release/man3/tzset.3

   1 .\" Copyright 1993 David Metcalfe (david@prism.demon.co.uk)
   2 .\"
   3 .\" %%%LICENSE_START(VERBATIM)
   4 .\" Permission is granted to make and distribute verbatim copies of this
   5 .\" manual provided the copyright notice and this permission notice are
   6 .\" preserved on all copies.
   7 .\"
   8 .\" Permission is granted to copy and distribute modified versions of this
   9 .\" manual under the conditions for verbatim copying, provided that the
  10 .\" entire resulting derived work is distributed under the terms of a
  11 .\" permission notice identical to this one.
  12 .\"
  13 .\" Since the Linux kernel and libraries are constantly changing, this
  14 .\" manual page may be incorrect or out-of-date.  The author(s) assume no
  15 .\" responsibility for errors or omissions, or for damages resulting from
  16 .\" the use of the information contained herein.  The author(s) may not
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  19 .\" professionally.
  20 .\"
  21 .\" Formatted or processed versions of this manual, if unaccompanied by
  22 .\" the source, must acknowledge the copyright and authors of this work.
  23 .\" %%%LICENSE_END
  24 .\"
  25 .\" References consulted:
  26 .\"     Linux libc source code
  27 .\"     Lewine's _POSIX Programmer's Guide_ (O'Reilly & Associates, 1991)
  28 .\"     386BSD man pages
  29 .\" Modified Sun Jul 25 11:01:58 1993 by Rik Faith (faith@cs.unc.edu)
  30 .\" Modified 2001-11-13, aeb
  31 .\" Modified 2004-12-01 mtk and Martin Schulze <joey@infodrom.org>
  32 .\"
  33 .\"*******************************************************************
  34 .\"
  35 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
  36 .\"
  37 .\"*******************************************************************
  38 .TH TZSET 3 2012\-03\-25 "" "Linux Programmer's Manual"
  39 .SH 名前
  40 tzset, tzname, timezone, daylight \- 時刻の変換情報を初期化する
  41 .SH 書式
  42 .nf
  43 \fB#include <time.h>\fP
  44 .sp
  45 \fBvoid tzset (void);\fP
  46 .sp
  47 \fBextern char *\fP\fItzname\fP\fB[2];\fP
  48 \fBextern long \fP\fItimezone\fP\fB;\fP
  49 \fBextern int \fP\fIdaylight\fP\fB;\fP
  50 .fi
  51 .sp
  52 .in -4n
  53 glibc 向けの機能検査マクロの要件 (\fBfeature_test_macros\fP(7)  参照):
  54 .in
  55 .sp
  56 \fBtzset\fP(): _POSIX_C_SOURCE\ >=\ 1 || _XOPEN_SOURCE || _POSIX_SOURCE
  57 .br
  58 \fItzname\fP: _POSIX_C_SOURCE\ >=\ 1 || _XOPEN_SOURCE || _POSIX_SOURCE
  59 .br
  60 \fItimezone\fP: _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE
  61 .br
  62 \fIdaylight\fP: _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE
  63 .SH 説明
  64 \fBtzset\fP()  関数は \fBTZ\fP 環境変数を用いて \fItzname\fP 変数を初期化する。
  65 この関数は、タイムゾーンに依存する他の時刻変換関数から自動的に呼び出される。 System V 的な環境では、この関数は変数 \fItimezone\fP
  66 (UTC からの西向きの秒数) と \fIdaylight\fP (このタイムゾーンにサマータイムに関するルールがなければ 0、
  67 サマータイム期間が一年のどこかにあれば 0 以外) も設定する。
  68 .PP
  69 \fBTZ\fP 環境変数が設定されていない場合には、 \fItzname\fP 変数はローカルな壁時計時刻 (wall clock time) に
  70 最も近い値に初期化される。 このローカルな壁時計時刻としては、 システムのタイムゾーンディレクトリ (後述) にある \fBtzfile\fP(5)
  71 形式のファイル \fIlocaltime\fP で指定されている値が用いられる。 (この際には \fI/etc/localtime\fP もよく用いられる。
  72 これはシステムのタイムゾーンディレクトリにある 適切なファイルへのシンボリックリンクになっている。)
  73 .PP
  74 \fBTZ\fP 環境変数が存在しているが、その値が空だったり、 以下に示す形式のどれにもあてはまらない場合は、 協定世界時 (Coordinated
  75 Universal Time: UTC) が用いられる。
  76 .PP
  77 \fBTZ\fP の値は以下の 3 つの形式のいずれかを取ることができる。 最初の形式はサマータイム (daylight saving time)
  78 を持たないローカルタイムゾーンに対して用いる。
  79 .sp
  80 .RS
  81 \fIstd offset\fP
  82 .RE
  83 .sp
