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[linuxjm/LDP_man-pages.git] / draft / man8 / zic.8
1 .\" %%%LICENSE_START(PUBLIC_DOMAIN)
2 .\" This page is in the public domain
3 .\" %%%LICENSE_END
4 .\"
5 .\"*******************************************************************
6 .\"
7 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
8 .\"
9 .\"*******************************************************************
10 .TH ZIC 8 2010\-02\-25 "" "Linux System Administration"
11 .SH 名前
12 zic \- タイムゾーンコンパイラ
13 .SH 書式
14 \fBzic\fP [ \fB\-v\fP ] [ \fB\-d\fP \fIdirectory\fP ] [ \fB\-l\fP \fIlocaltime\fP ] [ \fB\-p\fP
15 \fIposixrules\fP ] [ \fB\-L\fP \fIleapsecondfilename\fP ] [ \fB\-s\fP ] [ \fB\-y\fP \fIcommand\fP
16 ] [ \fIfilename\fP \&... ]
17 .SH 説明
18 .if  t .ds lq ``
19 .if  t .ds rq ''
20 .if  n .ds lq \&"\"
21 .if  n .ds rq \&"\"
22 .de  q
23 \\$3\*(lq\\$1\*(rq\\$2
24 ..
25 \fIzic\fP はコマンドラインで指定されたファイル (複数指定可) からテキストを読み、
26 時刻変換情報ファイルを生成する。ファイル名も読み込みテキストで指定しておく。 \fIfilename\fP が \fB\-\fP の場合は、標準入力から読み込む。
27 .PP
28 以下のオプションを指定できる:
29 .TP 
30 \fB\-d \fP\fIdirectory\fP
31 時刻変換情報ファイルを生成するディレクトリを、標準のディレクトリ (以下を参照) ではなく指定したディレクトリにする。
32 .TP 
33 \fB\-l \fP\fItimezone\fP
34 指定したタイムゾーンをローカルタイムに用いる。 \fIzic\fP は入力に以下の書式のリンク行が含まれているかのように振る舞う。
35 .sp
36 .ti +.5i
37 Link    \fItimezone\fP          localtime
38 .TP 
39 \fB\-p \fP\fItimezone\fP
40 POSIX 形式のタイムゾーン環境変数を扱うとき、 指定したタイムゾーンのルールを用いる。 \fIzic\fP
41 は入力に以下の書式のリンク行が含まれているかのように振る舞う。
42 .sp
43 .ti +.5i
44 Link    \fItimezone\fP          posixrules
45 .TP 
46 \fB\-L \fP\fIleapsecondfilename\fP
47 閏秒情報を与えられた名前のファイルから読み込む。 このオプションが指定されなかった場合には、 出力ファイルには閏秒の情報は含まれない。
48 .TP 
49 \fB\-v\fP
50 データファイルに現れる年が \fBtime\fP(2)  で表記できる範囲を越えている場合に文句を言う。
51 .TP 
52 \fB\-s\fP
53 出力ファイルに格納される時刻の値を、 signed で評価しても unsigned で 評価しても同じ値になるような範囲に制限する。
54 このオプションを使うと SVVS 互換なファイルを生成することができる。
55 .TP 
56 \fB\-y \fP\fIcommand\fP
57 年の型のチェック (以下参照) に \fByearistype\fP ではなく指定した \fIcommand\fP を用いる。
58 .PP
59 入力行はフィールドからなる。 フィールド間は、連続した任意の個数の空白文字によって区切られる。 行頭・行末の空白文字は無視される。
60 クォートされていないシャープ文字 (#) が入力行に現れた場合は、 そこから行末まではコメントとして扱われる。 空白文字やシャープ文字をダブルクォート
61 (") で囲めば、 フィールドの一部として用いることができる。 (コメント除去処理を行った後のものを含めて) 空行は無視される。 空行以外の行は、 3
62 種類あるタイプの行のいずれかであるとみなされる。 3 つのタイプとは、ルール行 (rule line)、ゾーン行 (zone line)、 リンク行
63 (link line) である。
64 .PP
65 ルール行の書式は以下のようなものである。
66 .nf
67 .ti +.5i
68 .ta \w'Rule\0\0'u +\w'NAME\0\0'u +\w'FROM\0\0'u +\w'1973\0\0'u +\w'TYPE\0\0'u +\w'Apr\0\0'u +\w'lastSun\0\0'u +\w'2:00\0\0'u +\w'SAVE\0\0'u
69 .sp
70 Rule    NAME    FROM    TO      TYPE    IN      ON      AT      SAVE    LETTER/S
71 .sp
72 例:
73 .ti +.5i
74 .sp
75 Rule    US      1967    1973    \-      Apr     lastSun 2:00    1:00    D
76 .sp
77 .fi
78 ルール行を構成するフィールドは以下の通り:
79 .TP  "\w'LETTER/S'u"
80 \fBNAME\fP
