsh\fP(1)  では \fIlimit )\fP
298 を使って設定することができる。 このシェルのリソース制限は、コマンドを実行してシェルが生成するプロセス に引き継がれる。
299
300 Linux 2.6.24 以降では、 プロセスのリソース上限は \fI/proc/[pid]/limits\fP で知ることができる。 \fBproc\fP(5)
301 参照。
302
303 古いシステムでは、 \fBsetrlimit\fP()  と同様の目的を持つ関数 \fBvlimit\fP()  が提供されていた。 後方互換性のため、glibc
304 でも \fBvlimit\fP()  を提供している。 全ての新しいアプリケーションでは、 \fBsetrlimit\fP()  を使用すべきである。
305 .SH バグ
306 .\" FIXME prlimit() does not suffer
307 .\" https://bugzilla.kernel.org/show_bug.cgi?id=5042
308 .\" http://sources.redhat.com/bugzilla/show_bug.cgi?id=12201
309 .\" Since versions 2.13, glibc has library implementations of
310 .\" getrlimit() and setrlimit() that use prlimit() to work around
311 .\" this bug.
312 以前の Linux カーネルでは、プロセスがソフトまたはハード \fBRLIMIT_CPU\fP リミットに達した場合に送られる \fBSIGXCPU\fP と
313 \fBSIGKILL\fP シグナルが、本来送られるべき時点の 1 (CPU) 秒後に送られてしまう。 これはカーネル 2.6.8 で修正された。
314
315 .\" see http://marc.theaimsgroup.com/?l=linux-kernel&m=114008066530167&w=2
316 2.6.17 より前の 2.6.x カーネルでは、 \fBRLIMIT_CPU\fP リミットが 0 の場合、 (\fBRLIM_INFINITY\fP
317 と同じように) 「制限なし」と間違って解釈されていた。 Linux 2.6.17 以降では、リミットを 0 に設定した場合にも
318 効果を持つようになっているが、実際にはリミットの値は 1 秒となる。
319
320 .\" See https://lwn.net/Articles/145008/
321 カーネル 2.6.12 には、 \fBRLIMIT_RTPRIO\fP が動作しないというバグがある。この問題はカーネル 2.6.13 で修正されている。
322
323 .\" see http://marc.theaimsgroup.com/?l=linux-kernel&m=112256338703880&w=2
324 カーネル 2.6.12 では、 \fBgetpriority\fP(2)  と \fBRLIMIT_NICE\fP
325 が返す優先度の範囲が一つずれていた。このため、nice 値の実際の上限が \fI19\ \-\ rlim_cur\fP
326 になってしまうという影響があった。これはカーネル 2.6.13 で修正された。
327
328 .\" The relevant patch, sent to LKML, seems to be
329 .\" http://thread.gmane.org/gmane.linux.kernel/273462
330 .\" From: Roland McGrath <roland <at> redhat.com>
331 .\" Subject: [PATCH 7/7] make RLIMIT_CPU/SIGXCPU per-process
332 .\" Date: 2005-01-23 23:27:46 GMT
333 .\" Tested Solaris 10, FreeBSD 9, OpenBSD 5.0
334 .\" FIXME https://bugzilla.kernel.org/show_bug.cgi?id=50951
335 Linux 2.6.12 以降では、 プロセスがその \fBRLIMIT_CPU\fP ソフトリミットに達し、 \fBSIGXCPU\fP
336 に対してシグナルハンドラが設定されている場合、 シグナルハンドラを起動するだけでなく、 カーネルは 1 秒間ソフトリミットを増やす。 そのプロセスが
337 CPU 時間を消費し続けている限り、 ハードリミットに達するまで、この動作が繰り返される。 ハードリミットに達すると、その時点でプロセスは kill
338 される。 他の実装では、上記のような \fBRLIMIT_CPU\fP ソフトリミットの変更は行われず、 おそらく Linux の動作は標準に準拠していない。
339 移植性が必要なアプリケーションではこの Linux 固有の動作を前提にするのは避けるべきである。 Linux 固有の上限
340 \fBRLIMIT_RTTIME\fP でも、 ソフトリミットに達した場合に同じ動作となる。
341
342 2.4.22 より前のカーネルでは、 \fIrlim\->rlim_cur\fP が \fIrlim\->rlim_max\fP より大きかった場合、
343 \fBsetrlimit\fP()  での \fBEINVAL\fP エラーを検出できない。
344 .SH 例
345 以下のプログラムに \fBprlimit\fP() の使用例を示す。
346 .PP
347 .nf
348 #define _GNU_SOURCE
349 #define _FILE_OFFSET_BITS 64
350 #include <stdio.h>
351 #include <time.h>
352 #include <stdlib.h>
353 #include <unistd.h>
354 #include <sys/resource.h>
355
356 #define errExit(msg)    do { perror(msg); exit(EXIT_FAILURE); \e
357                         } while (0)
358
359 int
360 main(int argc, char *argv[])
361 {
362     struct rlimit old, new;
363     struct rlimit *newp;
364     pid_t pid;
365
366     if (!(argc == 2 || argc == 4)) {
367         fprintf(stderr, "Usage: %s <pid> [<new\-soft\-limit> "
368                 "<new\-hard\-limit>]\en", argv[0]);
369         exit(EXIT_FAILURE);
370     }
371
372     pid = atoi(argv[1]);        /* PID of target process */
373
374     newp = NULL;
375     if (argc == 4) {
376         new.rlim_cur = atoi(argv[2]);
377         new.rlim_max = atoi(argv[3]);
378         newp = &new;
379     }
380
381     /* Set CPU time limit of target process; retrieve and display
382        previous limit */
383
384     if (prlimit(pid, RLIMIT_CPU, newp, &old) == \-1)
385         errExit("prlimit\-1");
386     printf("Previous limits: soft=%lld; hard=%lld\en",
387             (long long) old.rlim_cur, (long long) old.rlim_max);
388
389     /* Retrieve and display new CPU time limit */
390
391     if (prlimit(pid, RLIMIT_CPU, NULL, &old) == \-1)
392         errExit("prlimit\-2");
393     printf("New limits: soft=%lld; hard=%lld\en",
394             (long long) old.rlim_cur, (long long) old.rlim_max);
395
396     exit(EXIT_FAILURE);
397 }
398 .fi
399 .SH 関連項目
400 \fBprlimit\fP(1), \fBdup\fP(2), \fBfcntl\fP(2), \fBfork\fP(2), \fBgetrusage\fP(2),
401 \fBmlock\fP(2), \fBmmap\fP(2), \fBopen\fP(2), \fBquotactl\fP(2), \fBsbrk\fP(2),
402 \fBshmctl\fP(2), \fBmalloc\fP(3), \fBsigqueue\fP(3), \fBulimit\fP(3), \fBcore\fP(5),
403 \fBcapabilities\fP(7), \fBsignal\fP(7)
404 .SH この文書について
405 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.52 の一部
406 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
407 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。