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1 .\" Copyright (c) 2000 Andries Brouwer <aeb@cwi.nl>
2 .\" and Copyright (c) 2007 Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
3 .\" and Copyright (c) 2008, Linux Foundation, written by Michael Kerrisk
4 .\"      <mtk.manpages@gmail.com>
5 .\" based on work by Rik Faith <faith@cs.unc.edu>
6 .\" and Mike Battersby <mike@starbug.apana.org.au>.
7 .\"
8 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
9 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
10 .\" preserved on all copies.
11 .\"
12 .\" Permission is granted to copy and distribute modified versions of this
13 .\" manual under the conditions for verbatim copying, provided that the
14 .\" entire resulting derived work is distributed under the terms of a
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27 .\"
28 .\" Modified 2004-11-19, mtk:
29 .\" added pointer to sigaction.2 for details of ignoring SIGCHLD
30 .\" 2007-06-03, mtk: strengthened portability warning, and rewrote
31 .\"     various sections.
32 .\" 2008-07-11, mtk: rewrote and expanded portability discussion.
33 .\"
34 .\"*******************************************************************
35 .\"
36 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
37 .\"
38 .\"*******************************************************************
39 .TH SIGNAL 2 2008\-07\-11 Linux "Linux Programmer's Manual"
40 .SH 名前
41 signal \- ANSI C シグナル操作
42 .SH 書式
43 \fB#include <signal.h>\fP
44 .sp
45 \fBtypedef void (*sighandler_t)(int);\fP
46 .sp
47 \fBsighandler_t signal(int \fP\fIsignum\fP\fB, sighandler_t \fP\fIsighandler\fP\fB);\fP
48 .SH 説明
49 \fBsignal\fP()  の動作は UNIX のバージョンにより異なる。 また、歴史的に見て Linux のバージョンによっても異なっている。
50 \fBこのシステムコールの使用は避け、\fP 代わりに \fBsigaction\fP(2)  を使用すること。 下記の「移植性」を参照。
51
52 \fBsignal\fP()  はシグナル \fIsignum\fP の処理方法を \fIhandler\fP に設定する。 \fIhandler\fP には、
53 \fBSIG_IGN\fP、 \fBSIG_DFL\fP、 プログラマが定義した関数 (「シグナル・ハンドラ」) のアドレスの いずれかを指定する。
54
55 シグナル \fIsignum\fP がプロセスに配送されると、以下のいずれかが発生する。
56 .TP  3
57 *
58 処理方法が \fBSIG_IGN\fP に設定されている場合、そのシグナルは無視される。
59 .TP 
60 *
61 処理方法が \fBSIG_DFL\fP に設定されている場合、シグナルに関連づけられた デフォルトの動作が行われる (\fBsignal\fP(7)  参照)。
