release/man3/getaddrinfo.3

   1 .\" Copyright (c) 2007, 2008 Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
   2 .\" and Copyright (c) 2006 Ulrich Drepper <drepper@redhat.com>
   3 .\" A few pieces of an earlier version remain:
   4 .\" Copyright 2000, Sam Varshavchik <mrsam@courier-mta.com>
   5 .\"
   6 .\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
   7 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
   8 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
   9 .\" preserved on all copies.
  10 .\"
  11 .\" Permission is granted to copy and distribute modified versions of this
  12 .\" manual under the conditions for verbatim copying, provided that the
  13 .\" entire resulting derived work is distributed under the terms of a
  14 .\" permission notice identical to this one.
  15 .\"
  16 .\" Since the Linux kernel and libraries are constantly changing, this
  17 .\" manual page may be incorrect or out-of-date.  The author(s) assume no
  18 .\" responsibility for errors or omissions, or for damages resulting from
  19 .\" the use of the information contained herein.  The author(s) may not
  20 .\" have taken the same level of care in the production of this manual,
  21 .\" which is licensed free of charge, as they might when working
  22 .\" professionally.
  23 .\"
  24 .\" Formatted or processed versions of this manual, if unaccompanied by
  25 .\" the source, must acknowledge the copyright and authors of this work.
  26 .\" %%%LICENSE_END
  27 .\"
  28 .\" References: RFC 2553
  29 .\"
  30 .\" 2005-08-09, mtk, added AI_ALL, AI_ADDRCONFIG, AI_V4MAPPED,
  31 .\"                     and AI_NUMERICSERV.
  32 .\" 2006-11-25, Ulrich Drepper <drepper@redhat.com>
  33 .\"     Add text describing Internationalized Domain Name extensions.
  34 .\" 2007-06-08, mtk: added example programs
  35 .\" 2008-02-26, mtk; clarify discussion of NULL 'hints' argument; other
  36 .\"     minor rewrites.
  37 .\" 2008-06-18, mtk: many parts rewritten
  38 .\" 2008-12-04, Petr Baudis <pasky@suse.cz>
  39 .\"     Describe results ordering and reference /etc/gai.conf.
  40 .\" FIXME . glibc's 2.9 NEWS file documents DCCP and UDP-lite support
  41 .\"           and is SCTP support now also there?
  42 .\"
  43 .\"*******************************************************************
  44 .\"
  45 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
  46 .\"
  47 .\"*******************************************************************
  48 .TH GETADDRINFO 3 2013\-01\-15 GNU "Linux Programmer's Manual"
  49 .SH 名前
  50 getaddrinfo, freeaddrinfo, gai_strerror \- ネットワークのアドレスとサービスを変換する
  51 .SH 書式
  52 .nf
  53 \fB#include <sys/types.h>\fP
  54 \fB#include <sys/socket.h>\fP
  55 \fB#include <netdb.h>\fP
  56 .sp
