draft/man4/sk98lin.4

   1 .\" (C)Copyright 1999-2003 Marvell(R) -- linux@syskonnect.de
   2 .\" sk98lin.4 1.1 2003/12/17 10:03:18
   3 .\"
   4 .\" %%%LICENSE_START(GPLv2+_DOC_FULL)
   5 .\" This is free documentation; you can redistribute it and/or
   6 .\" modify it under the terms of the GNU General Public License as
   7 .\" published by the Free Software Foundation; either version 2 of
   8 .\" the License, or (at your option) any later version.
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  12 .\" document formatting or typesetting system, including
  13 .\" intermediate and printed output.
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  19 .\"
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  21 .\" License along with this manual; if not, see
  22 .\" <http://www.gnu.org/licenses/>.
  23 .\" %%%LICENSE_END
  24 .\"
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  26 .\"
  27 .\"*******************************************************************
  28 .\"
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  30 .\"
  31 .\"*******************************************************************
  32 .TH SK98LIN 4 2012\-08\-05 Linux "Linux Programmer's Manual"
  33 .SH 名前
  34 sk98lin \- Marvell/SysKonnect ギガビットイーサネットドライバ v6.21
  35 .SH 書式
  36 \fBinsmod sk98lin.o\fP [\fBSpeed_A=\fP\fIi,j,...\fP] [\fBSpeed_B=\fP\fIi,j,...\fP]
  37 [\fBAutoNeg_A=\fP\fIi,j,...\fP] [\fBAutoNeg_B=\fP\fIi,j,...\fP] [\fBDupCap_A=\fP\fIi,j,...\fP]
  38 [\fBDupCap_B=\fP\fIi,j,...\fP] [\fBFlowCtrl_A=\fP\fIi,j,...\fP]
  39 [\fBFlowCtrl_B=\fP\fIi,j,...\fP] [\fBRole_A=\fP\fIi,j,...\fP] [\fBRole_B=\fP\fIi,j,...\fP]
  40 [\fBConType=\fP\fIi,j,...\fP] [\fBModeration=\fP\fIi,j,...\fP]
  41 [\fBIntsPerSec=\fP\fIi,j,...\fP] [\fBPrefPort=\fP\fIi,j,...\fP] [\fBRlmtMode=\fP\fIi,j,...\fP]
  42 .SH 説明
  43 .ad l
  44 .hy 0
  45 \fB注意\fP: この時代遅れのドライバはカーネル 2.6.26 で削除された。
  46
  47 \fBsk98lin\fP は Marvell と SysKonnect のネットワークアダプタカードの ギガビットイーサネットドライバである。 これは
  48 SysKonnect SK\-98xx/SK\-95xx 互換のギガビットイーサネットアダプタと Yukon 互換のチップセットをサポートしている。
  49
  50 insmod を使ってドライバをロードする際、 ネットワークアダプタカードのパラメータを コンマで区切られたコマンドの列として指定することができる。 2
  51 つのネットワークアダプタが取り付けられている時に、 例えば、1 つ目のアダプタのポート A の自動ネゴシエーションは ON にするが、 2