  84 \fIstd\fP 文字列はタイムゾーンの名前を指定する。 アルファベットからなる 3 文字以上の文字列でなければならない。 \fIoffset\fP 文字列は
  85 \fIstd\fP の直後に続き、 協定世界時 (UTC) を得るために ローカルな時刻に加えなければならない時間を指定する。 \fIoffset\fP
  86 は、ローカルタイムゾーンがグリニッジ子午線 (Prime Meridian)  の西なら正の値、東なら負の値を取る。 時間 (hour) は 0 から
  87 24 の間でなければならない。 分 (minute) と秒 (second) は 0 から 59 の間でなければならない。
  88 .PP
  89 2 番目の形式はサマータイムがある場合に用いられる。
  90 .sp
  91 .RS
  92 \fIstd offset dst [offset],start[/time],end[/time]\fP
  93 .RE
  94 .sp
  95 指定にはスペースを含めてはならない。 先頭の \fIstd\fP と \fIoffset\fP は 1 番目の形式と同じで、 標準のタイムゾーンを指定する。
  96 \fIdst\fP 文字列と \fIoffset\fP は、 対応するサマータイムゾーンの名前とオフセットを指定する。
  97 オフセットが省略されると、デフォルトでは標準の一時間前となる。
  98 .PP
  99 \fIstart\fP フィールドはサマータイムが有効になる時刻、 \fIend\fP フィールドは標準に戻る時刻である。
 100 これらのフィールドは以下の形式で指定する。
 101 .TP
 102 J\fIn\fP
 103 年の通日 (Julian day) で日にちを指定する。
 104 \fIn\fP は 1 から 365 の間の数値。閏日は計算に入らない。
 105 この形式では、2 月 29 日を表現することはできず、
 106 2 月 28 日が第 59 日で、3 月 1 日が常に第 60 日となる。
 107 .TP
 108 \fIn\fP
 109 年の通日 (Julian day) で日にちを指定する。
 110 \fIn\fP は 1 から 365 の間の数値。
 111 閏年の場合も、2 月 29 日も日にちの計算に含められる。
 112 .TP
 113 M\fIm\fP.\fIw\fP.\fId\fP
 114 \fIm\fP は月 (1 <= \fIm\fP <= 12) を、 \fIw\fP は月のうちの週 (1 <= \fIw\fP <= 5)
 115 を、 \fId\fP は週のうちの日にち (0 <= \fId\fP <= 6) を示す。 \fIw\fP = 1 は所属する \fId\fP
 116 が存在する最初の週、 \fIw\fP = 5 は最後の週である。 \fId\fP = 0 は日曜日である。
 117 .PP
 118 \fItime\fP フィールドは、ローカルタイムを切り替える時刻を、 変更前のローカルタイムで表したものである。 省略された場合のデフォルトは
 119 02:00:00 である。
 120
 121 ニュージーランドの例である。 ニュージーランドでは、標準のタイムゾーン (NZST) は UTC より 12時間進んでおり、 サマータイム (NZDT)
 122 は UTC の 13時間進んでいる。 サマータイムは 10月の第一日曜から 3月の第三日曜までであり、 ローカルタイムの切り替えはデフォルトの
 123 02:00:00 に行われる。
 124 .nf
 125
 126     TZ="NZST\-12:00:00NZDT\-13:00:00,M10.1.0,M3.3.0"
 127 .fi
 128 .PP
 129 3 番目の形式は、タイムゾーンの情報をファイルから読み込むように指定する。
 130 .sp
 131 .RS
 132 :[filespec]
 133 .RE
 134 .sp
 135 ファイルの指定 \fIfilespec\fP が省略された場合は、 タイムゾーンの情報はシステムタイムゾーンディレクトリの \fIlocaltime\fP
 136 ファイルから読まれる。 最近ではシステムタイムゾーンディレクトリは普通 \fI/usr/share/zoneinfo/localtime\fP である。
 137 このファイルは \fBtzfile\fP(5)  形式で書かれている。 \fIfilespec\fP が与えられた場合は、
 138 タイムゾーンの情報をそのファイルから読み込む。このファイルも \fBtzfile\fP(5)  形式で書かれている必要がある。 \fIfilespec\fP が
 139 \(aq/\(aq で始まらなかった場合には、 システムタイムゾーンディレクトリからの相対パスで ファイルが指定されたことになる。
 140 .PP
 141 例を挙げておく。もう一度ニュージーランドの例である。
 142 .nf
 143
 144     TZ=":Pacific/Auckland"
 145 .fi
 146 .SH ファイル
 147 用いられるシステムタイムゾーンディレクトリは (g)libc のバージョンに依存する。 libc4 と libc5 は
 148 \fI/usr/lib/zoneinfo\fP を用いる。libc\-5.4.6 以降では、これが使えなかった場合には
 149 \fI/usr/share/zoneinfo\fP を使おうとする。 glibc2 では環境変数 \fBTZDIR\fP が存在すればそれを用いる。
 150 このデフォルトはどのようにインストールされたかによるが、 普通は \fI/usr/share/zoneinfo\fP である。
 151 .LP
 152 このタイムゾーンディレクトリには以下のファイルが含まれる。
 153 .nf
 154 localtime      ローカルタイムゾーンのファイル
 155 posixrules     POSIX 式の TZ 書式ルール
 156 .fi
 157 .LP
 158 \fI/etc/localtime\fP は、 \fIlocaltime\fP ファイルや、 システムのタイムゾーンディレクトリ中の適切なタイムゾーンファイルへの
 159 シンボリックリンクであることが多い。
 160 .SH 準拠
 161 SVr4, POSIX.1\-2001, 4.3BSD.
 162 .SH 注意
 163 \fIdaylight\fP 変数は、現在がサマータイムであるかどうかを示しているのではない。 これはいくつかあるアルゴリズムのうちの番号を与える
 164 (アルゴリズムについては \fBgettimeofday\fP(2)  の \fItz_dsttime\fP 変数を見よ)。
 165 これはもう何年も使われていないが、SUSv2 では必要とされている。
 166 .LP
 167 4.3BSD には \fBchar *timezone(\fP\fIzone\fP\fB, \fP\fIdst\fP\fB)\fP というルーチンがあり、これは 最初の引数 (UTC
 168 からの西向きの分数) に対応するタイムゾーンの名前を返す。 二番目の引数が 0 の場合は標準の名前が用いられ、
 169 それ以外はサマータイム版の名前が用いられる。
 170 .SH 関連項目
 171 \fBdate\fP(1), \fBgettimeofday\fP(2), \fBtime\fP(2), \fBctime\fP(3), \fBgetenv\fP(3),
 172 \fBtzfile\fP(5)
 173 .SH この文書について
 174 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.52 の一部
 175 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
 176 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。