OSDN Git Service

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[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man2 / chmod.2
1 .\" Copyright (c) 1992 Drew Eckhardt (drew@cs.colorado.edu), March 28, 1992
2 .\" and Copyright (C) 2006, 2014 Michael Kerrisk
3 .\"
4 .\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
5 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
6 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
7 .\" preserved on all copies.
8 .\"
9 .\" Permission is granted to copy and distribute modified versions of this
10 .\" manual under the conditions for verbatim copying, provided that the
11 .\" entire resulting derived work is distributed under the terms of a
12 .\" permission notice identical to this one.
13 .\"
14 .\" Since the Linux kernel and libraries are constantly changing, this
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20 .\" professionally.
21 .\"
22 .\" Formatted or processed versions of this manual, if unaccompanied by
23 .\" the source, must acknowledge the copyright and authors of this work.
24 .\" %%%LICENSE_END
25 .\"
26 .\" Modified by Michael Haardt <michael@moria.de>
27 .\" Modified 1993-07-21 by Rik Faith <faith@cs.unc.edu>
28 .\" Modified 1997-01-12 by Michael Haardt
29 .\"   <michael@cantor.informatik.rwth-aachen.de>: NFS details
30 .\" Modified 2004-06-23 by Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
31 .\"
32 .\"*******************************************************************
33 .\"
34 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
35 .\"
36 .\"*******************************************************************
37 .\"
38 .\" Japanese Version Copyright (c) 1996 Yosiaki Yanagihara
39 .\"         all rights reserved.
40 .\" Translated 1996-06-24, Yosiaki Yanagihara <yosiaki@bsd2.kbnes.nec.co.jp>
41 .\" Modified 1998-05-11, HANATAKA Shinya <hanataka@abyss.rim.or.jp>
42 .\" Updated & Modified 2001-06-25, Yuichi SATO <ysato@h4.dion.ne.jp>
43 .\" Updated & Modified 2004-12-29, Yuichi SATO <ysato444@yahoo.co.jp>
44 .\" Updated 2008-08-09, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v3.05
45 .\"
46 .TH CHMOD 2 2014\-02\-21 Linux "Linux Programmer's Manual"
47 .SH 名前
48 chmod, fchmod, fchmodat \- ファイルのモードを変更する
49 .SH 書式
50 .nf
51 \fB#include <sys/stat.h>\fP
52 .sp
53 \fBint chmod(const char *\fP\fIpathname\fP\fB, mode_t \fP\fImode\fP\fB);\fP
54 .br
55 \fBint fchmod(int \fP\fIfd\fP\fB, mode_t \fP\fImode\fP\fB);\fP
56 .sp
57 \fB#include <fcntl.h>\fP           /* AT_* 定数の定義 */
58 \fB#include <sys/stat.h>\fP
59 .sp
60 \fBint fchmodat(int \fP\fIdirfd\fP\fB, const char *\fP\fIpathname\fP\fB, mode_t \fP\fImode\fP\fB, int \fP\fIflags\fP\fB);\fP
61 .fi
62 .sp
63 .in -4n
64 glibc 向けの機能検査マクロの要件 (\fBfeature_test_macros\fP(7)  参照):
65 .in
66 .sp
67 .ad l
68 .PD 0
