draft/man2/lseek.2

   1 .\" t
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   3 .\" and Copyright (c) 2011, Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
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  33 .\" SUCH DAMAGE.
  34 .\" %%%LICENSE_END
  35 .\"
  36 .\"     @(#)lseek.2     6.5 (Berkeley) 3/10/91
  37 .\"
  38 .\" Modified 1993-07-23 by Rik Faith <faith@cs.unc.edu>
  39 .\" Modified 1995-06-10 by Andries Brouwer <aeb@cwi.nl>
  40 .\" Modified 1996-10-31 by Eric S. Raymond <esr@thyrsus.com>
  41 .\" Modified 1998-01-17 by Michael Haardt
  42 .\"   <michael@cantor.informatik.rwth-aachen.de>
  43 .\" Modified 2001-09-24 by Michael Haardt <michael@moria.de>
  44 .\" Modified 2003-08-21 by Andries Brouwer <aeb@cwi.nl>
  45 .\" 2011-09-18, mtk, Added SEEK_DATA + SEEK_HOLE
  46 .\"
  47 .\"*******************************************************************
  48 .\"
  49 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
  50 .\"
  51 .\"*******************************************************************
  52 .TH LSEEK 2 2013\-03\-27 Linux "Linux Programmer's Manual"
  53 .SH 名前
  54 lseek \- ファイルの読み書きオフセットの位置を変える
  55 .SH 書式
  56 \fB#include <sys/types.h>\fP
  57 .br
  58 \fB#include <unistd.h>\fP
  59 .sp
  60 \fBoff_t lseek(int \fP\fIfd\fP\fB, off_t \fP\fIoffset\fP\fB, int \fP\fIwhence\fP\fB);\fP
  61 .SH 説明
  62 \fBlseek\fP()  関数は、ファイルディスクリプタ (descriptor)  \fIfd\fP に対応するオープンされたファイルのオフセットを、
  63 \fIwhence\fP に基づき \fIoffset\fP 引き数の位置へ以下のように変更する:
  64 .TP
  65 \fBSEEK_SET\fP
  66 オフセットは \fIoffset\fP バイトに設定される。
  67 .TP
  68 \fBSEEK_CUR\fP
  69 オフセットは現在位置に \fIoffset\fP バイトを足した位置になる。
  70 .TP
  71 \fBSEEK_END\fP
  72 オフセットはファイルのサイズに \fIoffset\fP バイトを足した位置になる。
  73 .PP
  74 \fBlseek\fP()  関数は、オフセットをファイルの末尾を越えた位置に設定できる (但し、これによりファイルのサイズが変わらない)。
  75 もしデータがこのオフセット位置以降に書き込まれた場合、 間の空隙の部分 ("穴 (hole)") の読み出しがあると、
  76 実際にそこにデータを書き込まれるまでは NULL バイト (\(aq\e0\(aq) の列が返される。
  77 .SS ファイルのデータとホールの探索
  78 Linux バージョン 3.1 以降では、 \fIwhence\fP に以下の値も指定することができる。
  79 .TP
  80 \fBSEEK_DATA\fP
  81 ファイルオフセットを \fIoffset\fP 以上で次にデータがある位置に設定する。 \fIoffset\fP がデータを指している場合には、
  82 ファイルオフセットは \fIoffset\fP に設定される。
  83 .TP
  84 \fBSEEK_HOLE\fP
  85 ファイルオフセットを、 位置が \fIoffset\fP 以上の次のホール (hole) に設定する。 \fIoffset\fP
  86 がホールの内部にある場合は、ファイルシステムは \fIoffset\fP に設定される。 \fIoffset\fP 以降にホールがない場合は、
  87 ファイルオフセットはファイル末尾に設定される (つまり、 どのファイルの末尾にも暗黙のホールが存在するということだ)。
  88 .PP
  89 上記のどちらの場合も、 \fIoffset\fP がファイル末尾よりも先を指している場合には \fBlseek\fP() は失敗する。
  90
  91 これらの操作を使うことで、 アプリケーションが、 まばら (sparse ) にページが割り当てられたファイルでホールをマップすることができる。
  92 この機能はファイルバックアップツールなどのアプリケーションで有用である。 ホールを見つける仕組みがあれば、 ファイルバックアップツールで、
  93 バックアップを作成する際に保存領域を節約し、ホールを保持することができる。
  94
  95 .\" https://lkml.org/lkml/2011/4/22/79
  96 .\" http://lwn.net/Articles/440255/
  97 .\" http://blogs.oracle.com/bonwick/entry/seek_hole_and_seek_data
