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[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man7 / standards.7
1 .\" Copyright (c) 2006, Michael Kerrisk <mtk.manpages@gmail.com>
2 .\" includes some material by other authors that was formerly
3 .\" in intro.2.
4 .\"
5 .\" %%%LICENSE_START(GPLv2+_DOC_FULL)
6 .\" This is free documentation; you can redistribute it and/or
7 .\" modify it under the terms of the GNU General Public License as
8 .\" published by the Free Software Foundation; either version 2 of
9 .\" the License, or (at your option) any later version.
10 .\"
11 .\" The GNU General Public License's references to "object code"
12 .\" and "executables" are to be interpreted as the output of any
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15 .\"
16 .\" This manual is distributed in the hope that it will be useful,
17 .\" but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of
18 .\" MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.  See the
19 .\" GNU General Public License for more details.
20 .\"
21 .\" You should have received a copy of the GNU General Public
22 .\" License along with this manual; if not, see
23 .\" <http://www.gnu.org/licenses/>.
24 .\" %%%LICENSE_END
25 .\"
26 .\"*******************************************************************
27 .\"
28 .\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
29 .\"
30 .\"*******************************************************************
31 .TH STANDARDS 7 2012\-08\-05 Linux "Linux Programmer's Manual"
32 .SH 名前
33 standards \- C と UNIX の標準規格
34 .SH 説明
35 多くのマニュアルページの「準拠 (CONFORMING TO)」の章は、 そのページに記載されたインタフェースが準拠する
36 各種の標準規格を示すものである。 以下にこれらの標準規格の簡単な説明を記す。
37 .TP 
38 \fBV7\fP
39 ベル研究所による元祖 UNIX である Version 7。
40 .TP 
41 \fB4.2BSD\fP
42 カリフォルニア大バークレー校 (the University of California at Berkeley)  によりリリースされた
43 \fIBerkeley Software Distribution\fP リリース 4.2 によって規定された、実装に基づく標準規格
44 (implementation standard)。 バークレーによるリリースの中で TCP/IP スタックとソケット API
45 を含む最初のリリースである。
46
47 これより前のBSD の主なリリースとしては \fI3BSD\fP (1980), \fI4BSD\fP (1980), \fI4.1BSD\fP (1981) がある。
48 .TP 
49 \fB4.3BSD\fP
50 1986 年にリリースされた 4.2BSD の後継。
51 .TP 
52 \fB4.4BSD\fP
53 1993 年にリリースされた 4.3BSD の後継。 バークレー (Berkeley) による最後の大きなリリースである。
54 .TP 
55 \fBSystem V\fP
56 AT&T の商用 System V (5) リリースの 1983 年版により規定された 実装に基づく標準規格。 一つ前の AT&T の大きなリリースは
57 1981 年にリリースされた \fISystem III\fP である。
58 .TP 
59 \fBSystem V release 2 (SVr2)\fP
60 System V の二番目のリリースであり、1985 年に作成された。 SVr2 は正式には 1985 年に発行された \fISystem V
61 Interface Definition version 1\fP (\fISVID 1\fP)  に記載されている。
62 .TP 
63 \fBSystem V release 3 (SVr3)\fP
