draft/man5/tzfile.5

   1 .\" %%%LICENSE_START(PUBLIC_DOMAIN)
   2 .\" This file is in the public domain, so clarified as of
   3 .\" 1996-06-05 by Arthur David Olson <arthur_david_olson@nih.gov>.
   4 .\" %%%LICENSE_END
   5 .\"
   6 .\" @(#)tzfile.5        7.11
   7 .\"
   8 .\"*******************************************************************
   9 .\"
  10 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
  11 .\"
  12 .\"*******************************************************************
  13 .TH TZFILE 5 2012\-05\-04 "" "Linux Programmer's Manual"
  14 .SH 名前
  15 tzfile \- タイムゾーンの情報
  16 .SH 説明
  17 このページは、 \fBtzset\fP(3) で使用されるタイムゾーンファイルの構造に
  18 ついて説明したものである。通常、これらのファイルは
  19 ディレクトリ \fI/usr/lib/zoneinfo\fP か \fI/usr/share/zoneinfo\fP の
  20 どちらかに置かれている。
  21
  22 タイムゾーン情報ファイルは、タイムゾーン情報ファイルであることを識別
  23 するための magic 文字列 "TZif" で始まり、
  24 ファイルフォーマットのバージョンを示す文字 (2005 年時点では
  25 ASCII NUL (\(aq\e0\(aq) か \(aq2\(aq のいずれか)、
  26 将来のための 15 バイトの予約領域 (値は 0) が続き、
  27 \fIlong\fP 型の 4 バイトの値が 6 個続く。
  28 この値は「標準」バイトオーダー (高位バイトが先に書かれる) で記述される。
  29 これらの値は、順に以下のようなものである。
  30 .TP
  31 \fItzh_ttisgmtcnt\fP
  32 ファイルに記述されている UTC/local インジケータ (indicator) の個数。
  33 .TP
  34 \fItzh_ttisstdcnt\fP
  35 ファイルに記述されている standard/wall インジケータの個数。
  36 .TP
  37 \fItzh_leapcnt\fP
  38 ファイルに記述されている閏秒データの個数。
  39 .TP
  40 \fItzh_timecnt\fP
  41 ファイルに記述されている「遷移時間 (transition time)」データの個数。
  42 .TP
  43 \fItzh_typecnt\fP
  44 ファイルに記述されている「ローカル時間種別 (local time types)」データの個数
  45 (0 であってはいけない)。
  46 .TP
  47 \fItzh_charcnt\fP
  48 ファイルに記述されている「タイムゾーン略式文字列 (timezone abbreviation string)」の個数。
  49 .PP
  50 上記のヘッダに続いて、4 バイトの \fIlong\fP 型の値が \fItzh_timecnt\fP 個続く。
  51 これらは昇順で格納される。それぞれの値は「標準」バイトオーダーで記述されている。
  52 それぞれは遷移時間 (\fBtime\fP(2) が返す値) として用いられ、
  53 遷移時間に応じてローカル時間の計算ルールが変化する。
  54 次に、\fIunsigned char\fP 型の 1 バイトの値が \fItzh_timecnt\fP 個続く。
  55 この値は、それぞれの遷移時間に、ファイル中に記載されている「ローカル時間」種別
  56 のどれが関連づけられているかを示す。
  57 これらの値は、(ファイル中でこの情報のすぐ後ろに置かれている) \fIttinifo\fP 構造体
  58 の配列 (要素数は \fItzh_typecnt\fP) に対するインデックスとして機能する。
  59 この構造体は以下のように定義されている:
  60 .in +4n
  61 .sp
  62 .nf
  63 struct ttinfo {
  64     long         tt_gmtoff;
  65     int          tt_isdst;
  66     unsigned int tt_abbrind;
  67 };
  68 .in
  69 .fi
  70 .sp
  71 それぞれの構造体は、 4 バイトの \fIlong\fP 型の値 \fItt_gmtoff\fP、 1 バイトの値 \fItt_isdst\fP, 1 バイトの値
  72 \fItt_abbrind\fP から構成される。 それぞれの構造体において、 \fItt_gmtoff\fP は UTC に加えるべき秒数を与え、
  73 \fItt_isdst\fP は \fItm_isdst\fP を \fBlocaltime\fP(3)  にセットすべきかどうかを示し、 \fItt_abbrind\fP
  74 はファイル中で \fIttinfo\fP 構造体 (配列) のあとに置かれる タイムゾーン略式文字列の配列に対するインデックスである。
  75 .PP
  76 次には 4 バイト値のペアが \fItzh_leapcnt\fP 個続く。
  77 標準バイトオーダーで記述される。
  78 各ペアの最初の値は ( \fItime\fP(2) の返す形式で) 閏秒が起きる時刻を指定し、
  79 二番目の値はその時刻に加えるべき閏秒数の\fI全\fP秒数を指定する。
  80 これらのペアは時刻の古い順に記述する。
  81 .PP
  82 次には standard/wall インジケータが \fItzh_ttisstdcnt\fP 個置かれる。
  83 standard/wall インジケータはそれぞれ 1 バイトの値として格納される。
  84 これらは、ローカル時間種別に関連付けられた遷移時間が、標準時刻 (standard time)
  85 と壁時計時刻 (wall clock time) のどちらで指定されているかを示す。
  86 また、この値は、 POSIX 形式のタイムゾーン環境変数の処理において
  87 タイムゾーンファイルが使われる際にも利用される。
  88 .PP
  89 最後に UTC/local インジケータが \fItzh_ttisgmtcnt\fP 個置かれる。
  90 UTC/local インジケータはそれぞれ 1 バイトの値として格納される。
  91 これらは、ローカル時間種別に関連付けられた遷移時間が UTC とローカル時刻の
  92 どちらで指定されているかを示す。
  93 また、この値は、 POSIX 形式のタイムゾーン環境変数の処理において
  94 タイムゾーンファイルが使われる際にも利用される。
  95 .PP
  96 \fBlocaltime\fP(3) は、 \fItzh_timeout\fP が 0 であるか time 引数がファイルに記録され
  97 ていた最初の遷移時刻 よりも小さい場合には、 ファイルに最初に現れる標準時刻の
  98 \fIttinfo\fP 構造体を使う (または標準時刻の構造体がない場合は、単に最初の
  99 \fIttinfo\fP 構造体を使う)。
 100 .PP
 101 バージョン 2 形式のタイムゾーンファイルでは、上記のヘッダとデータの後に、
 102 第 2 のヘッダとデータが続く。形式は上記のヘッダとデータと同じで、
 103 遷移時間や閏秒の時刻に 8 バイトが使用される点だけが異なる。
 104 第 2 のヘッダとデータの後ろには改行で囲まれた POSIX の TZ 環境変数形式
 105 の文字列が置かれ、この文字列はファイル内の最後の遷移時間の後で時刻を
 106 処理する際に使用される
 107 (このような POSIX 表現が置かれない場合、改行の間には何も置かれない)。
 108 .SH 関連項目
 109 \fBctime\fP(3), \fBtzset\fP(3), \fBtzselect\fP(8),
 110
 111 glibc ソースコードの \fItimezone/tzfile.h\fP
 112 .SH この文書について
 113 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.53 の一部
 114 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
 115 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。