69 \fBfchmod\fP():
70 .RS 4
71 _BSD_SOURCE || _XOPEN_SOURCE\ >=\ 500 || _XOPEN_SOURCE\ &&\ _XOPEN_SOURCE_EXTENDED
72 .br
73 || /* glibc 2.12 以降: */ _POSIX_C_SOURCE\ >=\ 200809L
74 .RE
75 .PD
76 .sp
77 \fBfchmodat\fP():
78 .PD 0
79 .ad l
80 .RS 4
81 .TP  4
82 glibc 2.10 以降:
83 _XOPEN_SOURCE\ >=\ 700 || _POSIX_C_SOURCE\ >=\ 200809L
84 .TP 
85 glibc 2.10 より前:
86 _ATFILE_SOURCE
87 .RE
88 .ad
89 .PD
90 .ad
91 .SH 説明
92 システムコール \fBchmod\fP() と \fBfchmod\fP() は、ファイルのアクセス許可 (permission) を変更する。
93 システムコール間の違いは、ファイルの指定の仕方だけである。
94 .IP * 2
95 \fBchmod\fP()  は、 \fIpathname\fP で指定されたパス名を持つファイルの許可を変更する。 \fIpathname\fP
96 がシンボリックリンクの場合は、リンクの展開が行われる。
97 .IP *
98 \fBfchmod\fP()  は、オープンされたファイルディスクリプタ \fIfd\fP により参照されるファイルの許可を変更する。
99 .PP
100 新しいファイル許可は \fImode\fP で指定される。 \fImode\fP は、以下に示す値の 0 個以上の OR (論理和) をとって作成される
101 ビットマスクである。
102 .TP  18
103 \fBS_ISUID\fP  (04000)
104 set\-user\-ID (\fBexecve\fP(2)  時にプロセスの実効ユーザ ID にセットされる)
105 .TP 
106 \fBS_ISGID\fP  (02000)
107 set\-group\-ID (以下の場合に (\fBexecve\fP(2)  実行時にプロセスの実効グループ ID にセットされる、 強制ロック
108 (mandatory locking) を行う (\fBfcntl\fP(2)  の説明を参照)、
109 新しいファイルのグループとして親ディレクトリと同じものを使う (\fBchown\fP(2)  と \fB(\fPmkdir\fB(2)\fP の説明を参照)
110 .TP 
111 \fBS_ISVTX\fP  (01000)
112 スティッキービット (sticky bit) (削除制限フラグ、 \fBunlink\fP(2)  の説明を参照)
113 .TP 
114 \fBS_IRUSR\fP  (00400)
115 所有者による読み取り
116 .TP 
117 \fBS_IWUSR\fP  (00200)
118 所有者による書き込み
119 .TP 
120 \fBS_IXUSR\fP  (00100)
121 所有者による実行 (execute) / 検索 (search)  (「検索」はディレクトリに対して適用されるもので、
122 そのディレクトリ内のエントリーへアクセスできるかを意味する)
123 .TP 
124 \fBS_IRGRP\fP  (00040)
125 グループによる読み取り
126 .TP 
127 \fBS_IWGRP\fP  (00020)
128 グループによる書き込み
129 .TP 
130 \fBS_IXGRP\fP  (00010)
131 グループによる実行 / 検索
132 .TP 
133 \fBS_IROTH\fP  (00004)
134 他人 (others) による読み取り
135 .TP 
136 \fBS_IWOTH\fP  (00002)
137 他人による書き込み
138 .TP 
139 \fBS_IXOTH\fP  (00001)
140 他人による実行 / 検索
141 .PP
142 呼び出したプロセスの実効 (effective) UID がファイルの所有者と一致するか、 そのプロセスが特権を持たなければならない (Linux では
143 \fBCAP_FOWNER\fP ケーパビリティ (capability) を持たなければならない)。
144
145 呼び出したプロセスに特権がなく (Linux では \fBCAP_FSETID\fP ケーパビリティがなく)、かつファイルのグループ ID が
146 プロセスの実効グループ ID または補助的なグループ ID にマッチしない場合、 \fBS_ISGID\fP
147 ビットはオフにされるが、これによってエラーが返されることはない。
148
149 安全のための処置として、 ファイルシステムによっては、ファイルの書き込みを行う時に セット・ユーザー ID とセット・グループ ID
150 ビットと実行ビットが オフにされることがある。 (Linux では、書き込みプロセスが \fBCAP_FSETID\fP
151 ケーパビリティを持っていない場合に、これが起こる。)  ファイルシステムの中には、スーパーユーザーだけが
152 特別の意味を持つスティッキービットを設定できるものがある。 スティッキービットとディレクトリに対する セット・ユーザー (グループ) ID
153 ビットについては、 \fBstat\fP(2)  を見よ。
154
155 .\"
156 .\"
157 NFS ファイルシステム上では、パーミッションを制限すると、 既にオープンされているファイルに対してすぐに影響が及ぶ。
158 これはアクセス制御がサーバー上で行われているが、 オープンされているファイルはクライアント側で管理されているためである。
159 クライアント側でファイル属性のキャッシュが有効になっている場合に、 パーミッションの制限を緩くすると、
160 他のクライアントに情報が伝わるのが遅れるかもしれない。
161 .SS fchmodat()
162 \fBfchmodat\fP() システムコールは \fBchmod\fP() と全く同様に動作するが、以下で説明する点が異なる。
163
