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28 .\" Applied patch by Terran Melconian, aeb, 2001-12-14.
29 .\" Modified by Hacksaw <hacksaw@hacksaw.org> 2003-03-13.
30 .\" Modified by Matt Domsch, 2003-04-09: _init and _fini obsolete
31 .\" Modified by Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com> 2003-05-16.
32 .\" Modified by Walter Harms: dladdr, dlvsym
33 .\" Modified by Petr Baudis <pasky@suse.cz>, 2008-12-04: dladdr caveat
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36 .\" Translated Sat May 23 1998 by NAKANO Takeo <nakano@apm.seikei.ac.jp>
37 .\" Updated & Modified 1999-09-14, NAKANO Takeo
38 .\" Modified 2000-03-19, HANATAKA Shinya <hanataka@abyss.rim.or.jp>
39 .\" Updated 2001-02-16, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
40 .\" Updated 2001-12-21, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
41 .\" Updated 2002-10-21, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
42 .\" Updated 2003-09-01, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
43 .\" Updated 2005-03-15, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>
44 .\" Updated 2006-01-20, Akihiro MOTOKI
45 .\" Updated 2009-03-02, Akihiro MOTOKI, LDP v3.19
48 .\"WORD: dynamic linking 動的リンク
49 .\"WORD: dynamic library 動的ライブラリ
51 .TH DLOPEN 3 2008-12-06 "Linux" "Linux Programmer's Manual"
53 dlclose, dlerror, dlopen, dlsym \- 動的リンクを行うローダへの
58 .BI "void *dlopen(const char *" filename ", int " flag );
60 .B "char *dlerror(void);"
62 .BI "void *dlsym(void *" handle ", const char *" symbol );
64 .BI "int dlclose(void *" handle );
72 の 4つの関数は、動的リンク (dynamic linking) を行うローダへの
83 のいずれかで最後に発生したエラーについての説明メッセージを返す。
84 初期化後または前回呼び出された後で、エラーが発生していなければ NULL を返す。
90 で指定されたファイル名の動的ライブラリ (dynamic library) をロードし、
91 その動的ライブラリへの内部「ハンドル」を返す。
93 が NULL の場合、メイン・プログラムへのハンドルが返される。
95 がスラッシュ ("/") を含む場合、(相対か絶対かの)パス名として解釈される。
96 それ以外の場合、動的リンカは以下の手順でライブラリを検索する
101 (ELF のみ) 呼び出し元プログラムの実行ファイルに DT_RPATH タグが含まれており、
102 DT_RUNPATH タグが含まれていない場合、DT_RPATH タグに書かれている
107 にコロン区切りのディレクトリのリストが定義されていれば、
108 この環境変数に定義されたディレクトリが検索される
109 (セキュリティ上の理由で、この変数は set-UID や set-GID された
112 (ELF のみ) 呼び出し元プログラムの実行ファイルに DT_RUNPATH タグが含まれて
113 いる場合、そのタグに書かれているディレクトリ・リストを検索する。
120 .RB ( /etc/ld.so.cache
131 そのライブラリが他の共有ライブラリに依存している場合は、
132 依存しているライブラリも動的リンカが同じ検索ルールに基づいて
133 自動的にロードする (それらのライブラリにさらに依存関係がある場合などは
137 には以下の 2 つの値のいずれかを含めなければならない:
140 lazy binding (手抜きなシンボルの結び付け) が行う。
141 シンボルの解決はそのシンボルを参照するコードが実行されるときにのみ
142 行われる。シンボルが一度も参照されなかった場合には、そのシンボルは
144 (lazy binding は関数参照についてのみ実施される; 変数への参照は常に
145 ライブラリがロードされた時点で直ちに解決される。)
151 ライブラリ中の未定義のシンボルを全て解決してから
153 は復帰する。解決できなかったときにはエラーが返される。
155 以下の値のうち 0 個以上を論理和 (OR) の形で
160 このライブラリで定義されているシンボルが、これより後でロードされる
161 ライブラリのシンボル解決で利用できるようになる。
166 の反対の意味であり、どちらのフラグも指定されなかった場合は
168 このライブラリで定義されているシンボルは、これより後でロードされる
169 ライブラリでのシンボル参照で利用できない。
171 .BR RTLD_NODELETE " (glibc 2.2 以降)"
176 で再度ロードした場合に、ライブラリ内の静的変数は再初期化されない。
177 このフラグは POSIX.1-2001 では規定されていない。
178 .\" (しかし Solaris に存在する)
180 .BR RTLD_NOLOAD " (glibc 2.2 以降)"
182 このフラグはそのライブラリがすでに組み込まれているかを検査するのに
185 は、ライブラリが組み込まれていなければ NULL を返し、
186 すでに組み込まれていればそのライブラリのハンドルを返す)。
187 また、すでにロードされているライブラリのフラグを昇格させるのにも
191 .BR RTLD_NOLOAD\ |\ RTLD_GLOBAL
193 このフラグは POSIX.1-2001 では規定されていない。
194 .\" (しかし Solaris に存在する)
196 .BR RTLD_DEEPBIND " (glibc 2.3.4 以降)"
197 .\" Inimitably described by UD in
198 .\" http://sources.redhat.com/ml/libc-hacker/2004-09/msg00083.html.
