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2 .\"
3 .\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
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5 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
6 .\" preserved on all copies.
7 .\"
8 .\" Permission is granted to copy and distribute modified versions of this
9 .\" manual under the conditions for verbatim copying, provided that the
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23 .\" %%%LICENSE_END
24 .\"
25 .\"*******************************************************************
26 .\"
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28 .\"
29 .\"*******************************************************************
30 .\"
31 .\" Japanese Version Copyright (c) 2006 Akihiro MOTOKI all rights reserved.
32 .\" Translated 2006-07-16, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>
33 .\" Updated 2007-05-01, Akihiro MOTOKI, LDP v2.46
34 .\" Updated 2007-09-08, Akihiro MOTOKI, LDP v2.64
35 .\" Updated 2009-04-23, Akihiro MOTOKI, LDP v3.21
36 .\" Updated 2012-04-30, Akihiro MOTOKI <amotoki@gmail.com>
37 .\"
38 .TH FEATURE_TEST_MACROS 7 2012\-08\-05 Linux "Linux Programmer's Manual"
39 .SH 名前
40 feature_test_macros \- 機能検査マクロ
41 .SH 書式
42 .nf
43 \fB#include <features.h>\fP
44 .fi
45 .SH 説明
46 機能検査マクロ (feature test macro) により、プログラマは プログラムがコンパイルされる際にシステムのヘッダファイルにより
47 公開される定義を制御することができる。
48
49 \fB注意:\fP 機能検査マクロを機能させるには、機能検査マクロの定義を 「どのヘッダファイルのインクルードよりも前で」行わなければならない。
50 これを実現するには、 コンパイルコマンドで指定する方法 (\fIcc \-DMACRO=value\fP)  と、ソースコード内で必要なマクロの定義を
51 どのヘッダのインクルードよりも前で行う方法がある。
52
53 機能検査マクロを使うと、非標準の定義が公開されないようにでき、 移植性のあるアプリケーションを作成するのに役立つ。
54 他のマクロを使うと、デフォルトでは公開されない非標準の定義を 公開することができる。 以下で説明する機能検査マクロのそれぞれの正確な影響を確認するには、
55 ヘッダファイル \fI<features.h>\fP を調べればよい。
56 .SS マニュアルページでの機能検査マクロの要件の規定
57 関数が機能検査マクロの定義を必要とする場合、 マニュアルページの書式 (SYNOPSIS) の節に 以下の形式の注釈を入れる (以下の例は
58 \fBacct\fP(2)  のマニュアルページからの引用である)。
59 .RS 8
60 .sp
61 \fB#include <unistd.h>\fP
62 .sp
63 \fBint acct(const char *\fP\fIfilename\fP\fB);\fP
64 .sp
65 .nf
66 .in -4n
67 glibc 向けの機能検査マクロの要件
68 (\fBfeature_test_macros\fP(7)
69 参照):
70 .fi
71 .in
72 .sp
73 \fBacct\fP(): _BSD_SOURCE || (_XOPEN_SOURCE && _XOPEN_SOURCE\ <\ 500)
74 .RE
75 .PP
76 \fB||\fP は、 \fBacct\fP(2)  の定義を \fI<unistd.h>\fP
77 から得るには、以下のマクロの定義のいずれかを、どのヘッダファイルの インクルードよりも前で行わなければならないことを意味する。
78 .RS
79 .nf
80
81 #define _BSD_SOURCE
82 #define _XOPEN_SOURCE        /* or any value < 500 */
83 .fi
84 .RE
85 .PP
86 別の方法としては、等価な定義をコンパイル用のコマンドで 指定することもできる。
87 .RS
88 .nf
89
90 cc \-D_BSD_SOURCE
91 cc \-D_XOPEN_SOURCE           # Or any value < 500
92 .fi
93 .RE
94 .PP
95 後で述べるが、 \fB「いくつかの機能検査マクロはデフォルトで定義される」\fP 点に注意すること。 このため、「書式」に記載された機能検査マクロを常に
96 明示的に指定する必要があるわけではない。
97
98 あまり多くないが、マニュアルページによっては、 機能検査マクロの要件を以下のように簡単な表現で記載する場合がある。 (以下の例は
99 \fBreadahead\fP(2)  のマニュアルページからの引用である)。
100 .RS
101 .nf
102
103 \fB#define _GNU_SOURCE\fP
104 \fB#include <fcntl.h>\fP
105 .sp
106 \fBssize_t readahead(int \fP\fIfd\fP\fB, off64_t *\fP\fIoffset\fP\fB, size_t \fP\fIcount\fP\fB);\fP
107 .fi
108 .RE
109 .PP
110 関数定義の公開に使える機能検査マクロが一つだけで、 デフォルトではそのマクロが定義されない場合に、 この形式の表現を利用する。
111 .SS "glibc が解釈する機能検査マクロ"
112 .\" The details in glibc 2.0 are simpler, but combining a
113 .\" a description of them with the details in later glibc versions
114 .\" would make for a complicated description.
