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36 .TH TERMCAP 5 1996\-10\-21 Linux "Linux Programmer's Manual"
38 termcap \- 端末機能のデータベース
40 termcap データベースは、 文字単位で動作する端末やプリンタの機能を記述するための旧式の機構である。
41 この機構は古いプログラムを動作させるためだけに保持されているので、 新しいプログラムは \fBterminfo\fP(5)
42 データベースとそれに関連したライブラリを用いるべきである。
44 \fI/etc/termcap\fP は、多くの異なる種類の端末に関する機能を列記したアスキーファイル (データベースマスター) である。 プログラムは
45 termcap を読み込んで、 実際に使用している端末に個別のエスケープコード群を取得する。
46 これを用いると、その端末の視覚的な性質を制御することができる (端末の他の性質は \fBstty\fP(1) で制御する)。 termcap
47 データベースは、環境変数 \fBTERM\fP の値で引かれる。
49 termcap のエントリは、単一の論理行でなければならない。 ただし、行末に \(aq\e\(aq を用いればそこでの改行を抑制することができる。
50 フィールドは \(aq:\(aq で分割される。 各エントリの最初のフィールドは左側先頭から始まり、
51 内容はその端末の名前のリストである。名前の区切りには \(aq|\(aq が用いられる。
53 最初のサブフィールドは (4.3 以前のバージョンのBSD termcap エントリでは) 2 文字からなる短い名前となっている。この短い名前は
54 大文字もしくは小文字で構成される。4.4BSD の termcap エントリでは、 このフィールドは省略される。
56 2 番目 (最新の 4.4BSD フォーマットでは 1 番目) のサブフィールドには、 環境変数 \fBTERM\fP で用いられる名称が入る。
57 このフィールドには小文字しか使えない。 選択可能なハードウェア機能は、ハイフンと接尾語 (suffix)
58 を名称の後に追加することによって示す必要がある。以下の例を見よ。 慣習的な接尾語には、w (80 文字以上の幅がある)、 am (automatic
59 margins: 自動的な行の折り返し)、 nam (non automatic margins: 自動的でない行の折り返し)、 rv (reverse
60 video display: 反転ビデオ表示) などがある。 3番目のサブフィールドには、
61 このtermcapエントリーに対する長い説明的な名称が入る。
63 この後に続くフィールドには、端末の機能を記述する。 機能を記述する行が継続する場合は、 左端から1つのタブをおいてインデントしなければならない。
65 順序については定義されていないが、 大文字小文字は区別せずにアルファベット順にならべ、
66 始めはブール値の、次は数値の、最後は文字列の機能を書くことが推奨されている。 同じような働きをする機能は 1 行にまとめて書くと良い。
71 Head line: vt|vt101|DEC VT 101 terminal in 80 character mode:\e
72 Head line: Vt|vt101\-w|DEC VT 101 terminal in (wide) 132 character mode:\e
81 bs コントロール H (キーコード 8) をバックスペースとして扱う
82 bw 左端でのバックスペースを、上の行の右端に折り返す
83 da 画面の上端から外れていた行を表示する (通常はマルチページ端末で)
84 db 画面の下端から外れていた行を表示する (通常はマルチページ端末で)
85 eo 空白文字はカーソル位置の全ての文字を消す
86 es ステータス行上のエスケープシーケンスや特殊文字は有効に働く
91 hz チルダ文字が表示できない端末である (Hazeltine 端末のバグ)
92 in ホワイトスペースを埋めるのに、スペースではなく NULL バイトを挿入する端末である
95 ms 強調/下線モードでもカーソル移動ができる
98 nx パディングではなく、XON/XOFF を使わなければならない
100 ul 重ね打ちはできないが、下線表示のできる端末である
101 xb f1 はエスケープを送信し、f2 は \fB^C\fP を送信する (Beehive 端末の不具合)
103 xo 端末は xon/xoff プロトコルを用いる
104 xs 強調文字の上に出力された文字は強調文字として表示される
105 xt 破壊的なタブと中途半端な強調モード (Teleray 端末の不具合)
110 dB ハードコピー端末において、バックスペースに必要な遅延時間 (ミリ秒単位)
111 dC ハードコピー端末において、復帰に必要な遅延時間 (ミリ秒単位)
112 dF ハードコピー端末において、頁送りに必要な遅延時間 (ミリ秒単位)
113 dN ハードコピー端末において、改行に必要な遅延時間 (ミリ秒単位)
114 dT ハードコピー端末において、タブストップに必要な遅延時間 (ミリ秒単位)
115 dV ハードコピー端末において、垂直タブに必要な遅延時間 (ミリ秒単位)
122 pb パディングが必要となる最低のボーレート
123 sg 強調表示の不具合 (強調表示に切替えたときに表示されるスペースの数)
124 ug 下線表示の不具合 (強調表示に切替えたときに表示されるスペースの数)
126 ws ステータス行の幅 (画面幅と異なる場合)
145 %8 previous\-object キー
151 %e シフト状態の previous キー
172 *5 シフト状態の delete line キー
175 *8 シフト状態の clear line キー