64 SVr2 の後継。1986 年にリリースされた。 このリリースは正式には \fISystem V Interface Definition version
65 2\fP (\fISVID 2\fP)  に記載されている。
66 .TP 
67 \fBSystem V release 4 (SVr4)\fP
68 SVr3 の後継。1989 年にリリースされた。 このバージョンの System V については "Programmer's Reference
69 Manual: Operating System API (Intel processors)" (Prentice\-Hall 1992, ISBN
70 0\-13\-951294\-2) に記載されている。 このリリースは正式には \fISystem V Interface Definition version
71 3\fP (\fISVID 3\fP)  に記載されており、System V の最終的なリリースと考えられている。
72 .TP 
73 \fBSVID 4\fP
74 System V Interface Definition version 4。 1995 年に発行された。 インターネットでは
75 .UR http://www.sco.com\:/developers\:/devspecs/
76 .UE
77 で入手できる。
78 .TP 
79 \fBC89\fP
80 最初の C 言語の標準規格である。 ANSI (American National Standards Institute) により 1989
81 年の承認された (\fIX3.159\-1989\fP)。 時には、この規格は \fIANSI C\fP とも呼ばれるが、 C99 も ANSI
82 標準なので、この言い方はあいまいである。 この規格は 1990 年に ISO (International Standards
83 Organization) による 承認も受けており (\fIISO/IEC 9899:1990\fP)、 そのため \fIISO C90\fP
84 として参照されることもたまにある。
85 .TP 
86 \fBC99\fP
87 C 言語の標準規格のこの改訂版は ISO により 1999 年に承認された (\fIISO/IEC 9899:1999\fP)。
88 .UR http://www.open\-std.org\:/jtc1\:/sc22\:/wg14\:/www\:/standards
89 .UE
90 からオンラインで入手可能である。
91 .TP 
92 \fBPOSIX.1\-1990\fP
93 "Portable Operating System Interface for Computing Environments".  1990 年に
94 ISO により承認された、IEEE 1003.1\-1990 part 1 (\fIISO/IEC 9945\-1:1990\fP)。 "POSIX"
95 という言葉は Richard Stallman が初めて作った。
96 .TP 
97 \fBPOSIX.2\fP
98 IEEE Std 1003.2\-1992.  コマンドとユーティリティについて説明が書かれており、 1993 年に ISO により承認された
99 (\fIISO/IEC 9945\-2:1993\fP)。
100 .TP 
101 \fBPOSIX.1b\fP (以前は \fIPOSIX.4\fP とも言われた)
102 IEEE Std 1003.1b\-1993.  移植可能なオペレーティングシステムのためのリアルタイム機能について 記載されており、 1996 年の
103 ISO により承認された (\fIISO/IEC 9945\-1:1996\fP)。
104 .TP 
105 \fBPOSIX.1c\fP
106 IEEE Std 1003.1c\-1995.  POSIX スレッドインタフェースについて記載している。
107 .TP 
108 \fBPOSIX.1d\fP
109 IEEE Std 1003.1c\-1999.  追加のリアルタイム拡張について記載している。
110 .TP 
111 \fBPOSIX.1g\fP
112 IEEE Std 1003.1g\-2000.  (ソケットを含めた) ネットワーク API について記載している。
113 .TP 
114 \fBPOSIX.1j\fP
115 IEEE Std 1003.1j\-2000.  高度なリアルタイム拡張について記載している。
116 .TP 
117 \fBPOSIX.1\-1996\fP
118 POSIX.1 の 1996 年の改訂版。 POSIX.1b と POSIX.1c を取り込んでいる。
119 .TP 
120 \fBXPG3\fP
121 1989 年リリースの、マルチベンダによる業界団体である X/Open 社による \fIX/Open Portability Guide\fP
122 の最初の大きなリリースである。 この指針は POSIX 標準規格に基づいている。
123 .TP 
124 \fBXPG4\fP
125 1992 年にリリースされた、X/Open Portability Guide (移植性に関する指針)  の改訂版。
126 .TP 
127 \fBXPG4v2\fP
128 XPG4 の 1994年改訂版。 \fISpec 1170\fP とも呼ばれる。 1170 とはこの標準規格が定義しているインタフェースの数を表すものである。
129 .TP 
130 \fBSUS (SUSv1)\fP
131 Single UNIX Specification.  この規格は、XPG4v2 やその他の X/Open による標準規格 (X/Open Curses
132 Issue 4 version 2, X/Open Networking Service (XNS) Issue 4)  を再構成したものである。
