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(split) LDP: Update draft pages (with po4a --force)
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30 .\" LIABILITY, OR TORT (INCLUDING NEGLIGENCE OR OTHERWISE) ARISING IN ANY WAY
31 .\" OUT OF THE USE OF THIS SOFTWARE, EVEN IF ADVISED OF THE POSSIBILITY OF
32 .\" SUCH DAMAGE.
33 .\" %%%LICENSE_END
34 .\"
35 .\"     $Id: socket.2,v 1.4 1999/05/13 11:33:42 freitag Exp $
36 .\"
37 .\" Modified 1993-07-24 by Rik Faith <faith@cs.unc.edu>
38 .\" Modified 1996-10-22 by Eric S. Raymond <esr@thyrsus.com>
39 .\" Modified 1998, 1999 by Andi Kleen <ak@muc.de>
40 .\" Modified 2002-07-17 by Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
41 .\" Modified 2004-06-17 by Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
42 .\"
43 .\"*******************************************************************
44 .\"
45 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
46 .\"
47 .\"*******************************************************************
48 .TH SOCKET 2 2009\-01\-19 Linux "Linux Programmer's Manual"
49 .SH 名前
50 socket \- 通信のための端点(endpoint)を作成する
51 .SH 書式
52 \fB#include <sys/types.h>\fP /* 「注意」参照 */
53 .br
54 \fB#include <sys/socket.h>\fP
55 .sp
56 \fBint socket(int \fP\fIdomain\fP\fB, int \fP\fItype\fP\fB, int \fP\fIprotocol\fP\fB);\fP
57 .SH 説明
58 \fBsocket\fP()  は通信のための端点(endpoint)を作成し、ディスクリプター(descriptor)を返す。
59 .PP
60 \fIdomain\fP 引数は通信を行なうドメインを指定する; これはどの プロトコル・ファミリ(protocol
61 family)を通信に使用するかを指定する。 これらのファミリは \fI<sys/socket.h>\fP に定義されている。
62 現在、理解できるフォーマットは以下の通り。
63 .TS
64 tab(:);
65 l l l.
66 名前:目的:マニュアル
67 T{
68 \fBAF_UNIX\fP, \fBAF_LOCAL\fP
69 T}:T{
70 ローカル通信
71 T}:T{
72 \fBunix\fP(7)
73 T}
74 T{
75 \fBAF_INET\fP
76 T}:IPv4 インターネット・プロトコル:T{
77 \fBip\fP(7)
78 T}
79 T{
80 \fBAF_INET6\fP
81 T}:IPv6 インターネット・プロトコル:T{
82 \fBipv6\fP(7)
83 T}
84 T{
85 \fBAF_IPX\fP
86 T}:IPX \- Novell プロトコル:
87 T{
88 \fBAF_NETLINK\fP
89 T}:T{
90 カーネル・ユーザ・デバイス
91 T}:T{
92 \fBnetlink\fP(7)
93 T}
94 T{
95 \fBAF_X25\fP
96 T}:ITU\-T X.25 / ISO\-8208 プロトコル:T{
97 \fBx25\fP(7)
98 T}
99 T{
100 \fBAF_AX25\fP
101 T}:T{
102 アマチュア無線 AX.25 プロトコル
103 T}:
104 T{
105 \fBAF_ATMPVC\fP
106 T}:生の ATM PVC にアクセスする:
107 T{
108 \fBAF_APPLETALK\fP
109 T}:アップルトーク:T{
110 \fBddp\fP(7)
111 T}
112 T{
113 \fBAF_PACKET\fP
114 T}:T{
115 低レベルのパケットインターフェース
116 T}:T{
117 \fBpacket\fP(7)
118 T}
119 .TE
120 .PP
121 ソケットは \fItype\fP で指定される型を持ち、それは通信方式(semantics)を指定する。 定義されている型は現在以下の通り。
122 .TP  16
123 \fBSOCK_STREAM\fP
124 順序性と信頼性があり、双方向の、接続された バイト・ストリーム(byte stream)を提供する。
125 帯域外(out\-of\-band)データ転送メカニズムもサポートされる。
126 .TP 
127 \fBSOCK_DGRAM\fP
128 データグラム(接続、信頼性無し、固定最大長メッセージ)  をサポートする。
129 .TP 
130 \fBSOCK_SEQPACKET\fP
131 固定最大長のデータグラム転送パスに基づいた順序性、信頼性のある 双方向の接続に基づいた通信を提供する。受け取り側ではそれぞれの入力
132 システム・コールでパケット全体を読み取ることが要求される。
