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1 .\" Copyright (C) 1996 Andries Brouwer <aeb@cwi.nl>
2 .\" and Copyright (C) 2006, 2007 Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
3 .\"
4 .\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
5 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
6 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
7 .\" preserved on all copies.
8 .\"
9 .\" Permission is granted to copy and distribute modified versions of this
10 .\" manual under the conditions for verbatim copying, provided that the
11 .\" entire resulting derived work is distributed under the terms of a
12 .\" permission notice identical to this one.
13 .\"
14 .\" Since the Linux kernel and libraries are constantly changing, this
15 .\" manual page may be incorrect or out-of-date.  The author(s) assume no
16 .\" responsibility for errors or omissions, or for damages resulting from
17 .\" the use of the information contained herein.  The author(s) may not
18 .\" have taken the same level of care in the production of this manual,
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20 .\" professionally.
21 .\"
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23 .\" the source, must acknowledge the copyright and authors of this work.
24 .\" %%%LICENSE_END
25 .\"
26 .\" Modified 1997-01-31 by Eric S. Raymond <esr@thyrsus.com>
27 .\" Modified 2000-03-25 by Jim Van Zandt <jrv@vanzandt.mv.com>
28 .\" Modified 2001-10-04 by John Levon <moz@compsoc.man.ac.uk>
29 .\" Modified 2003-02-02 by Andi Kleen <ak@muc.de>
30 .\" Modified 2003-05-21 by Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
31 .\"     MAP_LOCKED works from 2.5.37
32 .\" Modified 2004-06-17 by Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
33 .\" Modified 2004-09-11 by aeb
34 .\" Modified 2004-12-08, from Eric Estievenart <eric.estievenart@free.fr>
35 .\" Modified 2004-12-08, mtk, formatting tidy-ups
36 .\" Modified 2006-12-04, mtk, various parts rewritten
37 .\" 2007-07-10, mtk, Added an example program.
38 .\" 2008-11-18, mtk, document MAP_STACK
39 .\"
40 .\"*******************************************************************
41 .\"
42 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
43 .\"
44 .\"*******************************************************************
45 .TH MMAP 2 2013\-04\-17 Linux "Linux Programmer's Manual"
46 .SH 名前
47 mmap, munmap \- ファイルやデバイスをメモリにマップ/アンマップする
48 .SH 書式
49 .nf
50 \fB#include <sys/mman.h>\fP
51 .sp
52 \fBvoid *mmap(void *\fP\fIaddr\fP\fB, size_t \fP\fIlength\fP\fB, int \fP\fIprot\fP\fB, int \fP\fIflags\fP\fB,\fP
53 \fB           int \fP\fIfd\fP\fB, off_t \fP\fIoffset\fP\fB);\fP
54 \fBint munmap(void *\fP\fIaddr\fP\fB, size_t \fP\fIlength\fP\fB);\fP
55 .fi
56
57 機能検査マクロの要件に関する情報は「注意」の節を参照。
58 .SH 説明
59 \fBmmap\fP()  は、新しいマッピングを呼び出し元プロセスの仮想アドレス空間に作成する。 新しいマッピングの開始アドレスは \fIaddr\fP
60 で指定される。マッピングの長さは \fIlength\fP 引き数で指定される。
61
62 .\" Before Linux 2.6.24, the address was rounded up to the next page
63 .\" boundary; since 2.6.24, it is rounded down!
