.\" Copyright (c) 1995,1997 Paul Gortmaker and Andries Brouwer
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+.\" %%%LICENSE_START(GPLv2+_DOC_FULL)
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-.\" Software Foundation, Inc., 59 Temple Place, Suite 330, Boston, MA 02111,
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-.TH BOOTPARAM 7 2007\-12\-16 Linux "Linux Programmer's Manual"
+.\"
+.\" Japanese Version Copyright (c) 1999 MATSUURA Masaaki
+.\" all rights reserved.
+.\" Translated 1999-02-04, MATSUURA Masaaki <masa386@yk.rim.or.jp>
+.\" Modified 2001-07-08, Yuichi SATO <ysato@h4.dion.ne.jp>
+.\" Updated & Modified 2001-09-10, NAKANO Takeo <nakano@apm.seikei.ac.jp>
+.\" Updated 2002-04-21, NAKANO Takeo <nakano@apm.seikei.ac.jp>
+.\" Updated 2007-05-04, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v2.46
+.\" Updated 2013-05-01, Akihiro MOTOKI <amotoki@gmail.com>
+.\" Updated 2013-07-31, Akihiro MOTOKI <amotoki@gmail.com>
+.\" Updated 2013-08-16, Akihiro MOTOKI <amotoki@gmail.com>
+.\"
+.TH BOOTPARAM 7 2013\-06\-08 Linux "Linux Programmer's Manual"
.SH 名前
bootparam \- Linux カーネル起動時パラメータの解説
.SH 説明
カーネルが検出するであろう値を意図的に無効にしたり変更したりする場合に用いる。
カーネルが BIOS から直接起動されるとき (たとえば 'cp zImage /dev/fd0' でフロッピーにコピーしたカーネルから起動するなど)
-は、 パラメータを指定する機会はない。 ゆえに、この起動時パラメータ機能を利用するためには、 \fILILO\fP や \fIloadlin\fP
-のようにパラメータを指定できるソフトウェアを使用しなければならない。 いくつかのパラメータについては、 \fIrdev\fP
-を使ってカーネルイメージそのものを修正することもできる。 詳細は \fBrdev\fP(8) を参照のこと。
-
-Werner Almesberger による LILO (LInux LOader) プログラムは最も広く使用されている。 LILO
-はいろいろなカーネルを選択してブートさせることができ、 設定情報をテキストファイルに保持する (\fBlilo\fP(8) と
-\fBlilo.conf\fP(5) を参照)。 LILO は DOS, OS/2, Linux, FreeBSD などを起動でき、 非常に柔軟である。
-
-ほかには \fIloadLin\fP もよく使われている Linux ローダである。 これは DOS のプログラムで、DOS プロンプトから
-(起動時引数とともに) Linux カーネルを起動できる (いくつかの特定のリソースが利用可能でなければならない)。 loadlin は DOS から
-Linux を起動させたい人にあっている。
-
-また loadlin は、DOS のドライバである状態に 設定しなければならないハードウェアを 使っている場合にも非常に便利である。 よくある例は
-「SoundBlaster 互換」のサウンドカードで、 これらの中には DOS のドライバを使って いくつか秘密のレジスタをいじってやらないと、 本当の
-SB 互換モードにはならないようなものがある。 まずハードウェアについてきたドライバを組み込んで DOS を起動し、 その後 loadlin を使用して
-Linux カーネルを読み込めば、 リブートによってカードの設定がリセットされるのを防げるわけだ。
+は、 パラメータを指定する機会はない。 そのため、この起動時パラメータ機能を利用するためには、 GRUB
+のようなパラメータを指定できるブートローダーを使用しなければならない。
+
+.\" The LILO program (LInux LOader) written by Werner Almesberger is the
+.\" most commonly used.
+.\" It has the ability to boot various kernels, and
+.\" stores the configuration information in a plain text file.
+.\" (See
+.\" .BR lilo (8)
+.\" and
+.\" .BR lilo.conf (5).)
+.\" LILO can boot DOS, OS/2, Linux, FreeBSD, UnixWare, etc., and is quite flexible.
+.\"
+.\" The other commonly used Linux loader is 'LoadLin', which is a DOS
+.\" program that has the capability to launch a Linux kernel from the DOS
+.\" prompt (with boot-args) assuming that certain resources are available.
+.\" This is good for people that want to launch Linux from DOS.
+.\"
+.\" It is also very useful if you have certain hardware which relies on
+.\" the supplied DOS driver to put the hardware into a known state.
+.\" A common example is 'SoundBlaster Compatible' sound cards that require
+.\" the DOS driver to twiddle a few mystical registers to put the card
+.\" into a SB compatible mode.
+.\" Booting DOS with the supplied driver, and
+.\" then loading Linux from the DOS prompt with loadlin avoids the reset
+.\" of the card that happens if one rebooted instead.