62 .TP 
63 *
64 処理方法として関数が設定されている場合、 まず最初に処理方法が \fBSIG_DFL\fP にリセットされるかそのシグナルのブロックが実行された後、
65 \fIsignum\fP を引き数として \fIhandler\fP が呼び出される。 ハンドラが起動される際にシグナルがブロックされた場合、
66 ハンドラが返る際にそのシグナルのブロックが解除される。
67 .PP
68 シグナル \fBSIGKILL\fP と \fBSIGSTOP\fP は捕捉できず、無視することもできない。
69 .SH 返り値
70 \fBsignal\fP()  は、今までのシグナル・ハンドラの値を返す。エラーの場合は \fBSIG_ERR\fP を返す。
71 .SH エラー
72 .TP 
73 \fBEINVAL\fP
74 \fIsignum\fP が不正である。
75 .SH 準拠
76 C89, C99, POSIX.1\-2001.
77 .SH 注意
78 マルチスレッドプロセスにおける \fBsignal\fP()  の結果は、指定されていない。
79 .PP
80 POSIX では、 \fBkill\fP(2)  や \fBraise\fP(3)  で生成できないシグナル \fBSIGFPE\fP, \fBSIGILL\fP,
81 \fBSIGSEGV\fP を無視 (ignore) した場合、その後の動作は未定義である。 ゼロによる整数割り算の結果は未定義となる。
82 アーキテクチャーによっては、このとき \fBSIGFPE\fP シグナルが生成される。 (同様に負の最大整数を \-1 で割ると \fBSIGFPE\fP
83 が生成されるかもしれない)  このシグナルを無視すると無限ループに陥るかもしれない。
84 .PP
85 \fBSIGCHLD\fP の動作として \fBSIG_IGN\fP を設定した場合の詳細な動作については、 \fBsigaction\fP(2)  を参照すること。
86 .PP
87 シグナル・ハンドラ内から安全に呼び出すことができる、 async\-signal\-safe functions (非同期シングルで安全な関数) の
88 リストについては \fBsignal\fP(7)  を参照。
89 .PP
90 \fIsighandler_t\fP の使用は GNU 拡張である。 各種バージョンの libc でこの型は定義済みである; libc4 と libc5 では
91 \fISignalHandler\fP を定義している。 glibc では \fIsig_t\fP を定義しており、 \fB_GNU_SOURCE\fP
92 が定義されている場合には \fIsighandler_t\fP も定義されている。 このような型を使用しないと、 \fBsignal\fP()
93 の宣言は読みにくいものとなる。
94 .in +4n
95 .nf
96
97 \fBvoid ( *\fP\fIsignal\fP\fB(int \fP\fIsignum\fP\fB, void (*\fP\fIhandler\fP\fB)(int)) ) (int);\fP
98 .fi
99 .in
100 .SS 移植性
101 移植性のある \fBsignal\fP()  の使い方は、シグナルの処理方法を \fBSIG_DFL\fP か \fBSIG_IGN\fP に設定する方法だけである。
102 シグナル・ハンドラを設定するのに \fBsignal\fP()  を使ったときの動作はシステムにより異なる (POSIX.1
103 は明示的にこの違いを認めている)。 \fB移植性が必要なときはこのシステムコールを使用しないこと。\fP
104
105 POSIX.1 は、 \fBsigaction\fP(2)  を規定することで移植性に関する混乱を解決した。 \fBsigaction\fP(2)
106 はシグナル・ハンドラが起動される際の挙動を明示的に制御できる。 \fBsignal\fP()  の代わりにこのインターフェイスを使うこと。
107
108 オリジナルの UNIX システムでは、 \fBsignal\fP()  を使って設定されたハンドラがシグナルの配送により起動されると、
109 そのシグナルの処理方法は \fBSIG_DFL\fP にリセットされ、システムは同じシグナルがさらに生成されても シグナルの配送をブロックしなかった。
110 System V でも、 \fBsignal\fP()  に対してこれらの挙動を規定している。 こうした挙動はまずく、ハンドラがハンドラ自身を再設定する機会が
111 来るより前に、同じシグナルがまた配送される可能性がある。 さらに、同じシグナルが立て続けに配送されると、同じシグナルが
112 ハンドラを繰り返し起動されることになる。
113
114 BSD では、シグナル処理の挙動を変更することで、この状況を改善した (しかし、残念なことに、 \fBsignal\fP()
115 を使ってハンドラを設定する際に挙動が黙って変更される)。 BSD では、シグナルハンドラが起動された際、 シグナルの処理方法はリセットされず、
116 ハンドラの実行中は、同じシグナルのさらなる生成は配送がブロックされる。
117
118 Linux での状況は以下の通りである。
119 .IP * 2
120 カーネルの \fBsignal\fP()  システムコールは System V 方式を提供している。
121 .IP *
122 デフォルトでは、glibc 2 以降では、 \fBsignal\fP()  ラッパー関数はカーネルのシステムコールを起動しない。 代わりに、ラッパー関数は
123 BSD 方式を示すフラグを使って \fBsigaction\fP(2)  を呼び出す。 機能検査マクロ \fB_BSD_SOURCE\fP
124 を定義していれば、このデフォルトの動作となる。 デフォルトでは、 \fB_BSD_SOURCE\fP が定義される。 \fB_BSD_SOURCE\fP は
125 \fB_GNU_SOURCE\fP が定義された場合には暗黙のうちに定義され、 もちろん明示的に定義することもできる。
126 .sp
127 .\"
128 .\" System V semantics are also provided if one uses the separate
129 .\" .BR sysv_signal (3)
130 .\" function.
131 glibc 2 以降では、機能検査マクロ \fB_BSD_SOURCE\fP が定義されていなければ、 \fBsignal\fP()  は System V
132 方式となる。 (\fBgcc\fP(1)  が標準指定モード (\fI\-std=xxx\fP or \fI\-ansi\fP)  で起動された場合、もしくは
133 \fB_POSIX_SOURCE\fP, \fB_XOPEN_SOURCE\fP, \fB_SVID_SOURCE\fP
134 といった他の様々な機能検査マクロが定義された場合、 デフォルトの \fB_BSD_SOURCE\fP の暗黙の定義は行われない。
135 \fBfeature_test_macros\fP(7)  を参照のこと。)
136 .IP *
137 Linux の libc4 と libc5 の \fBsignal\fP()  関数は System V 方式である。 libc5 システムにおいて
138 \fI<signal.h>\fP のかわりに \fI<bsd/signal.h>\fP をインクルードすると、
139 \fBsignal\fP()  は \fB__bsd_signal\fP()  に再定義され、 \fBsignal\fP()  は BSD 方式となる。
140 .SH 関連項目
141 \fBkill\fP(1), \fBalarm\fP(2), \fBkill\fP(2), \fBkillpg\fP(2), \fBpause\fP(2),
142 \fBsigaction\fP(2), \fBsignalfd\fP(2), \fBsigpending\fP(2), \fBsigprocmask\fP(2),
143 \fBsigsuspend\fP(2), \fBbsd_signal\fP(3), \fBraise\fP(3), \fBsiginterrupt\fP(3),
144 \fBsigqueue\fP(3), \fBsigsetops\fP(3), \fBsigvec\fP(3), \fBsysv_signal\fP(3),
145 \fBsignal\fP(7)