64 \fIaddr\fP が NULL の場合、カーネルがマッピングを作成するアドレスを選択する。 この方法は最も移植性のある新しいマッピングの作成方法である。
65 \fIaddr\fP が NULL でない場合、カーネルはマッピングをどこに配置するかのヒントとして \fIaddr\fP を使用する。Linux
66 では、マッピングはすぐ近くのページ境界に作成される。 新しいマッピングのアドレスは、呼び出しの返り値として返される。
67
68 ファイルマッピングの内容は、 ファイルディスクリプタ \fIfd\fP で参照されるファイル (もしくは他のオブジェクト) のオフセット \fIoffset\fP
69 から開始される \fIlength\fP バイトのデータで初期化される (ファイルマッピングは無名マッピングの反対語である。 \fBMAP_ANONYMOUS\fP
70 を参照)。 \fIoffset\fP は \fIsysconf(_SC_PAGE_SIZE)\fP が返すページサイズの倍数でなければならない。
71 .LP
72 引き数 \fIprot\fP には、マッピングのメモリ保護をどのように行なうかを指定する (ファイルのオープンモードと矛盾してはいけない)。 \fIprot\fP
73 には、 \fBPROT_NONE\fP か、以下のフラグをひとつ以上ビット毎の論理和 (OR) をとったものを 指定できる。
74 .TP  1.1i
75 \fBPROT_EXEC\fP
76 ページは実行可能である。
77 .TP 
78 \fBPROT_READ\fP
79 ページは読み込み可能である。
80 .TP 
81 \fBPROT_WRITE\fP
82 ページに書き込み可能である。
83 .TP 
84 \fBPROT_NONE\fP
85 ページにはアクセスできない。
86 .LP
87 \fIflags\fP 引き数により、マッピングに対する更新が同じ領域をマッピングしている 他のプロセスに見えるか、更新がマッピング元のファイルを通じて
88 伝えられるか、が決定される。この動作は、以下の値のいずれか一つだけ (複数は指定できない) を \fIflags\fP に含めることで指定する。
89 .TP  1.1i
90 \fBMAP_SHARED\fP
91 このマッピングを共有する。 マッピングに対する更新はこのファイルをマッピングしている他のプロセス
92 から見える。更新はマッピング元のファイルを通じて伝えられる。 ただし、ファイルの実際の更新は \fBmsync\fP(2)  または \fBmunmap\fP()
93 が呼ばれるまで行われないこともある。
94 .TP 
95 \fBMAP_PRIVATE\fP
96 プライベートな copy\-on\-write (書き込み時コピー) マップを生成する。
97 マッピングに対する更新は同じファイルをマッピングしている他のプロセス には見えず、更新がマッピング元のファイルを通じて伝えられることもない。
98 \fBmmap\fP()  の呼び出し後にマッピング元のファイルに対して行われた変更が、 マップ領域に反映されるかどうかは規定されていない。
99 .LP
100 上記の二つのフラグは POSIX.1\-2001 で規定されている。
101
102 さらに、以下の値のうち 0 個以上をビット毎の論理和 (OR) で \fIflags\fP に指定することができる。
103 .TP 
104 \fBMAP_32BIT\fP (Linux 2.4.20, 2.6 以降)
105 .\" See http://lwn.net/Articles/294642 "Tangled up in threads", 19 Aug 08
106 マッピングをプロセスのアドレス空間の先頭 2 ギガバイト以内に配置する。 このフラグがサポートされているのは x86\-64 アーキテクチャ上の 64
107 ビットプログラムのみである。 このフラグが追加されたのは、スレッドのスタックをメモリの先頭 2GB 以内の どこかに割り当てることで、初期のいくつかの
108 64 ビットプロセッサにおける コンテキストスイッチの性能問題を改善するためである。 最近の x86\-64 プロセッサではこの性能問題はもはや存在せず、
109 そのようなシステムではこのフラグを使用する必要はない。 \fBMAP_FIXED\fP がセットされている場合は、 \fBMAP_32BIT\fP
110 フラグは無視される。
111 .TP 
112 \fBMAP_ANON\fP
113 \fBMAP_ANONYMOUS\fP の同義語。非推奨。
114 .TP 
115 \fBMAP_ANONYMOUS\fP
116 マッピングはどのファイルとも関連付けされない。 マッピングの内容は 0 で初期化される。 引き数 \fIfd\fP と \fIoffset\fP は無視される。
117 ただし、実装によっては \fBMAP_ANONYMOUS\fP (もしくは \fBMAP_ANON\fP)  が指定された場合、 \fIfd\fP を \-1
118 にする必要があり、 移植性が必要なアプリケーションでは必ず \fIfd\fP を \-1 にすべきである。 \fBMAP_ANONYMOUS\fP と
119 \fBMAP_SHARED\fP を組み合わせての利用は カーネル 2.4 以降の Linux でのみサポートされている。
120 .TP 
121 \fBMAP_DENYWRITE\fP
122 .\" Introduced in 1.1.36, removed in 1.3.24.