.SS 引数リスト
-カーネルのコマンドラインはスペースで区切られた文字列 (\fI起動時引数: boot arguments\fP)
-のリストから成っている。ほとんどの起動時引数は次の書式に従う。
-.IP
+カーネルのコマンドラインはパースされ、スペースで区切られた文字列 (\fI起動時引数: boot arguments\fP) のリストとなる。
+ほとんどの起動時引数は次の書式である。
+
+.in +4n
+.nf
name[=value_1][,value_2]...[,value_10]
+.fi
+.in
.LP
ここで 'name' は、それに対応する値がカーネルのどの部分に渡されるものなのかを 識別するための、他と重ならないキーワードである。 書式中の 10
という制限は実際に存在する。 現在のコードは、キーワードひとつあたり、コンマで区切られたパラメータを 10 個までしか取り扱うことができない。
(しかし、事情が非常に複雑な場合には、同じキーワードを再度利用して 10 個以上のパラメータを与えることができるかもしれない。
対象となるハードウェアの設定関数がそれをサポートしていれば、だが。)
-カーネルコマンドラインの扱いはほとんど linux/init/main.c が行なっている。 初めに、カーネルは \&'root=',
+カーネルコマンドラインの識別はほとんどがカーネルソースファイル \fIinit/main.c\fP に書かれている。 最初に、カーネルは \&'root=',
\&'nfsroot=', 'nfsaddrs=', 'ro', 'rw', 'debug', 'init' といった特別な引数があるかをチェックする。
これらの意味については後述する。
(あまり役に立たない?) 例としては、'TERM=VT100' がある。
カーネルによって処理されず、環境変数としても解釈されなかった 残りの引数は、プロセス 1 に渡されることになる。 通常このプロセス 1 は
-\fIinit\fP プログラムである。 プロセス 1 に渡される引数で最も良く使われるのは、 \&'single' というキーワードである。
+\fBinit\fP(1) プログラムである。 \fIinit\fP プロセスに渡される引数で最もよく使われるのは、 'single' というキーワードである。
これを指定すると init はシングルユーザモードでコンピュータを起動し、 通常使われるデーモンは一切起動しない。 システムにインストールされている
-init が どんな引数を受け付けるかは、 マニュアルページで調べること。
+\fBinit\fP(1) が どんな引数を受け付けるかは、 マニュアルページで調べること。
.SS 一般的な、デバイス固有ではない起動時引き数
.TP
\&\fB'init=...'\fP
\&\fB'root=...'\fP
起動時にルートファイルシステムとして使われるデバイスをカーネルに指定する。 デフォルトはコンパイル時に決定され、
通常はカーネルを構築したシステムのルートデバイスになる。 この値を無効にして、 例えば 2
-番目のフロッピーディスクドライブをルートデバイスに指定する場合は、 \&'root=/dev/fd1' とする。 (ルートデバイスは
-\fBrdev\fP(8) を用いても設定できる。)
+番目のフロッピーディスクドライブをルートデバイスに指定する場合は、 \&'root=/dev/fd1' とする。
-ルートデバイスの指定にはシンボル形式と数値形式を用いることができる。 シンボル形式の場合は /dev/XXYN という書式で指定する。 XX
+ルートデバイスの指定にはシンボル形式と数値形式を用いることができる。 シンボル形式の場合は \fI/dev/XXYN\fP という書式で指定する。 XX
にはデバイスタイプを指定する。 Y にはドライブレターもしくはドライブ番号、 N には (フロッピーディスクを除く) ディスクの パーティション番号を
10 進数の数値で指定する。 (ST\-506 互換ハードディスクではデバイスタイプが 'hd' で Y の範囲は 'a' から 'd'、 SCSI
ディスクは 'sd' で Y は 'a' から 'e'、 Atari ACSI ディスクは 'ad' で Y は 'a' から 'e'、 Syquest
なお、これらはファイルシステム上でのデバイスの指定方法とは全く関係ない。 \&'/dev/' を用いるのは単に慣習に過ぎない。
-扱いにくいし移植性も良くないが、 上記のデバイスを major/minor 番号の数値で指定してもよい。 (例えば /dev/sda3 は major
-番号 8、minor 番号 3 なので、 \&'root=0x803' と記述できる。)
+扱いにくいし移植性も良くないが、 上記のデバイスを major/minor 番号の数値で指定してもよい。 (例えば \fI/dev/sda3\fP は
+major 番号 8、minor 番号 3 なので、 \&'root=0x803' と記述できる。)
+.TP
+\&\fB'rootfstype=...'\fP
+\&'rootfstype' オプションが指定されると、 カーネルは、 指定されたタイプであるとみなしてルートファイルシステムをマウントする。
+このオプションは、 例えば、ext3 ファイルシステムを ext2 としてマウントし、 ルートファイルシステムのジャーナルを削除する場合に便利である。
+こうすると、 別のメディアからマシンを起動することなく ext3 から ext2 へ戻すことができる。
.TP
\&\fB'ro'\fP と \fB'rw'\fP
-\&'ro' オプションは、ルートファイルシステムを 「読み出し専用」でマウントするようカーネルに指示し、 fsck
+\&'ro' オプションは、 ルートファイルシステムを 「読み出し専用」でマウントするようカーネルに指示し、 fsck
プログラムがファイルシステムの矛盾を検査できるようにする。 ファイルシステムが「読み書き可能」として再マウントされる (つまり 'mount \-w \-n
\-o remount /') までの間は、 いかなるプロセスもこのファイルシステム上のファイルに書き込むことはできない。 (\fBmount\fP(8)
-ã\82\82å\8f\82ç\85§ã\81\9bã\82\88ã\80\82)
+も参照。)
rw オプションはルートファイルシステムを 「読み書き可能」でマウントするようカーネルに指示する。 こちらがデフォルトである。
-省略時の指定を「読み出し専用」と 「読み書き可能」とのどちらにするかは、 \fBrdev\fP(8) によっても設定できる。
+.TP
+\&\fB'resume=...'\fP
+このオプションは、 マシンを休止状態 (ハイバネーション) から再起動する際の、ディスク上に保存したデータの起動位置をカーネルに指示する。
+通常は、スワップパーティションやスワップファイルと同じである。例えば、
+
+.in +4n
+.nf
+resume=/dev/hda2
+.fi
+.in
.TP
\&\fB'reserve=...'\fP
デバイスの自動検出から I/O ポートを保護するために用いる。 コマンドの形式は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBreserve=\fP\fIiobase,extent[,iobase,extent]...\fP
+.fi
+.in
.sp
機種によっては、 デバイスドライバによるデバイスの自動検出を、 特定の範囲に対しては禁止しなければならないことがある。
ハードウェアが検出動作によって深刻な問題を引き起こす場合や、 誤認識される可能性がある場合、
他の起動時引数によって明示的に指定されない限り、 予約された範囲に対して自動検出動作を行わない。
例えばブート時のコマンドラインに