115 以下では、Linux glibc 2.\fIx\fP (\fIx\fP > 0) において、 機能検査マクロがどのように扱われるかを説明する。
116
117 Linux/glibc は以下の機能検査マクロを解釈する:
118 .TP 
119 \fB__STRICT_ANSI__\fP
120 ISO 標準の C。 \fBgcc\fP(1)  を \fI\-std=c99\fP や \fI\-ansi\fP などのフラグを付けて起動した場合、
121 このマクロは暗黙のうちに定義される。
122 .TP 
123 \fB_POSIX_C_SOURCE\fP
124 このマクロを定義すると、ヘッダファイルで以下の定義が公開される。
125 .RS
126 .IP \(bu 3
127 値が 1 の場合、POSIX.1\-1990 と ISO C (1990) に準拠する定義が公開される。
128 .IP \(bu
129 値が 2 以上の場合、 POSIX.2\-1992 関連の定義も追加で公開される。
130 .IP \(bu
131 .\" 199506L functionality is available only since glibc 2.1
132 値が 199309 以上の場合、 POSIX.1b (リアルタイム拡張) 関連の定義が追加で公開される。
133 .IP \(bu
134 値が 199506 以上の場合、 POSIX.1c (スレッド) 関連の定義が追加で公開される。
135 .IP \(bu
136 (glibc 2.3.3 以降)  値が 200112L 以上の場合、 (XSI 拡張を除く) POSIX.1\-2001
137 基本仕様に対応する定義が公開される。
138 .IP \(bu
139 (glibc 2.10 以降)  値が 200809L 以上の場合、 (XSI 拡張を除く) POSIX.1\-2008
140 基本仕様に対応する定義が公開される。
141 .RE
142 .TP 
143 \fB_POSIX_SOURCE\fP
144 このマクロは廃止予定である。 このマクロが定義されると、値に関わらず、 \fB_POSIX_C_SOURCE\fP を値 1 で定義するのと等価となる。
145 .TP 
146 \fB_XOPEN_SOURCE\fP
147 このマクロを定義すると、ヘッダファイルで以下の定義が公開される。
148 .RS
149 .IP \(bu 3
150 どんな値でも、ヘッダファイルで POSIX.1, POSIX.2, XPG4 に準拠する定義が公開される。
151 .IP \(bu
152 値が 500 以上の場合、 SUSv2 (UNIX 98) 関連の定義が追加で公開される。
153 .IP \(bu
154 (glibc 2.2 以降)  値が 600 以上の場合、 SUSv3 (UNIX 03; POSIX.1\-2001 基本仕様 + XSI 拡張と同じ)
155 関連の定義と C99 での定義が追加で公開される。
156 .IP \(bu
157 (glibc 2.10 以降)  値が 700 以上の場合、 SUSv4 (POSIX.1\-2008 基本仕様 + XSI 拡張と同じ)
158 関連の定義が追加で公開される。
159 .RE
160 .TP 
161 \fB_XOPEN_SOURCE_EXTENDED\fP
162 このマクロが定義され、さらに \fB_XOPEN_SOURCE\fP が定義されていると、XPG4v2 (SUSv1) UNIX 拡張 (UNIX 95)
163 に対応する定義が公開される。 \fB_XOPEN_SOURCE\fP が 500 以上の値で定義された場合、このマクロは暗黙のうちに定義される。
164 .TP 
165 \fB_ISOC95_SOURCE\fP
166 ISO C (1990) Amendment 1 の定義 (C95 としても知られる) が公開される。
167 C95 における主要な変更点は国際化文字集合のサポートであった。
168 C95 の変更点は、これに続く C99 標準にも含まれた
169 (言い換えると、\fB_ISOC99_SOURCE\fP を定義すると暗黙のうちに \fB_ISOC95_SOURCE\fP
170 を定義されることを意味する)。
171 .TP 
172 \fB_ISOC99_SOURCE\fP
173 ISO C (1990) の C99 拡張を公開する。 このマクロは glibc 2.1.3 以降で認識される。 初期のバージョン 2.1.x の
174 glibc では、これと等価な \fB_ISOC9X_SOURCE\fP という名前のマクロが使われていた (なぜなら、C99
175 標準はまだ確定していなかったからである)。 \fB_ISOC9X_SOURCE\fP マクロの使用は廃止されているが、 glibc
176 は過去との互換性のため今でもこのマクロを認識する。