164 \fIpathname\fP で指定されたパス名が相対パスの場合、このパス名はファイルディスクリプター \fIdirfd\fP
165 が参照するディレクトリに対する相対パスと解釈される (\fBchmod\fP()
166 に相対パス名を渡した場合のように、呼び出したプロセスのカレントワーキングディレクトリに対する相対パスではない)。
167
168 \fIpathname\fP で指定されたパス名が相対パスで、 \fIdirfd\fP が特別な値 \fBAT_FDCWD\fP の場合、 (\fBchmod\fP()
169 と同様に) \fIpathname\fP は呼び出したプロセスのカレントワーキングディレクトリに対する相対パスと解釈される。
170
171 \fIpathname\fP で指定されたパス名が絶対パスの場合、 \fIdirfd\fP は無視される。
172
173 \fIflags\fP には 0 か、以下のフラグを指定することができる。
174 .TP 
175 \fBAT_SYMLINK_NOFOLLOW\fP
176 \fIpathname\fP
177 がシンボリックリンクの場合、リンクの展開を行わない。代わりに、リンク自身に対して操作を行う。このフラグは現在のところ実装されていない。
178 .PP
179 \fBfchmodat\fP() の必要性についての説明については \fBopenat\fP(2) を参照。
180 .SH 返り値
181 成功した場合は 0 が返される。エラーの場合は \-1 が返され、 \fIerrno\fP が適切に設定される。
182 .SH エラー
183 ファイルシステムによっては、下記の一覧にない他のエラーが返されることもある。
184
185 \fBchmod\fP() のごく一般的なエラーを挙げる:
186 .TP 
187 \fBEACCES\fP
188 パス名の構成要素に検索許可がない (\fBpath_resolution\fP(7)  も見よ)。
189 .TP 
190 \fBEFAULT\fP
191 \fIpathname\fP がアクセス可能なアドレス空間の外を指している。
192 .TP 
193 \fBEIO\fP
194 I/O エラーが発生した。
195 .TP 
196 \fBELOOP\fP
197 \fIpathname\fP を解決するときに、解決すべきシンボリックリンクが多すぎた。
198 .TP 
199 \fBENAMETOOLONG\fP
200 \fIpathname\fP が長過ぎる。
201 .TP 
202 \fBENOENT\fP
203 ファイルが存在しない。
204 .TP 
205 \fBENOMEM\fP
206 カーネルに十分なメモリがない。
207 .TP 
208 \fBENOTDIR\fP
209 パス名の構成要素がディレクトリではない。
210 .TP 
211 \fBEPERM\fP
212 実効 UID がファイルの所有者と一致せず、プロセスに特権がない (Linux では \fBCAP_FOWNER\fP ケーパビリティを持たない)。
213 .TP 
214 \fBEROFS\fP
215 ファイルが読み込み専用 (read only) のファイルシステム上にある。
216 .PP
217 \fBfchmod\fP()  で一般的なエラーを挙げる:
218 .TP 
219 \fBEBADF\fP
220 ファイルディスクリプタ \fIfd\fP が有効でない。
221 .TP 
222 \fBEIO\fP
223 上記を参照。
224 .TP 
225 \fBEPERM\fP
226 上記を参照。
227 .TP 
228 \fBEROFS\fP
229 上記を参照。
230 .PP
231 \fBchmod\fP() で発生するのと同じエラーが \fBfchmodat\fP() でも起こる。 \fBfchmodat\fP() では以下のエラーも発生する。
232 .TP 
233 \fBEBADF\fP
234 \fIdirfd\fP が適切なファイルディスクリプタでない。
235 .TP 
236 \fBEINVAL\fP
237 \fIflags\fP に無効なフラグが指定された。
238 .TP 
239 \fBENOTDIR\fP
240 \fIpathname\fP が相対パスで、 \fIdirfd\fP がディレクトリ以外のファイルを参照しているファイルディスクリプタである。
241 .TP 
242 \fBENOTSUP\fP
243 \fIflags\fP に対応していないフラグ \fBAT_SYMLINK_NOFOLLOW\fP が指定された。
244 .SH バージョン
245 \fBfchmodat\fP()  はカーネル 2.6.16 で Linux に追加された。 ライブラリによるサポートはバージョン 2.4 以降の glibc
246 で利用できる。
247 .SH 準拠
248 \fBchmod\fP(), \fBfchmod\fP(): 4.4BSD, SVr4, POSIX.1\-2001i, POSIX.1\-2008.
249
250 \fBfchmodat\fP(): POSIX.1\-2008.
251 .SH 注意
252 GNU C ライブラリの \fBfchmodat\fP() ラッパー関数は、このページで説明している POSIX
253 で規定されたインターフェースを実装している。このインターフェースは、内部で呼ばれる Linux のシステムコールとは異なる。システムコールは
254 \fIflags\fP 引き数を\fI持たない\fP。
255 .SH 関連項目
256 \fBchown\fP(2), \fBexecve\fP(2), \fBopen\fP(2), \fBstat\fP(2), \fBpath_resolution\fP(7),
257 \fBsymlink\fP(7)
258 .SH この文書について
259 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.65 の一部
260 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
261 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。