199 このライブラリ内のシンボルの参照領域をグローバル領域よりも前に配置する。
200 つまり、内蔵型のライブラリでは、すでにロードされたライブラリに含まれる
201 同じ名前のグローバルなシンボルよりも自ライブラリ内のシンボルが優先して
203 このフラグは POSIX.1-2001 では規定されていない。
207 返されるハンドルはメイン・プログラムのものになる。
210 に渡されると、シンボルの検索は、メイン・プログラム内、
211 プログラムの起動時にロードされる全ての共有ライブラリ、
215 フラグ付きでロードされた全ての共有ライブラリ、の順序で行われる。
217 オープンされたライブラリ中での外部参照は、
218 そのライブラリの依存リストにあるライブラリか、
220 フラグ付きで既にオープンされているライブラリを使って解決される。
221 実行ファイルが "\-rdynamic" フラグ ("\-\-export\-dynamic" も同義)
222 付きでリンクされている場合は、実行ファイル中のグローバルシンボルも、
223 動的にロードされるライブラリ内の参照解決に用いられる。
227 によって再度ロードされた場合には、同じファイルハンドルが返される。
228 dl ライブラリはライブラリハンドルのリンク数を管理している。
233 と同じ回数だけ呼び出されない限りアンロードされない。
243 で以前にロードされたライブラリのシンボル解決が実行されることがある。
246 は、何らかの理由で失敗すると NULL を返す。
254 NULL 終端されたシンボル名の文字列を引き数に取り、
255 そのシンボルがロードされたメモリのアドレスを返す。
256 シンボルが、指定されたライブラリと、指定されたライブラリがロードされる際に
258 が自動的にロードしてライブラリのいずれにも見つからない場合には、
262 による検索は、これらのライブラリの依存関係のツリーを先頭から
264 実際にはシンボルの値自体が NULL になることもある (そのため、
266 の返り値が NULL であったとしても必ずしもエラーという訳ではない)。
267 エラーかどうかを確認する正しい方法は以下の通りである:
269 を呼び出して以前のエラー状態をクリアしてから、
275 の返り値を変数に保存し、保存した値が NULL であるか判定する。
282 は、デフォルトのライブラリ検索順序にしたがって、
283 検索対象のシンボルが最初に現れるところを探す。
285 は、ライブラリ検索順序の中で現在のライブラリ以降で最初に
286 関数が現れるところを探す。この機能を使うことで、別の共有ライブラリの
293 の参照カウントを 1 減らす。参照カウントが 0 になり、ロードされている
294 他のライブラリからそのライブラリ内のシンボルが使われていなければ、
299 は、成功した場合は 0 を返し、エラーの場合 0 以外を返す。
300 .SS "廃止されたシンボル _init() と _fini()"
308 という名前のルーチンがエクスポートされていれば、
314 という名前のルーチンがエクスポートされていれば、
315 ライブラリがアンロードされる直前にそのルーチンが呼び出される。
316 システムの起動ファイルに対するリンクを避ける必要がある場合、
327 これらを使うと、望ましくない動作をすることがある。
328 なぜなら、(特別な措置が行われない限り) これらの constructor/destructor
330 .\" void _init(void) __attribute__((constructor));
331 .\" void _fini(void) __attribute__((destructor));
334 .B __attribute__((constructor))
336 .B __attribute__((destructor))
337 の関数属性を使って必要なルーチンをエクスポートするのがよい。
338 これらについては gcc の info ページを参照のこと。
345 .SS GNU での拡張: dladdr() と dlvsym()
346 glibc では POSIX には記載されていない関数が 2つ追加されている。
350 .BR "#define _GNU_SOURCE" " /* feature_test_macros(7) 参照 */"
351 .B #include <dlfcn.h>
353 .BI "int dladdr(void *" addr ", Dl_info *" info );
355 .BI "void *dlvsym(void *" handle ", char *" symbol ", char *" version );
360 は、関数のポインタを引き数にとり、関数の名前と関数が定義されている