177 .TP 
178 \fB_ISOC11_SOURCE\fP
179 ISO C11 標準に準拠した宣言を公開する。
180 このマクロは glibc 2.16 以降で認識される。
181 .TP 
182 \fB_LARGEFILE64_SOURCE\fP
183 LFS (Large File Summit) により "暫定拡張 (transitional extension)" Single UNIX
184 Specification として規定された代替 API (alternative API) に関する定義を公開する (
185 .UR http:\:/\:/opengroup.org\:/platform\:/lfs.html
186 .UE
187 参照)。 代替 API は新規オブジェクト
188 (関数と型) の集合で構成され、 その名前は "64" で終わる (例えば、 \fIoff_t\fP に対応するのは \fIoff64_t\fP、
189 \fBlseek\fP()  に対応するのは \fBlseek64\fP()  である)。 新しいプログラムではこのインタフェースを利用しないこと。 代わりに
190 \fI_FILE_OFFSET_BITS=64\fP を利用すること。
191 .TP 
192 \fB_FILE_OFFSET_BITS\fP
193 このマクロを値 64 で定義すると、ファイル I/O とファイルシステム操作に 関連する 32 ビット版の関数とデータタイプは自動的に 64 ビット版に
194 変換される。 これは、32 ビットシステムで大きなファイル (> 2 ギガバイト) の I/O を実行する際に役立つ
195 (このマクロを定義すると、コンパイルし直すだけで大きなファイルを 扱えるプログラムを書くことができる)。 64 ビットシステムは、もともと 2
196 ギガバイトより大きなファイルを 扱えるので、64 ビットシステムではこのマクロは効果を持たない。
197 .TP 
198 \fB_BSD_SOURCE\fP
199 このマクロを定義すると (値に関わらず) ヘッダファイルで BSD 由来の定義が公開される。
200 また、このマクロを定義すると、相容れない標準が存在する状況において BSD 由来の定義を優先するようになる。 ただし、 \fB_SVID_SOURCE\fP,
201 \fB_POSIX_SOURCE\fP, \fB_POSIX_C_SOURCE\fP, \fB_XOPEN_SOURCE\fP,
202 \fB_XOPEN_SOURCE_EXTENDED\fP, \fB_GNU_SOURCE\fP が一つでも定義された場合には、BSD 由来の定義は優先されなくなる。
203 .TP 
204 \fB_SVID_SOURCE\fP
205 このマクロを定義すると (値に関わらず) ヘッダファイルで System V 由来の定義が公開される (SVID == System V
206 Interface Definition; \fBstandards\fP(7)  参照)。
207 .TP 
208 \fB_ATFILE_SOURCE\fP (glibc 2.4 以降)
209 このマクロを定義すると (値に関わらず) ヘッダファイルで 名前の末尾が "at" の各種の関数の定義が公開される。 \fBopenat\fP(2)  参照。
210 glibc 2.10 以降では、 \fB_POSIX_C_SOURCE\fP が 200809L 以上の値で定義された場合には、
211 このマクロも暗黙のうちに定義される。
212 .TP 
213 \fB_GNU_SOURCE\fP
214 このマクロを定義すると (値に関わらず) 以下のマクロを定義するのと 等価になる: \fB_BSD_SOURCE\fP, \fB_SVID_SOURCE\fP,
215 \fB_ATFILE_SOURCE\fP, \fB_LARGEFILE64_SOURCE\fP, \fB_ISOC99_SOURCE\fP,
216 \fB_XOPEN_SOURCE_EXTENDED\fP, \fB_POSIX_SOURCE\fP, 値 200809L の \fB_POSIX_C_SOURCE\fP
217 (バージョン 2.10 より前の glibc では値は 200112L、 バージョン 2.5 より前の glibc では値は 199506L、
218 バージョン 2.1 より前の glibc では値は 199309L), 値 700 の \fB_XOPEN_SOURCE\fP (バージョン 2.10
219 より前の glibc では値は 600、 バージョン 2.2 より前の glibc では値は 500)。 さらに、各種の GNU
220 固有の拡張も公開される。 指定された標準に矛盾があった場合は、 BSD 由来の定義が優先されなくなる。
221 .TP 
222 \fB_REENTRANT\fP