123 このフラグは無視される (ずっと前は、マップ元のファイルへの書き込みを行おうとすると、エラー \fBETXTBUSY\fP
124 で失敗するようにシグナルが設定されていたが、これは denial\-of\-service (サービス拒否) 攻撃の原因となった)。
125 .TP 
126 \fBMAP_EXECUTABLE\fP
127 .\" Introduced in 1.1.38, removed in 1.3.24. Flag tested in proc_follow_link.
128 .\" (Long ago, it signaled that the underlying file is an executable.
129 .\" However, that information was not really used anywhere.)
130 .\" Linus talked about DOS related to MAP_EXECUTABLE, but he was thinking of
131 .\" MAP_DENYWRITE?
132 このフラグは無視される。
133 .TP 
134 \fBMAP_FILE\fP
135 .\" On some systems, this was required as the opposite of
136 .\" MAP_ANONYMOUS -- mtk, 1 May 2007
137 互換性のためのフラグ。無視される。
138 .TP 
139 \fBMAP_FIXED\fP
140 \fIaddr\fP をアドレスのヒントとして使用するのではなく、 \fIaddr\fP で指定されたアドレスをそのまま使用してマッピングを配置する。
141 \fIaddr\fP はページサイズの倍数でなければならない。 \fIaddr\fP と \fIlen\fP
142 で指定されたメモリ領域が既存のマッピングのページと重なる場合、 既存のマッピングの重なった部分は捨てられる。 もし指定されたアドレスが使用できない場合、
143 \fBmmap\fP()  は失敗する。 マッピングに対して固定アドレスを要求するのは移植性の面で劣るので、 このオプションは使用しないことを推奨する。
144 .TP 
145 \fBMAP_GROWSDOWN\fP
146 スタック用に使用される。マッピングをメモリ内で逆向きに行うことを カーネル仮想メモリシステムに指示する。
147 (訳注:マッピングは通常はメモリ・アドレスが増加する向きに行うが、 このオプションを指定すると逆向きにマッピングを行う)
148 .TP 
149 \fBMAP_HUGETLB\fP (Linux 2.6.32 以降)
150 "huge page" を使ってマッピングを割り当てる。詳しい情報は、Linux カーネルソースの
151 \fIDocumentation/vm/hugetlbpage.txt\fP を参照。
152 .TP 
153 \fBMAP_LOCKED\fP (Linux 2.5.37 以降)
154 .\" If set, the mapped pages will not be swapped out.
155 マップされた領域のページを \fBmlock\fP(2)  の方法でメモリ内にロックする。 それ以前のカーネルでは、このフラグは無視される。
156 .TP 
157 \fBMAP_NONBLOCK\fP (Linux 2.5.46 以降)
158 \fBMAP_POPULATE\fP と組み合わせた場合のみ意味を持つ。 read\-ahead (前もって読み込むこと) を実行しない。 単に、すでに RAM
159 上に存在するページに対してのみページテーブルエントリを作成する。 Linux 2.6.23 以降では、このフラグは \fBMAP_POPULATE\fP
160 に何の影響も与えない。 いつか \fBMAP_POPULATE\fP と \fBMAP_NONBLOCK\fP
161 を組み合わせた場合の動作は実装し直されるかもしれない。
162 .TP 
163 \fBMAP_NORESERVE\fP
164 このマッピングに対するスワップ空間の予約を行わない。 スワップ空間を予約した場合は、このマッピングの変更が必ず可能なことが
165 保証される。予約を行わなかった場合、物理メモリに空きがないと 書き込み時に \fBSIGSEGV\fP エラーを受け取ることがある。 \fBproc\fP(5)
166 の \fI/proc/sys/vm/overcommit_memory\fP ファイルについての議論も参照。 バージョン 2.6
167 より前のカーネルでは、このフラグは書き込み可能な プライベート・マッピングについてのみ効果があった。
168 .TP 
169 \fBMAP_POPULATE\fP (Linux 2.5.46 以降)
170 マッピング用のページテーブルを配置 (populate) する ファイルマッピングの場合には、これによりファイルが先読み (read\-ahead)
171 が行われる。この以後は、マッピングに対するアクセスがページフォールトで ブロックされることがなくなる。 Linux 2.6.23
172 以降でのみプライベート・マッピングについて \fBMAP_POPULATE\fP がサポートされている。
173 .TP 
174 \fBMAP_STACK\fP (Linux 2.6.27 以降)
175 .\" See http://lwn.net/Articles/294642 "Tangled up in threads", 19 Aug 08
176 .\" commit cd98a04a59e2f94fa64d5bf1e26498d27427d5e7
177 .\" http://thread.gmane.org/gmane.linux.kernel/720412
178 .\" "pthread_create() slow for many threads; also time to revisit 64b
179 .\"  context switch optimization?"