133 .TP 
134 \fBSOCK_RAW\fP
135 生のネットワーク・プロトコルへのアクセスを提供する。
136 .TP 
137 \fBSOCK_RDM\fP
138 信頼性はあるが、順序は保証しないデータグラム層を提供する。
139 .TP 
140 \fBSOCK_PACKET\fP
141 廃止されており新しいプログラムで使用してはいけない。 \fBpacket\fP(7)  を参照すること
142 .PP
143 ある種のソケット型が全てのプロトコル・ファミリで実装されているわけではない。 例えば \fBSOCK_SEQPACKET\fP は \fBAF_INET\fP
144 には実装されていない。
145 .PP
146 Linux 2.6.27 以降では、 \fItype\fP 引数は二つ目の目的にも使用される。 ソケットの型を指定するのに加えて、
147 以下の値のいくつかをビット単位の論理和 (OR) で指定することで、 \fBsocket\fP()  の振舞いを変更することができる。
148 .TP  16
149 \fBSOCK_NONBLOCK\fP
150 新しく生成されるオープンファイル記述 (open file description) の \fBO_NONBLOCK\fP
151 ファイルステータスフラグをセットする。 このフラグを使うことで、 \fBO_NONBLOCK\fP をセットするために \fBfcntl\fP(2)
152 を追加で呼び出す必要がなくなる。
153 .TP 
154 \fBSOCK_CLOEXEC\fP
155 新しいファイルディスクリプタに対して close\-on\-exec (\fBFD_CLOEXEC\fP)  フラグをセットする。
156 このフラグが役に立つ理由については、 \fBopen\fP(2)  の \fBO_CLOEXEC\fP フラグの説明を参照のこと。
157 .PP
158 \fIprotocol\fP はソケットによって使用される固有のプロトコルを指定する。通常それぞれの
159 ソケットは、与えられたプロトコル・ファミリの種類ごとに一つのプロトコルのみを サポートする。 その場合は \fIprotocol\fP に 0 を指定できる。
160 しかし、多くのプロトコルが存在してもかまわない。 この場合にはこの方法により固有のプロトコルを指定する必要がある。
161 使用されるプロトコル番号は通信の行なわれる\*(lq通信ドメイン\*(rqに 固有である; \fBprotocols\fP(5)  を参照すること。
162 プロトコル名をどうやってプロトコル番号に対応させるかについては \fBgetprotoent\fP(3)  を参照すること。
163 .PP
164 \fBSOCK_STREAM\fP 型のソケットはパイプのような全二重バイト・ストリームである。 これらはレコード境界を保存しない。
165 ストリームは、ソケットがデータを送ったり受けたりする前に \fI接続された\fP 状態になってなければならない。他のソケットへの接続は
166 \fBconnect\fP(2)  コールによって行なわれる。一度接続したらデータは \fBread\fP(2)  と \fBwrite\fP(2)  コールや
167 \fBsend\fP(2)  と \fBrecv\fP(2)  コールの変種を使用して転送できる。 セッションが完了したら \fBclose\fP(2)
168 が行なわれる。帯域外データの転送も \fBsend\fP(2)  に記述されており、 受信も \fBrecv\fP(2)  に記述されている。
169 .PP
170 \fBSOCK_STREAM\fP を実装した通信プロトコルはデータに損失や重複がないことを保証する。 もし相手のプロトコルがバッファー空間を持つ
171 データの断片を適当な時間のうちに転送できなければ、 接続は断たれたとみなす。そのソケット \fBSO_KEEPALIVE\fP
172 が有効になっている場合、プロトコル独自の方法で接続の相手側がまだ 有効であるかをチェックする。
173 もしプロセスが、壊れたストリームでデータを送受信しようとした場合には \fBSIGPIPE\fP シグナルが送られる;
174 これは通常のそのシグナルを扱っていないプロセスを 終了させる。 \fBSOCK_SEQPACKET\fP ソケットは \fBSOCK_STREAM\fP
175 ソケットと同じシステム・コールを使用する。 唯一の違いは \fBread\fP(2)  コールが要求された量のデータのみを返し、到着したパケットの残りの部分を
176 捨ててしまうことである。同様に入ってくるデータグラムの全てのメッセージ境界は 保存される。
177 .PP
178 \fBSOCK_DGRAM\fP と \fBSOCK_RAW\fP ソケットは \fBsendto\fP(2)
179 コールで指定された相手へデータグラムを送ることが許されている。 データグラムは一般に \fBrecvfrom\fP(2)  で受けとり、
180 このコールは次のデータグラムを送信者のアドレスと一緒に返す。
181 .PP
182 \fBSOCK_PACKET\fP は古いソケット型で、生(raw)のパケットをデバイスドライバから 直接受信するためのものである。 今は代わりに
183 \fBpacket\fP(7)  を用いること。
184 .PP
185 \fBfcntl\fP(2)  の \fBF_SETOWN\fP 操作を使って、シグナル \fBSIGURG\fP や \fBSIGPIPE\fP
186 を受けとるプロセス・グループを指定できる。 \fBSIGURG\fP シグナルは帯域外データが到着した時に、 \fBSIGPIPE\fP シグナルは
187 \fBSOCK_STREAM\fP 接続が予期せず切断された時に送られる。 また、 \fBF_SETOWN\fP 操作は、I/O や I/O イベントの非同期
188 (asynchronous) 通知を \fBSIGIO\fP を経由で受け取るプロセスやプロセス・グループを設定するのにも使用できる。 \fBF_SETOWN\fP