  57 \fBint getaddrinfo(const char *\fP\fInode\fP\fB, const char *\fP\fIservice\fP\fB,\fP
  58 \fB                const struct addrinfo *\fP\fIhints\fP\fB,\fP
  59 \fB                struct addrinfo **\fP\fIres\fP\fB);\fP
  60 .sp
  61 \fBvoid freeaddrinfo(struct addrinfo *\fP\fIres\fP\fB);\fP
  62 .sp
  63 \fBconst char *gai_strerror(int \fP\fIerrcode\fP\fB);\fP
  64 .fi
  65 .sp
  66 .in -4n
  67 glibc 向けの機能検査マクロの要件 (\fBfeature_test_macros\fP(7)  参照):
  68 .ad l
  69 .in
  70 .sp
  71 \fBgetaddrinfo\fP(), \fBfreeaddrinfo\fP(), \fBgai_strerror\fP():
  72 .RS 4
  73 _POSIX_C_SOURCE\ >=\ 1 || _XOPEN_SOURCE || _POSIX_SOURCE
  74 .RE
  75 .ad b
  76 .SH 説明
  77 .\" .BR getipnodebyname (3),
  78 .\" .BR getipnodebyaddr (3),
  79 \fBgetaddrinfo\fP()  は、(インターネットのホストとサービスを識別する)  \fInode\fP と \fIservice\fP を渡すと、一つ以上の
  80 \fIaddrinfo\fP 構造体を返す。それぞれの \fIaddrinfo\fP 構造体には、 \fBbind\fP(2)  や \fBconnect\fP(2)
  81 を呼び出す際に指定できるインターネットアドレスが格納されている。 \fBgetaddrinfo\fP()  関数は、 \fBgethostbyname\fP(3)
  82 と \fBgetservbyname\fP(3) の機能をまとめて一つのインターフェースにしたものであるが、 これらの関数と違い、
  83 \fBgetaddrinfo\fP() はリエントラントであり、 \fBgetaddrinfo\fP() を使うことでプログラムは IPv4 と IPv6
  84 の違いに関する依存関係を なくすことができる。
  85 .PP
  86 \fBgetaddrinfo\fP()  が用いる \fIaddrinfo\fP 構造体は以下のフィールドを含む。
  87 .sp
  88 .in +4n
  89 .nf
  90 struct addrinfo {
  91     int              ai_flags;
  92     int              ai_family;
  93     int              ai_socktype;
  94     int              ai_protocol;
  95     socklen_t        ai_addrlen;
  96     struct sockaddr *ai_addr;
  97     char            *ai_canonname;
  98     struct addrinfo *ai_next;
  99 };
 100 .fi
 101 .in
 102 .PP
 103 \fIhints\fP 引き数は \fIaddrinfo\fP 構造体を指し示し、この構造体を用いて \fIres\fP
 104 が指すリストに入れて返すソケットアドレス構造体を選択するための基準を指定する。 \fIhints\fP が NULL でない場合、 \fIhints\fP は
 105 \fIaddrinfo\fP 構造体を指し示し、その構造体のフィールド \fIai_family\fP, \fIai_socktype\fP,
 106 \fIai_protocol\fP で \fBgetaddrinfo\fP()  が返すソケットアドレス集合に対する基準を指定する。
 107 .TP  12
 108 \fIai_family\fP
 109 このフィールドは返されるアドレスの希望のアドレスファミリーを指定する。 このフィールドに指定できる有効な値としては \fBAF_INET\fP と
 110 \fBAF_INET6\fP がある。 また、値 \fBAF_UNSPEC\fP を指定すると、 \fBgetaddrinfo\fP()  は \fInode\fP と
 111 \fIservice\fP で使用できるいずれかのアドレスファミリー (例えば IPv4 か IPv6) の ソケットアドレスを返すことを求められる。
 112 .TP
 113 \fIai_socktype\fP
 114 このフィールドは推奨のソケット型 (例えば \fBSOCK_STREAM\fP や \fBSOCK_DGRAM\fP)  を指定する。 このフィールドに 0
 115 を指定すると、任意のソケット型のソケットアドレスを \fBgetaddrinfo\fP()  が返してよいことを意味する。
 116 .TP
 117 \fIai_protocol\fP
 118 このフィールドは返されるソケットアドレスのプロトコルを指定する。 このフィールドに 0 を指定すると、任意のプロトコルののソケットアドレスを
 119 \fBgetaddrinfo\fP()  が返してよいことを意味する。
 120 .TP
 121 \fIai_flags\fP
 122 このフィールドは、追加のオプション (下記) を指定する。 複数のフラグを指定する際には、それらのビット単位の OR をとって指定する。
 123 .PP
 124 \fIhints\fP が指し示す構造体の他のすべてのフィールドには 0 か NULL ポインタを適切に入れなければならない。 \fIhints\fP に NULL
 125 を指定するのは、 \fIai_socktype\fP と \fIai_protocol\fP に 0 を、 \fIai_family\fP に \fBAF_UNSPEC\fP
