.\" Software Foundation, Inc., 59 Temple Place, Suite 330, Boston, MA 02111,
.\" USA.
.\"
-.\" Japanese Version Copyright (c) 2004 Yuichi SATO
-.\" all rights reserved.
-.\" Translated Sun Sep 12 05:05:19 JST 2004
-.\" by Yuichi SATO <ysato444@yahoo.co.jp>
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-.TH WORDEXP 3 2008-07-14 "" "Linux Programmer's Manual"
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+.\"*******************************************************************
+.TH WORDEXP 3 2008\-07\-14 "" "Linux Programmer's Manual"
.SH 名前
wordexp, wordfree \- posix シェルのように単語の展開を行う
.SH 書式
-.B "#include <wordexp.h>"
+\fB#include <wordexp.h>\fP
.sp
-.BI "int wordexp(const char *" s ", wordexp_t *" p ", int " flags );
+\fBint wordexp(const char *\fP\fIs\fP\fB, wordexp_t *\fP\fIp\fP\fB, int \fP\fIflags\fP\fB);\fP
.sp
-.BI "void wordfree(wordexp_t *" p );
+\fBvoid wordfree(wordexp_t *\fP\fIp\fP\fB);\fP
.sp
.in -4n
-glibc 向けの機能検査マクロの要件
-.RB ( feature_test_macros (7)
-参照):
+glibc 向けの機能検査マクロの要件 (\fBfeature_test_macros\fP(7) 参照):
.in
.sp
-.BR wordexp (),
-.BR wordfree ():
-_XOPEN_SOURCE
+\fBwordexp\fP(), \fBwordfree\fP(): _XOPEN_SOURCE
.SH 説明
-関数
-.BR wordexp ()
-はシェルのように文字列
-.I s
-を展開し、
-.I p
-で指し示す構造体に結果を返す。
-データ型
-.I wordexp_t
-は少なくともフィールド
-.IR we_wordc ,
-.IR we_wordv ,
-.I we_offs
-を持つ構造体である。
-フィールド
-.I we_wordc
-は
-.I size_t
-であり、
-.I s
-を展開した結果に単語がいくつあるかを表す。
-フィールド
-.I we_wordv
-は
-.I char **
-であり、見つかった単語の配列を指し示す。
-.I size_t
-型のフィールド
-.I we_offs
-は、
-.I we_wordv
-配列にある初期要素のうちいくつが
-NULL で埋められるべきかを表すのに使われたりする
-.RI ( flags
+関数 \fBwordexp\fP() はシェルのように文字列 \fIs\fP を展開し、 \fIp\fP で指し示す構造体に結果を返す。 データ型
+\fIwordexp_t\fP は少なくともフィールド \fIwe_wordc\fP, \fIwe_wordv\fP, \fIwe_offs\fP を持つ構造体である。
+フィールド \fIwe_wordc\fP は \fIsize_t\fP であり、 \fIs\fP を展開した結果に単語がいくつあるかを表す。 フィールド
+\fIwe_wordv\fP は \fIchar **\fP であり、見つかった単語の配列を指し示す。 \fIsize_t\fP 型のフィールド \fIwe_offs\fP
+は、 \fIwe_wordv\fP 配列にある初期要素のうちいくつが NULL で埋められるべきかを表すのに使われたりする (\fIflags\fP
により決定される。下記を参照。)。
.LP
-関数
-.BR wordfree ()
-は割り当てたメモリを再度解放する。
-より正確にいうと、この関数はその引き数を解放するのではなく、
-配列
-.I we_wordv
-とそれが指し示す文字列を解放する。
-.SS "文字列引き数"
-この展開はシェルによるコマンドのパラメータの展開
-.RB ( sh (1)
-を参照) と同じであるので、文字列
-.I s
-はシェルコマンドパラメータで不正とされる文字を含んではならない。
-特にエスケープされていない改行、|, &, ;, <, >, (, ), {, } 文字を
-コマンド置換やパラメータ置換の場面以外に含めてはならない。
+関数 \fBwordfree\fP() は割り当てたメモリを再度解放する。 より正確にいうと、この関数はその引き数を解放するのではなく、 配列
+\fIwe_wordv\fP とそれが指し示す文字列を解放する。
+.SS 文字列引き数
+この展開はシェルによるコマンドのパラメータの展開 (\fBsh\fP(1) を参照) と同じであるので、文字列 \fIs\fP
+はシェルコマンドパラメータで不正とされる文字を含んではならない。 特にエスケープされていない改行、|, &, ;, <, >, (,
+), {, } 文字を コマンド置換やパラメータ置換の場面以外に含めてはならない。
.LP
-引き数
-.I s
-にクォートしていないコメント文字 # で始まる単語が含まれている場合には、
-その単語とそれ以降の単語が無視されるか、
-それとも # がコメント文字として扱わないかは、規定されていない。
-.SS "展開"
-実行される展開は、以下の段階で構成される:
-チルダ展開 (~user を user のホームディレクトリに置き換える)、
-変数展開 ($FOO を環境変数 FOO の値に置き換える)、
-コマンド展開 ($(command) または \`command\` を command の出力で置き換える)、
-算術展開、フィールド分割、ワイルドカード展開、クォートの除去。