189 を使用することは \fBFIOSETOWN\fP または \fBSIOCSPGRP\fP の引数で \fBioctl\fP(2)  を使用することと等価である。
190 .PP
191 ネットワークがプロトコル・モジュールにエラー状態を伝えた場合 (例えば、IP の ICMP メッセージを使用して)には、ソケットの
192 ペンディング・エラー・フラグが設定される。次にこのソケットを操作した 時にペンディングされていたエラー・コードが返される。プロトコルによっては
193 エラーについてのより詳しい情報を受け取るためにソケットごとのエラー・キューを 受け取ることが可能である。 \fBip\fP(7)  の
194 \fBIP_RECVERR\fP を参照すること。
195 .PP
196 ソケットの操作はソケット・レベル \fIoptions\fP によって制御される。 これらのオプションは \fI<sys/socket.h>\fP
197 に定義されている。 \fBsetsockopt\fP(2)  と \fBgetsockopt\fP(2)  関数はそれぞれオプションの設定と取得を行なう。
198 .SH 返り値
199 成功した場合、新しいソケットのファイル・ディスクリプターを返す。 エラーが発生した場合は \-1 を返し、 \fIerrno\fP を適切に設定する。
200 .SH エラー
201 .TP 
202 \fBEACCES\fP
203 指定されたタイプまたはプロトコルのソケットを作成する許可が与えられていない。
204 .TP 
205 \fBEAFNOSUPPORT\fP
206 指定されたアドレスファミリーがサポートされていない。
207 .TP 
208 \fBEINVAL\fP
209 知らないプロトコル、または利用できないプロトコル・ファミリである。
210 .TP 
211 \fBEINVAL\fP
212 .\" Since Linux 2.6.27
213 \fItype\fP に無効なフラグが指定されている。
214 .TP 
215 \fBEMFILE\fP
216 プロセスのファイルテーブルが溢れている。
217 .TP 
218 \fBENFILE\fP
219 オープンされたファイルの総数がシステム全体の上限に達していた。
220 .TP 
221 \fBENOBUFS\fP または \fBENOMEM\fP
222 十分なメモリがない。十分な資源が解放されるまではソケットを 作成することはできない。
223 .TP 
224 \fBEPROTONOSUPPORT\fP
225 このドメインでは指定されたプロトコルまたはプロトコル・タイプが サポートされていない。
226 .PP
227 下位のプロトコル・モジュールから他のエラーが生成されるかもしれない。
228 .SH 準拠
229 4.4BSD, POSIX.1\-2001.
230
231 フラグ \fBSOCK_NONBLOCK\fP, \fBSOCK_CLOEXEC\fP は Linux 固有である。
232
233 \fBsocket\fP()  は 4.2BSD で登場した。一般に、(System V の変種を含めて)  BSD のソケット層の互換性をサポートしている
234 BSD 以外のシステムへの、 または、BSD 以外のシステムからの移植ができる。
235 .SH 注意
236 POSIX.1\-2001 では \fI<sys/types.h>\fP のインクルードは必須とされておらず、 Linux
237 ではこのヘッダファイルは必要ではない。 しかし、歴史的には、いくつかの実装 (BSD 系) でこのヘッダファイルが
238 必要であり、移植性が必要なアプリケーションではこのファイルを インクルードするのが賢明であろう。
239
240 4.x BSD において定数を使用する場合、プロトコル・ファミリーには
241 \fBPF_UNIX\fP, \fBPF_INET\fP 等を使用している。一方でアドレス・ファミリーには
242 \fBAF_UNIX\fP, \fBAF_INET\fP 等が使用されている。
243 しかしながら BSD のマニュアルでは 「一般にプロトコル・ファミリーは
244 アドレス・ファミリーと同じものである。」 と保証している。
245 それ以外の規格では全ての場所で AF_* が使用されている。
246 .SH 例
247 \fBsocket\fP()  の利用例が \fBgetaddrinfo\fP(3)  に記載されている。
248 .SH 関連項目
249 \fBaccept\fP(2), \fBbind\fP(2), \fBconnect\fP(2), \fBfcntl\fP(2), \fBgetpeername\fP(2),
250 \fBgetsockname\fP(2), \fBgetsockopt\fP(2), \fBioctl\fP(2), \fBlisten\fP(2), \fBread\fP(2),
251 \fBrecv\fP(2), \fBselect\fP(2), \fBsend\fP(2), \fBshutdown\fP(2), \fBsocketpair\fP(2),
252 \fBwrite\fP(2), \fBgetprotoent\fP(3), \fBip\fP(7), \fBsocket\fP(7), \fBtcp\fP(7),
253 \fBudp\fP(7), \fBunix\fP(7)
254
255 \(lqAn Introductory 4.3BSD Interprocess Communication Tutorial\(rq and
256 \(lqBSD Interprocess Communication Tutorial\(rq, (\fIUNIX Programmer's
257 Supplementary Documents Volume 1.\fP として再版された)
258 .SH この文書について
259 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.50 の一部
260 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
261 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。