 126 を、 \fIai_flags\fP に \fB(AI_V4MAPPED\ |\ AI_ADDRCONFIG)\fP を設定するのと等価である。
 127
 128 \fInode\fP には、数値形式のネットワークアドレス (IPv4 の場合は \fBinet_aton\fP(3)
 129 でサポートされているドット区切りの数字による表記、 IPv6 の場合は \fBinet_pton\fP(3)  でサポートされている 16 進数の文字列形式)
 130 もしくは ネットワークホスト名を指定する。 ネットワークホスト名を指定した場合には、そのネットワークアドレスが検索され、 名前解決が行なわれる。
 131 \fIhints.ai_flags\fP に \fBAI_NUMERICHOST\fP フラグが含まれている場合は、 \fInode\fP
 132 は数値形式のネットワークアドレスでなければならない。 \fBAI_NUMERICHOST\fP
 133 フラグを使うと、時間の掛かる可能性のあるネットワークホストアドレスの検索は すべて抑制される。
 134 .PP
 135 \fIhints.ai_flags\fP に \fBAI_PASSIVE\fP フラグが指定され、かつ \fInode\fP が NULL の場合、
 136 返されるソケットアドレスは コネクションを \fBaccept\fP(2)  するためのソケットを \fBbind\fP(2)  するのに適したものとなる。
 137 返されるソケットアドレスには「ワイルドカード・アドレス」 (IPv4 アドレスの場合は \fBINADDR_ANY\fP、 IPv6 アドレスの場合は
 138 \fBIN6ADDR_ANY_INIT\fP)  が入る。 ワイルドカード・アドレスは、任意のホストのネットワークアドレスで接続を
 139 受け付けようとするアプリケーション (通常はサーバー) で用いられる。 \fInode\fP が NULL でない場合、 \fBAI_PASSIVE\fP
 140 フラグは無視される。
 141 .PP
 142 \fIhints.ai_flags\fP に \fBAI_PASSIVE\fP フラグがセットされていない場合、 返されるソケットアドレスは
 143 \fBconnect\fP(2), \fBsendto\fP(2), \fBsendmsg\fP(2)  での使用に適したものとなる。 \fInode\fP が NULL
 144 の場合、ネットワークアドレスにはループバック・インターフェイスの アドレス (IPv4 アドレスの場合は \fBINADDR_LOOPBACK\fP IPv6
 145 アドレスの場合は \fBIN6ADDR_LOOPBACK_INIT\fP)\fBが設定される。\fP これは同じホスト上で動作している接続相手と通信するような
 146 アプリケーションで用いられる。
 147 .PP
 148 \fIservice\fP により、返される各アドレス構造体のポート番号が決まる。 この引き数がサービス名 (\fBservices\fP(5)  参照)
 149 の場合、対応するポート番号に翻訳される。 この引き数には 10 進数も指定することができ、 この場合にはバイナリへの変換だけが行われる。
 150 \fIservice\fP が NULL の場合、返されるソケットアドレスのポート番号は 初期化されないままとなる。 \fIhints.ai_flags\fP に
 151 \fBAI_NUMERICSERV\fP が指定され、かつ \fIservice\fP が NULL でない場合、 \fIservice\fP
 152 は数値のポート番号を含む文字列を指し示さなければならない。 このフラグは、名前解決サービスが不要であることが分かっている場合に、
 153 サービスの起動を抑制するために用いられる。
 154 .PP
 155 \fInode\fP と \fIservice\fP のどちらかは NULL にしてよいが、両方同時に NULL にしてはならない。
 156 .PP
 157 \fBgetaddrinfo\fP()  関数は、 \fIaddrinfo\fP 構造体のメモリ確保を行い、 \fIaddrinfo\fP
 158 構造体のリンクリストを初期化し、 \fIres\fP にリストの先頭へのポインタを入れて返す。 このとき、各構造体のネットワークアドレスは \fInode\fP と
 159 \fIservice\fP に一致し、 \fIhints\fP で課されたすべての制限を満たすものとなる。 リンクリストの要素は \fIai_next\fP
 160 フィールドにより連結される。
 161
 162 リンクリストの \fIaddrinfo\fP 構造体は複数個になることもあり、その理由はいくつかある。 ネットワークホストがマルチホームである、
 163 複数のプロトコルでアクセスできる (例えば \fBAF_INET\fP と \fBAF_INET6\fP の両方) 、 複数のソケット種別で同じサービスが利用できる
 164 (例えば、ひとつが \fBSOCK_STREM\fP アドレスで、もうひとつが \fBSOCK_DGRAM\fP アドレスである)、がある。
 165 通常は、アプリケーションは返された順序でアドレスを試すべきである。 \fBgetaddrinfo\fP()  の中で使用される並べ替え関数は RFC\ 3484 で定義されている。 特殊なシステムでは、 \fI/etc/gai.conf\fP を編集することで、この順序を微調整することができる
 166 (\fI/etc/gai.conf\fP は glibc 2.5 以降で利用できる)。
 167 .PP
 168 .\" In glibc prior to 2.3.4, the ai_canonname of each addrinfo
 169 .\" structure was set pointing to the canonical name; that was
 170 .\" more than POSIX.1-2001 specified, or other implementations provided.