  52 つ目のアダプタのポート A は OFF にする場合は、 以下のように入力すればよい:
  53
  54    insmod sk98lin.o AutoNeg_A=On,Off
  55
  56 \fBsk98lin\fP が 1 つ以上のアダプタカードに関連づけられていて、 かつ \fI/proc\fP ファイルシステムがシステムにマウントされている場合、
  57 取り付けられているネットワークアダプタカードの全てのポートについて、 (ポート単位に) 専用の統計ファイルがフォルダ
  58 \fI/proc/net/sk98lin\fP に作られる。 これらのファイルは \fIeth[x]\fP という名前であり、 \fIx\fP
  59 はインタフェースの番号である。 この番号はシステムによってポート毎に割り当てられたものである。
  60
  61 ロードが完了すると、 \fBifconfig\fP(8)  コマンドを使って、各 \fIeth[x]\fP インタフェースに希望する IP
  62 アドレスを割り当てることができる。 これによりアダプタがイーサネットに接続され、 コンソールに状態メッセージが表示される。 このメッセージでは、
  63 "ethx: network connection up using port y" の後に 設定されたり検出された接続パラメータが表示される。
  64
  65 \fBsk98lin\fP はラージフレーム (ジャンボフレームとも呼ばれる) もサポートする。 ジャンボフレームを使うと、大量のデータを転送する際に、
  66 スループットを大幅に向上させることができる。 ラージフレームを有効にするには、 インタフェースの MTU (maximum transfer unit,
  67 最大転送単位) サイズを 大きな値に設定すればよい。 デフォルトの MTU サイズは 1500 であり、 最大で 9000 (バイト)
  68 まで設定することができる。 MTU サイズを設定するのは、 インタフェースに IP アドレスを割り当てるときにもできるし、後から
  69 \fBifconfig\fP(8)  コマンドに mtu 引き数を指定することで設定することもできる。 例えば、eth0 に IP アドレスとラージフレーム
  70 MTU サイズを 割り当てたい場合、以下の 2 つのコマンドを実行すればよい:
  71
  72     ifconfig eth0 10.1.1.1
  73     ifconfig eth0 mtu 9000
  74
  75 これらの 2 つのコマンドは 1 つにまとめることもできる:
  76
  77     ifconfig eth0 10.1.1.1 mtu 9000
  78
  79 ラージフレームを使用できるのは、ネットワーク環境全体で ラージフレームの使用が認められている場合のみである点に注意すること。
  80 つまり、イーサネットで使われている全てのスイッチでも ラージフレームがサポートされていなければならない。
  81 多くのスイッチがラージフレームをサポートしてはいるが、 設定を行う必要がある。 多くの場合、デフォルトの設定では標準フレーム (1500 バイトの
  82 MTU サイズ) だけしかサポートしない。 ネットワーク内のスイッチに加え、 使用される全てのネットワークアダプタでも
  83 ジャンボフレームが有効になっていなければならない。 アダプタがラージフレームを受け取るように設定されていない場合、
  84 アダプタはそのフレームを単純に捨ててしまう。
  85
  86 標準のイーサネットフレームサイズに戻すのは、再び \fBifconfig\fP(8)  コマンドを使えばよい:
  87
  88     ifconfig eth0 mtu 1500
  89
  90 Linux の Marvell/SysKonnect ギガビットイーサネットドライバは、 IEEE 規格 802.1, 802.1q, 802.3ad
  91 に準拠する VLAN と Link Aggregation に対応している。 これらの機能は、インターネットにあるオープンソースモジュールを
  92 インストールした後でのみ利用可能である:
  93
  94 \fIVLAN\fP:
  95 .UR http://www.candelatech.com\:/~greear\:/vlan.html
  96 .UE
  97 .br
  98 \fILink\fP \fIAggregation\fP:
  99 .UR http://www.st.rim.or.jp\:/~yumo
 100 .UE
 101
 102 .br
 103 Marvell/SysKonnect は、これらのオープンソースモジュールに対するサポートは
 104 行っておらず、これらを使った場合に生じるいかなる失敗や問題についても 責任を負わない点に注意すること。
 105 .SS パラメータ
 106 .TP
 107 \fBSpeed_A=\fP\fIi,j,...\fP