180 プロセスやスレッドのスタックに適したアドレスにマッピングを割り当てる。 現在のところ、このフラグは何もしないが、 glibc
181 のスレッド実装では使用されている。 これは、いくつかのアーキテクチャではスタックの割り当てに関して特別な扱い が必要な場合に、glibc
182 にそのサポートを後で透過的に実装できるようにする ためである。
183 .TP 
184 \fBMAP_UNINITIALIZED\fP (Linux 2.6.33 以降)
185 無名ページ (anonymous page) のクリアを行わない。このフラグは組み込みデバイス
186 での性能向上を目的に作られてものである。カーネルの設定で
187 \fBCONFIG_MMAP_ALLOW_UNINITIALIZED\fP オプションが有効になっている場合のみ、
188 このフラグは効果を持つ。
189 セキュリティ面の考慮から、このオプションは通常組み込みデバイス (すなわち、
190 ユーザメモリの内容を完全に制御化におけるデバイス) においてのみ有効にされる。
191 .LP
192 上記のフラグの中では、 \fBMAP_FIXED\fP だけが POSIX.1\-2001 で規定されている。 しかしながら、ほとんどのシステムで
193 \fBMAP_ANONYMOUS\fP (またはその同義語である \fBMAP_ANON\fP)  もサポートされている。
194 .LP
195 いくつかのシステムでは、上記以外にフラグとして \fBMAP_AUTOGROW\fP, \fBMAP_AUTORESRV\fP, \fBMAP_COPY\fP,
196 \fBMAP_LOCAL\fP が規定されている。
197 .LP
198 \fBmmap\fP()  によってマップされたメモリの属性は \fBfork\fP(2)  の際に継承される。
199 .LP
200 ファイルはページサイズの整数倍の領域にマップされる。サイズがページサイズの 整数倍でないファイルの場合、マップ時に残りの領域は 0
201 で埋められ、この領域へ 書きこみを行ってもファイルに書き出されることはない。マッピングを行った元
202 ファイルのサイズを変更した場合、元ファイルの追加されたり削除された領域に対応 するマップされたページに対してどのような影響があるかは規定されていない。
203 .SS munmap()
204 システムコール \fBmunmap\fP()  は指定されたアドレス範囲のマップを消去し、 これ以降のその範囲内へのメモリ参照は不正となる。
205 この領域は、プロセスが終了したときにも自動的にアンマップされる。 一方、ファイル記述子をクローズしても、この領域はアンマップされない。
206 .LP
207 \fIaddr\fP アドレスはページサイズの整数倍でなければならない。指定された範囲の一部分を
208 含む全てのページはアンマップされ、これ以降にこれらのページへの参照があると \fBSIGSEGV\fP が発生する。
209 指定した範囲内にマップされたページが一つも含まれていない場合でも エラーにならない。
210 .SS ファイルと関連付けられたマッピングに対するタイムスタンプの更新
211 ファイルと関連付けられたマッピングの場合、マッピングされたファイルの \fIst_atime\fP フィールドは、 \fBmmap\fP()  されてからアンマップ
212 (unmap) されるまでの間に更新されることがある。 それまでに更新が行われていなければ、マップされたページへの最初の参照があった 際に更新される。
213 .LP
214 \fBPROT_WRITE\fP と \fBMAP_SHARED\fP の両方を指定してマップされたファイルの場合、書き込みがあると、 \fIst_ctime\fP と
215 \fIst_mtime\fP の両フィールドは、マップされた領域への書き込みより後で、 \fBMS_SYNC\fP または \fBMS_ASYNC\fP フラグを指定して
216 \fBmsync\fP(2)  が呼ばれる前までに更新される。
217 .SH 返り値
218 \fBmmap\fP()  は成功するとマップされた領域へのポインタを返す。 失敗すると値 \fBMAP_FAILED\fP (つまり \fI(void\ *)\ \-1\fP)  を返し、 \fIerrno\fP がエラーの内容にしたがってセットされる。 \fBmunmap\fP()  は成功すると 0 を返す。失敗すると \-1
219 を返し、 \fIerrno\fP がセットされる (多くの場合 \fBEINVAL\fP になるだろう)。
220 .SH エラー
221 .TP 
222 \fBEACCES\fP