-.IP
-reserve=0x300,32 blah=0x300
+
+.in +4n
+.nf
+reserve=0x300,32 blah=0x300
+.fi
+.in
.IP
と指定すると、'blah' を除くすべてのデバイスドライバは 0x300 から 0x31f の範囲を自動検出の対象外とする。
.TP
.TP
\&\fB'panic=N'\fP
デフォルトでは、カーネルはパニックの後リブートしない。 このオプションを用いて (N を 0 より大きな値とすれば) N
-秒後にリブートするようになる。 この値は、起動後に "echo N > /proc/sys/kernel/panic"
-として設定することもできる。
+秒後にリブートするようになる。 この値は、起動後に以下のようにして設定することもできる。
+
+.in +4n
+.nf
+echo N > /proc/sys/kernel/panic
+.fi
+.in
.TP
\&\fB'reboot=[warm|cold][,[bios|hard]]'\fP
(カーネルコンパイル時に \fBCONFIG_BUGi386\fP が指定されたときのみ有効。) カーネルバージョン 2.0.22 から、
(これらのレベルについては、\fI<linux/kernel.h>\fP を参照。) デフォルトではこの変数は、
デバッグメッセージよりも重要なあらゆるメッセージを記録するよう設定されている (デバッグメッセージは含まない)。 この起動時引数を指定すると、
カーネルはプライオリティが DEBUG のメッセージも出力するようになる。 \fIconsole_loglevel\fP も klogd
-にオプションを渡せば実行時に設定できる。 \fBklogd\fP(8) を見よ。
+にオプションを渡せば実行時に設定できる。 \fBklogd\fP(8) を参照。
.TP
\&\fB'profile=N'\fP
カーネルがどこで CPU サイクルを消費しているか調べたい場合には、 カーネルのプロファイリング機能を有効にすればこれを実現できる。
が指定されれば N となり、N が指定されなかった場合は \fBCONFIG_PROFILE_SHIFT\fP の値が用いられる。
どちらも指定されなければデフォルト値の 2 が用いられる。 この変数が重要なのは、 カーネルプロファイリングの粒度を決定するところにある。
すなわち、各クロックの割込みごとに、システムがカーネルコードを実行していれば、 以下のようにカウンタの値がインクリメントされる。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
profile[address >> prof_shift]++;
+.fi
+.in
.sp
生のプロファイリング情報は、 \fI/proc/profile\fP から見ることができるが、readprofile.c
のような情報を加工するツールを使ったほうが良いだろう。 \fI/proc/profile\fP に任意のデータを書込むと、 カウンタはリセットされる。
モジュールをいくつかロードしなければならないシステムもあるだろう。
Linux のバージョン 1.3.48 において、 RAM ディスクの取り扱いが根底から変化した。 それ以前までは、メモリは静的に割り当てられ、
-\&'ramdisk=N' パラメータでそのサイズを指定していた。 (この値はカーネルのコンパイル時や \fBrdev\fP(8) によっても変更できた。)
-現在は RAM ディスクはバッファキャッシュを使用しており、 動的に成長する。 さらに多くの情報 (たとえば \fBrdev\fP(8) が新しい RAM
-ディスクの設定とどのように関係するか) については、 \fI/usr/src/linux/Documentation/ramdisk.txt\fP を参照。
+\&'ramdisk=N' パラメータでそのサイズを指定していた (この値はコンパイル時にカーネルイメージに指定することもできた)。 現在は RAM
+ディスクはバッファキャッシュを使用しており、 動的に拡張される。 新しい RAM ディスクの動作に関する多くの情報が、 カーネルソースファイル
+\fIDocumentation/blockdev/ramdisk.txt\fP (古いカーネルでは
+\fIDocumentation/ramdisk.txt\fP) にある。
4 つのパラメータがある。論理値をとるものが 2 つ、整数値をとるものが 2 つ。
.TP
(カーネルのコンパイル時に \fBCONFIG_BLK_DEV_RAM\fP と \fBCONFIG_BLK_DEV_INITRD\fP
が指定されているときのみ有効。) 最近は initrd を使用するようにカーネルをコンパイルできる。 このオプションが指定されると、
ブートプロセスはカーネルと RAM ディスクをロードし、 カーネルは initrd を「普通の」 RAM ディスクに変換し、 この RAM
-ディスクがルートデバイスとして「読み書き可能」でマウントされる。 次に /linuxrc が実行される。
-その後「真の」ルートファイルシステムがマウントされ、 initrd ファイルシステムは /initrd に移される。 最後に通常のブートシーケンス
-(具体的には /sbin/init の呼び出し) が実行される。
+ディスクがルートデバイスとして「読み書き可能」でマウントされる。 次に \fI/linuxrc\fP が実行される。
+その後「真の」ルートファイルシステムがマウントされ、 initrd ファイルシステムは \fI/initrd\fP に移される。 最後に通常のブートシーケンス
+(具体的には \fI/sbin/init\fP の呼び出し) が実行される。
-initrd に関する詳細な解説は \fI/usr/src/linux/Documentation/initrd.txt\fP を参照。
+initrd に関する詳細な解説はカーネルソースファイル \fIDocumentation/initrd.txt\fP を参照。
\&'noinitrd' オプションを用いると、 カーネルは (initrd 動作を行うようにコンパイルされている場合でも)
上記の動作を行なわず、代わりに initrd のデータを \fI/dev/initrd\fP に残す。 (このデバイスは一度しか使えない。
.TP
\fBSCSI テープドライブの設定\fP
SCSI テープドライバの起動時設定の一部は以下のようにして行なうことができる。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBst=\fP\fIbuf_size[,write_threshold[,max_bufs]]\fP
+.fi
+.in
.sp
最初の 2 つの数字は kB 単位で指定する。 \fIbuf_size\fP のデフォルトは 32kB である。上限は 16384kB まで指定できる。
\fIwrite_threshold\fP はデータ書き出しの閾値で、 バッファのデータのサイズがこの値を越えるとデータはテープに書き出される。
デフォルト値は 30kB である。 バッファ数の最大値 (\fImax_bufs\fP) は検出されたドライブの数によって変化するが、デフォルトは 2
である。 使用例を以下に示す。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
st=32,30,2
+.fi
+.in
.IP
-詳細はカーネルソース内の \fIDocumentation/scsi/st.txt\fP (古いカーネルの場合は
-\fIdrivers/scsi/README.st\fP) に書かれている。
+詳細は Linux カーネルソース内の \fIDocumentation/scsi/st.txt\fP (古いカーネルの場合は