 108 このパラメータはアダプタカードのポート A がサポートするリンク速度を 設定するのに使われる。これは Yukon copper
 109 アダプタでのみ有効である。 使用可能な値は以下の通り: \fI10\fP, \fI100\fP, \fI1000\fP, \fIAuto\fP。 デフォルトは \fIAuto\fP
 110 である。 通常、リンク速度はリンクの確立時に 2 つのポートの間で自動設定される。 これに失敗した場合、ポートはこの引き数で指定された設定になる。
 111 .TP
 112 \fBSpeed_B=\fP\fIi,j,...\fP
 113 このパラメータはアダプタカードのポート B がサポートするリンク速度を 設定するのに使われる。これは Yukon copper
 114 アダプタでのみ有効である。 使用可能な値は以下の通り: \fI10\fP, \fI100\fP, \fI1000\fP, \fIAuto\fP。 デフォルトは \fIAuto\fP
 115 である。 通常、リンク速度はリンクの確立時に 2 つのポートの間で自動設定される。 これに失敗した場合、ポートはこの引き数で指定された設定になる。
 116 .TP
 117 \fBAutoNeg_A=\fP\fIi,j,...\fP
 118 アダプタカードのポート A の自動設定 (autonegotiation) の使用を 有効または無効にする。使用可能な値は以下の通り: \fIOn\fP,
 119 \fIOff\fP, \fISense\fP。 デフォルトは \fIOn\fP である。 \fISense\fP モードはリンクパートナが自動設定をサポートしているか否かを
 120 自動的に検知する。
 121 .TP
 122 \fBAutoNeg_B=\fP\fIi,j,...\fP
 123 アダプタカードのポート B の自動設定 (autonegotiation) の使用を 有効または無効にする。使用可能な値は以下の通り: \fIOn\fP,
 124 \fIOff\fP, \fISense\fP。 デフォルトは \fIOn\fP である。 \fISense\fP モードはリンクパートナが自動設定をサポートしているか否かを
 125 自動的に検知する。
 126 .TP
 127 \fBDupCap_A=\fP\fIi,j,...\fP
 128 この引き数はアダプタカードのポート A で使う二重通信 (duplex) モードを示す。 使用可能な値は以下の通り: \fIHalf\fP, \fIFull\fP,
 129 \fIBoth\fP。 デフォルトは \fIBoth\fP である。 この引き数はポート A の AutoNeg_A が \fISense\fP
 130 に設定されていない場合にのみ有効である。 AutoNeg_A が \fIOn\fP の場合、DupCap_A の 3 つの値 (\fIHalf\fP,
 131 \fIFull\fP, \fIBoth\fP)  のうちどれでも指定することができる。 AutoNeg_A が \fIOff\fP の場合、DupCap_A の値
 132 \fIFull\fP と \fIHalf\fP のみを指定することができる。 この DupCap_A 引き数は、リンクパートナが全ての二重通信の組み合わせを
 133 サポートしていない場合に役に立つ。
 134 .TP
 135 \fBDupCap_B=\fP\fIi,j,...\fP
 136 この引き数はアダプタカードのポート B で使う二重通信モードを示す。 使用可能な値は以下の通り: \fIHalf\fP, \fIFull\fP, \fIBoth\fP。
 137 デフォルトは \fIBoth\fP である。 この引き数はポート B の AutoNeg_B が \fISense\fP に設定されていない場合にのみ有効である。
 138 AutoNeg_B が \fIOn\fP の場合、DupCap_B の 3 つの値 (\fIHalf\fP, \fIFull\fP, \fIBoth\fP)
 139 のうちどれでも指定することができる。 AutoNeg_B が \fIOff\fP の場合、DupCap_B の値 \fIFull\fP と \fIHalf\fP
 140 のみを指定することができる。 この DupCap_B 引き数は、リンクパートナが全ての二重通信の組み合わせを サポートしていない場合に役に立つ。
 141 .TP
 142 \fBFlowCtrl_A=\fP\fIi,j,...\fP
 143 この引き数は自動設定時にポートが対向に伝える フロー制御機能を設定する。 使用可能な値は以下の通り: \fISym\fP, \fISymOrRem\fP,
 144 \fILocSend\fP, \fINone\fP。 デフォルトは \fISymOrRem\fP である。 それぞれのモードには以下のような意味がある:
 145
 146 .br
 147 \fISym\fP
 148 = Symmetric
 149  リンクパートナの双方が PAUSE フレームを送ることができる。
 150 .br