223 以下のいずれかの場合。 ファイル記述子の参照先が通常のファイルではない (non\-regular file) 。 \fBMAP_PRIVATE\fP
224 を要求したが \fIfd\fP は読み込み用にオープンされていない。 \fBMAP_SHARED\fP を要求して \fBPROT_WRITE\fP をセットしたが
225 \fIfd\fP は読み書きモード (\fBO_RDWR\fP)  でオープンされていない、 \fBPROT_WRITE\fP をセットしたが、ファイルは追加
226 (append) 専用である。
227 .TP 
228 \fBEAGAIN\fP
229 ファイルがロックされている。またはロックされているメモリが多すぎる (\fBsetrlimit\fP(2)  を参照)。
230 .TP 
231 \fBEBADF\fP
232 \fIfd\fP が有効なファイル記述子 (file descriptor) ではない (かつ \fBMAP_ANONYMOUS\fP がセットされていない)。
233 .TP 
234 \fBEINVAL\fP
235 \fIaddr\fP か \fIlength\fP か \fIoffset\fP が適切でない (例えば、大きすぎるとか、ページ境界にアラインメントされていない)。
236 .TP 
237 \fBEINVAL\fP
238 (Linux 2.6.12 以降)  \fIlength\fP が 0 であった。
239 .TP 
240 \fBEINVAL\fP
241 \fIflags\fP に \fBMAP_PRIVATE\fP と \fBMAP_SHARED\fP のどちらも含まれていなかった、もしくは その両方が含まれていた。
242 .TP 
243 \fBENFILE\fP
244 .\" This is for shared anonymous segments
245 .\" [2.6.7] shmem_zero_setup()-->shmem_file_setup()-->get_empty_filp()
246 .\" .TP
247 .\" .B ENOEXEC
248 .\" A file could not be mapped for reading.
249 システム全体でオープンされているファイルの総数が上限に達した。
250 .TP 
251 \fBENODEV\fP
252 指定されたファイルが置かれているファイルシステムがメモリマッピングをサポート していない。
253 .TP 
254 \fBENOMEM\fP
255 メモリに空きがない、または処理中のプロセスのマッピング数が最大数を超過した。
256 .TP 
257 \fBEPERM\fP
258 .\" (Since 2.4.25 / 2.6.0.)
259 \fIprot\fP 引き数は \fBPROT_EXEC\fP を行うように指定されているが、 no\-exec でマウントされたファイルシステム上のファイルに
260 マップ領域が対応している。
261 .TP 
262 \fBETXTBSY\fP
263 \fBMAP_DENYWRITE\fP がセットされているが \fIfd\fP で指定されているオブジェクトは書き込み用に開かれている。
264 .TP 
265 \fBEOVERFLOW\fP
266 32 ビットアーキテクチャで large file 拡張を使っている場合 (つまり 64 ビットの \fIoff_t\fP を使う場合)、 \fIlength\fP
267 で使うページ数と \fIoffset\fP で使うページ数を足した値は \fIunsigned long\fP (32 ビット) を超えてしまう
268 (オーバーフローしてしまう) 場合がある。
269 .LP
270 マップ領域を利用する際に、以下のシグナルが発生することがある:
271 .TP 
272 \fBSIGSEGV\fP
273 読み込み専用で mmap された領域へ書き込みを行おうとした。
274 .TP 
275 \fBSIGBUS\fP
276 バッファのうち、ファイルに関連づけられていない部分 (例えばファイル末尾を越えた部分など。これには
277 他のプロセスがファイルを切り詰めた場合なども含まれる)  にアクセスしようとした。
278 .SH 準拠
279 .\" SVr4 documents additional error codes ENXIO and ENODEV.
280 .\" SUSv2 documents additional error codes EMFILE and EOVERFLOW.
281 SVr4, 4.4BSD, POSIX.1\-2001.
282 .SH 可用性
283 .\" POSIX.1-2001: It shall be defined to -1 or 0 or 200112L.