 171 .\" MTK, Aug 05
 172 \fIhints.ai_flags\fP に \fBAI_CANONNAME\fP フラグが含まれている場合、返されるリストの最初の \fIaddrinfo\fP
 173 構造体の \fIai_canonname\fP フィールドはホストの公式な名前を指すように設定される。
 174
 175 返される各々の \fIaddrinfo\fP 構造体の残りのフィールドは以下のように初期化される。
 176 .IP * 2
 177 \fIai_family\fP, \fIai_socktype\fP, \fIai_protocol\fP フィールドはソケット生成パラメータを返す
 178 (これらのフィールドの意味は \fBsocket\fP(2)  の同じ名前の引き数と同じである)。 例えば、 \fIai_family\fP は
 179 \fBAF_INET\fP や \fBAF_INET6\fP を返し、 \fIai_socktype\fP は \fBSOCK_DGRAM\fP や
 180 \fBSOCK_STREAM\fP を返し、 \fIai_protocol\fP はそのソケットのプロトコルを返す。
 181 .IP *
 182 \fIai_addr\fP フィールドにはソケットアドレスへのポインタが書き込まれ、 \fIai_addrlen\fP
 183 フィールドにはソケットアドレスの長さがバイト単位で書き込まれる。
 184 .PP
 185 \fIhints.ai_flags\fP が \fBAI_ADDRCONFIG\fP を含む場合、 \fIres\fP が指すリスト
 186 には、ローカルシステムに最低一つの IPv4 アドレスが設定されている場合のみ
 187 IPv4 アドレスが返され、 ローカルシステムに最低一つの IPv6 アドレスが
 188 設定されている場合にのみ IPv6 アドレスが返される。なお、この場合には、
 189 ループバックアドレスは有効に設定されたアドレスとはみなされない。
 190 .PP
 191 \fIhints.ai_flags\fP に \fBAI_V4MAPPED\fP が指定されていて、 \fIhints.ai_family\fP に
 192 \fBAF_INET6\fP が指定され、 マッチする IPv6 アドレスが見つからなかった場合、 \fIres\fP が指すリストには IPv4\-mapped
 193 IPv6 アドレスが返される。 \fIhints.ai_flags\fP に \fBAI_V4MAPPED\fP と \fBAI_ALL\fP
 194 の両方が指定されている場合、 \fIres\fP が指すリストには IPv6 アドレスと IPv4\-mapped IPv6 アドレスの 両方が返される。
 195 \fBAI_V4MAPPED\fP が指定されていない場合、 \fBAI_ALL\fP は無視される。
 196 .PP
 197 \fBfreeaddrinfo\fP()  関数は、 リンクリスト \fIres\fP に対して動的に割り当てられたメモリを解放する。
 198 .SS "国際化ドメイン名のための getaddrinfo() の拡張"
 199 .PP
 200 glibc 2.3.4 から、 \fBgetaddrinfo\fP()  は入出力するホスト名を透過的に国際化ドメイン名 (IDN) 形式 (RFC 3490
 201 の \fIInternationalizing Domain Names in Applications (IDNA)\fP を参照のこと)
 202 と変換することを選択的に認めるように拡張されている。 4 つの新しいフラグが定義されている:
 203 .TP
 204 \fBAI_IDN\fP
 205 このフラグが指定されると、 \fInode\fP で与えられたノード名は必要があれば IDN 形式に変換される。
 206 ソース符号化形式は現在のロケールのものである。
 207
 208 .\" Implementation Detail:
 209 .\" To minimize effects on system performance the implementation might
 210 .\" want to check whether the input string contains any non-ASCII
 211 .\" characters.  If there are none the IDN step can be skipped completely.