+\fIdrivers/scsi/README.st\fP) に書かれている。
.TP
\fBAdaptec aha151x, aha152x, aic6260, aic6360, SB16\-SCSI の設定\fP
aha に続く番号はカードを表し、 aic に続く番号はカードに搭載されている実際のチップを表す (Soundblaster\-16 SCSI
SCSI ホストの検出コードは、 インストールされている BIOS を探す。 見つからないと、カードは検出できない。
この場合は以下のように起動時引数を指定することになる。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBaha152x=\fP\fIiobase[,irq[,scsi\-id[,reconnect[,parity]]]]\fP
+.fi
+.in
.IP
もしドライバのコンパイル時にデバッグオプションを指定していた場合は、 6 番目の値でデバッグレベルを指定できる。
すべてのパラメータは、このセクションの最初で説明した通りである。 \fIreconnect\fP に 0
以外の値を指定すると、デバイスを切断したり接続したりできる。 以下に例を示す。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
aha152x=0x340,11,7,1
+.fi
+.in
.IP
パラメータは必ず上記の順番どおりに指定されなければならない。 例えば、パリティ (parity) を設定したい場合には、 iobase, irq,
scsi\-id, reconnect も同時に指定する必要がある。
aha1542 シリーズのカードは i82077 フロッピーディスクコントローラをボードに搭載している。 一方 aha1540
シリーズのカードは搭載していない。 これらは共にバスマスタカードであり、 他のデバイスとバスを共有する際に、
どのくらい「フェアに」振る舞うかを指定するパラメータがある。 起動時引数は以下のようにして指定する。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBaha1542=\fP\fIiobase[,buson,busoff[,dmaspeed]]\fP
+.fi
+.in
.IP
有効な iobase の値は次の通り。 0x130, 0x134, 0x230, 0x234, 0x330, 0x334。
クローンカードの中には他の値を指定できるものもある。
.TP
\fBAdaptec aha274x, aha284x, aic7xxx の設定\fP
これらのボードは以下の形式で指定する。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBaic7xxx=\fP\fIextended,no_reset\fP
+.fi
+.in
.IP
\fIextended\fP 値が 0 以外の時は、大容量ディスク用の拡張変換が有効になる。 \fIno_reset\fP 値を 0
以外の値にすると、ホストアダプタの検出時に、 ドライバによる SCSI バスの初期化を行わない。
0\-f によりデバッグメッセージの情報のレベルを 16 段階で指定する。
.TP
\fBAM53C974\fP
-.IP
+構文は以下の通り。
+
+.in +4n
+.nf
\fBAM53C974=\fP\fIhost\-scsi\-id,target\-scsi\-id,max\-rate,max\-offset\fP
+.fi
+.in
.TP
\fBBusLogic SCSI ホストアダプタの設定 ('BusLogic=')\fP
-.IP
+
+構文は以下の通り。
+.in +4n
+.nf
\fBBusLogic=\fP\fIN1,N2,N3,N4,N5,S1,S2,...\fP
+.fi
+.in
.IP
-Buslogic のコマンドラインパラメータに関する詳細な議論は \fI/usr/src/linux/drivers/scsi/BusLogic.c\fP
-(著者がいま見ているカーネルでは 4350\-4497 行目) を参照すること。 以下はこれを非常におおざっぱに要約したものである。
+.\" (lines 3149-3270 in the kernel version I am looking at).
+Buslogic のコマンドラインパラメータに関する詳細な議論はカーネルソースファイル \fIdrivers/scsi/BusLogic.c\fP
+を参照すること。 以下はこれを非常におおざっぱに要約したものである。
パラメータ N1 から N5 までは整数である。 パラメータ S1 以降は文字列である。 N1 はホストアダプタが存在する I/O アドレス。 N2
はタグキューイングをサポートするデバイスに対して使用するキューの深さ。 N3 はバス安定時間 (BST) を秒単位で指定する。
.TP
\fBEATA/DMA の設定\fP
検出対象にする I/O ポートのデフォルトのリストは以下のようにして変更できる。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBeata=\fP\fIiobase,iobase,...\fP\fB.\fP
+.fi
+.in
.TP
\fBFuture Domain TMC\-16x0 の設定\fP
-.IP
+構文は以下の通り。
+
+.in +4n
+.nf
\fBfdomain=\fP\fIiobase,irq[,adapter_id]\fP
+.fi
+.in
.TP
\fBGreat Valley Products (GVP) SCSI コントローラの設定\fP
-.IP
+構文は以下の通り。
+
+.in +4n
+.nf
\fBgvp11=\fP\fIdma_transfer_bitmask\fP
+.fi
+.in
.TP
\fBFuture Domain 製 TMC\-8xx, TMC\-950 の設定\fP
-.IP
+構文は以下の通り。
+
+.in +4n
+.nf
\fBtmc8xx=\fP\fImem_base,irq\fP
+.fi
+.in
.IP
\fImem_base\fP にはカードが使用するメモリマップ I/O の領域を指定する。
通常は次の値のどれかである: 0xc8000, 0xca000, 0xcc000, 0xce000, 0xdc000, 0xde000。
.TP
\fBIN2000 の設定\fP
-.IP
+構文は以下の通り。
+
+.in +4n
+.nf
\fBin2000=\fP\fIS\fP
+.fi
+.in
.IP
S はコンマ区切りの文字列で、各項目は keyword[:value] 形式で指定する。 指定できるキーワードは以下の通り。 ioport:addr,
noreset, nosync:x, period:ns, disconnect:x, debug:x, proc:x。
-これらのパラメータの機能については \fI/usr/src/linux/drivers/scsi/in2000.c\fP を参照。
+これらのパラメータの機能についてはカーネルソースファイル \fIdrivers/scsi/in2000.c\fP を参照。
.TP
\fBNCR5380 および NCR53C400 の設定\fP
この起動時引数は以下の書式で指定する。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBncr5380=\fP\fIiobase,irq,dma\fP
+.fi
+.in
.IP
または
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBncr53c400=\fP\fIiobase,irq\fP