  98 これらの操作の目的としては、 ホールは (通常は) バックエンドのファイルストレージには割り当てられていない連続する 0 の列である。
  99 しかし、ファイルシステムにはホールを報告する義務はなく、 そのため、 これらの操作は、
 100 ファイルに実際に割り当てられたストレージ領域をマッピングする方法としては確実性のある仕組みではない。
 101 (また、バックエンドのストレージに実際に書き込まれた連続する 0 の列はホールとして報告されないこともある。) 最も単純な実装としては、
 102 \fBSEEK_HOLE\fP は常にファイル末尾のオフセットを返すようにし、 \fBSEEK_DATA\fP は常に \fIoffset\fP を返すようにすることで、
 103 ファイルシステムはこれらの操作をサポートすることができる (\fBSEEK_DATA\fP は常に \fIoffset\fP を返すというのは、 \fIoffset\fP
 104 が参照する場所がホールであったとしても、 連続する 0 の列のデータで構成されているとみなすということである)。
 105
 106 \fI<unistd.h>\fP から \fBSEEK_DATA\fP と \fBSEEK_HOLE\fP の定義を得るには、 機能検査マクロ
 107 \fB_GNU_SOURCE\fP を定義しなければならない。
 108 .SH 返り値
 109 成功した場合、 \fBlseek\fP()  は結果のファイル位置をファイルの先頭からのバイト数で返す。 エラーの場合、値 \fI(off_t)\ \-1\fP
 110 が返され、 \fIerrno\fP にエラーが指示される。
 111 .SH エラー
 112 .TP
 113 \fBEBADF\fP
 114 \fIfd\fP がオープンされたファイルディスクリプタでない。
 115 .TP
 116 \fBEINVAL\fP
 117 .\" Some systems may allow negative offsets for character devices
 118 .\" and/or for remote file systems.
 119 \fIwhence\fP が有効な値ではない。または、seek の結果、ファイルオフセットが負に
 120 なってしまうか、 seek 可能なデバイスの末尾を越えてしまう。
 121 .TP
 122 \fBEOVERFLOW\fP
 123 .\" HP-UX 11 says EINVAL for this case (but POSIX.1 says EOVERFLOW)
 124 結果のファイルオフセットを \fIoff_t\fP 型で表現することができない。
 125 .TP
 126 \fBESPIPE\fP
 127 \fIfd\fP がパイプ、ソケット、FIFO を参照している。
 128 .TP
 129 \fBENXIO\fP
 130 \fIwhence\fP が \fBSEEK_DATA\fP か \fBSEEK_HOLE\fP で、
 131 現在のファイルオフセットがファイルの末尾を超えた位置である。
 132 .SH 準拠
 133 SVr4, 4.3BSD, POSIX.1\-2001.
 134
 135 .\" FIXME . Review http://austingroupbugs.net/view.php?id=415 in the future
 136 \fBSEEK_DATA\fP と \fBSEEK_HOLE\fP は非標準の拡張で、 Solaris, FreeBSD, DragonFly BSD
 137 にも存在する。 これらは POSIX の次の版 (Issue 8) に入れるよう提案されている。
 138 .SH 注意
 139 いくつかのデバイスでは seek ができない。 POSIX はどのデバイスが \fBlseek\fP()  に対応すべきかは規定していない。
 140
 141 .\" Other systems return the number of written characters,
 142 .\" using SEEK_SET to set the counter. (Of written characters.)
 143 Linux では、端末 (terminal) デバイスに \fBlseek\fP() を使用すると \fBESPIPE\fP が返る。
 144
 145 古いコードを変換する時は \fIwhence\fP の値を以下のマクロに置き換えること:
 146 .TS
 147 c c
 148 l l.
 149 old     new
 150 0       SEEK_SET
 151 1       SEEK_CUR
 152 2       SEEK_END
 153 L_SET   SEEK_SET
 154 L_INCR  SEEK_CUR
 155 L_XTND  SEEK_END
 156 .TE
 157 .\" .PP
 158 .\" SVr1-3 returns \fIlong\fP instead of \fIoff_t\fP,
 159 .\" (ancient) BSD returns \fIint\fP.
 160 .PP
 161 \fBdup\fP(2)  や \fBfork\fP(2)  で作成されたファイルディスクリプタは、現在のファイル位置ポインタ (current file
 162 position pointer) を共有しているので、 このようなファイルで移動を行うと競合状態を引き起こす可能性がある。
 163 .SH 関連項目
 164 \fBdup\fP(2), \fBfork\fP(2), \fBopen\fP(2), \fBfseek\fP(3), \fBlseek64\fP(3),
 165 \fBposix_fallocate\fP(3)
 166 .SH この文書について
 167 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.51 の一部
 168 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
 169 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。