284 .\" -1: unavailable, 0: ask using sysconf().
285 .\" glibc defines it to 1.
286 \fBmmap\fP(), \fBmsync\fP(2)  \fBmunmap\fP()  が利用可能な POSIX システムでは、
287 \fB_POSIX_MAPPED_FILES\fP は <unistd.h> で 0 より大きな値に定義される (\fBsysconf\fP(3)
288 も参照のこと)。
289 .SH 注意
290 .\" Since around glibc 2.1/2.2, depending on the platform.
291 このページでは glibc の \fBmmap\fP() のラッパー関数が提供するインターフェースに
292 ついて説明している。元々は、この関数は同じ名前のシステムコールを起動していた。
293 カーネル 2.4 以降、このシステムコールは \fBmmap2\fP(2) に取って代わられ、現在
294 では、 glibc の \fBmmap\fP() のラッパー関数は \fIoffset\fP を適切に調整してから
295 \fBmmap2\fP(2) を起動する。
296
297 (i386 などの) いくつかのアーキテクチャでは、 \fBPROT_WRITE\fP をセットすると、暗黙のうちに \fBPROT_READ\fP
298 がセットされる。 \fBPROT_READ\fP をセットした際に暗黙のうちに \fBPROT_EXEC\fP がセットされるかどうかは、アーキテクチャ依存である。
299 移植性を考慮したプログラムでは、 新規にマップした領域でコードを実行したい場合は、常に \fBPROT_EXEC\fP をセットすべきである。
300
301 マッピングを作成する移植性のある方法は、 \fIaddr\fP に 0 (NULL) を指定し、 \fIflags\fP から \fBMAP_FIXED\fP
302 を外すことである。 この場合、システムがマッピング用のアドレスの選択を行う。 アドレスは既存のマッピングと衝突しないように、 かつ 0
303 にならないように選択される。 \fBMAP_FIXED\fP フラグが指定され、かつ \fIaddr\fP が 0 (NULL)
304 の場合には、マップされるアドレスが 0 (NULL) になる。
305
306 特定の \fIflags\fP 定数は \fB_BSD_SOURCE\fP か \fB_SVID_SOURCE\fP のいずれかが定義された場合にのみ定義される。
307 (\fB_GNU_SOURCE\fP も定義されている必要がある。これらのフラグはすべて Linux 固有のものなので、 特に \fB_GNU_SOURCE\fP
308 を必要とする点はもっと論理的に決められるべきであった。) 関係するフラグは \fBMAP_32BIT\fP, \fBMAP_ANONYMOUS\fP
309 (とその同義語の \fBMAP_ANON\fP), \fBMAP_DENYWRITE\fP, \fBMAP_EXECUTABLE\fP, \fBMAP_FILE\fP,
310 \fBMAP_GROWSDOWN\fP, \fBMAP_HUGETLB\fP, \fBMAP_LOCKED\fP, \fBMAP_NONBLOCK\fP,
311 \fBMAP_NORESERVE\fP, \fBMAP_POPULATE\fP, \fBMAP_STACK\fP である。
312 .SH バグ
313 Linux においては、上記の \fBMAP_NORESERVE\fP で述べられているような保証はない。
314 デフォルトでは、システムがメモリを使い切った場合には、 どのプロセスがいつ強制終了されるか分からないからである。
315
316 2.6.7 より前のカーネルでは、 \fIprot\fP に \fBPROT_NONE\fP が指定された場合にのみ、 \fBMAP_POPULATE\fP
317 フラグが効力を持つ。
318
319 SUSv3 では、 \fIlength\fP が 0 の場合、 \fBmmap\fP()  は失敗すると規定されている。しかしながら、2.6.12
320 より前のカーネルでは、 この場合に \fBmmap\fP()  は成功していた (マッピングは作成されず、 \fIaddr\fP が返されていた)。 カーネル
321 2.6.12 以降では、 \fBmmap\fP()  はエラー \fBEINVAL\fP で失敗する。
322
323 POSIX では、 システムはオブジェクト末尾の部分ページを常に 0 で埋め、 末尾より後ろのオブジェクトを決して変更してはならない、と規定している。
324 Linux では、 オブジェクト末尾より後ろの部分ページにデータを書き込んだ場合、
325 そのファイルをクローズしてアンマップした後であってもページキャッシュにデータが残り続け、 データがファイル自体に書き込まれていなくても、
326 それ以降のマッピングで変更された内容が見える可能性がある。 いくつかの場合では、 アンマップを行う前に \fBmsync\fP(2) を呼び出すことで、
327 この状況を修正することができる。 しかし、 これは tmpfs では機能しない (例えば、 \fBshm_overview\fP(7) で説明されている
328 POSIX 共有メモリインターフェースを使った場合)。
329 .SH 例
330 .\" FIXME . Add an example here that uses an anonymous shared region for
331 .\" IPC between parent and child.