 151 \fISymOrRem\fP
 152 = SymmetricOrRemote
 153  リンクパートナの双方またはリモートパートナのみが
 154 PAUSE フレームを送ることができる。
 155 .br
 156 \fILocSend\fP
 157 = LocalSend
 158  ローカルリンクパートナのみが PAUSE フレームを送ることができる。
 159 .br
 160 \fINone\fP
 161 = None
 162  リンクパートナのどちらも PAUSE フレームを送ることはできない。
 163
 164 このパラメータは AutoNeg_A が \fIOff\fP の場合には無視される点に注意すること。
 165 .TP
 166 \fBFlowCtrl_B=\fP\fIi,j,...\fP
 167 この引き数は自動設定時にポートが対向に伝える フロー制御機能を設定する。 使用可能な値は以下の通り: \fISym\fP, \fISymOrRem\fP,
 168 \fILocSend\fP, \fINone\fP。 デフォルトは \fISymOrRem\fP である。 それぞれのモードには以下のような意味がある:
 169
 170 \fISym\fP
 171 = Symmetric
 172  リンクパートナの双方が PAUSE フレームを送ることができる。
 173 .br
 174 \fISymOrRem\fP
 175 = SymmetricOrRemote
 176  リンクパートナの双方またはリモートパートナのみが
 177 PAUSE フレームを送ることができる。
 178 .br
 179 \fILocSend\fP
 180 = LocalSend
 181  ローカルリンクパートナのみが PAUSE フレームを送ることができる。
 182 .br
 183 \fINone\fP
 184 = None
 185  リンクパートナのどちらも PAUSE フレームを送ることはできない。
 186 .br
 187
 188 このパラメータは AutoNeg_B が \fIOff\fP の場合には無視される点に注意すること。
 189 .TP
 190 \fBRole_A=\fP\fIi,j,...\fP
 191 この引き数は 1000Base\-T アダプタカードでのみ有効である。 2 つの 1000Base\-T ポートが通信する場合、 片方が
 192 (タイミング情報を提供する) マスタの役割をしなければならず、 もう片方がスレーブにならなければならない。 使用可能な値は以下の通り: \fIAuto\fP,
 193 \fIMaster\fP, \fISlave\fP。 デフォルトは \fIAuto\fP である。 通常、ポートの役割は 2
 194 つのポートでリンクを確立するときに自動設定される。 自動設定に失敗した場合、 アダプタカードのポート A はこの引き数で指定された設定になる。
 195 .TP
 196 \fBRole_B=\fP\fIi,j,...\fP
 197 この引き数は 1000Base\-T アダプタカードでのみ有効である。 2 つの 1000Base\-T ポートが通信する場合、 片方が
 198 (タイミング情報を提供する) マスタの役割をしなければならず、 もう片方がスレーブにならなければならない。 使用可能な値は以下の通り: \fIAuto\fP,
 199 \fIMaster\fP, \fISlave\fP。 デフォルトは \fIAuto\fP である。 通常、ポートの役割は 2
 200 つのポートでリンクを確立するときに自動設定される。 自動設定に失敗した場合、 アダプタカードのポート B はこの引き数で指定された設定になる。
 201 .TP
 202 \fBConType=\fP\fIi,j,...\fP
 203 この引き数は、ポート毎に指定する、全部で 5 個の引き数の組み合わせを、 1 つの引き数にしたものである。 これによりアダプタカードの 2
 204 つのポートの設定を簡略化できる。 この変数のそれぞれの値は、 ポート引き数の最も意味のある組み合わせを反映したものである。
 205 使用可能な値とそれに対応するポート毎のパラメータの組み合わせは、 以下の通り:
 206
 207 .nf
 208 ConType | DupCap   AutoNeg   FlowCtrl   Role   Speed
 209 \-\-\-\-\-\-\-\-+\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-\-
 210 \fIAuto\fP    |  Both      On      SymOrRem   Auto   Auto
 211 .br
 212 \fI100FD\fP   |  Full      Off       None     Auto   100
 213 .br
 214 \fI100HD\fP   |  Half      Off       None     Auto   100
 215 .br