223 このマクロを定義すると、いくつかのリエントラント (再入可能) な関数 定義が公開される。マルチスレッド・プログラムでは、この代わりに \fIcc\ \-pthread\fP を使用すること。
224 .TP 
225 \fB_THREAD_SAFE\fP
226 \fB_REENTRANT\fP の同義語。 他のいくつかの実装との互換性を提供するためのもの。
227 .TP 
228 \fB_FORTIFY_SOURCE\fP (glibc 2.3.4 以降)
229 .\" For more detail, see:
230 .\" http://gcc.gnu.org/ml/gcc-patches/2004-09/msg02055.html
231 .\" [PATCH] Object size checking to prevent (some) buffer overflows
232 .\" * From: Jakub Jelinek <jakub at redhat dot com>
233 .\" * To: gcc-patches at gcc dot gnu dot org
234 .\" * Date: Tue, 21 Sep 2004 04:16:40 -0400
235 このマクロを定義すると、文字列やメモリの操作を行う様々な関数を 使用する際にバッファオーバーフローを検出するための軽めのチェックが
236 実行されるようになる。すべてのバッファオーバーフローが検出される わけではなく、あくまでよくある例についてだけである。
237 現在の実装では、以下の関数にチェックが追加されている: \fBmemcpy\fP(3), \fBmempcpy\fP(3), \fBmemmove\fP(3),
238 \fBmemset\fP(3), \fBstpcpy\fP(3), \fBstrcpy\fP(3), \fBstrncpy\fP(3), \fBstrcat\fP(3),
239 \fBstrncat\fP(3), \fBsprintf\fP(3), \fBsnprintf\fP(3), \fBvsprintf\fP(3),
240 \fBvsnprintf\fP(3), \fBgets\fP(3).  \fB_FORTIFY_SOURCE\fP が 1 に設定された場合、コンパイラの最適化レベルが
241 1 (\fIgcc\ \-O1\fP)  かそれ以上であれば、規格に準拠するプログラムの振る舞いを 変化させないようなチェックが実行される。
242 \fB_FORTIFY_SOURCE\fP が 2 に設定された場合、さらなるチェックが追加されるが、
243 規格に準拠するプログラムのいくつかが失敗する可能性がある。 いくつかのチェックはコンパイル時に実行でき、コンパイラの警告として
244 表示される。他のチェックは実行時に行われ、チェックに失敗した場合 には実行時エラーとなる。 このマクロを使用するにはコンパイラの対応が必要であり、
245 バージョン 4.0 以降の \fBgcc\fP(1)  で利用できる。
246 .SS デフォルトの定義、暗黙の定義、組み合わせ定義
247 .PP
248 機能検査マクロが一つも明示的に定義されなかった場合、 デフォルトで機能検査マクロ \fB_BSD_SOURCE\fP, \fB_SVID_SOURCE\fP,
249 \fB_POSIX_SOURCE\fP, \fB_POSIX_C_SOURCE\fP=200809L が定義される (バージョン 2.10 より前の glibc
250 では値は 200112L、 バージョン 2.4 より前の glibc では値は 199506L、 バージョン 2.1 より前の glibc では値は
251 199309L)。
252 .PP
253 \fB__STRICT_ANSI__\fP, \fB_ISOC99_SOURCE\fP, \fB_POSIX_SOURCE\fP, \fB_POSIX_C_SOURCE\fP,
254 \fB_XOPEN_SOURCE\fP, \fB_XOPEN_SOURCE_EXTENDED\fP, \fB_BSD_SOURCE\fP, \fB_SVID_SOURCE\fP
255 のいずれかが明示的に定義された場合、 \fB_BSD_SOURCE\fP と \fB_SVID_SOURCE\fP はデフォルトでは定義されない。
256
257 \fB_POSIX_SOURCE\fP と \fB_POSIX_C_SOURCE\fP が明示的に定義されない場合で、 \fB__STRICT_ANSI__\fP
258 が定義されない、もしくは \fB_XOPEN_SOURCE\fP が 500 以上の値で定義されたときには、
259 .RS 3
260 .IP * 3
261 \fB_POSIX_SOURCE\fP が値 1 で定義され、かつ
262 .IP *
263 \fB_POSIX_C_SOURCE\fP は以下の値のいずれか一つで定義される。