 212 .\" On systems which allow not-ASCII safe encodings for a locale this
 213 .\" might be a problem.
 214 入力名に非 ASCII 文字が含まれている場合、 IDN 符号化形式が使われる。 非 ASCII
 215 文字が含まれている(ピリオドで区切られる)部分ノード名は、 名前解決機能に渡される前に ASCII 互換符号化形式 (ACE) を使って 符号化される。
 216 .TP
 217 \fBAI_CANONIDN\fP
 218 \fBAI_CANONNAME\fP が指定されている場合、 \fBgetaddrinfo\fP()  は名前の検索に成功した後、 返された \fIaddrinfo\fP
 219 構造体に対応するノードの正規名を返す。 返り値は名前解決機能から返された値の正確なコピーである。
 220
 221 .\"
 222 .\"Implementation Detail:
 223 .\"If no component of the returned name starts with xn\-\- the IDN
 224 .\"step can be skipped, therefore avoiding unnecessary slowdowns.
 225 \fBAI_CANONIDN\fP 名前が ACE で符号化されている場合、一つまたは複数の名前の構成要素の先頭に \fIxn\-\-\fP を含んでいる。
 226 これらの構成要素を読み込み可能な形に変換するために、 \fBAI_CANONNAME\fP と共に \fBAI_CANONIDN\fP フラグを渡すことも出来る。
 227 返される文字列は現在のロケールの符号化形式で符号化されている。
 228 .TP
 229 \fBAI_IDN_ALLOW_UNASSIGNED\fP, \fBAI_IDN_USE_STD3_ASCII_RULES\fP
 230 これらのフラグをセットすると、IDNA 処理で使用されるフラグ IDNA_ALLOW_UNASSIGNED (未割り当ての Unicode
 231 のコードポイントを許容) と IDNA_USE_STD3_ASCII_RULES (出力が STD3 準拠のホスト名かをチェックする)
 232 がそれぞれ有効になる。
 233 .SH 返り値
 234 .\" FIXME glibc defines the following additional errors, some which
 235 .\" can probably be returned by getaddrinfo(); they need to
 236 .\" be documented.
 237 .\" #ifdef __USE_GNU
 238 .\" #define EAI_INPROGRESS  -100  /* Processing request in progress.  */
 239 .\" #define EAI_CANCELED    -101  /* Request canceled.  */
 240 .\" #define EAI_NOTCANCELED -102  /* Request not canceled.  */
 241 .\" #define EAI_ALLDONE     -103  /* All requests done.  */
 242 .\" #define EAI_INTR        -104  /* Interrupted by a signal.  */
 243 .\" #define EAI_IDN_ENCODE  -105  /* IDN encoding failed.  */
 244 .\" #endif
 245 \fBgetaddrinfo\fP()  は成功すると 0 を返し、失敗すると以下の非 0 のエラーコードのいずれかを返す。
 246 .TP
 247 \fBEAI_ADDRFAMILY\fP
 248 .\" Not in SUSv3
 249 指定されたネットワークホストには、 要求されたアドレスファミリーのネットワークアドレスがない。
 250 .TP
 251 \fBEAI_AGAIN\fP
 252 ネームサーバーから一時的な失敗 (temporary failure)  を意味する返事が返された。後でもう一度試してみよ。
 253 .TP
 254 \fBEAI_BADFLAGS\fP
 255 \fIhints.ai_flags\fP のフラグに不正なフラグが含まれている。または、 \fIhints.ai_flags\fP に
 256 \fBAI_CANONNAME\fP が含まれていて、かつ \fIname\fP が NULL であった。
 257 .TP
 258 \fBEAI_FAIL\fP
 259 ネームサーバーから恒久的な失敗 (permanent failure)  を意味する返事が返された。
 260 .TP
 261 \fBEAI_FAMILY\fP
 262 要求されたアドレスファミリーがサポートされていない。
 263 .TP
 264 \fBEAI_MEMORY\fP
 265 メモリが足りない。
 266 .TP
 267 \fBEAI_NODATA\fP
 268 .\" Not in SUSv3
 269 指定されたネットワークホストは存在するが、 ネットワークアドレスがひとつも定義されていない。
 270 .TP
 271 \fBEAI_NONAME\fP
 272 \fInode\fP と \fIservice\fP のどちらかが不明、または \fInode\fP と \fIservice\fP の両方が NULL だった場合、または
 273 \fBAI_NUMERICSERV\fP が \fIhints.ai_flags\fP に指定されていて、 \fIhints.ai_flags\fP と
 274 \fIservice\fP が数値のポート番号の文字列でない。
 275 .TP
 276 \fBEAI_SERVICE\fP
 277 要求されたサービスは、要求されたソケットタイプでは利用できない。 他のソケットタイプでなら利用可能かもしれない。 このエラーが発生する例としては、