 216 \fI10FD\fP    |  Full      Off       None     Auto   10
 217 .br
 218 \fI10HD\fP    |  Half      Off       None     Auto   10
 219
 220 .fi
 221 その他のポート引き数を \fIConType\fP 引き数と組み合わせて指定すると、それらの設定を結合した設定となる。 これは、ポート毎の引き数 (例えば
 222 \fISpeed_A\fP)  の方が組み合わせ変数 \fIConType\fP より優先順位が高いためである。
 223 .TP
 224 \fBModeration=\fP\fIi,j,...\fP
 225 割り込み調停 (interrupt moderation) は、ドライバが処理を開始しなければ ならない割り込み回数の最大値を設定するために使用される。
 226 つまり、ドライバが処理を行うまで、1回以上の割り込み (送信または受信パケットが処理されること) がキューに入れられる。
 227 キューに入れられた割り込みがいつ処理されるかは、 以下で説明する \fIIntsPerSec\fP 引き数で決定される。 使用可能な調停モードは以下の通り:
 228 \fINone\fP, \fIStatic\fP, \fIDynamic\fP。 デフォルトは \fINone\fP である。 それぞれのモードは以下の意味を持つ:
 229
 230 \fINone\fP アダプタカードに対して割り込み調停を適用しない。 よって送信または受信割り込みは、
 231 アダプタカードの割り込み線に現れると直ぐに処理される。
 232
 233 .br
 234 \fIStatic\fP アダプタカードに対して割り込み調停が適用される。 全ての送信または受信割り込みは、調停間隔が完全に終わるまで キューに入れられる。
 235 この調停間隔が終わると、キューに入れられた全ての割り込みは、 1個の大きな塊として遅延なく処理される。 \fIStatic\fP
 236 という用語は、あるインタフェースに現在どれだけの ネットワーク負荷がかかっているかに関わらず、 割り込み調停が常に有効になることを表している。
 237 さらに、調停間隔の時間は固定で、ドライバが動作している間は変化しない。
 238
 239 .br
 240 \fIDynamic\fP システムの負荷に応じて、アダプタカードに対して割り込み調停が適用される。 ドライバがシステムの負荷が高すぎると検出した場合、
 241 割り込み調停を有効にすることにより、 過剰なネットワーク負荷からシステムを保護しようとする。 \(emその後に\(emCPU 利用率が再び下がった場合
 242 (またはネットワーク負荷が極わずかになった場合)、 割り込み調停は自動的に無効にされる。
 243
 244 ドライバが扱わなければならないインタフェースのうち ネットワーク負荷が高いものが 1 つ以上あり、 \(emその結果\(emCPU
 245 利用率が高くなっている場合、 割り込み調停を使うべきである。 ネットワーク負荷が高い状況で調停が適用されると、 遅いコンピュータでは CPU 負荷が
 246 20\-30% 削減されるだろう。
 247
 248 割り込み調停を使うことの欠点として、 往復遅延時間 (round\-trip\-time, RTT) の増加がある点に注意すること。
 249 これは、割り込みがキューに入れられ、まとめて処理されるためである。
 250 .TP
 251 \fBIntsPerSec=\fP\fIi,j,...\fP
 252 この引き数は割り込み調停の間隔を決定する。 静的 (static) 割り込み調停が使われている場合、 \fIIntsPerSec\fP 引き数の値が 2000
 253 であれば、割り込み調停の間隔は 500 ミリ秒になる。 この引き数に設定可能な値は 30...40000 の範囲で、 これは 1
 254 秒毎の割り込み回数である。 デフォルト値は 2000 である。
 255
 256 この引き数は静的 (static) または動的 (dynamic) 割り込み調停が 有効になっているときにのみ使用される。
 257 この引き数は割り込み調停が適用されていない場合には無視される。
 258
 259 調停間隔の期間は注意して選ぶこと。 一見したところでは、とても長い期間 (例えば 1 秒間に 100 回だけの割り込み) を
 260 選ぶことに意味があるように見えるかもしれないが、そうすると パケット処理の遅延が激しく増加する。
 261 一方で、とても短い調停時間を選ぶと、割り込み調停を使う意味がなくなってしまう。
 262 .TP
 263 \fBPrefPort=\fP\fIi,j,...\fP
 264 この引き数は (2 ポートのネットワークアダプタで)  優先 (preferred) ポートを A または B のどちらにするかを指定するのに使われる。