+.fi
+.in
.IP
-カードが IRQ を使用しない場合は、 255 (0xff) を指定すれば無効にできる。 IRQ に 254 を指定すると自動検出する。
-詳細はカーネルソース内の \fIDocumentation/scsi/g_NCR5380.txt\fP (古いカーネルの場合は
+カードが IRQ を使用しない場合は、 255 (0xff) を指定すれば無効にできる。 IRQ に 254 を指定すると自動検出する。 詳細は
+Linux カーネルソース内の \fIDocumentation/scsi/g_NCR5380.txt\fP (古いカーネルの場合は
\fIdrivers/scsi/README.g_NCR5380\fP) に書かれている。
.TP
\fBNCR53C8xx の設定\fP
-.IP
+構文は以下の通り。
+
+.in +4n
+.nf
\fBncr53c8xx=\fP\fIS\fP
+.fi
+.in
.IP
S はコンマ区切りの文字列で、各項目は keyword[:value] 形式で指定する。 指定できるキーワードは以下の通り。 mpar
(master_parity), spar (scsi_parity), disc (disconnection), specf
(special_features), ultra (ultra_scsi), fsn (force_sync_nego), tags
(default_tags), sync (default_sync), verb (verbose), debug (debug), burst
-(burst_max)。 これらのオプションの機能については
-\fI/usr/src/linux/drivers/scsi/README.ncr53c8xx\fP を参照すること。
+(burst_max)。 これらのオプションの機能についてはカーネルソースファイル \fIdrivers/scsi/ncr53c8xx.c\fP
+を参照すること。
.TP
\fBNCR53c406a の設定\fP
-.IP
+構文は以下の通り。
+
+.in +4n
+.nf
\fBncr53c406a=\fP\fIiobase[,irq[,fastpio]]\fP
+.fi
+.in
.IP
割り込み無しで動作するモードには irq に 0 を指定する。 高速 PIO モードは fastpio に 1 を指定し、低速モードは 0 を指定する。
.TP
\fBPro Audio Spectrum の設定\fP
PAS16 は NC5380 SCSI チップを使用しており、 最近のモデルはジャンパレスの設定をサポートしている。 起動時引数の書式は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBpas16=\fP\fIiobase,irq\fP
+.fi
+.in
.IP
唯一の違いとして、 IRQ に 255 を指定すれば割り込みを使用しないようドライバに指示できる (パフォーマンスは低下する)。 通常 iobase は
0x388 である。
.TP
\fBSeagate 製 ST\-0x の設定\fP
カードが起動時に認識されない場合は以下のような指定が必要になるだろう。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBst0x=\fP\fImem_base,irq\fP
+.fi
+.in
.IP
\fImem_base\fP にはカードが使用するメモリマップ I/O の領域を指定する。
通常は次の値のどれかである: 0xc8000, 0xca000, 0xcc000, 0xce000, 0xdc000, 0xde000。
.TP
\fBTrantor 製 T128 の設定\fP
このカードも NCR5380 チップを利用しており、 以下のオプションを受け付ける。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBt128=\fP\fImem_base,irq\fP
+.fi
+.in
.IP
有効な \fImem_base\fP の値は次の通りである: 0xcc000, 0xc8000, 0xdc000, 0xd8000。
.TP
\fBUltraStor 製 14F/34F の設定\fP
検出対象にする I/O ポートのデフォルトのリストは以下のようにして変更できる。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBeata=\fP\fIiobase,iobase,...\fP\fB.\fP
+.fi
+.in
.TP
\fBWD7000 の設定\fP
-.IP
+構文は以下の通り。
+
+.in +4n
+.nf
\fBwd7000=\fP\fIirq,dma,iobase\fP
+.fi
+.in
.TP
\fBCommodore Amiga 製 A2091/590 SCSI コントローラの設定\fP
-.IP
+構文は以下の通り。
+
+.in +4n
+.nf
\fBwd33c93=\fP\fIS\fP
+.fi
+.in
.IP
S はコンマ区切りの文字列で、各項目は keyword[:value] 形式で指定する。 認識されるオプションは以下の通り。
nosync:bitmask, nodma:x, period:ns, disconnect:x, debug:x, clock:x, next。
-詳細は \fI/usr/src/linux/drivers/scsi/wd33c93.c\fP を参照せよ。
+詳細はカーネルソースファイル \fIdrivers/scsi/wd33c93.c\fP を参照。
.SS ハードディスク
.TP
\fBIDE Disk/CD\-ROM ドライバのパラメータ\fP
を前置しても問題はない。 そのオプションは期待通りそのドライブに適用される。
\&'hd=' は、(a, ..., h) のシーケンスにおいて、 まだ指定されていない次のドライブを指すためにも使える。 これ以降では簡単のために
-\&'hd=' を使って説明する。 さらに詳しい情報を得るには、カーネルソース内の \fIDocumentation/ide.txt\fP (古いカーネルの場合は
-\fIdrivers/block/README.ide\fP) を参照のこと。
+\&'hd=' を使って説明する。 さらに詳しい情報を得るには、Linux カーネルソース内の \fIDocumentation/ide.txt\fP
+(古いカーネルの場合は \fIdrivers/block/README.ide\fP) を参照のこと。
.TP
\&\fB'hd=cyls,heads,sects[,wpcom[,irq]]' オプション\fP
これらのオプションはディスクの物理的なジオメトリを指定するために使う。 最初の 3 つの値以降は省略できる。 シリンダ (cyls)、ヘッド
.TP
\&\fB'hd=noprobe' オプション\fP
このドライブの自動検出をしない。 例えば
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
hdb=noprobe hdb=1166,7,17
+.fi
+.in
.IP
とすると自動検出が無効になる。 しかしドライブのジオメトリを指定しているので、 このドライブは正しいブロックデバイスとして登録され、使用可能になる。
.TP
スタンダードディスクドライバは IDE ドライバと同様のジオメトリ指定を引数にとることができる。 ただし受け付ける値はちょうど 3 つ (C/H/S)
に限られる。 それ以上の値やそれ以下の値を指定すると、ドライバは黙ってその指定を無視する。 また引数として受け入れられるのは 'hd='
