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(split) LDP: Release pages for LDP v3.39.
[linuxjm/LDP_man-pages.git] / release / man2 / times.2
index ff37785..d9dfae1 100644 (file)
 .\"    Added notes on nonstandard behavior: Linux allows 'buf' to
 .\"    be NULL, but POSIX.1 doesn't specify this and it's nonportable.
 .\"
-.\" Japanese Version Copyright (c) 1996 Satoshi Nozawa
-.\"         all rights reserved.
-.\" Translated 1996-06-25, Satoshi I. Nozawa <snozawa@env.sci.ibaraki.ac.jp>
-.\" Modified 1997-12-14, HANATAKA Shinya <hanataka@abyss.rim.or.jp>
-.\" Updated 2001-02-16, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
-.\" Updated 2001-04-10, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
-.\" Updated 2001-05-21, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
-.\" Updated 2002-10-21, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
-.\" Updated 2005-02-24, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>
-.\" Updated 2005-04-20, Kentaro Shirakata <argrath@ub32.org>
-.\" Updated 2008-02-12, Akihiro MOTOKI <amotoki@dd.iij4u.or.jp>, LDP v2.77
+.\"*******************************************************************
 .\"
-.\" WORD:      clock ticks     クロック数
+.\" This file was generated with po4a. Translate the source file.
 .\"
-.TH TIMES 2 2008-06-25 "Linux" "Linux Programmer's Manual"
+.\"*******************************************************************
+.TH TIMES 2 2012\-04\-16 Linux "Linux Programmer's Manual"
 .SH 名前
-times - プロセス時間を取得する
+times \- プロセス時間を取得する
 .SH 書式
-.B #include <sys/times.h>
+\fB#include <sys/times.h>\fP
 .sp
-.BI "clock_t times(struct tms *" buf );
+\fBclock_t times(struct tms *\fP\fIbuf\fP\fB);\fP
 .SH 説明
-.BR times ()
-は現在のプロセス時間を
-.I buf
-が指している
-.B "struct tms"
-に格納する。
-.I struct tms
-は
-.I <sys/times.h>
-で以下のように定義されている:
+\fBtimes\fP()  は現在のプロセス時間を \fIbuf\fP が指している \fBstruct tms\fP に格納する。 \fIstruct tms\fP は
+\fI<sys/times.h>\fP で以下のように定義されている:
 .sp
 .in +4n
 .nf
@@ -79,146 +62,70 @@ struct tms  {
 .fi
 .in
 .LP
-.I tms_utime
-フィールドは、呼び出したプロセスが命令を実行するのに消費した
-CPU 時間である。
-.I tms_stime
-フィールドは、呼び出したプロセスのために実行されたタスクで、
-システムが消費した CPU 時間である。
-.I tms_cutime
-フィールドは、
-終了を待っている全ての子プロセスの
-.I tms_utime
-と
-.I tms_cutime
-の合計である。
-.I tms_cstime
-フィールドは、
-終了を待っている全ての子プロセスの
-.I tms_stime
-と
-.I tms_cstime
-の合計である。
+\fItms_utime\fP フィールドは、呼び出したプロセスが命令を実行するのに消費した CPU 時間である。 \fItms_stime\fP
+フィールドは、呼び出したプロセスのために実行されたタスクで、 システムが消費した CPU 時間である。 \fItms_cutime\fP フィールドは、
+終了を待っている全ての子プロセスの \fItms_utime\fP と \fItms_cutime\fP の合計である。 \fItms_cstime\fP フィールドは、
+終了を待っている全ての子プロセスの \fItms_stime\fP と \fItms_cstime\fP の合計である。
 .LP
-終了する子(及びその子孫)プロセスの時間は
-.BR wait (2)
-や
-.BR waitpid (2)
-がプロセス ID を返した瞬間に加算される。
-つまり、子がまだ終了を待っていない状態では
-孫プロセスの時間は決して現れない。
+終了する子(及びその子孫)プロセスの時間は \fBwait\fP(2)  や \fBwaitpid\fP(2)  がプロセス ID を返した瞬間に加算される。
+つまり、子がまだ終了を待っていない状態では 孫プロセスの時間は決して現れない。
 .LP
 全ての時間はクロック数で返される。
 .SH 返り値
-.BR times ()
-は過去のある時点から経過したクロック数 (clock tick) を返す。
-この返り値は
-.I clock_t
-型が取り得る範囲からオーバーフローするかもしれない。
-エラーの場合、\fI(clock_t)\ \-1\fP が返され、
-.I errno
-が適切に設定される。
-.\" The only possible error is EFAULT.