133 この規格に準拠するシステムは \fIUNIX 95\fP を名乗ることができる。
134 .TP 
135 \fBSUSv2\fP
136 Single UNIX Specification version 2.  \fIXPG5\fP と呼ばれることもある。 この規格は 1997 年に登場した。
137 この規格に準拠するシステムは \fIUNIX 98\fP を名乗ることができる。
138 .UR http://www.UNIX\-systems.org\:/version2/
139 .UE
140 も参照のこと。
141 .TP 
142 \fBPOSIX.1\-2001, SUSv3\fP
143 これは POSIX.1, POSIX.2, SUS の 2001年の改訂版である。 また、POSIX.1, POSIX.2, SUS
144 を一つの文書に統合したものである。 この統合は Austin Group (
145 .UR http://www.opengroup.org\:/austin/
146 .UE )
147 の後援の元で行われた。 インターネットでは
148 .UR http://www.unix\-systems.org\:/version3/
149 .UE
150 で入手できる。
151 また、この規格に書かれているインタフェースについては Linux のマニュアルページ・パッケージの 1p, 3p セクションでも 参照できる
152 (例えば、"man 3p open")。
153
154 この規格では、 \fIPOSIX Conformance (POSIX 準拠)\fP と \fIXSI Conformance (XSI 準拠)\fP
155 の二段階の適合性を定義している。 \fIPOSIX 準拠\fP は準拠するシステムに必要とされるインタフェースの基本セットであり、 \fIXSI 準拠)\fP では
156 "XSI 拡張" という追加のインタフェース群が義務付けられている (POSIX 準拠では XSI 拡張の実装は任意 (optional)
157 となっている)。 XSI 準拠のシステムは \fIUNIX 03\fP を名乗ることができる (XSI 準拠の内容が \fISingle UNIX
158 Specification version 3\fP (\fISUSv3\fP)  である)。
159
160 POSIX.1\-2001 文書は 4つの部分に分けることができる:
161
162 \fBXBD\fP: 定義、用語と概念、ヘッダファイルの仕様。
163
164 \fBXSH\fP: 関数の仕様 (関数とは、実際の実装でのシステムコールと ライブラリ関数のことである)。
165
166 \fBXCU\fP: コマンドとユーティリティの仕様 (以前、 POSIX.2 に記載されていた内容)。
167
168 \fBXRAT\fP: 参考情報と規格のそれ以外の部分
169
170 POSIX.1\-2001 は C99 と整合がとられており、 C99 で標準化されたライブラリ関数は POSIX.1\-2001 でも 標準化されている。
171
172 元の 2001 年版の標準に対する Technical Corrigenda (正誤表; 細かな修正と改良) が二つ行われている: 2003 年の
173 TC1 (\fIPOSIX.1\-2003\fP と呼ばれる) と 2004 年の TC2 (\fIPOSIX.1\-2004\fP と呼ばれる) である。
174 .TP 
175 \fBPOSIX.1\-2008, SUSv4\fP
176 POSIX.1/SUS の次の改訂版に関する作業は 2008 年に完了し承認された。
177
178 この改訂版での変更は POSIX.1\-2001/SUSv3 で行われた変更ほど大きくないが、
179 多くの新しいインターフェイスが追加され、既存の仕様に関しても 種々の詳細が変更されている。 POSIX.1\-2001 では任意 (optional)
180 とされていたインターフェイスの多くが 2008 年版の標準では必須 (mandatory) になる。 POSIX.1\-2001
181 に存在するインターフェイスのいくつかは、 POSIX.1\-2008 では廃止予定の印が付けられたり、 標準から完全に削除されたりしている。
182
183 改訂された標準は POSIX.1\-2001 と同じく 4 つの部分に分けられ、 前回と同様に二段階の適合性を定義している。 基本セットである
184 \fIPOSIX Conformance (POSIX 準拠)\fP と、 基本仕様のインターフェイスに加えて追加のインターフェイス群が 義務付けられている
185 \fIXSI Conformance (XSI 準拠)\fP の二つである。
186
187 一般には、マニュアルページの「準拠」の章のリストに POSIX.1\-2001 が あれば、他に注意書きがなければ、そのインターフェイスは
188 POSIX.1\-2008 にも準拠していると考えてよい。
189
190 詳しい情報は Austin Group のウェブサイト
191 .UR http://www.opengroup.org\:/austin/
192 .UE
193 に載っている。
194 .SH 関連項目
195 \fBfeature_test_macros\fP(7), \fBlibc\fP(7), \fBposixoptions\fP(7)
196 .SH この文書について
197 この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.52 の一部
198 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
199 http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。