81 このルールが所属するルールセットの名前を与える (任意)。
82 .TP 
83 \fBFROM\fP
84 このルールが適用される最初の年を与える。 任意の整数を年として与えることができる。グレゴリオ暦が仮定される。 \fIminimum\fP (あるいはその短縮)
85 は整数表記できる最小の年を意味する。 \fImaximum\fP (あるいはその短縮) は整数表記できる最大の年を意味する。 ルールでは時刻値 (time
86 value) では表記できない時刻も記述できる。 表記できない時刻は無視される。つまりルールは 異なった時刻値の型を持つホスト間でポータブルである。
87 .TP 
88 \fBTO\fP
89 このルールが適用される最後の年を与える。 \fIminimum\fP と \fImaximum\fP (上述) に加え、 \fIonly\fP (またはその短縮)
90 を用いることができ、この場合は \fBFROM\fP フィールドに指定した値と同じ値が用いられる。
91 .TP 
92 \fBTYPE\fP
93 ルールの適用される年のタイプを与える。 \fBTYPE\fP が \fB\-\fP であれば、このルールは \fBFROM\fP から \fBTO\fP に挟まれた (両端含む)
94 全ての年に適用される。 \fBTYPE\fP がそれ以外の場合には、 \fIzic\fP は以下のコマンドを実行して年のタイプをチェックする。
95 .ti +.5i
96 \fByearistype\fP \fIyear\fP \fItype\fP
97 .br
98 返り値が 0 の場合は、その年は与えられたタイプに含まれ、 返り値が 1 の場合は含まれないことになる。
99 .TP 
100 \fBIN\fP
101 ルールが効力を持つ月の名前を指定する。 月名は短縮できる。
102 .TP 
103 \fBON\fP
104 ルールが効力を持つ日の名前を指定する。 以下のような書式を認識する:
105 .nf
106 .in +.5i
107 .sp
108 .ta \w'Sun<=25\0\0'u
109 5       その月の第 5 日
110 lastSun その月の最後の日曜日
111 lastMon その月の最後の月曜日
112 Sun>=8  第 8 日以降の最初の日曜日
113 Sun<=25 第 25 日以前の最後の日曜日
114 .fi
115 .in -.5i
116 .sp
117 曜日の名前は短縮できる。全部綴っても良い。 \fBON\fP フィールドの内部にはスペースを入れてはいけないことに注意。
118 .TP 
119 \fBAT\fP
120 ルールが効力を持つ一日のうちの時刻を与える。 以下のような書式を認識する:
121 .nf
122 .in +.5i
123 .sp
124 .ta \w'1:28:13\0\0'u
125 2       時間での表記
126 2:00    時間と分での表記
127 15:00   24 時間形式の時間 (正午以降)
128 1:28:14 時間・分・秒での表記
129 \-      0 と同じ
130 .fi
131 .in -.5i
132 .sp
133 ここで 0 時はその日のはじまりであり、 24 時はその日の終わりである。 これらの書式のあとには、以下の文字のいずれかを指定することができる。
134 \fIw\fP 与えられた時刻がローカルな
135 .q "壁時計 (wall clock)"
136 時刻である; \fIs\fP 与えられた時刻がローカルな
137 .q "標準 (standard)"
138 時刻である; \fIu\fP (または \fIg\fP または \fIz\fP)  与えられた時刻が標準時 (universal
139 time) である。 これらの表意文字がいずれも指定されなかった場合は、 壁時計時刻が仮定される。
140 .TP 
141 \fBSAVE\fP
142 ルールが効力を持っているとき、ローカルな標準時刻に追加すべき 時間の量を与える。このフィールドの書式は \fBAT\fP フィールドのものと同じである
143 (ただしもちろん \fIw\fP と \fIs\fP の後置文字は用いられない)。
144 .TP 
145 \fBLETTER/S\fP
146 このルールが効力を持っている場合に用いられるタイムゾーン短縮型の
147 .q "可変部 (variable part)
148 を与える (例えば
149 .q EST
150
151 .q EDT
152 における
153 .q S
154
155 .q D
156 など)。 このフィールドが \fB\-\fP であった場合には、
157 可変部は存在しない。
158 .PP
159 ゾーン行の書式は以下のようなものである。
160 .sp
161 .nf
162 .ti +.5i
163 .ta \w'Zone\0\0'u +\w'Australia/Adelaide\0\0'u +\w'UTCOFF\0\0'u +\w'RULES/SAVE\0\0'u +\w'FORMAT\0\0'u
164 Zone    NAME    UTCOFF  RULES/SAVE      FORMAT  [UNTIL]
165 .sp
166 例:
167 .sp
168 .ti +.5i
169 Zone    Australia/Adelaide      9:30    Aus     CST     1971 Oct 31 2:00
170 .sp
171 .fi
172 ゾーン行を構成するフィールドは以下の通り:
173 .TP  "\w'UTCOFF'u"
174 \fBNAME\fP
175 タイムゾーンの名前。この名前がこのゾーンの時刻変換情報ファイルを 生成するときに用いられる。
176 .TP 
177 \fBUTCOFF\fP
178 このゾーンの標準時刻を得るために、 UTC に加える時間。 このフィールドの書式は、ルール行の \fBAT\fP および \fBSAVE\fP
179 フィールドのものと同じである。時間を UTC から引く必要がある場合は マイナス記号を前置する。
180 .TP 
181 \fBRULES/SAVE\fP