189 ac 図形文字のペアの集合。代替文字セットにマップするためのもの
191 as 図形文字集合に対する、代替文字セットの開始
192 bc \fB^H\fP がバックスペースでない場合のバックスペース
199 ch カーソルを水平方向にだけ移動し、 %1 桁の位置にする
200 cl 画面を消去し、カーソルをホームポジションへ
201 cm 画面上の %1 行、 %2 桁へカーソルを移動
202 CM メモリ上の %1 行、 %2 桁へカーソルを移動
204 cs %1 行目から %2 行目までの範囲をスクロールする
206 cv カーソルを垂直方向にだけ移動し、 %1 行の位置にする
216 ec カーソル位置から %1 文字消去する
220 fs ステータス行に移動する前の位置へ復帰する文字
221 F1 ファンクションキー f11 が送出する文字列
222 F2 ファンクションキー f12 が送出する文字列
223 F3 ファンクションキー f13 が送出する文字列
225 F9 ファンクションキー f19 が送出する文字列
226 FA ファンクションキー f20 が送出する文字列
227 FB ファンクションキー f21 が送出する文字列
229 FZ ファンクションキー f45 が送出する文字列
230 Fa ファンクションキー f46 が送出する文字列
231 Fb ファンクションキー f47 が送出する文字列
233 Fr ファンクションキー f63 が送出する文字列
244 ip 挿入後のパディングに必要な時間と特殊文字
273 kH cursor hown down キー
274 kI 文字挿入キー/insert モードキー
281 kR 後ろ方向/上方向にスクロールするキー
287 l0 0 番目のファンクションキーのラベル (f0 でない場合)
288 l1 1 番目のファンクションキーのラベル (f1 でない場合)
289 l2 2 番目のファンクションキーのラベル (f2 でない場合)
291 la 10 番目のファンクションキーのラベル (f10 でない場合)
300 me so, us, mb, md, mr などのモード全てを終了する
302 mk ダークモード (文字は見えなくなる)
313 pk ユーザが入力したときに文字列 %2 を送出するプログラムキー %1
314 pl ローカルモードで文字列 %2 を実行するプログラムキー %1
315 pn 文字列 %2 を表示するためのプログラムソフトラベル %1
317 pO %1 (<256) バイトの間プリンタをオンにする
319 px 文字列 %2 をコンピュータに送出するプログラムキー %1
320 r1 端末を正常なモードに設定するリセット文字列 1
321 r2 端末を正常なモードに設定するリセット文字列 2
322 r3 端末を正常なモードに設定するリセット文字列 3
324 rc 保存しておいたカーソル位置に復帰する
327 RI カーソルを右へ %1 文字分移動する
329 rP 置換モードにおいて、文字を送出した後に行うパディング
331 RX XON/XOFF フロー制御をオフにする
332 sa 属性 %1 %2 %3 %4 %5 %6 %7 %8 %9 を設定
341 st 全ての行において、現在の桁位置をタブストップに設定する
342 SX XON/XOFF フロー制御をオンにする
344 tc 他のエントリから端末の説明を読む込む
345 te カーソル移動を用いるプログラムの終了
346 ti カーソル移動を用いるプログラムの開始
347 ts ステータス行のカーソルを %1 桁へ移動
348 uc カーソル位置の文字に下線をつけ、右にカーソルを移動
357 wi ウィンドウ領域を %1〜%2 行、%3〜%4 桁に設定
358 XF XOFF 制御文字 (\fB^S\fP でない場合)
361 文字列機能の制御コードを定義するには、いくつかの方法がある。
363 \&\(aq^\(aq, \(aq\e\(aq, \(aq%\(aq を除く全ての通常の文字は、それ自身を表す。
365 \fB^x\fP は Control\-x を意味する。 Control\-A は 10 進数の 1 に等しい。
367 \&\ex は特殊コードとして扱われる。x には以下の文字のどれかが入る。
381 0 ヌルキャラクタ。'\exxx' は 8 進数 xxx の文字を表す。
388 次の文字の値をパラメータに追加し、バイナリで出力する
390 パラメータを 2 桁の数字として ASCII 出力する (printf の %2d と同じ意味)
392 パラメータを数字として ASCII 出力する (printf の %d と同じ意味)
396 バイナリ出力を行う場合、 文字列が終端されないようにヌル文字 (\(aq\e0\(aq) を避けねばならない。
397 タブ文字をパラメータのバイナリ出力とする場合は、 タブ文字の展開をリセットしなければならない。
399 上記のような、パラメータとしてのメタ文字は正しくないかもしれない。 このことは、Minixの termcap と Linux の termcap
402 図形文字は 3 つの文字列機能で指定できる。
408 文字列のペアの集合を指定する。 最初の文字は図形文字の名称で、 2 番目の文字はその定義である。
418 (訳注 原文は latern だったが、これは lantern の typo と思われる)
441 括弧内の値は、 指定した機能が存在しない場合に用いられるデフォルトの値である。
443 \fBncurses\fP(3), \fBtermcap\fP(3), \fBterminfo\fP(5)
445 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.51 の一部
446 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
447 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。