 278 \fIservice\fP が "shell" (ストリーム・ソケットでのみ利用できるサービス) で、 \fIhints.ai_protocol\fP に
 279 \fBIPPROTO_UDP\fP が指定されたり、 \fIhints.ai_socktype\fP に \fBSOCK_DGRAM\fP が指定されたりした場合がある。
 280 また、 \fIservice\fP が NULL 以外で、 \fIhints.ai_socktype\fP に \fBSOCK_RAW\fP
 281 (サービスの考え方をサポートしていないソケット種別)  が指定された場合にも、このエラーが発生する。
 282 .TP
 283 \fBEAI_SOCKTYPE\fP
 284 要求されたソケットタイプがサポートされていない。 このエラーが発生する例としては、 \fIhints.ai_socktype\fP と
 285 \fIhints.ai_protocol\fP が矛盾している場合 (例えば \fIhints.ai_socktype\fP が \fBSOCK_DGRAM\fP で
 286 \fIhints.ai_protocol\fP が \fBIPPROTO_TCP\fP)  がある。
 287 .TP
 288 \fBEAI_SYSTEM\fP
 289 その他のシステムエラー。詳しくは \fIerrno\fP を調べること。
 290 .PP
 291 \fBgai_strerror\fP()  関数を用いると、これらのエラーコードを人間に可読な文字列に変換できるので、 エラー報告に適するだろう。
 292 .SH ファイル
 293 \fI/etc/gai.conf\fP
 294 .SH 準拠
 295 POSIX.1\-2001.  \fBgetaddrinfo\fP()  関数は RFC 2553 に記載されている。
 296 .SH 注意
 297 \fBgetaddrinfo\fP()  は、IPv6 scope\-ID を指定するために \fIaddress\fP\fB%\fP\fIscope\-id\fP
 298 記法をサポートしている。
 299
 300 \fBAI_ADDRCONFIG\fP, \fBAI_ALL\fP, \fBAI_V4MAPPED\fP は glibc 2.3.3 以降で利用可能である。
 301 \fBAI_NUMERICSERV\fP は glibc 2.3.4 以降で利用可能である。
 302
 303 POSIX.1\-2001 によると、 \fIhints\fP に NULL が指定された場合、 \fIai_flags\fP を 0 とみなすべきとされている。
 304 GNU C ライブラリでは、この場合に、代わりに \fIai_flags\fP を \fB(AI_V4MAPPED\ |\ AI_ADDRCONFIG)\fP
 305 とみなすようになっている。 この値の方が標準規格の改善になると考えられているからである。
 306 .SH 例
 307 .\" getnameinfo.3 refers to this example
 308 .\" socket.2 refers to this example
 309 .\" bind.2 refers to this example
 310 .\" connect.2 refers to this example
 311 .\" recvfrom.2 refers to this example
 312 .\" sendto.2 refers to this example
 313 以下のプログラムは、 \fBgetaddrinfo\fP(), \fBgai_strerror\fP(), \fBfreeaddrinfo\fP(),
 314 \fBgetnameinfo\fP(3)  の使い方を示したものである。 プログラムは UDP データグラムの echo サーバとクライアントである。
 315 .SS サーバのプログラム
 316 \&
 317 .nf
 318 #include <sys/types.h>
 319 #include <stdio.h>
 320 #include <stdlib.h>
 321 #include <unistd.h>
 322 #include <string.h>
 323 #include <sys/socket.h>
 324 #include <netdb.h>
 325
 326 #define BUF_SIZE 500
 327
 328 int
 329 main(int argc, char *argv[])
 330 {
 331     struct addrinfo hints;
 332     struct addrinfo *result, *rp;
 333     int sfd, s;
 334     struct sockaddr_storage peer_addr;
 335     socklen_t peer_addr_len;
 336     ssize_t nread;
 337     char buf[BUF_SIZE];
 338
 339     if (argc != 2) {
 340         fprintf(stderr, "Usage: %s port\en", argv[0]);
 341         exit(EXIT_FAILURE);
 342     }
 343
 344     memset(&hints, 0, sizeof(struct addrinfo));
 345     hints.ai_family = AF_UNSPEC;    /* Allow IPv4 or IPv6 */
 346     hints.ai_socktype = SOCK_DGRAM; /* Datagram socket */
 347     hints.ai_flags = AI_PASSIVE;    /* For wildcard IP address */
 348     hints.ai_protocol = 0;          /* Any protocol */
 349     hints.ai_canonname = NULL;
 350     hints.ai_addr = NULL;