332 .PP
333 以下のプログラムは、一番目のコマンドライン引き数で指定された ファイルの一部を標準出力に表示する。
334 表示する範囲は、二番目、三番目のコマンドライン引き数で渡される オフセットと長さで指定される。
335 このプログラムは、指定されたファイルの必要なページのメモリ・ マッピングを作成し、 \fBwrite\fP(2)  を使って所望のバイトを出力する。
336 .nf
337
338 #include <sys/mman.h>
339 #include <sys/stat.h>
340 #include <fcntl.h>
341 #include <stdio.h>
342 #include <stdlib.h>
343 #include <unistd.h>
344
345 #define handle_error(msg) \e
346     do { perror(msg); exit(EXIT_FAILURE); } while (0)
347
348 int
349 main(int argc, char *argv[])
350 {
351     char *addr;
352     int fd;
353     struct stat sb;
354     off_t offset, pa_offset;
355     size_t length;
356     ssize_t s;
357
358     if (argc < 3 || argc > 4) {
359         fprintf(stderr, "%s file offset [length]\en", argv[0]);
360         exit(EXIT_FAILURE);
361     }
362
363     fd = open(argv[1], O_RDONLY);
364     if (fd == \-1)
365         handle_error("open");
366
367     if (fstat(fd, &sb) == \-1)           /* To obtain file size */
368         handle_error("fstat");
369
370     offset = atoi(argv[2]);
371     pa_offset = offset & ~(sysconf(_SC_PAGE_SIZE) \- 1);
372         /* offset for mmap() must be page aligned */
373
374     if (offset >= sb.st_size) {
375         fprintf(stderr, "offset is past end of file\en");
376         exit(EXIT_FAILURE);
377     }
378
379     if (argc == 4) {
380         length = atoi(argv[3]);
381         if (offset + length > sb.st_size)
382             length = sb.st_size \- offset;
383                 /* Can\(aqt display bytes past end of file */
384
385     } else {    /* No length arg ==> display to end of file */
386         length = sb.st_size \- offset;
387     }
388
389     addr = mmap(NULL, length + offset \- pa_offset, PROT_READ,
390                 MAP_PRIVATE, fd, pa_offset);
391     if (addr == MAP_FAILED)
392         handle_error("mmap");
393
394     s = write(STDOUT_FILENO, addr + offset \- pa_offset, length);
395     if (s != length) {
396         if (s == \-1)
397             handle_error("write");
398
399         fprintf(stderr, "partial write");
400         exit(EXIT_FAILURE);
401     }
402
403     exit(EXIT_SUCCESS);
404 }
405 .fi
406 .SH 関連項目
407 \fBgetpagesize\fP(2), \fBmincore\fP(2), \fBmlock\fP(2), \fBmmap2\fP(2), \fBmprotect\fP(2),
408 \fBmremap\fP(2), \fBmsync\fP(2), \fBremap_file_pages\fP(2), \fBsetrlimit\fP(2),
409 \fBshmat\fP(2), \fBshm_open\fP(3), \fBshm_overview\fP(7)
410
411 \fBproc\fP(5) の \fI/proc/[pid]/maps\fP, \fI/proc/[pid]/map_files\fP,
412 \fI/proc/[pid]/smaps\fP の説明。
413
414 .\"
415 .\" Repeat after me: private read-only mappings are 100% equivalent to
416 .\" shared read-only mappings. No ifs, buts, or maybes. -- Linus
417 B.O. Gallmeister, POSIX.4, O'Reilly, pp. 128\-129 and 389\-391.
418 .SH この文書について
419 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.53 の一部
420 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
421 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。