+引き数 \fIs\fP にクォートしていないコメント文字 # で始まる単語が含まれている場合には、 その単語とそれ以降の単語が無視されるか、 それとも #
+がコメント文字として扱わないかは、規定されていない。
+.SS 展開
+実行される展開は、以下の段階で構成される: チルダ展開 (~user を user のホームディレクトリに置き換える)、 変数展開 ($FOO
+を環境変数 FOO の値に置き換える)、 コマンド展開 ($(command) または \`command\` を command
+の出力で置き換える)、 算術展開、フィールド分割、ワイルドカード展開、クォートの除去。
.LP
-特殊なパラメータ ($@, $*, $#, $?, $\-, $$, $!, $0) の
-展開結果は規定されていない。
+特殊なパラメータ ($@, $*, $#, $?, $\-, $$, $!, $0) の 展開結果は規定されていない。
.LP
-フィールド分割は環境変数 $IFS を用いて行われる。
-この環境変数が設定されていない場合、
-フィールド区切り文字はスペース・タブ・改行である。
-.SS "出力される配列"
-配列
-.I we_wordv
-は見つかった単語をを含み、最後に NULL が続く。
+フィールド分割は環境変数 $IFS を用いて行われる。 この環境変数が設定されていない場合、 フィールド区切り文字はスペース・タブ・改行である。
+.SS 出力される配列
+配列 \fIwe_wordv\fP は見つかった単語をを含み、最後に NULL が続く。
.SS "flags 引き数"
-.I flags
-引き数は以下の値のビット包含的 OR である:
-.TP
-.B WRDE_APPEND
+\fIflags\fP 引き数は以下の値のビット包含的 OR である:
+.TP
+\fBWRDE_APPEND\fP
見つかった単語を前回の呼び出し結果の配列に追加する。
-.TP
-.B WRDE_DOOFFS
-初期状態である
-.I we_offs
-個の NULL を配列
-.I we_wordv
-に挿入する (これらは返される
-.I we_wordc
+.TP
+\fBWRDE_DOOFFS\fP
+初期状態である \fIwe_offs\fP 個の NULL を配列 \fIwe_wordv\fP に挿入する (これらは返される \fIwe_wordc\fP
にはカウントされない)。
-.TP
-.B WRDE_NOCMD
+.TP
+\fBWRDE_NOCMD\fP
コマンド置換を行わない。
-.TP
-.B WRDE_REUSE
-引き数
-.I p
-は前回の
-.BR wordexp ()
-の呼び出し結果であり、
-.BR wordfree ()
-が (まだ) 呼び出されない。
+.TP
+\fBWRDE_REUSE\fP
+引き数 \fIp\fP は前回の \fBwordexp\fP() の呼び出し結果であり、 \fBwordfree\fP() が (まだ) 呼び出されない。
割り当てられた領域を再利用する。
-.TP
-.B WRDE_SHOWERR
-通常はコマンド置換のときに
-.I stderr
-が
-.I /dev/null
-にリダイレクトされる。
-このフラグは
-.I stderr
+.TP
+\fBWRDE_SHOWERR\fP
+通常はコマンド置換のときに \fIstderr\fP が \fI/dev/null\fP にリダイレクトされる。 このフラグは \fIstderr\fP
をリダイレクトしないように指定する。
-.TP
-.B WRDE_UNDEF
+.TP
+\fBWRDE_UNDEF\fP
未定義のシェル変数を展開しようとした場合に、エラーとして扱う。
.SH 返り値
-成功した場合は 0 が返される。
-エラーの場合は以下の 5 つの値のうちの 1 つが返される。
-.TP
-.B WRDE_BADCHAR
+成功した場合は 0 が返される。 エラーの場合は以下の 5 つの値のうちの 1 つが返される。
+.TP
+\fBWRDE_BADCHAR\fP
改行または |, &, ;, <, >, (, ), {, } のうちの 1 つが不正に出現した。
-.TP
-.B WRDE_BADVAL
-未定義のシェル変数が参照され、かつ
-.B WRDE_UNDEF
-フラグでこれをエラーとして扱うように指示されている。
-.TP
-.B WRDE_CMDSUB
-コマンド置換が起こり、かつ
-.B WRDE_NOCMD
-フラグでこれをエラーとして扱うように指示されている。
-.TP
-.B WRDE_NOSPACE
+.TP
+\fBWRDE_BADVAL\fP
+未定義のシェル変数が参照され、かつ \fBWRDE_UNDEF\fP フラグでこれをエラーとして扱うように指示されている。
+.TP
+\fBWRDE_CMDSUB\fP
+コマンド置換が起こり、かつ \fBWRDE_NOCMD\fP フラグでこれをエラーとして扱うように指示されている。
+.TP
+\fBWRDE_NOSPACE\fP
メモリが足りない。
-.TP
-.B WRDE_SYNTAX
-対応する括弧がない、クォートが合致しないといった、
-シェルの書式エラー。
+.TP
+\fBWRDE_SYNTAX\fP
+対応する括弧がない、クォートが合致しないといった、 シェルの書式エラー。
.SH バージョン
-.BR wordexp ()
-と
-.BR wordfree ()
-は、バージョン 2.1 以降の glibc で提供されている。
+\fBwordexp\fP() と \fBwordfree\fP() は、バージョン 2.1 以降の glibc で提供されている。
.SH 準拠
-POSIX.1-2001.
+POSIX.1\-2001.
.SH 例
-以下のサンプルプログラムの出力はだいたい "ls [a-c]*.c" と同じになる。
+以下のサンプルプログラムの出力はだいたい "ls [a\-c]*.c" と同じになる。
.LP
.nf
#include <stdio.h>
char **w;
int i;
- wordexp("[a-c]*.c", &p, 0);
+ wordexp("[a\-c]*.c", &p, 0);
w = p.we_wordv;
for (i = 0; i < p.we_wordc; i++)
printf("%s\en", w[i]);
}
.fi
.SH 関連項目
-.BR fnmatch (3),
-.BR glob (3)
+\fBfnmatch\fP(3), \fBglob\fP(3)