264 .RS 6
265 .IP \(bu 3
266 2 (\fB_XOPEN_SOURCE\fP が 500 未満の値で定義された場合)
267 .IP \(bu
268 199506L (\fB_XOPEN_SOURCE\fP が 500 以上 600 未満の値で定義された場合)
269 .IP \(bu
270 (glibc 2.4 以降)  200112L (\fBXOPEN_SOURCE\fP が 600 以上 700 未満の値で定義された場合)
271 .IP \(bu
272 (glibc 2.10 以降)  200809L (\fBXOPEN_SOURCE\fP が 700 以上の値で定義された場合)
273 .IP \(bu
274 古いバージョンの glibc では \fB_POSIX_C_SOURCE\fP の値として 200112L や 200809L は存在せず、
275 \fB_POSIX_C_SOURCE\fP の値がどうなるかは glibc のバージョンにより異なる。
276 .IP \(bu
277 \fB_XOPEN_SOURCE\fP が未定義の場合、 \fB_POSIX_C_SOURCE\fP の値は glibc のバージョンにより異なる。 バージョン
278 2.4 より前の glibc では 199506L、 バージョン 2.4 以降 2.9 未満では 200112L、 glibc 2.10 以降では
279 200809L となる。
280 .RE
281 .RE
282 .PP
283 また、複数のマクロを定義することもできる。 この場合、定義したマクロはすべて有効になる。
284 .SH 準拠
285 POSIX.1 では \fB_POSIX_C_SOURCE\fP, \fB_POSIX_SOURCE\fP, \fB_XOPEN_SOURCE\fP が規定されている。
286 \fB_XOPEN_SOURCE_EXTENDED\fP は XPG4v2 (別名 SUSv1) で規定されていた。
287
288 \fB_FILE_OFFSET_BITS\fP はどの標準でも規定されていないが、 他のいくつかの実装で採用されている。
289
290 \fB_BSD_SOURCE\fP, \fB_SVID_SOURCE\fP, \fB_ATFILE_SOURCE\fP, \fB_GNU_SOURCE\fP,
291 \fB_FORTIFY_SOURCE\fP, \fB_REENTRANT\fP, \fB_THREAD_SAFE\fP は Linux (glibc) 固有である。
292 .SH 注意
293 \fI<features.h>\fP は Linux/glibc 固有のヘッダファイルである。
294 他のシステムにも同様の目的のファイルがあるが、普通は違う名前である。 このヘッダファイルは、他のヘッダファイルにより必要に応じて
295 自動的にインクルードされる。機能検査マクロを利用するために 明示的にインクルードする必要はない。
296
297 上記の機能検査マクロのうちどれが定義されたかにしたがって、 \fI<features.h>\fP は、他の glibc
298 ヘッダファイルでチェックされる各種の他のマクロを、 内部で定義する。これらのマクロの名前はアンダースコア 2つで始まる (例えば
299 \fB__USE_MISC\fP)。 ユーザプログラムはこれらのマクロを \fI決して\fP 直接定義すべきではない。
300 代わりに、上記のリストにある適切な機能検査マクロを利用すべきである。
301 .SH 例
302 下記のプログラムを使うと、各種の機能検査マクロが glibc のバージョン に応じてどのように設定されるかや、どの機能検査マクロが明示的に
303 設定されるか、を調べることができる。 以下に示すシェル・セッションは、 glibc 2.10 のシステムでの実行結果の例である。
304 .in +4n
305 .nf
306
307 $ \fBcc ftm.c\fP
308 $ \fB./a.out\fP
309 _POSIX_SOURCE defined
310 _POSIX_C_SOURCE defined: 200809L
311 _BSD_SOURCE defined
312 _SVID_SOURCE defined
313 _ATFILE_SOURCE defined
314 $ \fBcc \-D_XOPEN_SOURCE=500 ftm.c\fP
315 $ \fB./a.out\fP
316 _POSIX_SOURCE defined
317 _POSIX_C_SOURCE defined: 199506L
318 _XOPEN_SOURCE defined: 500
319 $ \fBcc \-D_GNU_SOURCE ftm.c\fP
320 $ \fB./a.out\fP
321 _POSIX_SOURCE defined
322 _POSIX_C_SOURCE defined: 200809L