の形式だけである。 つまり 'hda=' のような指定はここでは正しくない。 書式は次の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
hd=cyls,heads,sects
+.fi
+.in
.IP
2 台のディスクが接続されてい場合は、 2 番目のディスクに対しても上記のジオメトリが設定される。
.TP
\fBXT ディスクドライバのオプション ('xd=')\fP
これらの古い 8 bit カード (125kB/s の転送速度しかない!) を使わなければならない不幸な人のためのオプションである。
カードが認識されない場合は以下の書式で起動時引数を指定する必要があるだろう。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
xd=type,irq,iobase,dma_chan
+.fi
+.in
.IP
.\" 1.1.50, 1.3.81, 1.3.99, 2.0.34, 2.1.67, 2.1.78, 2.1.127
type 値にはカードのメーカーを指定し、これは自動検知より優先される。 指定すべき type の値については、使っているカーネルのソースファイル
xd_setup() 関数は引数をチェックせず、 4 つの値がすべて指定されることを想定している。 引数を省略してはならない。 例として、BIOS
が無効にされた (あるいは削除された) WD1002 コントローラの場合を示す (パラメータには XT
コントローラの「デフォルト」の値を使っている)。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
xd=2,5,0x320,3
+.fi
+.in
.TP
\fBSyquest 製 EZ* リムーバブルディスク\fP
-.IP
+構文は以下の通り。
+
+.in +4n
+.nf
\fBez=\fP\fIiobase[,irq[,rep[,nybble]]]\fP
+.fi
+.in
.SS "IBM MCA バス上のデバイス"
-\fI/usr/src/linux/Documentation/mca.txt\fP も参照。
+カーネルソースファイル \fIDocumentation/mca.txt\fP も参照。
.TP
\fBPS/2 ESDI ハードディスク\fP
起動時に所望のジオメトリを指定できる。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
\fBed=\fP\fIcyls,heads,sectors.\fP
+.fi
+.in
.IP
ThinkPad\-720 を使用する場合は以下のオプションを追加すること。
-.IP
-\fBtp720=1\fP
+
+.in +4n
+.nf
+\fBtp720=1\fP.
+.fi
+.in
.TP
\fBIBM Microchannel SCSI サブシステムの設定\fP
-.IP
+構文は以下の通り。
+
+.in +4n
+.nf
\fBibmmcascsi=\fP\fIN\fP
+.fi
+.in
.IP
N はサブシステムの \fIpun\fP (SCSI ID) を表す。
.TP
\fBAztech インターフェース\fP
このタイプのカードの構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
aztcd=iobase[,magic_number]
+.fi
+.in
.IP
magic_number に 0x79 をセットすると、 ドライバはファームウェアのバージョンが分からない場合でも、 とにかく実行を試みる。
その他の値はすべて無視される。
.TP
\fBパラレルポート CD\-ROM ドライブ\fP
構文は以下の通り。
-.IP
-pcd.driveN=port,pro,uni,mod,slv,dly
-.br
+
+.in +4n
+.nf
+pcd.driveN=prt,pro,uni,mod,slv,dly
pcd.nice=nice
+.fi
+.in
.IP
ここで 'port' はベースアドレス、'pro' はプロトコル番号、'uni' はユニットセレクタ (チェインデバイス用)、'mod' はモード
(あるいは自動的に最適のものを選ばせるには \-1)、'slv' はスレーブにしたい場合に 1、'dly'
\fBSony 製 CDU\-31A と CDU\-33A のインターフェース\fP
この CD\-ROM インターフェースは、 Pro Audio Spectrum サウンドカードの一部や
ソニーが供給するインターフェースカードで使われている。 構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
cdu31a=iobase,[irq[,is_pas_card]]
+.fi
+.in
.IP
IRQ に 0 を指定すると、 ハードウェア割り込みがサポートされていないことをドライバに伝える (PAS カードにはそのようなものがある)。
使用するカードが割り込みをサポートしているなら、 ドライバによる CPU の負荷を減らすためにも割り込みを使用すべきである。
.TP
\fBSony 製 CDU\-535 インターフェース\fP
この CD\-ROM インターフェースの構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
sonycd535=iobase[,irq]
+.fi
+.in
.IP
IRQ の値だけを指定したい場合には、 iobase 値を 0 とすれば単なる穴埋めと解釈される。
.TP
\fBGoldStar インターフェース\fP
この CD\-ROM インターフェースの構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
gscd=iobase
+.fi
+.in
.TP
\fBISP16 CD\-ROM インターフェース\fP
構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
isp16=[iobase[,irq[,dma[,type]]]]
+.fi
+.in
.IP
-(æ\95´æ\95°å\80¤ 3 ã\81¤ã\81¨æ\96\87å\97å\88\97 1 ã\81¤ã\80\82) type ã\81« 'noisp16' ã\82\92æ\8c\87å®\9aã\81\99ã\82\8bã\81¨ã\80\81 ã\82¤ã\83³ã\82¿ã\83¼ã\83\95ã\82§ã\83¼ã\82¹ã\81®è¨å®\9aã\81¯è¡\8cã\81ªã\82\8fã\82\8cã\81ªã\81\84ã\80\82 type ã\81«ã\81¯ã\81\93ã\81®ä»\96ã\81«ã\82\82
-\&'Sanyo', 'Sony', 'Panasonic', 'Mitsumi' が指定できる。
+(æ\95´æ\95°å\80¤ 3 ã\81¤ã\81¨æ\96\87å\97å\88\97 1 ã\81¤ã\81®å½¢å¼\8f) type ã\81« 'noisp16' ã\82\92æ\8c\87å®\9aã\81\99ã\82\8bã\81¨ã\80\81 ã\82¤ã\83³ã\82¿ã\83¼ã\83\95ã\82§ã\83¼ã\82¹ã\81®è¨å®\9aã\81¯è¡\8cã\81ªã\82\8fã\82\8cã\81ªã\81\84ã\80\82 type
+にはこの他にも 'Sanyo', 'Sony', 'Panasonic', 'Mitsumi' が指定できる。
.TP
\fBMitsumi 標準インターフェース\fP
この CD\-ROM インターフェースの構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