182 タイムゾーンに適用されるルールの名前か、あるいは ローカル標準時刻に加えるべき時間の量を指定する。 このフィールドが \fB\-\fP
183 ならば、常に標準時刻がこのゾーンに対して用いられる。
184 .TP 
185 \fBFORMAT\fP
186 このタイムゾーンに対するタイムゾーン短縮名の書式。 2 文字の文字列 \fB%s\fP を用いて、どこが
187 .q 可変部
188 になるかを指定できる。あるいはスラッシュ文字 (/) を用いて 標準の短縮名とサマータイム短縮名を区切ることができる。
189 .TP 
190 \fBUNTIL\fP
191 UTC に対するオフセットか、その場所におけるルールが変更される時刻。 年・月・日・時刻で指定する。
192 これが指定された場合には、タイムゾーンの情報は与えられている UTC オフセットから生成され、ルールは指定時刻になると変更される。
193 月・日・時刻は、ルールの IN, ON, AT カラムと同じ書式で指定する。 この後に続くカラムは省略できる。 省略されたカラムに対しては、
194 可能性のあるもののうち最も早い値がデフォルトで用いられる。
195 .IP
196 この行には必ず
197 .q 継続 (continuation)
198 行が続く。 継続行はゾーン行と同じ書式を持つが、
199 .q Zone
200 と名前は省略される。なぜなら継続行は直前の行の \fBUNTIL\fP フィールドで指定された時刻以降の情報を与えるものだからである。
201 継続行にもゾーン行と同じように \fBUNTIL\fP フィールドを指定することができ、この場合はその次の行が さらなる継続行になることとなる。
202 .PP
203 リンク行の書式は以下のようなものである。
204 .sp
205 .nf
206 .ti +.5i
207 .ta \w'Link\0\0'u +\w'Europe/Istanbul\0\0'u
208 Link    LINK\-FROM      LINK\-TO
209 .sp
210 例:
211 .sp
212 .ti +.5i
213 Link    Europe/Istanbul Asia/Istanbul
214 .sp
215 .fi
216 \fBLINK\-FROM\fP フィールドはゾーン行の \fBNAME\fP フィールドが記述される。 \fBLINK\-TO\fP フィールドはそのゾーンの別名である。
217 .PP
218 Except for continuation lines, lines may appear in any order in the input.
219 .PP
220 ファイル中で閏秒を記述する行は以下のような書式を持つ。
221 .nf
222 .ti +.5i
223 .ta \w'Leap\0\0'u +\w'YEAR\0\0'u +\w'MONTH\0\0'u +\w'DAY\0\0'u +\w'HH:MM:SS\0\0'u +\w'CORR\0\0'u
224 .sp
225 Leap    YEAR    MONTH   DAY     HH:MM:SS        CORR    R/S
226 .sp
227 例:
228 .ti +.5i
229 .sp
230 Leap    1974    Dec     31      23:59:60        +       S
231 .sp
232 .fi
233 .\" There's no need to document the following, since it's impossible for more
234 .\" than one leap second to be inserted or deleted at a time.
235 .\" The C Standard is in error in suggesting the possibility.
236 .\" See Terry J Quinn, The BIPM and the accurate measure of time,
237 .\" Proc IEEE 79, 7 (July 1991), 894-905.
238 .\"     or
239 .\"     .q ++
240 .\"     if two seconds were added
241 .\"     or
242 .\"     .q --
243 .\"     if two seconds were skipped.
244 \fBYEAR\fP, \fBMONTH\fP, \fBDAY\fP, \fBHH:MM:SS\fP は閏秒の生じた瞬間を示す。 \fBCORR\fP
245 フィールドには、秒が挿入された場合
246 .q +
247 を、秒がスキップされた場合
248 .q \-
249 を指定する。 \fBR/S\fP
250 フィールドには、他のフィールドが記述している閏秒の時刻が UTC ならば
251 .q Stationary
252 (あるいはその短縮形)
253 を、ローカルな壁時計時刻なら
254 .q Rolling
255 (あるいはその短縮形) を指定する。
256 .SH ファイル
257 /usr/local/etc/zoneinfo         生成されたファイル用の標準ディレクトリ
258 .SH 注意
259 二つ以上のローカルタイムを持っている地域では、 ローカルな標準時を 最も早い方の時刻変換ルールの \fBAT\fP
260 フィールドに用いる必要があるだろう。さもないと コンパイルされたファイルに記録された最も早い変換時刻が 正しいことが保証されない。
261 .SH 関連項目
262 .\" @(#)zic.8   7.19
263 \fBtzfile\fP(5), \fBzdump\fP(8)
264 .SH この文書について
265 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.52 の一部
266 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
267 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。