+\fBtimes\fP()  は過去のある時点から経過したクロック数 (clock tick) を返す。 この返り値は \fIclock_t\fP
+型が取り得る範囲からオーバーフローするかもしれない。 エラーの場合、\fI(clock_t)\ \-1\fP が返され、 \fIerrno\fP が適切に設定される。
+.SH エラー
+.TP 
+\fBEFAULT\fP
+\fItms\fP がプロセスのアドレス空間の外を指している。
 .SH 準拠
-SVr4, 4.3BSD, POSIX.1-2001.
+SVr4, 4.3BSD, POSIX.1\-2001.
 .SH 注意
-一秒あたりのクロック数は
+一秒あたりのクロック数は以下で得ることができる。
 .in +4n
 
 sysconf(_SC_CLK_TCK);
-
 .in
-を使って得ることが出来る。
 .PP
-POSIX.1-1996 では、\fBCLK_TCK\fP シンボル
-.RI ( <time.h>
-で定義されている) は古いものであると記述されている。
-今ではこれは古いものである。
+POSIX.1\-1996 では、\fBCLK_TCK\fP シンボル (\fI<time.h>\fP で定義されている)
+は古いものであると記述されている。 今ではこれは古いものである。
 .PP
-Linux 2.6.9 より前のバージョンでは、
-.B SIGCHLD
-を
-.B SIG_IGN
-に設定すると
-終了した子プロセスの回数は
-自動的に
-.I tms_cstime
-と
-.I tms_cutime
-フィールドに含まれる。
-しかし、POSIX.1-2001 では、この動作は呼び出し元が
-.BR wait (2)
-関数群で子プロセスを待った場合にのみ起きるべきだとしている。
-標準とは異なるこの動作は Linux 2.6.9 以降で修正されている。
 .\" See the description of times() in XSH, which says:
 .\"    The times of a terminated child process are included... when wait()
 .\"    or waitpid() returns the process ID of this terminated child.
+Linux 2.6.9 より前のバージョンでは、 \fBSIGCHLD\fP を \fBSIG_IGN\fP に設定すると 終了した子プロセスの回数は 自動的に
+\fItms_cstime\fP と \fItms_cutime\fP フィールドに含まれる。 しかし、POSIX.1\-2001 では、この動作は呼び出し元が
+\fBwait\fP(2)  関数群で子プロセスを待った場合にのみ起きるべきだとしている。 標準とは異なるこの動作は Linux 2.6.9
+以降で修正されている。
 
-Linux では、
-.I buf
-引数に NULL を指定することができ、その場合は
-.BR times ()
-は単に関数の結果を返す。
-しかし、POSIX はこの振る舞いは規定されておらず、
-その他のほとんどの UNIX 実装は
-.I buf
-の値として非 NULL の値を要求する。
+Linux では、 \fIbuf\fP 引数に NULL を指定することができ、その場合は \fBtimes\fP()  は単に関数の結果を返す。
+しかし、POSIX はこの振る舞いは規定されておらず、 その他のほとんどの UNIX 実装は \fIbuf\fP の値として非 NULL の値を要求する。
 .LP
-.BR clock (3)
-も
-.I clock_t
-型の値を返すが、この値は
-.BR times ()
-で使用されるクロック tick 数ではなく、
-.B CLOCKS_PER_SEC
-が単位である点に注意すること。
+\fBclock\fP(3)  も \fIclock_t\fP 型の値を返すが、この値は \fBtimes\fP()  で使用されるクロック tick 数ではなく、
+\fBCLOCKS_PER_SEC\fP が単位である点に注意すること。
 
-Linux では、
-.BR times ()
-の返り値を計算する起点となる「過去の任意の時点」は、カーネルのバージョン
-により異なる。
-Linux 2.4 以前では、この時点はシステムが起動した瞬間である。
-Linux 2.6 以降では、この時点はシステム起動時刻の \fI(2^32/HZ) \- 300\fP
-(および 4億2900万) 秒前である。
-このようにカーネルバージョン (や UNIX の実装) により異なることと、
-返り値が
-.I clock_t
-の範囲をオーバーフローする可能性があるという事実を考慮すると、
-移植性が必要なアプリケーションではこの値を使うのは避けるのが賢明であろう。
-経過時間を測りたい場合には、代わりに
-.BR gettimeofday (2)
-を使用すること。
 .\" .PP
-.\" 古いシステムでは一秒あたりのクロック数は HZ 変数で与えられる。
+.\" On older systems the number of clock ticks per second is given
+.\" by the variable HZ.