323 _ISOC99_SOURCE defined
324 _XOPEN_SOURCE defined: 700
325 _XOPEN_SOURCE_EXTENDED defined
326 _LARGEFILE64_SOURCE defined
327 _BSD_SOURCE defined
328 _SVID_SOURCE defined
329 _ATFILE_SOURCE defined
330 _GNU_SOURCE defined
331 .fi
332 .in
333 .SS "Program source"
334 \&
335 .nf
336 /* ftm.c */
337
338 #include <stdio.h>
339 #include <unistd.h>
340 #include <stdlib.h>
341
342 int
343 main(int argc, char *argv[])
344 {
345 #ifdef _POSIX_SOURCE
346     printf("_POSIX_SOURCE defined\en");
347 #endif
348
349 #ifdef _POSIX_C_SOURCE
350     printf("_POSIX_C_SOURCE defined: %ldL\en", (long) _POSIX_C_SOURCE);
351 #endif
352
353 #ifdef _ISOC99_SOURCE
354     printf("_ISOC99_SOURCE defined\en");
355 #endif
356
357 #ifdef _XOPEN_SOURCE
358     printf("_XOPEN_SOURCE defined: %d\en", _XOPEN_SOURCE);
359 #endif
360
361 #ifdef _XOPEN_SOURCE_EXTENDED
362     printf("_XOPEN_SOURCE_EXTENDED defined\en");
363 #endif
364
365 #ifdef _LARGEFILE64_SOURCE
366     printf("_LARGEFILE64_SOURCE defined\en");
367 #endif
368
369 #ifdef _FILE_OFFSET_BITS
370     printf("_FILE_OFFSET_BITS defined: %d\en", _FILE_OFFSET_BITS);
371 #endif
372
373 #ifdef _BSD_SOURCE
374     printf("_BSD_SOURCE defined\en");
375 #endif
376
377 #ifdef _SVID_SOURCE
378     printf("_SVID_SOURCE defined\en");
379 #endif
380
381 #ifdef _ATFILE_SOURCE
382     printf("_ATFILE_SOURCE defined\en");
383 #endif
384
385 #ifdef _GNU_SOURCE
386     printf("_GNU_SOURCE defined\en");
387 #endif
388
389 #ifdef _REENTRANT
390     printf("_REENTRANT defined\en");
391 #endif
392
393 #ifdef _THREAD_SAFE
394     printf("_THREAD_SAFE defined\en");
395 #endif
396
397 #ifdef _FORTIFY_SOURCE
398     printf("_FORTIFY_SOURCE defined\en");
399 #endif
400
401     exit(EXIT_SUCCESS);
402 }
403 .fi
404 .SH 関連項目
405 \fBlibc\fP(7), \fBstandards\fP(7)
406
407 .\" But beware: the info libc document is out of date (Jul 07, mtk)
408 \fIinfo libc\fP の "Feature Test Macros" の節。
409
410 \fI/usr/include/features.h\fP
411 .SH この文書について
412 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.54 の一部
413 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
414 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。