 351     hints.ai_next = NULL;
 352
 353     s = getaddrinfo(NULL, argv[1], &hints, &result);
 354     if (s != 0) {
 355         fprintf(stderr, "getaddrinfo: %s\en", gai_strerror(s));
 356         exit(EXIT_FAILURE);
 357     }
 358
 359     /* getaddrinfo() returns a list of address structures.
 360        Try each address until we successfully bind(2).
 361        If socket(2) (or bind(2)) fails, we (close the socket
 362        and) try the next address. */
 363
 364     for (rp = result; rp != NULL; rp = rp\->ai_next) {
 365         sfd = socket(rp\->ai_family, rp\->ai_socktype,
 366                 rp\->ai_protocol);
 367         if (sfd == \-1)
 368             continue;
 369
 370         if (bind(sfd, rp\->ai_addr, rp\->ai_addrlen) == 0)
 371             break;                  /* Success */
 372
 373         close(sfd);
 374     }
 375
 376     if (rp == NULL) {               /* No address succeeded */
 377         fprintf(stderr, "Could not bind\en");
 378         exit(EXIT_FAILURE);
 379     }
 380
 381     freeaddrinfo(result);           /* No longer needed */
 382
 383     /* Read datagrams and echo them back to sender */
 384
 385     for (;;) {
 386         peer_addr_len = sizeof(struct sockaddr_storage);
 387         nread = recvfrom(sfd, buf, BUF_SIZE, 0,
 388                 (struct sockaddr *) &peer_addr, &peer_addr_len);
 389         if (nread == \-1)
 390             continue;               /* Ignore failed request */
 391
 392         char host[NI_MAXHOST], service[NI_MAXSERV];
 393
 394         s = getnameinfo((struct sockaddr *) &peer_addr,
 395                         peer_addr_len, host, NI_MAXHOST,
 396                         service, NI_MAXSERV, NI_NUMERICSERV);
 397        if (s == 0)
 398             printf("Received %ld bytes from %s:%s\en",
 399                     (long) nread, host, service);
 400         else
 401             fprintf(stderr, "getnameinfo: %s\en", gai_strerror(s));
 402
 403         if (sendto(sfd, buf, nread, 0,
 404                     (struct sockaddr *) &peer_addr,
 405                     peer_addr_len) != nread)
 406             fprintf(stderr, "Error sending response\en");
 407     }
 408 }
 409 .fi
 410 .SS クライアントのプログラム
 411 \&
 412 .nf
 413 #include <sys/types.h>
 414 #include <sys/socket.h>
 415 #include <netdb.h>
 416 #include <stdio.h>
 417 #include <stdlib.h>
 418 #include <unistd.h>
 419 #include <string.h>
 420
 421 #define BUF_SIZE 500
 422
 423 int
 424 main(int argc, char *argv[])
 425 {
 426     struct addrinfo hints;
 427     struct addrinfo *result, *rp;
 428     int sfd, s, j;
 429     size_t len;
 430     ssize_t nread;
 431     char buf[BUF_SIZE];
 432
 433     if (argc < 3) {
 434         fprintf(stderr, "Usage: %s host port msg...\en", argv[0]);
 435         exit(EXIT_FAILURE);