mcd=iobase,[irq[,wait_value]]
+.fi
+.in
.IP
\fIwait_value\fP はドライブに問題がある場合に、 ドライバ内部のタイムアウトの指定に用いる。 コンパイル時の #define
によって実装されるかされないかが決まる。 Mitsumi FX400 は IDE/ATAPI CD\-ROM プレイヤーであり、 この mcd
.TP
\fBMitsumi XA/マルチセッションインターフェース\fP
これは上記と同じハードウェアだが、拡張機能がある。 構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
mcdx=iobase[,irq]
+.fi
+.in
.TP
\fBOptics ストレージインターフェース\fP
このタイプのカードの構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
optcd=iobase
+.fi
+.in
.TP
\fBPhillips CM206 インターフェース\fP
このタイプのカードの構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
cm206=[iobase][,irq]
+.fi
+.in
.IP
ドライバは IRQ 値として 3 から 11 まで、 I/O ポートアドレスの値として 0x300 から 0x370 を想定している。
いずれか一方、あるいは両方を指定できる。順番も問わない。 \&'cm206=auto' とすることにより自動検出もできる。
.TP
\fBSanyo インターフェース\fP
このタイプのカードの構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
sjcd=iobase[,irq[,dma_channel]]
+.fi
+.in
.TP
\fBSoundBlaster Pro インターフェース\fP
このタイプのカードの構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
sbpcd=iobase,type
+.fi
+.in
.IP
type 値には 'SoundBlaster', 'LaserMate', 'SPEA' のうちひとつを指定できる (大文字小文字が区別される)。
iobase は CD\-ROM インターフェースの値である。 カードのサウンド部の値と間違えないこと。
.SS イーサネットデバイス
ドライバが異なると用いるパラメータも異なるが、 すべてのドライバは、少なくとも割り込み番号 (irq)、 I/O ポートのベースアドレス
(iobase)、名前 (name) を持つ。 最も一般的な形式は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
ether=irq,iobase[,param_1[,...param_8]],name
-.IP
+.fi
+.in
+
最初の数字でない値は名前として使用される。 param_n の値はカード (ドライバ) ごとに異なる意味を持つ。
よくある目的は、共有メモリアドレスの指定、インターフェースの選択、 DMA チャネルなどである。
このパラメータの最もよくある利用法は、 2 番目の Ethernet カードを強制的に検出させる場合である (デフォルトでは 1 枚しか検出しない)。
これは簡単で、次のようにすればよい。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
ether=0,0,eth1
-.IP
+.fi
+.in
+
この例で IRQ と I/O ベースアドレスに 0 を指定しているのは、 ドライバに自動検出をするよう伝えているのである。
Ethernet\-HOWTO では、複数のカードを使うやり方や、 カードやドライバに特有の param_n 値の意味について、
ずっと詳細に解説されている。 興味を持った読者は、この文書にあたり、 自分のカードに関して書かれているセクションを参照すると良い。
.SS フロッピーディスクドライバ
-フロッピードライバのオプションは多数あり、 カーネルソース内の \fIDocumentation/floppy.txt\fP (古いカーネルの場合は
-\fIdrivers/block/README.fd\fP) にすべて記載されている。 以下の情報はこのファイルからとったものである。
+フロッピードライバのオプションは多数あり、 Linux カーネルソース内の \fIDocumentation/floppy.txt\fP
+(古いカーネルの場合は \fIdrivers/block/README.fd\fP) にすべて記載されている。
+以下の情報はこのファイルからとったものである。
.TP
\fBfloppy=mask,allowed_drive_mask\fP
使ってよいドライブにかけるビットマスクを設定する。 デフォルトでは、 ユニット 0 と 1 のフロッピーコントローラだけが許可されている。
特定のビデオモードで使用する時に必要となる。 (ビデオとフロッピーとの間で何らかの相互作用があるようだ。
予期しない割り込みは性能だけに影響し、無視しても安全である。)
.SS サウンドドライバ
-サウンドドライバも起動時引数を受け付け、 コンパイル時に指定された値を変更できる。 これはやや面倒なため、あまりお薦めできない。
-詳細は、カーネルソース内の \fIDocumentation/sound/oss/README.OSS\fP (古いカーネルの場合は
+サウンドドライバも起動時引数を受け付け、 コンパイル時に指定された値を変更できる。 これはやや面倒なため、あまりお薦めできない。 詳細は、Linux
+カーネルソース内の \fIDocumentation/sound/oss/README.OSS\fP (古いカーネルの場合は
\fIdrivers/sound/Readme.linux\fP) に記載されている。 引数の形式は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
sound=device1[,device2[,device3...[,device10]]]
+.fi
+.in
.IP
各 deviceN はそれぞれ 0xTaaaId という形式で指定する。 各バイトの意味は以下の通り。
.TP
\fBICN ISDN ドライバ\fP
構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
icn=iobase,membase,icn_id1,icn_id2
+.fi
+.in
.IP
icn_id1,icn_id2 はカードを識別するための 2 つの文字列である。 カーネルメッセージで用いられる。
.TP
\fBPCBIT ISDN ドライバ\fP
構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
pcbit=membase1,irq1[,membase2,irq2]
+.fi
+.in
.IP
membaseN は N 番目のカードの共有メモリのベースアドレスであり、 irqN は N 番目のカードの割り込み設定である。 無指定時には IRQ
= 5, membase = 0xD0000 となる。
.TP
\fBTeles ISDN ドライバ\fP
構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
teles=iobase,irq,membase,protocol,teles_id
+.fi
+.in
.IP
iobase はカードの I/O ポートアドレス、 membase はカードの共有メモリのベースアドレス、 そして irq