 265 優先ポートとは、A と B の両方のポートが完全に機能していると検知された場合に 使用されるポートである。 使用可能な値は以下の通り: \fIA\fP または
 266 \fIB\fP。 デフォルトは \fIA\fP である。
 267 .TP
 268 \fBRlmtMode=\fP\fIi,j,...\fP
 269 RLMT はポートの状態を監視する。 アクティブなポートのリンクが落ちた場合、 RLMT は即時に待機しているリンクに切り替える。 少なくとも 1
 270 つの「物理的」リンクが起動するまでは、仮想リンクが維持される。 この引き数は RLMT が両方のポートをどのように監視するかを決める。
 271 使用可能な値は以下の通り: \fICheckLinkState\fP, \fICheckLocalPort\fP, \fICheckSeg\fP, \fIDualNet\fP。
 272 デフォルトは \fICheckLinkState\fP である。 各モードは以下のような意味を持つ。
 273
 274 \fICheckLinkState\fP リンク状態のチェックのみ: RLMT は、各ポートについてアダプタハードウェアが報告するリンク状態を使い、
 275 そのポートが全てのネットワークトラフィックを送受信するのに使用可能かを 決定する。
 276
 277 .br
 278 \fICheckLocalPort\fP このモードでは、RLMT はアダプタカードの 2 つのポートの間で 定期的にパケットを交換することにより、 2
 279 つのポートの間のネットワーク経路を監視する。 このモードでは 2 つのポートが互いに「見える」ような ネットワーク設定が必要である
 280 (つまり、ポート間にルータがあってはならない)。
 281
 282 .br
 283 \fICheckSeg\fP ローカルポートとセグメントをチェックする。 このモードは CheckLocalPort モードと同じ機能を提供し、
 284 更にポート間のネットワークセグメントをチェックする。 よって、このモードはネットワーク上に スパニングツリープロトコル (Spanning Tree
 285 protocol) を 使うように設定されたギガビットイーサネットスイッチが 設置されている場合にのみ使用できる。
 286
 287 .br
 288 \fIDualNet\fP このモードでは、ポート A と B が別々のデバイスとして使用される。 2 ポートのアダプタを持っている場合、ポート A を
 289 \fIeth[x]\fP に、ポート B を \fIeth[x+1]\fP に設定することができる。 2 つのポートは別々の IP
 290 アドレスを付けて独立に使用することができる。 優先ポートの設定は使用されない。 RLMT は無効にされる。
 291
 292 RLMT モード \fICheckLocalPort\fP と \fICheckLinkState\fP は、1
 293 つのアダプタ上のポート間でネットワーク経路があるような設定で 動作するように設計されている。 さらに、このモードはアダプタ同士が直結
 294 (back\-to\-back) で 接続されている状態で動作するようには設計されていない。
 295 .SH ファイル
 296 .TP
 297 \fI/proc/net/sk98lin/eth[x]\fP
 298 .br
 299 アダプタカードの特定のインタフェースの統計ファイル。 このファイルには、アダプタカードの一般的な情報と、
 300 全ての送信・受信カウンタの詳細な一覧が含まれる。
 301 .TP
 302 \fI/usr/src/linux/Documentation/networking/sk98lin.txt\fP
 303 .br
 304 \fIsk98lin\fP ドライバの \fIREADME\fP ファイルである。 これには詳細なインストール HOWTO が含まれており、
 305 ドライバの全ての引き数が記述されている。 また一般的な問題とその解決法についても書かれている。
 306 .SH バグ
 307 .\" .SH AUTHORS
 308 .\" Ralph Roesler \(em rroesler@syskonnect.de
 309 .\" .br
 310 .\" Mirko Lindner \(em mlindner@syskonnect.de
 311 バグは linux@syskonnect.de に報告してほしい。
 312 .SH 関連項目
 313 \fBinsmod\fP(8), \fBifconfig\fP(8), \fBmodprobe\fP(8)
 314 .SH この文書について
 315 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.50 の一部
 316 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
 317 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。