 436     }
 437
 438     /* Obtain address(es) matching host/port */
 439
 440     memset(&hints, 0, sizeof(struct addrinfo));
 441     hints.ai_family = AF_UNSPEC;    /* Allow IPv4 or IPv6 */
 442     hints.ai_socktype = SOCK_DGRAM; /* Datagram socket */
 443     hints.ai_flags = 0;
 444     hints.ai_protocol = 0;          /* Any protocol */
 445
 446     s = getaddrinfo(argv[1], argv[2], &hints, &result);
 447     if (s != 0) {
 448         fprintf(stderr, "getaddrinfo: %s\en", gai_strerror(s));
 449         exit(EXIT_FAILURE);
 450     }
 451
 452     /* getaddrinfo() returns a list of address structures.
 453        Try each address until we successfully connect(2).
 454        If socket(2) (or connect(2)) fails, we (close the socket
 455        and) try the next address. */
 456
 457     for (rp = result; rp != NULL; rp = rp\->ai_next) {
 458         sfd = socket(rp\->ai_family, rp\->ai_socktype,
 459                      rp\->ai_protocol);
 460         if (sfd == \-1)
 461             continue;
 462
 463         if (connect(sfd, rp\->ai_addr, rp\->ai_addrlen) != \-1)
 464             break;                  /* Success */
 465
 466         close(sfd);
 467     }
 468
 469     if (rp == NULL) {               /* No address succeeded */
 470         fprintf(stderr, "Could not connect\en");
 471         exit(EXIT_FAILURE);
 472     }
 473
 474     freeaddrinfo(result);           /* No longer needed */
 475
 476     /* Send remaining command\-line arguments as separate
 477        datagrams, and read responses from server */
 478
 479     for (j = 3; j < argc; j++) {
 480         len = strlen(argv[j]) + 1;
 481                 /* +1 for terminating null byte */
 482
 483         if (len + 1 > BUF_SIZE) {
 484             fprintf(stderr,
 485                     "Ignoring long message in argument %d\en", j);
 486             continue;
 487         }
 488
 489         if (write(sfd, argv[j], len) != len) {
 490             fprintf(stderr, "partial/failed write\en");
 491             exit(EXIT_FAILURE);
 492         }
 493
 494         nread = read(sfd, buf, BUF_SIZE);
 495         if (nread == \-1) {
 496             perror("read");
 497             exit(EXIT_FAILURE);
 498         }
 499
 500         printf("Received %ld bytes: %s\en", (long) nread, buf);
 501     }
 502
 503     exit(EXIT_SUCCESS);
 504 }
 505 .fi
 506 .SH 関連項目
 507 .\" .BR getipnodebyaddr (3),
 508 .\" .BR getipnodebyname (3),
 509 \fBgetaddrinfo_a\fP(3), \fBgethostbyname\fP(3), \fBgetnameinfo\fP(3), \fBinet\fP(3),
 510 \fBgai.conf\fP(5), \fBhostname\fP(7), \fBip\fP(7)
 511 .SH この文書について
 512 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.52 の一部
 513 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
 514 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。