368 const char *dli_fname; /* Pathname of shared object that
370 void *dli_fbase; /* Address at which shared object
372 const char *dli_sname; /* Name of nearest symbol with address
373 lower than \fIaddr\fP */
374 void *dli_saddr; /* Exact address of symbol named
375 in \fIdli_sname\fP */
381 にマッチするシンボルが見つからなかった場合、
388 は、エラー時には 0 を返し、成功した場合は 0 以外を返す。
394 と同じ動作をするが、バージョンの文字列を渡す引き数が
397 はバージョン 2.1 以降の glibc で提供されている)。
419 .\" が返す文字列は変更すべきではない。システムによっては、
420 .\" 以下のようなプロトタイプになっている。
423 .\" .B "const char *dlerror(void);"
428 を使って、ライブラリがアンロードされる際に自動的に呼び出される
429 終了ハンドラ (exit handler) を登録することができる。
431 dlopen インターフェースの標準は SunOS をもとにしている。
440 に渡した関数ポインタは驚くような値になることがある。
441 いくつかのアーキテクチャ (特に i386 と x86_64) では、
442 引き数として使用した関数が動的リンクライブラリで定義されるもので
449 を呼び出したオブジェクトを参照した状態で終わっていることがある。
451 問題は、関数ポインタの解決は今なおコンパイル時に行われるが、
454 (Procedure Linkage Table) セクションを指しているだけだという点にある
455 (オブジェクト自体は、ダイナミックリンカによってシンボルの解決が行われた後に、
458 コードを position-independent でコンパイルするという方法がある。
459 そうすると、コンパイラはコンパイル時にポインタを用意することができず、
466 (Global Offset Table) から最終的なシンボルのアドレスをロードするだけの
469 math ライブラリをロードし、2.0 の余弦を表示する
477 main(int argc, char **argv)
480 double (*cosine)(double);
483 handle = dlopen("libm.so", RTLD_LAZY);
485 fprintf(stderr, "%s\en", dlerror());
489 dlerror(); /* Clear any existing error */
491 /* Writing: cosine = (double (*)(double)) dlsym(handle, "cos");
492 would seem more natural, but the C99 standard leaves
493 casting from "void *" to a function pointer undefined.
494 The assignment used below is the POSIX.1\-2003 (Technical
495 Corrigendum 1) workaround; see the Rationale for the
496 POSIX specification of dlsym(). */
498 *(void **) (&cosine) = dlsym(handle, "cos");
499 .\" But in fact "gcc -O2 -Wall" will complain about the preceding cast.
501 if ((error = dlerror()) != NULL) {
502 fprintf(stderr, "%s\en", error);
506 printf("%f\en", (*cosine)(2.0));
512 このプログラムを "foo.c" に書いたとすると、以下のコマンドでプログラムを
516 gcc \-rdynamic \-o foo foo.c \-ldl
523 以下のようにしてコンパイルする必要がある。
524 例として \fIbar.c\fP をコンパイルする場合:
527 gcc \-shared \-nostartfiles \-o bar bar.c
532 .BR dl_iterate_phdr (3),
536 ld.so info pages, gcc info pages, ld info pages