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24 .\" Updated for POSIX.1 2001
25 .\" 2004-12-17 Martin Schulze <joey@infodrom.org>, mtk
26 .\" Removed errno declaration prototype, added notes
27 .\" 2006-02-09 Kurt Wall, mtk
28 .\" Added non-POSIX errors
30 .\"*******************************************************************
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34 .\"*******************************************************************
35 .TH ERRNO 3 2008\-07\-09 "" "Linux Programmer's Manual"
37 errno \- 直近に発生したエラーの番号
40 .\".BI "extern int " errno ;
41 \fB#include <errno.h>\fP
43 ヘッダファイル \fI<errno.h>\fP で整数型の変数 \fIerrno\fP が定義されており、
44 システムコールやいくつかのライブラリ関数は、エラーが発生した際に この変数にその原因を示す値を設定する。 この値は呼び出しの返り値がエラー
45 (ほとんどのシステムコールでは \-1 で、ほとんどのライブラリ関数では \-1 か NULL) を示したときに
46 のみ意味を持つが、ライブラリ関数は成功した場合も \fIerrno\fP を変更することが許されている。
48 有効なエラー番号はいずれも 0 以外の値を持つ。 どのシステムコールもライブラリ関数も \fIerrno\fP を 0 に設定することはない。
50 いくつかのシステムコールやライブラリ関数 (例えば \fBgetpriority\fP(2)) では、成功した場合の有効な返り値として \-1
51 が返されることがある。 このような場合、成功なのかエラーなのかを区別するためには、 呼び出しの前に \fIerrno\fP を 0
52 に設定しておけばよい。呼び出しの返り値がエラー発生の可能性を 示すものだった場合には、 \fIerrno\fP が 0 以外の値かを見て確認すればよい。
54 \fIerrno\fP は、ISO C standard で \fIint\fP 型の変更可能な左辺値 として定義されており、明示的に宣言を行ってはならない;
55 \fIerrno\fP はマクロの場合もありえる。 \fIerrno\fP はスレッド毎に値を持つ。 つまりあるスレッドで \fIerrno\fP が設定されても、
56 他のスレッドの \fIerrno\fP には影響しない。
58 POSIX.1 で定義されているすべてのエラー名には、 それぞれ異なる値が対応していなければならない。 但し、 \fBEAGAIN\fP と
59 \fBEWOULDBLOCK\fP は例外で、これらは同じ値を持ってもよい。
61 .\" The following is now
62 .\" POSIX.1 (2001 edition) lists the following symbolic error names. Of
63 .\" these, \fBEDOM\fP and \fBERANGE\fP are in the ISO C standard. ISO C
64 .\" Amendment 1 defines the additional error number \fBEILSEQ\fP for
65 .\" coding errors in multibyte or wide characters.
67 Below is a list of the symbolic error names that are defined on Linux. Some
68 of these are marked \fIPOSIX.1\fP, indicating that the name is defined by
69 POSIX.1\-2001, or \fIC99\fP, indicating that the name is defined by C99.
78 アドレスがすでに使用されている (POSIX.1)
81 .\" EADV is only an error on HURD(?)
85 アドレス・ファミリーがサポートされていない (POSIX.1)
88 リソースが一時的に利用不可 (\fBEWOULDBLOCK\fP と同じ値でもよい) (POSIX.1)
94 不正なやり取り (exchange) である
97 ファイルディスクリプタが不正である (POSIX.1)
103 メッセージが不正である (POSIX.1)
112 .\" EBFONT is defined but appears not to be used by kernel or glibc.
116 リソースが使用中である (POSIX.1)
119 操作がキャンセルされた (POSIX.1)
140 リソースのデッドロックを回避した (POSIX.1)
146 宛先アドレスが必要である (POSIX.1)
149 .\" EDOTDOT is defined but appears to be unused
150 数学関数で引き数が領域外である (out of domain)
153 .\" POSIX just says "Reserved"
154 ディスク・クォータ (quota) を超過した (POSIX.1)
169 ホストに到達不能である (POSIX.1)
175 不正なバイト列 (POSIX.1, C99)
181 関数呼び出しが割り込まれた (POSIX.1); \fBsignal\fP(7) 参照。
190 ソケットが接続されている (POSIX.1)
220 必要な共有ライブラリにアクセスできなかった
223 壊れた共有ライブラリにアクセスしようとした
226 リンクしようとした共有ライブラリが多過ぎる
229 a.out のライブラリセクションが壊れている (corrupted)
235 .\" ELNRNG is defined but appears to be unused
236 シンボリック・リンクの回数が多過ぎる (POSIX.1)
242 オープンされているファイルが多過ぎる (POSIX.1)
251 .\" POSIX says "Reserved"
252 マルチホップ (multihop) を試みた (POSIX.1)
255 .\" ENAVAIL is defined, but appears not to be used
259 ネットワークが不通である (POSIX.1)
262 接続がネットワーク側から中止された (POSIX.1)
265 ネットワークが到達不能である (POSIX.1)
268 .\" ENOANO is defined but appears to be unused.