はカードが使用する割り込みチャネルである。 teles_id はアスキー文字列による識別文字列である (他と重ならないようにする)。
.TP
\fBRISCom/8 マルチポートシリアルドライバ ('riscom8=')\fP
構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
riscom=iobase1[,iobase2[,iobase3[,iobase4]]]
+.fi
+.in
.IP
-詳細は \fI/usr/src/linux/Documentation/riscom8.txt\fP を参照のこと。
+詳細はカーネルソースファイル \fIDocumentation/riscom8.txt\fP を参照のこと。
.TP
\fBDigiBoard ドライバ ('digi=')\fP
このオプションを使う場合は、6 個のパラメータをきっちり指定しなければならない。
構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
digi=status,type,altpin,numports,iobase,membase
+.fi
+.in
.IP
パラメータは整数値か文字列で与える。 文字列で指定する場合は、 iobase と membase は 16 進値でなければならない。
整数値で指定する場合はパラメータの個数は少なくても良く、順に: status このカードの動作を指定する (Enable(1) または
altpin ピン配置を反転させる (Enable(1) or Disable(0)), numports カードのポート番号, iobase
このカードの I/O ポート (文字列指定の場合は 16 進表記), membase メモリウィンドウのベースアドレス (文字列指定の場合は 16
進表記)。 したがって以下のふたつの起動時引数は同じ意味を持つ。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
digi=E,PC/Xi,D,16,200,D0000
-.br
digi=1,0,0,16,0x200,851968
+.fi
+.in
.IP
-詳細は \fI/usr/src/linux/Documentation/digiboard.txt\fP を参照。
+詳細はカーネルソースファイル \fIDocumentation/digiboard.txt\fP を参照。
.TP
\fBBaycom シリアル・パラレル ラジオモデム\fP
構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
baycom=iobase,irq,modem
+.fi
+.in
.IP
ちょうど 3 つのパラメータを与える。 複数のカードがある場合は、'baycom=' コマンドも複数記述する。 modem パラメータは文字列で、
ser12, ser12*, par96, par96* の中からひとつを選ぶ。 * をつけるとソフトウェア DCD を使用する。 モデムの種類に応じて
-ser12 か par96 かを選択する。 詳細はカーネルソース内の \fIDocumentation/networking/baycom.txt\fP
-(古いカーネルの場合は \fIdrivers/net/README.baycom\fP) を参照。
+ser12 か par96 かを選択する。 詳細は Linux カーネルソース内の
+\fIDocumentation/networking/baycom.txt\fP (古いカーネルの場合は
+\fIdrivers/net/README.baycom\fP) を参照。
.TP
\fBサウンドカードラジオモデムドライバ\fP
構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
soundmodem=iobase,irq,dma[,dma2[,serio[,pario]]],0,mode
+.fi
+.in
.IP
最後のパラメータを除くすべてのパラメータは整数である。 ダミーの 0 があるのは、設定プログラムのバグのせいである。 mode
パラメータは文字列で、hw:modem という書式で指定する。 hw は sbc, wss, wssfdx のうちひとつ、 modem は
.SS ラインプリンタドライバ
.TP
\&\fB'lp='\fP
+.br
構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
lp=0
-.br
lp=auto
-.br
lp=reset
-.br
lp=port[,port...]
+.fi
+.in
.IP
プリンタドライバには、どのポートを使うか、 どのポートを使ってはいけないかを伝えることができる。 後者は、
利用可能なあらゆるパラレルポートをプリンタドライバが要求しないようにして、 他のドライバ (PLIP や PPA など) から
.TP
\fBWDT500/501 ドライバ\fP
構文は以下の通り。
-.IP
+
+.in +4n
+.nf
wdt=io,irq
+.fi
+.in
.SS マウスドライバ
.TP
\&\fB'bmouse=irq'\fP
msmouse ドライバでもこの事情はまったく同じである。
.TP
\fBATARI マウスの設定\fP
-.IP
+構文は以下の通り。
+
+.in +4n
+.nf
atamouse=threshold[,y\-threshold]
+.fi
+.in
.IP
パラメータがひとつだけ与えられた場合には、 x\-threshold と y\-threshold を両方に用いられる。 ふたつ与えられた場合は、最初の値が
x\-threshold として用いられ、 2 番目の値が y\-threshold として用いられる。 値は 1 から 20 までの数値で指定する。
このオプションは、コンソールドライバに、 ハードウェアスクロールを用いないよう伝える (ここで言うハードウェアスクロールとは、
ビデオメモリ上のデータを移動させることによって スクリーン表示領域をスクロールさせることを指す)。 特定の点字マシンではこの指定が必要となる。
.SH 関連項目
-\fBlilo.conf\fP(5), \fBklogd\fP(8), \fBlilo\fP(8), \fBmount\fP(8), \fBrdev\fP(8)
+\fBlilo.conf\fP(5), \fBklogd\fP(8), \fBlilo\fP(8), \fBmount\fP(8)
このマニュアルページの大部分は Paul Gortmaker による Boot Parameter HOWTO (version 1.0.1)
-を基にしている。 この (あるいは最新の) HOWTO をあたれば、 さらに多くの情報が入手できるだろう。 最新の情報源は
-\fI/usr/src/linux/Documentation/kernel\-parameters.txt\fP である。
+を基にしている。 この (あるいは最新の) HOWTO をあたれば、 さらに多くの情報が入手できるだろう。 最新の情報源はカーネルソースファイル
+\fIDocumentation/kernel\-parameters.txt\fP である。
.SH この文書について
-この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.40 の一部
+この man ページは Linux \fIman\-pages\fP プロジェクトのリリース 3.53 の一部
である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
http://www.kernel.org/doc/man\-pages/ に書かれている。