+Linux では、 \fBtimes\fP()  の返り値を計算する起点となる「過去の任意の時点」は、カーネルのバージョン により異なる。 Linux 2.4
+以前では、この時点はシステムが起動した瞬間である。 Linux 2.6 以降では、この時点はシステム起動時刻の \fI(2^32/HZ) \- 300\fP
+(および 4億2900万) 秒前である。 このようにカーネルバージョン (や UNIX の実装) により異なることと、 返り値が \fIclock_t\fP
+の範囲をオーバーフローする可能性があるという事実を考慮すると、 移植性が必要なアプリケーションではこの値を使うのは避けるのが賢明であろう。
+経過時間を測りたい場合には、代わりに \fBgettimeofday\fP(2)  を使用すること。
 .SS 歴史
-SVr1-3 では
-.I long
-を返し、構造体のメンバに
-.I time_t
-型を使っていたが、紀元からの秒数ではなくクロック数を格納していた。
-V7 では構造体のメンバに
-.I long
-型を使っていた。まだ
-.I time_t
-型がなかったからである。
+SVr1\-3 では \fIlong\fP を返し、構造体のメンバに \fItime_t\fP 型を使っていたが、紀元からの秒数ではなくクロック数を格納していた。
+V7 では構造体のメンバに \fIlong\fP 型を使っていた。まだ \fItime_t\fP 型がなかったからである。
 .SH バグ
-いくつかのアーキテクチャ (特に i386) における Linux のシステムコールの慣習の
-制限により、Linux 2.6 では起動直後は (41秒と) タイムウィンドウが小さく、
-.BR times ()
-がエラーが起こったことを示す \-1 を間違って返すことがある。
-返り値が
-.I clockid_t
-が格納可能な最大値を超過した際にも同じ問題が起こり得る。
 .\" The problem is that a syscall return of -4095 to -1
 .\" is interpreted by glibc as an error, and the wrapper converts
 .\" the return value to -1.
 .\" http://marc.info/?l=linux-kernel&m=119447727031225&w=2
 .\" "compat_sys_times() bogus until jiffies >= 0"
 .\" November 2007
+いくつかのアーキテクチャ (特に i386) における Linux のシステムコールの慣習の
+制限により、Linux 2.6 では起動直後は (41秒と) タイムウィンドウが小さく、
+\fBtimes\fP() がエラーが起こったことを示す \-1 を間違って返すことがある。 返り値
+が \fIclock_t\fP が格納可能な最大値を超過した際にも同じ問題が起こり得る。
 .SH 関連項目
-.BR time (1),
-.BR getrusage (2),
-.BR wait (2),
-.BR clock (3),
-.BR sysconf (3),
-.BR time (7)
+\fBtime\fP(1), \fBgetrusage\fP(2), \fBwait\fP(2), \fBclock\fP(3), \fBsysconf\fP(3),
+\fBtime\fP(7)