269 システム全体でオープンされているファイルが多過ぎる (POSIX.1)
272 .\" ENOCSI is defined but appears to be unused.
273 使用可能なバッファ空間がない (POSIX.1 (XSI STREAMS option))
276 ストリームの読み出しキューの先頭に読み出し可能なメッセージがない (POSIX.1)
279 そのようなデバイスは無い (POSIX.1)
282 そのようなファイルやディレクトリは無い (POSIX.1)
285 実行ファイル形式のエラー (POSIX.1)
291 利用できるロックが無い (POSIX.1)
294 .\" POSIX says "Reserved"
301 十分な空きメモリ領域が無い (POSIX.1)
304 要求された型のメッセージが存在しない (POSIX.1)
313 指定されたプロトコルが利用できない (POSIX.1)
316 デバイスに空き領域が無い (POSIX.1)
319 指定されたストリーム・リソースが存在しない (POSIX.1 (XSI STREAMS option))
322 ストリームではない (POSIX.1 (XSI STREAMS option))
325 関数が実装されていない (POSIX.1)
331 ソケットが接続されていない (POSIX.1)
337 .\" ENOTNAM is defined but appears to be unused.
338 ディレクトリが空ではない (POSIX.1)
344 操作がサポートされていない (POSIX.1)
347 I/O 制御操作が適切でない (POSIX.1)
353 そのようなデバイスやアドレスはない (POSIX.1)
356 ソケットでサポートしていない操作である (POSIX.1)
358 (Linux では \fBENOTSUP\fP と \fBEOPNOTSUPP\fP は同じ値を持つが、 POSIX.1
359 に従えば両者のエラー値は区別されるべきである。)
362 指定されたデータ型に格納するには値が大き過ぎる (POSIX.1)
365 操作が許可されていない (POSIX.1)
368 サポートされていないプロトコルファミリーである
376 \fBEPROTONOSUPPORT\fP
377 プロトコルがサポートされていない (POSIX.1)
380 ソケットに指定できないプロトコル・タイプである (POSIX.1)
383 結果が大き過ぎる (POSIX.1, C99)
395 システムコールが中断され再スタートが必要である
398 読み出し専用のファイルシステムである (POSIX.1)
401 通信相手がシャットダウンされて送信できない
406 \fBESOCKTNOSUPPORT\fP
410 .\" ESRMNT is defined but appears not to be used
411 そのようなプロセスは無い (POSIX.1)
414 ファイルハンドルが古い状態になっている (POSIX.1)
416 NFS や他のファイルシステムで起こりうる。
422 時間が経過した (POSIX.1 (XSI STREAMS option))
424 (POSIX.1 では "STREAM \fBioctl\fP(2) timeout" と書かれている)
427 .\" ETOOMANYREFS is defined, but appears not to be used.
428 操作がタイムアウトした (POSIX.1)
431 テキストファイルが使用中である (POSIX.1)
434 Structure needs cleaning
437 プロトコルのドライバが付与 (attach) されていない
443 操作がブロックされる見込みである (\fBEAGAIN\fP と同じ値でもよい) (POSIX.1)
455 if (somecall() == \-1) {
456 printf("somecall() failed\en");
457 if (errno == ...) { ... }
462 このようにすると、参照している時点では \fIerrno\fP はもはや \fIsomecall\fP() から返された値を保持しているとは限らない
463 (\fBprintf\fP(3) により変更されているかもしれない)。 ライブラリコールをまたいで \fIerrno\fP
464 の値を保存したい場合は、以下のように保存しなければならない:
468 if (somecall() == \-1) {
470 printf("somecall() failed\en");
471 if (errsv == ...) { ... }
476 昔の C では、 \fI<errno.h>\fP をインクルードするのではなく \fIerrno\fP を手動で (\fIextern int
477 errno\fP のように) 定義するのが一般的であった。 \fBこのようなことはしないこと\fP。 こうすると、最近のバージョンの C
478 ライブラリでは正しく動作しないだろう。 しかし、(非常に) 古い UNIX システムでは、 \fI<errno.h>\fP
479 がなく、宣言が必要なことがあるかもしれない。
481 \fBerr\fP(3), \fBerror\fP(3), \fBperror\fP(3), \fBstrerror\fP(3)